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nav-u NV-U75 vs エアーナビ レビュー(6)

2009-12-20 00:48:22 | 位置情報・地図


 nav-u NV-U75 の購入レビューの6回目。
 今回は、ナビゲーションについての前編。

<自車位置補足精度・マップマッチング・自律測位>

 問題無い精度だと感じている。空が普通に見えている場所なら、Mio P560 のような SiRFstarIII(海外製の多くの PND に搭載されている GPS 受信チップで高感度であることが特長) 搭載 PND と比較しても遜色はなさそうだ。

 前回のレビューに記載したように、GPS感度も良好で、普通に走っているときには問題ない。GPS測位ができなくなるのはトンネルくらいだ。トンネルから出たときの再測位も2-3秒と早く、問題はない。再測位までの時間は NV-U75 の方がエアーナビよりも短い。
 マップマッチングも適切であり、問題はない。
 ここまでは両者に圧倒的な差異は無く、GPSが使えるときの自車位置の補足精度に関しては両者ともに不満は無い。

 大きな差が出るのが、トンネルなどGPSによる測位が失敗するようなケースだ。AVIC-T10、NV-U75ともにジャイロセンサー・加速度センサーによる自律測位機能を持っていて、トンネル内でも自車位置の更新が可能だ。
 なおPNDの一部には、トンネル進入時の速度と向きとでしばらく自車位置の更新を続けるものがある。このようなPNDの場合、トンネルに入ってから停止したり曲がったりすると追従できないので、注意が必要だ。

 さて、エアーナビもnav-uも発売当時から自律測位を売りにするPNDであったが、NV-U75は以前の機種に比べてこの自律測位機能が向上しているという。ということで、両者に差が出たケースを記載しておきたい。
 まず、木更津から川崎方面に、アクアトンネルを走行した。アクアトンネルは全長9.6km。そのほぼ中間に「風の塔」がある。風の塔を過ぎるとき、NV-U75はほぼぴったり。AVIC-T10は900mほど手前を示していた。
 その後AVIC-T10は残り3.3kmを表示した地点で自車位置更新がストップした。NV-U75は正確に自車位置更新を続けた。アクアトンネルを抜けるとすぐに川崎浮島JCTだが、NV-U75は問題なく案内できたのに対し、AVIC-T10は再測位も間に合わず、JCTでの案内はできなかった。

 次に、首都高横羽線を石川町JCTから金港JCTに向けて走行した。石川町JCT通過後トンネルを断続的に通過する。AVIC-T10は途中で測位が飛んで一般道に移ってしまったが、NV-U75は正確に自車位置更新を続けた。なおNV-U75の測位ログを見ると石川町JCT直後のトンネルからみなとみらいの出入口付近まで不安定であるが、Position Plus GTとの組み合わせで、正しい位置を表示しているようだ。

 その他にも、首都高でトンネルが続くような場所で、AVIC-T10が正しく位置を更新できないようなケースでも、NV-U75は正しく自車位置を更新し続けた。
 これまでエアーナビの自律測位は「有ると無いとでは大違い」と考えて便利に使っていたが、優秀なnav-uの自律測位を前にしては見劣りしてしまう。
 ただしそうは言っても、NV-U75の測位も完全では無いようで、トンネルで大きなズレが見られたり、首都高走行中に不意に一般道に飛ぶこともあった。これらの現象は頻繁に起こっているものではないので、もうしばらく様子を見ていきたい。


<地図縮尺>

 NV-U75 の地図表示は縮尺25m~800km。AVIC-T10 は50m~500km。ただし以前記載したように、 NV-U75 の50mとAVIC-T10の50mではnav-uの方が倍に近いくらい詳細だ(かつnav-uの尺表示が実際と合っていないように感じる)。NV-U75はAVIC-T10よりも拡大しての地図表示が可能だ。
 さらにNV-U75は8GBの内蔵メモリに広範囲に渡る詳細地図を格納しているため、地図の拡大表示はとても有用に使うことができる。

