三味線弾きの日常。

おもに津軽三味線弾き唄い。
ときどき地歌・上方唄。こっそり義太夫三味線。
三味の音を一人でも多くの人に届けたい。

未来のサムライミュージシャンズ発掘コンテスト 優秀賞受賞!

春よ、来い。

2008年04月30日 | 鑑賞
雲霧仁左衛門の最終回(再放送)でした。

初めのころは、個性派揃いの一党の痛快娯楽時代劇かと思ってましたが、
終盤、予想外の急展開。

個人的には、最終回を待たずに、
木鼠の吉五郎が死んでしまったのが残念でなりません。
今日の冒頭で、先週のその吉五郎の最期が流れて、
また泣きそうになりました。
雲霧に危険を知らせて逃がしたあと、
火盗と大立ち回りの末の壮絶な自害。
この、雲霧との最後の別れのシーンが秀逸。

で、今日も、六之助と雲霧の実の兄が死ぬわけですが、
これもすべては雲霧に仇討ちの本懐を遂げさせるための自殺的行為の末の処刑。
また、これを全部分かってて見逃す火盗の頭も粋な漢。
なんか、ほんとにかっこよすぎる漢ばっかりで。
そんな中で、雲霧を待ち続けるお千代さんが健気で切なくて泣けました。
かっこつけずに帰ってやれよ雲霧(笑)。


その後、ユーミンの「春よ、来い」を聴いてたら、
うわ…この歌、まるでお千代さんの歌やな、と思って
また感動が蘇り……泣きました。

個人的にはユーミンはそれほど好きでもないのですが、
この歌だけは好き。
これ絶対に箏が合うね♪ 今から合わすのが楽しみです。
お披露目は来月、帝塚山音楽祭にて!
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一か月前。

2008年04月25日 | お知らせ
ちょうど一か月前になったので、お知らせします♪

来月、帝塚山音楽祭に出ます!

場所は去年と同じく姫松の Dear House にて。
共演は、去年と違って、響喜の箏プレイヤーゆんぴです。
実は二人でのライブは初めてなので、
まだ何にもできてないのですが(笑)、
何となく今年、ステージに燃えてるっぽいゆんぴと、
相変わらず三度の飯より舞台が好きな私との、
パワー有り余ったライブをお届けしますよ♪
何にもできてないとはいえ、
響喜のメンバーならどうにでもしてくれるという絶大な信頼と実績があるので、
ご案じなさらず、お越しやす。


5月25日(日) 14時~

帝塚山音楽祭コミュニティ会場 @ Dear House

入場無料

出演:万響(津軽三味線&唄)
植野由美子(箏)
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桃山ビートトライブ。

2008年04月24日 | 読書
最近、読書にいそしんでます。

桃山ビート・トライブ (集英社文庫)
天野純希
集英社


これは、三味線弾き&笛役者&太鼓打ち&踊り手の一座が主人公。
読まずにはいられないような設定です。

作者の中では、絶対に津軽三味線が鳴り響いてるに違いない。
時代考証は無視してね。
だって、即興で叩きつけるような撥さばき、おまけに犬皮、太棹。
でもって、客に見せつける芸人魂。
まるっきり津軽やん。

でも、私はこの三味線弾き藤次郎は嫌いなタイプ(笑)
自分の芸を信じるのはいいことだ。
そのプライドがなかったら、舞台なんてやれない。
でも、芸人はエラくないの。所詮は無為徒食の生きもの。
たとえ実力が伴ってても、自信過剰が見えるのって好きじゃない。

それより、笛役者の小平太がうまく描かれてました。
安定と夢、自信と不安の間で、ぐらぐらなの。リアルな人間やわ(笑)
彼が、何度となく問い続ける、
この一座に俺は必要か、誰が吹いても同じなのか、という痛み。
この切なさ。すごくよく分かる。
でも、きっと居場所はある。それは、お互い分かるはずなんだ。
踊り手のちほみたいに、それを伝えられる人間でありたい。


文章が、いまどきの若者の口語っぽい地の文があったりして、
やや抵抗ある部分もありましたが、
読み終えて、清々しい気持ちになれました。

身勝手かもしれないけど、舞台って最高。
あたしもそう思う。

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曽根崎心中を再認識した日。

2008年04月22日 | 鑑賞
文楽を観てきました。

前半は、「日吉丸稚桜 駒木山城中の段」

もう、お決まりのアレですよ。
忠義のために、冷徹なふりをして我が子を殺し、
いまわの際に真実が明かされ涙々、っていう。
分かってるんだけど、泣けます。
それはもう、ぼろぼろに泣けました。

