宇宙そのものであるモナド

生命または精神ともよびうるモナドは宇宙そのものである

金子武蔵『ヘーゲルの精神現象学』Ⅱ本論(四)「精神の史的叙述」(その1):《 (C)「理性」(BB)「精神」(Ⅵ)、(CC)「宗教」(Ⅶ)、(DD)「絶対知」(Ⅷ)》は、「歴史哲学」的順序で論じる!

2024-07-16 16:27:39 | Weblog
※金子武蔵(カネコタケゾウ)『ヘーゲルの精神現象学』ちくま学芸文庫(1996)(Cf. 初刊1973)
Ⅱ本論(四)「精神の史的叙述」(その1)(220 -221頁)
(51)ヘーゲル『精神現象学』の前半である《 (A)「意識or対象意識」(Ⅰ感覚、Ⅱ知覚、Ⅲ悟性)、(B)「自己意識」(Ⅳ「自己確信の真理性」)、(C)(AA)「理性」(Ⅴ「理性の確信と真理」)》と、後半である《 (C)「理性」:(BB)「精神」(Ⅵ)、(CC)「宗教」(Ⅶ)、(DD)「絶対知」(Ⅷ)》との比率は8対11だ!
★これまでヘーゲル『精神現象学』のうち前半、(A)「意識or対象意識」:Ⅰ感覚的確信または「このもの」と「私念」、Ⅱ真理捕捉(知覚)または物と錯覚、Ⅲ力と悟性、現象と超感覚的世界、
(B)「自己意識」orⅣ「自己確信の真理性」A「自己意識の自立性と非自立性、主と奴」、B「自己意識の自由、ストア主義とスケプシス主義と不幸なる意識」、
(C)(AA)「理性」orⅤ「理性の確信と真理」A「観察的理性」、B「理性的自己意識の自己自身による実現」(a「快楽ケラクと必然性サダメ」b「心胸ムネの法則、自負の狂気」c「徳と世路」)、C「それ自身において実在的であることを自覚せる個人」(a「精神的動物の国と欺瞞あるいは事そのもの」b「立法的理性」c「査法的理性」)、
以上について論じた。(金子武蔵氏)(220頁)

★これからヘーゲル『精神現象学』のうち後半、《 (C)「理性」:(BB)「精神」、(CC)「宗教」、(DD)「絶対知」》あるいは《 (C)「理性」Ⅵ「精神」、Ⅶ「宗教」、Ⅷ「絶対知」》について論じる。(金子武蔵氏)(220頁)
☆ヘーゲル『精神現象学』の前半である《 (A)「対象意識」(Ⅰ感覚、Ⅱ知覚、Ⅲ悟性)、(B)「自己意識」(Ⅳ「自己確信の真理性」)、(C)(AA)「理性」(Ⅴ「理性の確信と真理」)》と、後半である《 (C)「理性」:(BB)「精神」(Ⅵ)、(CC)「宗教」(Ⅶ)、(DD)「絶対知」(Ⅷ)》との比率は8対11だ。(220頁)

(51)-2 ヘーゲル『精神現象学』は、ヘーゲル哲学の①「認識論的序説」であるとともに、②「歴史哲学」であり、さらに③「精神哲学」・「哲学概論」だ!
★ヘーゲル『精神現象学』は、「もっとも直接的な意識」であるⅠ「感覚」から始めて、哲学知であるⅧ「絶対知」にまで到達せんとするものとして、ヘーゲル哲学の①「認識論的序説」だ。(220頁)
★しかしヘーゲルは、人間の「意識」がもつ「社会性と歴史性」を高調するので、「個人意識の発展」は「世界精神の史的発展」を実体として背負うことになり、その結果として『精神現象学』は②「歴史哲学」としての意義を具える。(220頁)
★さらに一般に、「絶対」は「相対」を離れたものでなく、「相対」における「現象」をほかにして「絶対」のなんたるかを示し得ないという理由によって、『精神現象学』はそれ自身すでに③「精神哲学」・「哲学概論」の意義を持つ。(220-221頁)

