祖母の写真を送ってくれました。
叔父は父の末弟(末っ子)で、小学低学年の頃、
母親を亡くしたせいか、母親に対する愛情が人一倍強く、
いつも肌身離さず写真を持ち歩いています。
母の一周忌の時、その写真を見せて貰った私は、叔父にその写真
の焼き増しを頼んであったのです。
成人式に着た訪問着がきっかけで、和服に興味を持った私は、
お友達のお母さんに和裁の指導をお願いしました。
先生の御主人は警視庁の鑑識課に
勤めていたので、大きな事件があれば徹夜もしばしば。
いつもラジオのニュースを聞きながら内職の着物を縫っていました。
赤ちゃんの肌着から始まり、浴衣、裾よけ、襦袢、ウール、
合わせ、道行、帯など、
最後に、結婚が決まった夫へ、ウールのアンサンブルを
プレゼントに縫いました。
その時縫った着物の中に、祖母が織った絹の着物があり、
母はそれをほどいて私の教材にと、
染め直してくれたのでした。
(草木染めで柄を選んだのは私ですが)
元の着物の色柄は忘れましたが、
織りがでこぼことした、素朴な着物でした。
十数年前頃、アメリカ人の英語の先生が御自宅に招待して
下さったので、着物を体験していただこうと
着物を3枚持って行き、好きな着物を選んでいただきましたが、
その時着ていただいたのがこの着物でした。
独身時代はお茶も習っていたので、
初釜やお茶会など、着物を着る機会は多かったのですが、
その席に着ていけるような着物ではないので、
着たのは新婚時代に2度だけでした。
祖母は背が低かったらしく身丈が短かく、
私はぎりぎり着ることが出来ましたが、背の高い娘には
おはしょりが少ししか出せず、着られませんでした。
思い入れのある着物なので、断捨離の決心もつきません。
祖母の顔は伯母に似ていると思いました。
伯母が生きていればそろそろ100歳。
祖母は明治の中頃に生まれたのかもしれません。
夫のウールアンサンブル
一度しか着ていませんが、これなら座布団カバーなど、
リメイクできそうです。