爽やかな 風吹きぬける 春目覚め 水面顔出す 亀の恋かな
ひのひら ろくべえ
「屋烏の愛」という言葉がある。愛が深まると、そのひとに関係する物にまで
愛情が及ぶことの例え(広辞苑より)だそうな。つまり、人を愛するあまり、その
人の屋根に止まっている不吉な鳥である烏まで好きになってしまう(広辞苑より)
という意味らしい。確かに人を好きになるという事は、その人の頭の先から足の
先まで、小さな仕草までもが、好きになるという事であろう。という事は、多くの
人の良きことを見つけ、その人を好きになるという精神的なことが、人間関係も
左右するという事ではないだろうか。この言葉の反対側に「坊主憎駆れば袈裟
まで憎い」という諺がある。人に憎しみを持てば、その人が身につけてるものま
で、憎くなるという事であろう。という事は、自分の精神をどちらに置くかで、その
後の人間関係も変わってくるという事になる。小さな小さな情報によって相手を
判断し、嫌う事になることは、後の人間関係で、知らず知らずのうちに、損失を
していることにもなる。損失に気づかない人は、愚痴や不満ばかりを並べること
になってしまう。
逆に、相手の良き所に注目でき、相手を好きになると、その後の人間か関係も
良好に発展するという事になる。自分がどちらを選ぶかは自分次第だが、愉しく
人生を送ろうと思うと、自然どちらを選ぶかは決まり切ってくるのであろう。人を
深く知ることで、日常も愉しくなることを実感したいものである。