健康楽園。

健康に関する情報・提案を主にする。

日曜日に「日曜日たち」。

2007-08-19 | 読んでみた。finding.
芥川賞・山本周五郎賞を受賞した、吉田修一さん。
とっても、語り口が上手い作家さんだと感じました。
・日曜日のエレエベーターに始まり、日曜日の被害者、日曜日の新郎たち、・・・日曜日たち、と、独立した短編が続きます。
一見・なんにも関係のない、つながりも無い物語なんですが、2作目を読むと、1作目に登場する、幼い兄弟(失踪したお母さんを訪ねて、家出してきている)が、二作目にも、場面で登場して、なんか、狂言廻しの役割を持っていると、気付かされてきます。
巧みだなーーーーーって関心。
独立した物語の連続であって、母親探しの腹を空かせた幼い兄弟が、主役になって、おのおのの物語に、顔を出してきます。
医学部に通う韓国人女性と知らないで、付き合っている男、その気持ちのすれ違い、・・フィアンセを交通事故で亡くした男に、職人の父親が訪ねてくる、・・
そこには、必ず2人の子供が立っています。
最後の短編「日曜日たち」。そこには職業自立センターに務めようとする女性が主人公として登場します。
そこには、自立センターに入っている、弟がいと、・・左官になって自立している兄がセンターにやってくる。
そして、主人公は、昔・幼かったころの兄弟と、確認できました。
最後につぶやきます・「嫌なことばっかりだったわけではない!!!」・と。
人と人との繋がりの難しさ・希薄さ・重さを鋭く描いて、
ほのぼのとした再生の物語です。、
コメント
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