犯罪被害者の法哲学

犯罪被害・刑罰・裁判員制度・いじめ・過労死などの問題について、法哲学(主に哲学)の視点から、考えたことを書いて参ります。

法哲学レジュメ 「正義とは何か」

2010-01-16 00:08:00 | 国家・政治・刑罰
「正義とは何か」

● 一般的正義・・・・・・・・ 適法性  法とは徳を奨励し悪徳を禁止するもの

● 特殊的正義(均等)・・・・ ①分配的正義  ②矯正的正義  ③交換的正義

① 分配的正義
 二者をそれぞれふさわしい扱いをして、その価値に比例して扱う。
 幾何学的比例に即しての均等
 名誉や財貨とその他国民の間に分配されるものの分配における正義
 現代における重要な問題である。アリストテレスの原本を近現代に定式化を行う。

② 矯正的正義
 二者間の均等  随意的交渉と非随意的交渉
 算術的比例に即しての均等
 諸々の人間の交渉において矯正の役目を果たすところの正義
 随意的(販売・貸金・寄託・雇用等)
 非随意的(窃盗・誘拐・姦淫・暗殺・侮辱・殺人等)
 良き人が悪しき人から詐取しても、悪しき人が良き人から詐取しても、それは全く関係がない。
 法律が顧慮するのは、その害悪の差である。法はいずれも均等な人として扱う。
 ここでいう「正」とは、事前と事後との間の均等を保持するということにある。

③ 交換的正義
 アリストテレスは、均等正に即する正ではなく、比例に基づく応報的な正について語っている。
 比例的な対応給付として、大工による家屋と靴工による靴との取引の例が挙げられている。
 この箇所をもって、取引における交換的正義をアリストテレスが主張しているといい、
給付均衡論を展開する現代の研究者もいる。
 ただし、「交換的正義」の内容や位置づけは、見解が一致していない。


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 大学院の時の法哲学のレジュメです。このようなものを読むとすぐ眠くなっていたのですが、今でもやっぱり眠くなります。法哲学なんぞ実際に何の役にも立たない、抽象概念の遊びだという批判がありますが、その通りだと思います。