後半は、「桂川連理柵」

心中ものなんですけど、
これはとんでもなくひどい男の話で。
ものすごくよくできた女房がいるのに、
旅先で隣家の娘お半とうっかり過ちを犯して妊娠させ、
しかも、最後には、昔、遊女と心中をはかって
生き残ったという過去まで明らかになる、
こんな男と心中なんかしたくないぞ。
第一、この男は、お半のことなんて愛してない。
彼が死ぬ理由は、嵌められたこととはいえ、商売上の理由だけ。
それでも未練たらたらで、
死ぬ前にもう一度と、女房と養父の顔を見に戻ってきてる。
で、そのあと、お半の死ぬ覚悟を察して、
それならば一緒に心中を…と思い立つだけ。
一方のお半の方は、彼が好きで好きでたまらなくて、
別れを告げられて、ひとり死ぬ覚悟を決めてしまう。
道行で、思いのたけを掻き口説くのですが、
女房ができすぎた女だけに、いまいち同情できなくて、
一途を通り越した女の恐ろしさみたいなものまで感じてしまった、、。

そう考えると、同じダメ男でも、
「曽根崎心中」の徳兵衛はかわいいですよね。
九平次の存在はともかくとして、
死ぬときにはもう、お互いしか見えてない。
やっぱり「曽根崎心中」は名作だなぁと思ってしまった。
どんなふうにアレンジするにしても、
心中することで、二人の恋を永遠に昇華させた、
その核心だけはきちんと描きたい。

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やるぞ!!

2008年04月21日 | つれづれ
今日は、小梅さんのお誘いで、
Roseさんという歌い手さんのバースデーライブに行ってきました。

音楽を通して、いろんな人とつながって、一緒に楽しめる、
素敵なことですよね。ミュージシャンの醍醐味。

途中からだったので、見れたのは後半の3バンドだったんですが、
Four Acesというブルースバンドが良かった~♪
バンドの雰囲気、メンバー同士の信頼感がすごく出てたのも素敵でしたが、
なんといってもドラムが!めっちゃかっこよかったです!!
ああいうドラマーになりたかった。
決して出しゃばらないけど、絶対的な安定感で音楽を作ってるドラム。
中でも、シンバルのクリアさに感動して、見惚れてました。
私、手数王みたいなドラムには興味ないんですよね…
ドラマーってのは、やっぱり渋くないと。
毎度のことながら、ライブに行くと、ドラムやりたくなります(笑)

ってか、やります!!!

来年、ワタクシも三十路突破記念自作自演自腹でライブ(笑)やりますよ!!
いや、これは真剣に。

で、一夜限りのAUSTY復活ライブをやりたいのです!
もちろん、響喜の皆さんはもれなく召集されますから、
そのつもりでよろしく(^з^)-☆Chu!!

あ。もちろん、
響喜とAUSTY以外にも、召集される方はたくさんいますからね!
そして、お客様も大募集ですよ(笑)

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SICKS。

2008年04月20日 | 鑑賞
EN版ロック曽根崎心中的テーマ?

「紫の空」と「天国旅行」と「花吹雪」のイメェヂ。

作るとしたら
こんな歌謡ロック調なんて
素敵じゃなかろうか。

ひょっとして怪談にするなら、
これぐらい病んでても
はまるんじゃなかろうか。

SICKS
THE YELLOW MONKEY
アリオラジャパン


ひたすら美しい音を、これまでのENの舞台では求めてきたけれど、
そして、道行は本編でも予告編以上に美しさを追求したいけれど、
どこかで、違うものも出せたらいいなぁ。

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吉原手引草。

2008年04月19日 | 読書
吉原手引草 (幻冬舎文庫)
松井今朝子
幻冬舎


これは別に、「曽根崎心中」のために読んだわけではありませんが。
たまたま、廓のお話だっただけです。

時代劇マニアなくせに、
時代小説を読んだことがなかったのですが、
これはおもしろかったです。
引き込まれて読んでしまいました。


遊郭から忽然と消えた花魁葛城。
彼女をとりまく人々が、
吉原を、葛城を、事件を、それぞれ語ります。
虚と実が交錯する色里で
はたして事件の真相は浮かんでくるのか―――

結局、最後まで葛城は出てきません。
はじめは、いったい何の話なのか
まったく提示されないまま始まり、
花魁をめぐる人々の語りから、
しだいに明らかになっていく事の真相。
ストーリーの構成がおもしろいです。
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曽根崎心中・予告編 終了。

