(2)小烏が「告げ口はやめた方がいい」と大鴉(オオガラス)に忠告した!エリクトニオス!(78-79頁)
「コロニスの不貞」をアポロンに告げ口しようとしていた大鴉(オオガラス)に、小烏が「告げ口はやめた方がいい」と忠告した。「忠義だてが仇(アダ)になるからだ」と小烏が言う。そして小烏が語った。「昔の話ですが、母親なしで生まれたエリクトニオスを、ミネルヴァ神(※アテナ)が哀れに思い、柳のかごに入れ、ケクロプス王の3人の娘に保管させ、『中に隠してあるものを見てはならない』といいつけた。3人の娘のうちパンドロソスとヘルセは言いつけを守った。ところが残ったひとりのアグラウロスは、ふたりを『臆病者』と呼び、かごの結び目を手で解いた。中には、赤ん坊と蛇がいた。それを見ていた私(※小烏)は一部始終をミネルヴァ女神さまに知らせた。ところが私が受けたお返しは、女神さまの庇護の手から放り出されたということです。」
《参考》『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』「エリクトニオス」の解説:エリクトニオスは、ギリシア神話のアテネの伝説的王。アテナ(※ミネルヴァ)に欲情し,凌辱しようとしたヘファイストス(※鍛冶の神)の精液が彼女の脚に流れたのを女神が羊毛でふき取って捨てたところ,それによって大地が懐妊し生れた子で,上半身は人間,下半身はへびの形をしていた。アテナはこの子をふたをした籠に入れ,当時アテネを支配していたケクロプス王の3人の娘たちに,中を見ることを禁じて預けた。しかし彼女たちは好奇心を押えられずに籠を開けて中の奇怪な嬰児を見てしまい,驚愕のあまり発狂してアクロポリスの断崖から身を投げて死んだ。アテナに育てられたエリクトニオスは,成人するとケクロプスに譲位されてアテネの王になり,ニンフのプラクシテア(※水の精)と結婚して息子パンディオンをもうけた。
ルーベンス「エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち」(1615-1616年)
「コロニスの不貞」をアポロンに告げ口しようとしていた大鴉(オオガラス)に、小烏が「告げ口はやめた方がいい」と忠告した。「忠義だてが仇(アダ)になるからだ」と小烏が言う。そして小烏が語った。「昔の話ですが、母親なしで生まれたエリクトニオスを、ミネルヴァ神(※アテナ)が哀れに思い、柳のかごに入れ、ケクロプス王の3人の娘に保管させ、『中に隠してあるものを見てはならない』といいつけた。3人の娘のうちパンドロソスとヘルセは言いつけを守った。ところが残ったひとりのアグラウロスは、ふたりを『臆病者』と呼び、かごの結び目を手で解いた。中には、赤ん坊と蛇がいた。それを見ていた私(※小烏)は一部始終をミネルヴァ女神さまに知らせた。ところが私が受けたお返しは、女神さまの庇護の手から放り出されたということです。」
《参考》『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』「エリクトニオス」の解説:エリクトニオスは、ギリシア神話のアテネの伝説的王。アテナ(※ミネルヴァ)に欲情し,凌辱しようとしたヘファイストス(※鍛冶の神)の精液が彼女の脚に流れたのを女神が羊毛でふき取って捨てたところ,それによって大地が懐妊し生れた子で,上半身は人間,下半身はへびの形をしていた。アテナはこの子をふたをした籠に入れ,当時アテネを支配していたケクロプス王の3人の娘たちに,中を見ることを禁じて預けた。しかし彼女たちは好奇心を押えられずに籠を開けて中の奇怪な嬰児を見てしまい,驚愕のあまり発狂してアクロポリスの断崖から身を投げて死んだ。アテナに育てられたエリクトニオスは,成人するとケクロプスに譲位されてアテネの王になり,ニンフのプラクシテア(※水の精)と結婚して息子パンディオンをもうけた。
ルーベンス「エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち」(1615-1616年)