・・・天日干しは三日三晩・・・
塩漬けした青梅の天日干しは、昔から「三日三晩」という。
1日目は、半日で裏返しにする。梅酢で濡れたままの梅が、干した容器にくっつく恐れがあるので、それを防ぐために行う。
2日目の朝、裏返しにする。
3日目の朝、裏返しにする。
こうして裏表を1日半ずつ干すのが一般的。だが、自分はそうしない。
・・・四日四晩・・・
自分の天日干しは、「四日四晩」。
1日目、早朝、梅酢を切った梅を容器に並べ、庭で天日干しを開始した。ただし、半日干してからの裏返しはしなかった。
それには理由がある・・・
太陽が照りつける真昼に、1000粒余りの梅を中腰姿勢で1粒1粒裏返す作業なんかしていたら、老体が悲鳴を上げるに決まっている。それどころか、熱中症で倒れたりしたら天日干しどころではなくなる。
1日目~4日目の夕方、夜間に突然の雨があるかもわからないのでカーポートに取り込んだ。
2日目~4日目の早朝、太陽が昇る前にカーポートの下で梅の裏返し作業をしてから、庭で天日干しした。
これで、裏表を2日ずつ天日干しした。
老体には「四日四晩」が無難と言うのは、綺麗ごと。勝手気ままな性分、クソ暑い炎天下で裏返し作業なんかするはずもない。
・・・白干し梅作り・・・
4日間、庭に干した梅。目に見えない埃がついているはずなので、水道水でシャワーし、30分ほど干して乾かした。
さらに、焼酎をくぐらせて殺菌し、殺菌してあった瓶に保存した。
酸っぱい「白干し梅」が完成した。
このまま「白干し梅」として食べることもあるが、我が家では赤シソの入った梅酢を流し込み真っ赤な梅干しにしてから、子ども達3世帯に配る予定にしている。
・・・第1号は孫だった・・・
酸っぱい梅干しが大好きな小3の孫。天日干しが終わりかけた夕方だった。
カーポートに置いた梅干しをみて、『おじいちゃん、この梅、食べられるん?』と聞いてきた。
自分:「ウン、もう食べられるで。酸っぱいでー 食べる?」
孫:『食べたい』
果肉が柔らかくて手頃な大きさの梅を1粒手渡して言った。
自分:「これっ、干したままやったから、水道水で洗ってキッチンペーパーで拭いてから食べるんやで」
孫:『わかった』
1粒を嬉しそうに持って家に戻って行った。
数時間後、我が家に入って来た孫が言った。
『あの梅、酸っぱかったけど美味しかった。また食べたい!』
何とも嬉しい一言だった。
今季の梅干し第1号を食べたのは、小3の孫だった。