三味線弾きの日常。

おもに津軽三味線弾き唄い。
ときどき地歌・上方唄。こっそり義太夫三味線。
三味の音を一人でも多くの人に届けたい。

三味線は叩くのか弾くのか。

2015年07月25日 | 三味線のはなし
日付が変わって本日7月25日。
津軽三味線対決@天Qです。



◆津軽三味線対決◆

2015/7/25/sat
カフェ&バー天Q(京都・千本中立売)
start/19:30 投げ銭制
出演:はたこーじ,itaru,万響



本番までに、
津軽三味線のいろいろ、もっと書いておきたかったのですが、
思いのほか忙しいのと、
書き始めるともっときちんと書きたくなって
参考文献を漁り始めたりで、間に合わず。
これからもぼちぼち書きたいと思います。

で、本番までに、
これだけは書きたいこと。
津軽三味線は叩くのか弾くのか。

大多数の津軽三味線はいわゆる<叩き>三味線です。
でも、津軽三味線の始まりは、そうではなかった。
最初の門付けの系譜にあるのは<弾き>三味線。
今や少数派のこちらを代表するのが高橋竹山であり、
私が目指すところもこっち。

一方の<叩き>三味線が生まれたのは、
門付けをしていたボサマたちのような盲人ではなく、
晴眼者が祭や市の舞台で演奏するようになってから。
門付けではなく舞台の三味線だからこその派手さであり、
舞台映えするのは当然なのです。

門付けは時代とともになくなりました。
ボサマたちは好きで三味線で食べていく道を選んだのではなく、
他に選択肢はなかったから弾いて歩いたのであり、
差別されてもきたわけで、
門付けとともに、その芸は消えていくものでした。
ただ、高橋竹山の存在が、<弾き>三味線を生き残らせ、
洗練されたものに変えていったことで今に繋がっています。

<叩き>三味線は舞台で芸人たちが競い合って発展していき、
また、民謡酒場ブームによって東京にも進出し、
お稽古事としても広まっていきました。
今、<叩き>三味線が圧倒的多数派なのはそういう歴史があるからです。

どっちが正統であるとか、
津軽三味線はこうあるべきだ、とか
そんなことは言いたくない。
どっちが好きかは個人の嗜好の問題だし、
どっちも好きでもいいし、
どっちにもそれぞれの良さがある。

津軽三味線は個性を尊重するジャンル。
<叩き>も<弾き>もあっていい。
その豊かさが津軽三味線の魅力です。



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