 わたしの場合、nav-uでの一般道での常用縮尺は、画面を2分割にして100mと500mだ。
 AVIC-T10での常用は100mもしくは200m。込み入ったところでは100m、通常は200mという使い方だ。200mでも細街路の大部分が表示できるので、迷うようなところでなければ200mで問題ない。
 nav-uで500mに設定すると、AVIC-T10の200mよりも若干広い範囲を表示できる。300mではAVIC-T10と比較しちょっと狭い範囲になるという印象だ。

 しかしnav-uの500m設定では細街路はおろか、比較的太い道でも一部が表示されなくなってしまう。300m縮尺にすれば細街路以外は大体表示されるのだが、上に記載したように表示範囲がちょっと狭い。細街路の大部分(全てでは無い)を表示させるためには200m縮尺とする必要がある。より拡大して100mにすると市街地図表示ができる。
 NV-U75では1画面の地図では広い範囲を見つつ細街路を見るということができない。ということでわたしは、広い範囲を見渡すために右側を500m縮尺、細街路なども含めて確認するために左側を100m縮尺とした。

 なお、一般道で使っている色数にもエアーナビとnav-uとでは違いがある。
 nav-uでは高速道(青)、国道(赤)、主要都道府県道(青)、それ以外(グレー)。グレーの道路でも、比較的太い道路と細街路は線の太さで表現されている。
 エアーナビは高速道(青)、国道(赤)、主要都道府県道(青)、その他比較的主要な?道路(黄)、それ以外の道路(グレー)。グレーの道路でも、比較的太い道路と細街路は線の太さで表現されている。

 エアーナビでは、細街路が比較的広域側の地図(200m)でもできる。また道路に割り当てられた色数が1色多い。液晶サイズは5.8型と大型でWVGAの精細な液晶ディスプレイを搭載していて、見やすい。
 nav-uで細街路を表示するには上で記載したように200m縮尺(=エアーナビではほぼ100m相当)にしないと見えない。液晶サイズは4.8型とちょうどよい大きさだが、WQVGA液晶なのでエアーナビと比較すると精細さに欠ける。
 これらのことから、地図表示についてはエアーナビの方が見やすい。

 縮尺ではないが、地図表示関係でもう1つ。
 エアーナビでは、現在地の住所が表示される。nav-u ではそれはできない。


<肝心のナビゲーション機能(概要)>

 購入後1200kmほど走行したが、十分に使用に耐えうると思う。知らない場所・首都高・名古屋高速・一般的な高速・山道などを走ってみたが、特に迷うこともなくスムーズに走行できた。ただし再三書いているように、高速分岐の案内のみに改善していただきたい点はある。
 以下、詳しく書いてみたい。


<音声案内>

 まず、音声案内の頻度についてだ。交差点を曲がるなどして新たな交差点など案内する地点が設定されると、その案内地点の音声案内が流れる。これを除くと、

 高速 - 2km, 1km, 300m。分岐で曲がる場合は推奨レーンが案内される。
 一般道 - 750m, 450m, 100m。
となる。高速では300mが、一般道では100mが「まもなく」の案内となる。

 ここでの比較対象のAVIC-T10では、
 高速 - 2km, 1km, 700m, 分岐時点(?要確認)。分岐で曲がる場合は推奨レーンが案内される。
 一般道 - 500m, 200m, 分岐時点。
となる。高速では700mが、一般道では200mが「まもなく」の案内となる。
 エアーナビの分岐時点での案内はアップデートで追加されたものだが、結構使いやすい。たまに「この交差点で曲がるの?」と迷うことがあるが、この分岐時点での案内はほぼ正確で、助かる。
 エアーナビの一般道音声案内は500m手前からしか始まらず、当初は不便に感じていたが、最近では慣れてしまった。

 音声案内については基本的な部分は上のとおりで、ここまでは AVIC-T10 と NV-U75 の間に大きな差異は無い。が、細かいところで NV-U75 の方が使いやすい点があるので、記載しておきたい。

