※浮世博史(ウキヨヒロシ)「もう一つ上の日本史、『日本国紀』読書ノート、近代~現代篇」(2020年)「平成」の章(457-478頁)
(123)-4 百田氏の誤り④:百田氏は「はたしてアメリカ軍が助けてくれるかどうかとなると、実は疑問」と述べるが、百田氏が示すアメリカ高官の発言はすべて「退職後」のものにすぎない!(472-473頁)
F 百田尚樹『日本国紀』は次のように述べる。「現在は、日米安保条約に基づいて、有事の際はアメリカ軍に助けてもらうことになっており、日米安保条約と在日米軍の存在が日本に対する侵略を抑止する力になっているが、現実に日本が他国の攻撃を受けた時、はたしてアメリカ軍が助けてくれるかどうかとなると、実は疑問といわれている。」(百田501頁)
F-2 百田氏の誤り④:百田氏は「はたしてアメリカ軍が助けてくれるかどうかとなると、実は疑問」と述べるが、百田氏が示すアメリカ高官の発言はすべて「退職後」のものにすぎない。百田氏が示すのはCIAのターナー「元」長官、キッシンジャー「元」国務長官、カール・フォード「元」国務次官補の発言だ。(473頁)
F-2-2 もちろんこれは「ごもっともな意見」かもしれないが、これを言い出したらきりがない。(473頁)
《感想》「未来の出来事は、起きて見ないとわからない」と百田氏は言っているにすぎない。未来は「わからない」のが当然で「言い出したらきりがない」。人間は誰も「未来の出来事」を知らない。
F-2-3 百田氏が「退職後」のアメリカ高官の発言を紹介するのなら、当然、「現職」のアメリカ高官の発言も紹介すべきだ。「日本が攻撃された場合、アメリカはアメリカが攻撃されたとみなす」(これを「基本姿勢」と言う)をアメリカ高官はみな「現職」時代に発言している。(473頁)
F-2-3-2 例えば、オバマからトランプ政権に至る近年の外務・防衛閣僚(オバマ政権のクリントン国務長官、パネッタ国防長官、ヘーゲル国防長官、ケリー国務長官、カーター国防長官、またトランプ政権のティラーソン国務長官、マティス国防長官)は「現職」時代に「基本姿勢」(「日本が攻撃された場合、アメリカはアメリカが攻撃されたとみなす」)を明確に発言している。百田氏はそれらも紹介すべきだ。それらを無視して「退職後」の、つまり「現職」を離れ、責任と無縁な、3人のアメリカ高官の発言のみ紹介するのは、均衡を欠きかつ無責任であり、誤りだ。(473頁)
(123)-4 百田氏の誤り④:百田氏は「はたしてアメリカ軍が助けてくれるかどうかとなると、実は疑問」と述べるが、百田氏が示すアメリカ高官の発言はすべて「退職後」のものにすぎない!(472-473頁)
F 百田尚樹『日本国紀』は次のように述べる。「現在は、日米安保条約に基づいて、有事の際はアメリカ軍に助けてもらうことになっており、日米安保条約と在日米軍の存在が日本に対する侵略を抑止する力になっているが、現実に日本が他国の攻撃を受けた時、はたしてアメリカ軍が助けてくれるかどうかとなると、実は疑問といわれている。」(百田501頁)
F-2 百田氏の誤り④:百田氏は「はたしてアメリカ軍が助けてくれるかどうかとなると、実は疑問」と述べるが、百田氏が示すアメリカ高官の発言はすべて「退職後」のものにすぎない。百田氏が示すのはCIAのターナー「元」長官、キッシンジャー「元」国務長官、カール・フォード「元」国務次官補の発言だ。(473頁)
F-2-2 もちろんこれは「ごもっともな意見」かもしれないが、これを言い出したらきりがない。(473頁)
《感想》「未来の出来事は、起きて見ないとわからない」と百田氏は言っているにすぎない。未来は「わからない」のが当然で「言い出したらきりがない」。人間は誰も「未来の出来事」を知らない。
F-2-3 百田氏が「退職後」のアメリカ高官の発言を紹介するのなら、当然、「現職」のアメリカ高官の発言も紹介すべきだ。「日本が攻撃された場合、アメリカはアメリカが攻撃されたとみなす」(これを「基本姿勢」と言う)をアメリカ高官はみな「現職」時代に発言している。(473頁)
F-2-3-2 例えば、オバマからトランプ政権に至る近年の外務・防衛閣僚(オバマ政権のクリントン国務長官、パネッタ国防長官、ヘーゲル国防長官、ケリー国務長官、カーター国防長官、またトランプ政権のティラーソン国務長官、マティス国防長官)は「現職」時代に「基本姿勢」(「日本が攻撃された場合、アメリカはアメリカが攻撃されたとみなす」)を明確に発言している。百田氏はそれらも紹介すべきだ。それらを無視して「退職後」の、つまり「現職」を離れ、責任と無縁な、3人のアメリカ高官の発言のみ紹介するのは、均衡を欠きかつ無責任であり、誤りだ。(473頁)