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nav-u NV-U75 vs エアーナビ レビュー(4)

2009-12-04 05:59:47 | 位置情報・地図


 nav-u NV-U75 の購入レビューの4回目。
 今回は、実際に使ってみてのファーストインプレッションなど。購入してから1200kmくらい走行してみた。

 最初に結論だが、一点を除けば、かなり良くできた PND だと感じた。満足度は高い。

 その一点とは、高速道路のジャンクション音声案内で、直進を右方向・左方向と案内することがあることだ。1km手前で表示されるイラストでは明らかに直進なのに、それを右や左と音声案内してくる。ただ直進と案内する場所もあり、何が違うのかはよく分からない。細かい点かもしれないが、エアーナビは正確に案内していただけに、わたしにとっては気になる点だ。

 特に優れている点は、Position Plus GT だろう。購入当初こそ高速道のトンネルでずれがあったものの、その後東京湾アクアラインのアクアトンネル(9.6km)や首都高のトンネルでは満足できる精度で追従してきて、非常に驚いた。この精度があれば車速センサは不要に感じた。

 気になる点というのは他にもあるが、どうしても困るというものではない。
 エアーナビ AVIC-T10(アップデート済で、AVIC-T20相当版)と nav-u NV-U75 / NV-U75V を比較した場合、「PNDで買うとしたらどちらがよい?」と訪ねられれば「nav-u NV-U75かNV-U75V」と答えるだろう。


 良い点の主なものは、
・Position Plus GTによる自律航法は、かなり使えるレベル。
・レスポンスが良い。
・コンパクトで軽い。
・2画面表示ができる。
・詳細地図が充実している。
・マップマッチングされない、徒歩モードがある。
・徒歩モードでは電子コンパスが使える。
・施設名称検索で、都道府県の指定が不要。
・オートディマーがあり、液晶明るさの自動調節が可能。
・クレードルへの着脱は容易。
・クレードルの車への取り付けは容易。
・パーキングブレーキ結線不要。
・液晶がクリア。
・交差点の拡大図がエアーナビよりも拡大されている。
・ナビゲーションの性能は満足できるレベル。
・高速でジャンクションが連続しても、ジャンクションを過ぎたら次のジャンクションを確実に案内してくる。
・電池がエアーナビよりももつ。
・専用ケースに入れれば、電源スイッチの誤投入は無さそう。

 悪い点の主なものは、
・高速道路のジャンクション音声案内で、直進を右や左と案内することがある。
・グレアパネルであり、液晶の反射が気になる。
・液晶の解像度が低いため地図などの情報量が少ない。
・本体への電源供給プラグとクレードルへの電源供給プラグの形が異なる。
・ケータイとの連携は現状 au に限られる。
・ルート探索にちょっと時間がかかる。
・地図に無い林道があった。エアーナビでは存在する。(ゼンリン地図とインクリメントP地図の差と思われる)
・ジャンクションの音声方面案内が煩雑。
・首都高を運転中、平行する一般道にナビの現在位置が移動してしまったことがあった。(これはたまたまだったのか、追試が必要)


 気になる点として、高速道路のジャンクション音声案内についてもう少し書いておきたい。
 エアーナビは何度も書いてきたように秀逸で、分岐のイラストと音声案内の内容はまず一致している。
 首都高のような都市高速は(わたしにとっては)分岐が複雑だ。車が多く車線変更も楽ではなく、また分岐が連続することも多い。このときに「xxメートル先左方向、その先右方向」と、「xxメートル先直進、その先右方向」では車線の取り方が変わってくる。わたしにとってはエアーナビの案内の方が望ましい。
 ケータイナビもいくつか試したが、インクリメントPのMapFanナビークルのみはエアーナビと同じように、分岐を正しく音声案内していた。インクリメントPはパイオニアのグループ企業で地図データは共通だ。正しい音声案内はパイオニアの地図の特長なのだろう。

 ジャンクション案内以外に気になった点は、「首都高を運転中、平行する一般道にナビの現在位置が移動してしまったことがあった」ことで、高架を走行中、その下を走る一般道に2度走行地点が移ってしまった。こういうときのために一般道と高速とを切り替える機能はあるが、これには操作が必要で望ましくはない。
 エアーナビでは特定バージョンで高速走行中に現在位置が大きく外れ一般道に現在位置が移ることがあったが、最新バージョンでは問題ない。
 nav-uでは現在位置が外れたようには感じなかった。Position Plus GT の上下方向のセンサーの調整が、うまくいっていないのかもしれない。