1.NV-U75は、案内中に「現在地」ボタンを押すとその場所の距離に応じた音声案内を行う。
2.エアーナビは、高速であれば案内地まで2kmを切った場合、決められた距離(高速では2km, 1km, 700m)でしか音声案内を行わないようだ。NV-U75では2km, 1km 300mの制限によらず、音声案内が入る。

 1の点は、(そういうことが頻繁にあるとは思わないが)案内の内容を忘れたなどの場合に、聞きなおすことができる機能だ。もちろん案内の内容は、案内地点までの距離に応じた内容になっている(例えば「9km先左方向です」のアナウンスが出てから1km進んで現在地ボタンを押すと「8km先左方向です」と案内する)。

 2の点は、交差点が連続したときに差が出る。例えば都市高速でジャンクションの通過後1.5km先に次のジャンクションがあったとする。
 NV-U75では1つ目のジャンクションを通過した直後に「この先1.5km先・・・」と音声案内が入る。
 AVIC-T10の場合、音声案内が入るのは1km手前だ。
 比べて使ってみると、この差は大きい。

 音声案内に限ったものではないが、高速道路でのNV-U75とAVIC-T10の案内の差として、もう1つ挙げておきたいことがある。それは、案内箇所までの距離が、NV-U75の方がAVIC-T10と比較して短く表示されることだ。というより、AVIC-T10が実際に比べて遅れていると思う。これは、元々案内地点が後ろなのか、位置更新の間隔が長いのか、位置の表示が遅れているのか、よく分からない。
 これにより、AVIC-T10の案内はNV-U75の案内よりも、場合によっては100m以上遅れてしまう。

 高速走行中、降りないICやSA/PAの分岐で「直進」「右方向」という案内は、AVIC-T10, NV-U75 ともに無い(AVIC-T10 は初期バージョンではこのような案内があったのだが、バージョンアップにより無くなった)。


 音声案内についてのもう1つのトピックは、高速でのジャンクション案内をどのように案内するか、だろう。これについてはレビューでも何度か触れたが、
・NV-U75 - 分岐で直進する場合でも、左の枝道があれば「右方向」などと案内することがある。ただし必ずしもそういう訳ではなく、例えば写真に示した鶴ヶ島JCTの直進は、直進と案内する。
・AVIC-T10 - 分岐で直進する場合は、枝道が左右どちらでも正しく「直進」と案内する。
となっている。
 これは、AVIC-T10 の優れた点の1つだと思う。わたしの場合、首都高のような混雑した都市高速ではできるだけ余計な車線変更はしたくない。だから、枝道に分岐するのか、分岐せずに直進なのかは大きな違いだ。まぁ1km手前になればイラスト表示で直進か分岐かは分かるのだが、早く分かればそれに越したことはない。

 ただ、上で記載したような都市高速で案内が連続するケースでは事情が異なる。2km以内にJCTが連続すると、エアーナビでは2つ目のJCTに対する2km手前の音声案内がされない。また、エアーナビはnav-uと比較して案内が遅れる傾向にある。これらのことから、nav-uによる1km手前のイラスト表示によってはじめて、直進なのか分岐なのかが分かるケースが何度もあった。
 次の項で記載するが、エアーナビはハイウェイ表示時、次の案内地点での分岐方向表示が無い。これがあれば、エアーナビもより使いやすくなると思う。


 高速道路の料金所音声案内については、NV-U75、AVIC-T10 ともにある。


<ハイウェイ表示機能>

 ここでは、高速道路のハイウェイ表示について見てみたい。

 NV-U75 の場合は、3つ先までの施設案内が表示される。表示される情報は、施設までの距離と予想時間、次の案内地点での分岐方向。またSA/PAについては、ガソリンスタンドがある場合は系列も含めて表示される。なお降りるICまでの距離や時刻は表示されない。

 AVIC-T10 の場合は、2つ先までの施設案内が表示される。表示される情報は、施設までの距離と予想時間。また掲載した写真には無いが、SA・PAについてはアイコンで施設情報も表示される。また、降りるICまでの距離と予想時刻が表示される。なお、次の案内地点での分岐方向表示は無い。

