宇宙そのものであるモナド

生命または精神ともよびうるモナドは宇宙そのものである

オウィディウス(前43-後18)『変身物語』(上)「巻2」(18)-3「大鴉・コロニス・小烏」(その3):王コロネウスの娘は女神ミネルウァに助けられ小烏となった!ニュクティメネは梟になった!

2021-12-12 18:33:57 | Weblog
(2)-2 王コロネウスの娘は海神ネプトゥヌスに追われたが女神ミネルウァに助けられ、小烏となった!(79-80頁)
アポロンに「告げ口はやめた方がいい」と忠告した小烏は、実は王コロネウスの娘だった。小烏が言った。「岸辺の砂の上をゆっくりと散歩しているところを、海神ネプトゥーヌス(ポセイドン)にみつかりました。すっかりのぼせ上がった神さまが、いくら口説いてみても時間を空費しているだけだとわかると、ちからに訴えて私を追ってくるのです。私が助けを求めると処女(オトメ)であるミネルヴァさま(アテナ)だけが同じ処女である私に心を寄せ助けてくれました。私は小烏に変身し、空高く逃げました。私はミネルヴァ様のおそばつきになりました。」


★王コロネウスの娘の小烏への変身、女神ミネルウァ、海神ネプトゥヌス

(2)-3 小烏は、女神ミネルウァのおそばつきの地位を、ニュクティメネが変身した鳥(梟)にとって代わられた!ニュクティメネは、実の父親の寝床をけがし今では鳥(梟)になっている!(80頁)
小烏がさらに言った。「ミネルヴァ様のおそばつきという栄誉ある地位は、でも、恐ろしい罪のために鳥(梟)に変えられたあのニュクティメネが、私の後を継いだのです。レスボスじゅうが、ニュクティメネが実の父親の寝床を汚したという一件を知っています。彼女は、今では鳥(梟)になっていますが、それでも罪を自覚していて、人目をはばかって光を避け、みずからの罪を暗闇に隠しています。」

《参考1》ニュクティメネは、父と交わったことを恥じて森に逃げ、憐れんだアテナ(ミネルヴァ)に鳥(または梟・コウモリ)にされたという。「近親相関の罪により梟に変えられたニュクティメネ」(澁澤龍彦)。
《参考2》女神ミネルヴァが従えているフクロウは「知恵」の象徴とされる。「ミネルバの梟(フクロウ)は黄昏に飛び立つ」(へーゲル『法哲学』序文)。


★「フクロウを左手に持つミネルウァ像」大理石、2世紀、ルーブル美術館蔵

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