「本体への電源供給プラグとクレードルへの電源供給プラグの形が異なる」点は、使ってみてはじめて分かった。VICSのアクセサリをつける関係だと考えられるが、クレードルと本体とで供給する電圧が異なるため、プラグの形状が異なる。
 わたしの場合、車載でも都合でAC電源で給電することがあるのだが、そうすると本体側に電源ケーブルを接続する必要がある。取り外すときは電源ケーブルを抜く必要があり、ちょっと手間だ。

「グレア液晶」については、ソニーも承知で採用したのだろう。アクセサリの液晶保護シートで低反射タイプもあるので、気になればそれを使えばよさそうだ。わたしはせっかくなのでクリアタイプの保護シートを使用している。

 地図の情報量については、解像度が低いためか地図を広域気味にすると細街路が表示されなくなってしまい、この点を使いづらく感じている。ただ NV-U75 や NV-U75V は2画面表示ができるので、右側を広域、左側を詳細とすればカバーできそうだ。

 ケータイ連携については、今後のプラットフォームの拡張を期待している。内蔵された情報量も豊富でレスポンスも良いため、ケータイを使って検索する機会はそれほど無いかもしれない。それでも、ケータイ版PetaMapと連携できるようになれば、便利ではないだろうか。
 この点、ナビポータルとPC-ケータイ-カーナビ間で連携できるエアーナビは優れものだ。

 ルート検索に時間がかかるように感じる件は、継続して調査していきたい。

 地図に無い林道、についてはゼンリン地図の問題だろう。確認したところ、エアーナビの地図(インクリメントP)、昭文社地図、Yahoo!地図(旧アルプス)では描かれている道が、ゼンリン地図には載っていなかった。エアーナビでは当然ナビゲーション対象となる道だ。

 ジャンクションの音声方面案内が煩雑という件は、nav-uではジャンクションの音声案内時、案内看板の行く方向の内容を全て読み上げていると思っていただければよいだろう。特に都市高速においては看板にいろいろ書いてあることが多く、それを延々と読み上げるので長すぎて結局頭に入ってこない。


 気になる点を先に記載したが、NV-U75 はそれを吹き飛ばすような良い点が多くある。

 まずは冒頭で挙げた Position Plus GT。この精度はエアーナビをはるかに上回る。購入当初は高速のトンネルでズレがあったような気もしたが、アクアトンネルで試したときは気になるズレはなかった。学習しているのかもしれないが、詳細は不明だ。また nav-u はエアーナビと比較するとトンネルを抜けた後の再測位が早く、この点でも使いやすい。
 一度、PND でこのレベルまでできることを知ってしまっては、自律航法を持たない PND には戻りづらい。三洋ゴリラやPanasonicストラーダポケットと比較してどうなのか、興味のあるところだ。
 エアーナビは、以前の版ではもう少し精度が出ていたはずなのだが・・・ Ver2.0 にして、自律航法の精度が落ちたような気もする。

 次に、エアーナビと比較してレスポンスが良いこと。というより、この程度のレスポンスは当然で、エアーナビが悪すぎるのだろう。nav-u のレスポンスであれば、快適に使える。

 コンパクトで軽いこと。というより、エアーナビが大きく重過ぎる。nav-uはPanasonicストラーダポケットと同等のサイズで、この液晶サイズのPNDならば当然求められる本体サイズだと思う。

 2画面表示については、上に記載したようにこれによって地図の情報量をカバーすることができる。また分岐案内は無いものの迷うような交差点では、詳細地図を片側に常に出しておけば困らない。

 詳細地図が充実している点については、車での走行中も交差点拡大表示時に便利に使える。が、それよりも便利なのは、徒歩モード時だろう。
 徒歩モードは、詳細地図が充実していること、マップマッチングされないこと、電子コンパスが使えること、といった点から、とても使いやすいものとなっている。
 徒歩ナビならばケータイナビが充実している。しかしケータイナビは一般的に電子コンパスが搭載されておらず、加えて測位のバラツキを抑えるためにマップマッチングが効いていて、特にナビの開始時が使いづらい。歩き始めにどちらに向かってよいか分かりづらいし、仮に間違っていたとしてもマップマッチングが効いてしまって正しく移動しているように見えることがあるためだ。
 この点、nav-uは測位精度が良く、徒歩ナビ時はマップマッチングは無くとも十分な精度を持っていた。この精度があるから、詳細地図も有効に使うことができる。電子コンパスも精度良く、自分の向きがほぼ正確に分かる。これは便利だ。

