ネタバレ注意なので、多くは語れませんが、
このところのキーワードは「西行」でした。
西行の和歌についての本を読んでるうちに、
23歳の若さで突然出家した西行には、
自らが仕える帝の妻との身分違いの道ならぬ恋があった、
という話を知りました。
そう。西行は桜の歌人ですが、恋の歌人でもあるのです。
そこで、西行の恋をテーマにした小説を三つ。
最初に読んだのは、瀬戸内寂聴「白道」。
これは、小説というよりも随想みたいな感じ。
読んでるうちに、西行の歌の別の面が見えてきました。
文字どおりに読んだなら、
それは風景をうたったものだったり、
具体的なシチュエーションが決まっていたりするのですが、
見方を変えると、そんな歌もまた、
決して叶わないと知っていながら忘れることのできない人の
面影をうたったものに解釈することができるのです。
次は、土岐信吉「西行花明り」。
これは、正直、つまんなかったです。。
安っぽいメロドラマみたいになっちゃってて。
現実的には、出家しようとも生身の男と女、
抑えきれない衝動もあろうかとは思うのですけれど、
身分違いの、会いたくても会えない、
捨てるに捨てられないこの世のさだめ、を越えて、
さらには此岸と彼岸を越えて、
恋情が昇華されていくのが美しい、
と「白道」を読んで感じてしまったので。
最後はかなり長編の辻邦生「西行花伝」。
谷崎潤一郎賞受賞作とのこと。
初めは、かなり読むのがしんどかったんですが、
最終的にはいちばん感動したのが、これでした。
恋の部分はそんなに多くはないのですが、
一生に一度の、一生を懸けた想いが詰まってます。
どんなに想っても会えない苦しさ、
ときに相手の心を疑ってしまいたくもなる、
そんな時期を越えて、
心はいつもそばにある、
浮世を越えた場所でいつもそばにいると
信じられるようになる、
並大抵のことではできない恋の姿だなと思ったのでした。
さて。これが実はサロメに絡んでくるんですよ~
真相は来年2月に、その眼で確かめてください☆
このところのキーワードは「西行」でした。
西行の和歌についての本を読んでるうちに、
23歳の若さで突然出家した西行には、
自らが仕える帝の妻との身分違いの道ならぬ恋があった、
という話を知りました。
そう。西行は桜の歌人ですが、恋の歌人でもあるのです。
そこで、西行の恋をテーマにした小説を三つ。
最初に読んだのは、瀬戸内寂聴「白道」。
![]() | 白道 |
瀬戸内 寂聴 | |
講談社 |
これは、小説というよりも随想みたいな感じ。
読んでるうちに、西行の歌の別の面が見えてきました。
文字どおりに読んだなら、
それは風景をうたったものだったり、
具体的なシチュエーションが決まっていたりするのですが、
見方を変えると、そんな歌もまた、
決して叶わないと知っていながら忘れることのできない人の
面影をうたったものに解釈することができるのです。
次は、土岐信吉「西行花明り」。
![]() | 西行花明り |
土岐 信吉 | |
河出書房新社 |
これは、正直、つまんなかったです。。
安っぽいメロドラマみたいになっちゃってて。
現実的には、出家しようとも生身の男と女、
抑えきれない衝動もあろうかとは思うのですけれど、
身分違いの、会いたくても会えない、
捨てるに捨てられないこの世のさだめ、を越えて、
さらには此岸と彼岸を越えて、
恋情が昇華されていくのが美しい、
と「白道」を読んで感じてしまったので。
最後はかなり長編の辻邦生「西行花伝」。
谷崎潤一郎賞受賞作とのこと。
![]() | 西行花伝 (新潮文庫) |
辻 邦生 | |
新潮社 |
初めは、かなり読むのがしんどかったんですが、
最終的にはいちばん感動したのが、これでした。
恋の部分はそんなに多くはないのですが、
一生に一度の、一生を懸けた想いが詰まってます。
どんなに想っても会えない苦しさ、
ときに相手の心を疑ってしまいたくもなる、
そんな時期を越えて、
心はいつもそばにある、
浮世を越えた場所でいつもそばにいると
信じられるようになる、
並大抵のことではできない恋の姿だなと思ったのでした。
さて。これが実はサロメに絡んでくるんですよ~
真相は来年2月に、その眼で確かめてください☆