 どちらが使いやすいかと言われれば好みの問題なのだが、わたしの場合は3つ先の施設案内が表示される NV-U75 の方が使いやすい。ただ NV-U75 では降りる IC が表示されず、分かりづらい点もある。
 AVIC-T10は2つ先の施設までしか表示されない点と、次の案内地点での分岐方向が表示されない点が、難点だ。
 両者のいいところを合わせれば、使いやすいものができそうなのだが。


<分岐画面・車線案内表示>

 ここでは、音声案内と併せてナビゲーション中に常用する機能の、交差点などでの分岐画面・車線案内表示について見てみたい。

 まず高速の場合。

 NV-U75 では、2km 手前では音声案内のみ。1km 手前からイラスト表示に切り替わる。ゼンリン地図を用いたナビでよく見る、実際の風景に似通った表示だ。
 左側にハイウェイモード表示、右側に地図が表示されている。イラスト表示時は左側に表示され、右側は地図が表示されたままだ。

 AVIC-T10 では、2km 手前で JCT 案内が文字表示される。1km 手前からイラスト表示に切り替わる。AVIC-T10 のジャンクション案内は NV-U75 に比べるとシンプルではあるが、情報量に不足は無い。一部の高速では分岐の直後に分岐があるケースがあるが、その場合はイラストにも反映される(これはかなり使いやすい)。
 高速走行中はハイウェイモード表示で、左側にハイウェイ表示、右側に地図が表示されている。イラスト表示や案内地点の拡大時は、左側に地図表示、右側にイラストや拡大地図が表示される。
 AVIC-T10 ではイラスト表示が出るときに、地図が右側から左側に移動する。これは不自然であり、NV-U75 の方が分かりやすいだろう。

 次いで一般道。
 まず、交差点拡大表示・車線案内と方面看板表示についだ。

 NV-U75 で案内地点で曲がるとき、分岐のイラストがある場合や方面看板がある場合は 450m 手前で表示される。レーン案内は300m手前だ。
 交差点拡大表示は、基本的には450mで比較的広域(縮尺200mくらい?)て表示される。100m手前で拡大され、縮尺50mくらいになる。なお方面看板表示がある場合は450m~100mの間は方面看板が表示され、100m手前で交差点拡大表示となる。分岐がイラスト表示される場合、交差点の拡大表示はされない。

 AVIC-T10 で案内地点で曲がるとき、曲がる交差点での車線案内や方面看板表示は 500m 手前で表示される。300m 手前になると交差点拡大表示となる。拡大した画面は50m縮尺のようだ。交差点の位置が若干下寄りであることもあり、最初は自車位置が拡大画面内に表示されない。

 NV-U75 では直進する交差点の場合、レーン案内がある場合は300m手前から表示される。このとき交差点名は表示されない。また方面看板は表示されない。レーン案内は1つ先のものしか表示されない。

 AVIC-T10 では直進する交差点の場合、レーン案内や方面看板が、200-300m手前で表示される。交差点名の表示がある。レーン案内は1つ先のものしか表示されない。

 NV-U75 は交差点でのレーン案内時に交差点名が表示されない、直進時に方面看板が表示されないなど、情報量が少なめに感じる。また特にイラストが表示される場合、交差点拡大表示がされない。この点 AVIC-T10 は画面の大きさを活かし、NV-U75 と比較すると多くの情報を提供してくるので、使いやすい。

 以下にいくつか写真を掲載しているが、エアーナビのものは AVIC-T10 のVer2.0版だ。



(埼玉県川越市。上:NV-U75, 下:AVIC-T10)


(NV-U75 レーン案内。この地点のレーン案内は AVIC-T10 にはない)



(上:NV-U75, 下:AVIC-T10。この地点での方面案内は NV-U75 にはない)


(交差点拡大表示。NV-U75)



(交差点拡大表示。上:NV-U75, 下:AVIC-T10)



(高速道路上。上:NV-U75, 下:AVIC-T10)


(2km先のジャンクション案内。AVIC-T10)



(ジャンクション・ランプ案内。上:NV-U75, 下:AVIC-T10)

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