 施設名称検索では、都道府県の指定が不要。そんなの当たり前、と思われるかもしれないが、エアーナビでは必要なのだ。なお nav-u でも部分一致検索(地域を絞り込んでの詳細な検索)をするときには都道府県の指定が必要となる。
 目的地がどの都道府県にあるかなんて、分からないことも多い。この点エアーナビのつくりは非常に不親切だ。

 オートディマーが搭載されている。PND で搭載されているのはゴリラと nav-u くらいだろうか? あれば便利だと思う。

 本体のクレードルへの着脱は容易で、クレードルの爪に引っ掛けてパチッとはめるタイプ。これはエアーナビも同様だ。

 クレードルの車への取り付けも容易。三洋やパナソニックを追従してきてはいるが、まだSONYには及ばないだろう。パイオニア・エアーナビはさらに及ばない。エアーナビは本体が重いので、このままでは追いつけないだろう。

 パーキングブレーキ結線は不要。これは PND であれば当然あるべき姿だと思う。エアーナビも同様に不要。三洋の姿勢は疑問だ。

 液晶がクリア。見栄えは良いが、カーナビに必須では無いだろう。このあたりは考え方の違いだ。

 交差点の拡大図がエアーナビよりも拡大されている。縮尺としては50m。エアーナビは同じく50m縮尺だが、nav-uの50mとエアーナビの50mではnav-uの方が倍に近いくらい詳細だ(nav-uの尺表示が実際と合っていないように感じる)。エアーナビではちょっと拡大が足りないように感じることもあったので、わたしにとってはこれくらいが望ましい。

 ジャンクションが連続した場合、ジャンクションを過ぎたら次のジャンクションを着実に案内してくる。基本的にジャンクション案内は2km-1kmと音声案内が入るが、ジャンクション通過後次のジャンクションまで1km~2kmの範囲にある場合でも、その距離で音声案内を入れてくる。
 これが、エアーナビではできないときがある。エアーナビは高速に入ると分岐方向が表示されない(これはたまに困る)ので、1kmの案内が出るまで次の分岐方向が分からない。
 こういうケースではnav-uの音声案内は助かり、かつnav-uのジャンクションイラストの方がエアーナビの音声案内よりも先に出ることもある。上でnav-uのジャンクション案内に文句を言いつつ、実はこのようなケースではnav-uの方が確実に案内してくる。

 電池がエアーナビよりも持つ。エアーナビにも電池は内蔵されているが持ちが悪く、外部電源をつけないとほぼ使えない。
 エアーナビは徒歩ナビを意識していることもあり、3h程度電池が持つ。旅の宿泊先などで次の日の予定を立てるにも、外部電源無しで使えそうだ。

 車で出かけた先で歩き回るとき、エアーナビは車に置いていきたくなる。重く嵩張るし、カバンに入れておくと知らない内に電源が入って電池残量がゼロになっていたりするからだ。またレスポンスも悪いので、外出時に何かを調べるために使おうという気にはならない。
 それに対して NV-U75 は、軽くコンパクトで、専用ケースに入れれば電源スイッチの誤操作もない。徒歩ナビにも有効だ。レスポンスも良いので外出先でいろいろ使う気にもなる。


 わたしは据え付け型フルナビはレンタカーくらいでしか使ったことが無いので比較はできないが、NV-U75 があればとりあえずドライブには困らないのではないだろうか?


 エアーナビユーザーの1人としての愚痴になってしまうが、エアーナビに対しては AVIC-T10 の発売当時から、大きく重くレスポンスが悪いというのが問題だと思い、当然後継機種では改善されるものと思ってきた。しかし実際の AVIC-T20 ではこの点は何も変わっていなかった。
 その間に、他社製の PND はここまで使いやすいものになっていた。振り返ってみると、nav-uはNV-U1の頃はメモリ容量も少なく大型であったが、後継機種の NV-U2 で大きく改善されたからこそ、今に至っている。
 コンセプトの違いと言ってしまえばそれまでかもしれないが、使い勝手は良いに越したことはない。
 エアーナビの通信連携は素晴らしいと今でも思ってはいる。が、それもレスポンスの悪さゆえに使い道が限られてしまっているのが残念だ。PC-ケータイ-ナビ間の登録情報連携と、渋滞情報取得以外は実質的には使えないと感じている。せっかくいろいろなスポット情報が通信経由で得られるのに、レスポンスの悪さゆえに使っていない。逆にnav-uでは、内蔵されたPetaMapの情報を早速何度が使っている。

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