宇宙そのものであるモナド

生命または精神ともよびうるモナドは宇宙そのものである

『伊勢物語』(Cf. 在原業平825-880)「第35段 あわ緒」:交情が途絶えた後、「男」が女を誘う!だが「女」はおそらく《現実原則》に従い拒否or無視するだろう!

2022-01-14 13:32:49 | Weblog
むかし、「心にもあらで絶えたる人」(不本意に交情が途絶えた人)のもとに男が歌を贈った。

「玉の緒をあわ緒によりて結べれば絶えてののちもあはむとぞ思ふ」

私たちの魂(「玉の緒」)を、ゆるく撚ってまた結びやすい「あわ緒」に結んであるので、ふたりの間が途絶えた後も、切れたままにならず、また撚って結んで、逢うこともできると思います。

《感想1》昔から「縁は異なもの」と言う。男と女の関係が「心にもあらで絶え」ることは、少なくないだろう。
《感想1-2》交情が途絶えた後も、「男」は今も女が好きだ。ふたりの魂が「あわ緒」のように《また撚って結ぶ、つまり逢うこともできる》と、「男」が女を誘う。
《感想1-3》岸洋子 「恋心」は「恋は不思議ね 消えたはずの灰の中から 何故に燃える」と歌うが、これは「女」の心だ。
《感想1-3》このような「男」と「女」だったら、ふたりは交情を復活し「あふ」(逢う)ことができるだろう。

《感想2》だが「女」は確固とした《現実》のうちに暮らす。仮にかつての「男」と再び会いたいと秘かに思ったとしても、「女」は《現実原則》に従うだろう。(※フロイトの《現実原則》:現実生活に適応するため、快楽を追い求める本能的欲求をあきらめる自我の働き。⇔《快楽原則》。)
《感想2-2》かくて今回の「男」の誘いは、「女」に拒否or無視されるだろう。


★『伊勢物語』第35段「あわ緒」
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