(51)-3 『精神現象学』の後半、《 (C)「理性」:(BB)「精神」(Ⅵ)、(CC)「宗教」(Ⅶ)、(DD)「絶対知」(Ⅷ)》は「歴史哲学」的順序にしたがって論じる!
★さてこれから論じるヘーゲル『精神現象学』の後半、《 (C)「理性」:(BB)「精神」(Ⅵ)、(CC)「宗教」(Ⅶ)、(DD)「絶対知」(Ⅷ)》は、「歴史哲学」的契機が強烈となってくる箇所だ。これからは「歴史哲学」的順序にしたがって論じる。(金子武蔵氏)(221頁)
★もちろんⅥ「精神」の段階、あるいは《 (C)「理性」:(BB)「精神」(Ⅵ)、(CC)「宗教」(Ⅶ)、(DD)「絶対知」(Ⅷ)》の段階に入っても、『精神現象学』が「認識論的序説」であることに変わりはない。だから「史的叙述」の方法をとるときには、「認識論的序説」としての意識が失われる危険はある。(221頁)
☆しかし『精神現象学』の「認識論的序説」としての機能は、根本的にはすでに(C)(AA)「理性」orⅤ「理性の確信と真理」という段階に到達したときに終わっているから、Ⅵ「精神」の段階以下において「史的叙述」の方法をとっても大過ないと思われる。(金子武蔵氏)(221頁)

《参考》ヘーゲル『精神現象学』の目次!
(A)「意識」:Ⅰ感覚的確信または「このもの」と「私念」、Ⅱ真理捕捉(知覚)または物と錯覚、Ⅲ力と悟性、現象と超感覚的世界
(B)「自己意識」:Ⅳ「自己確信の真理性」A「自己意識の自立性と非自立性、主と奴」、B「自己意識の自由、ストア主義とスケプシス主義と不幸なる意識」
(C)(AA)「理性」:Ⅴ「理性の確信と真理」A「観察的理性」、B「理性的自己意識の自己自身による実現」(a「快楽ケラクと必然性サダメ」b「心胸ムネの法則、自負の狂気」c「徳と世路」)、C「それ自身において実在的であることを自覚せる個人」(a「精神的動物の国と欺瞞あるいは事そのもの」b「立法的理性」c「査法的理性」)、
(BB)「精神」:Ⅵ「精神」A「真実なる精神、人倫」(a「人倫的世界、人間のおきてと神々のおきて、男性と女性」b「人倫的行為、人知と神知、罪責と運命」c「法的状態」)、B「自己疎外的精神、教養」Ⅰ「自己疎外的精神の世界」(a「教養と現実の国」b「信仰と純粋透見」)・Ⅱ「啓蒙」(a「啓蒙と迷信との戦い」b「啓蒙の真理」)・Ⅲ「絶対自由と恐怖」、C「自己確信的精神、道徳性」(a「道徳的世界観」b「ずらかし」c「良心、美魂、悪とその赦し」)、
(CC)「宗教」:Ⅶ「宗教」A「自然宗教」(a「光」b「植物と動物」c「工作者」)、B「芸術宗教」(a「抽象的芸術品」b「生ける芸術品」c「精神的芸術品」)、C「啓示宗教」、
(DD)「絶対知」:Ⅷ「絶対知」

《参考(続) 》金子武蔵『ヘーゲルの精神現象学』Ⅱ「本論」:目次!
(一)「意識(対象意識)」1「感覚」、2「知覚」イ「物」ロ「錯覚」ハ「制約せられない普遍性(内なるもの)」、3「悟性」イ「力」ロ「超感覚的世界あるいは法則」ハ「無限性」
(二)「自己意識」1「生命あるいは欲望」2「主と奴」3「自由」
(三)「理性」1「観察」2「行為」3「社会」
(四)「精神の史的叙述」1「古代(あるいは宗教)」イ「東方的時代」ロ「ギリシャ時代」ハ「ローマ時代」ニ「原始キリスト教」、2「中世から近代へ(あるいは道徳)」イ「教養」ロ「信仰」ハ「透見」ニ「啓蒙」ホ「フランス革命」へ「ロマンティスィズム」、3「現代(あるいは絶対知)」
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