2008年04月15日 | ライヴ日記
扇寿会、終了しました☆


「曽根崎心中」
演奏としては、過去最高の出来でした(笑)
後半の三味線ソロの叩きのフレーズあたりから、
自分の世界にいっちゃってましたけれど、
でも、ちゃんと踊りの動きを見ながら、
なんかいつもと違うなーという部分も
フレーズの長さを計算する冷静さがしっかり残ってました。


ただ、マイクが1本しかなかったのもあって、
音が小さかったらしく、残念。
でも、本当はマイクに頼らない声が出せるようにならないと。

今回は、道行部分を中心に、10分少しにまとめたので、
お話がわかりづらい部分がやはりあったようです。
これは常について回る課題なんだろうなぁ。
自分たちの中ではちゃんと流れも説明もついてるんだけど、
それを初めて観るお客さんにどこまで伝えられるか。
あとから言葉で説明すれば納得してもらえるものにはなっていても、
観たときにどこまで感じ取ってもらえるか。
ものすごく難しい問題ですが。

その大問題に、
そして、「曽根崎心中」という完成された世界に
どれだけ新しいアプローチで迫れるのかという難問に、
これから挑んでいくわけです。
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心中への招待状。

2008年04月08日 | 読書
心中への招待状―華麗なる恋愛死の世界 (文春新書)
小林恭二
文藝春秋


九平次は名作の癌だ

ここまできっぱり言い切ってしまうなんて、
すごいですね。
でも、いわれてみれば、
九平次の存在に惑わされてた面は大きい。

私は、近松の心中ものの中で、
「曽根崎心中」がいちばん好きなんですが、
その魅力、本質を余すところなく語ってくれてます!

二人が死ぬのは、九平次の策略のせいなんかではない。
恋愛の絶頂で積極的な死を選んだ、
そんな「曽根崎心中」を、
来年、ENの舞台で描けたら・・・。
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恋の手本。

2008年04月07日 | 読書
恋の手本―曽根崎心中論
高野敏夫
河出書房新社



曽根崎心中とギリシャ悲劇の比較論。

世間という共同体が求めた「犠牲のヤギ」がお初徳兵衛であった。

お初の描写の分析は、なかなかおもしろかったです。
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声。

2008年04月06日 | 三味線のはなし
フレーズが閃く瞬間があります。

古くは、AUSTYの「春二番」のサビとか
「RIN-輪-」のイントロの笛メロとか。
「DOJYOJI」だったら「恋しや昔ゆかしやと」のメロディーは、詞を見た瞬間に浮かんだ。

そういう閃きは、たいてい動かしがたい力を持っていて、
曲全体の核になっていったりする。

「曾根崎心中」では、
冒頭の「この世の名残り夜も名残り」のメロディーは、
第一回打ち合わせの帰りの電車で浮かんで、
その後、試行錯誤しながらも結局残った部分なので、
本当なら、もっと力のあるフレーズになっててもおかしくないのですが。

妙に歌いにくいのです。

なんか、声の出し方のイメージが湧かないというか、
むしろ、イメージにある声が出てこないというか。


どんな曲を歌っても、その人のスタイルに消化できる唄い手になりたい。
私の場合、曲そのもののスタイルに声を合わせてしまうのです。
まぁ、そういう唄い手も少ないでしょうけど(笑)
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スパイラル。

2008年04月05日 | つれづれ
私はコンテスト会場にいます。
でも、今の私は絶不調のどん底で、
とても人前で演奏する精神状態ではありません。
コンテストったって、大層なものじゃなく、
会議室みたいなところでやってる。
今、演奏してる人はクラシックの人だけど、大したことない。
それでも私はそれを見ながら、ぐずぐず考えてて。

あれ? 私は確か、夏休みで、パパとママと従兄弟たちと、
ショッピングモールにアイスクリームを食べに来たんじゃなかったっけ。

あー、ここは健康ランドみたいな所なんだ。
すぐそこに大浴場があって、
浴衣姿のおっちゃんとかがコンテスト見てるもん。
だから、アイスクリームもあるんだ、きっと。

私はなんだか居心地が悪くて、外に出た。
暑い真夏の日差し。
ばったり、ちはるちゃんに会った。
えー、めっちゃ久しぶりやん。大学卒業して以来やん。
ちはるちゃんは、なぜか暗号で書かれた連絡先の付箋をくれました。

私はまた中に戻る。
でも、気持ちはちっとも盛り上がらなくて、
三味線ケースを開いたまま、出番の時間が過ぎるのを傍観してた。
なぜだかふっと、“風舞”なら弾けるかも、って思った。

6時に相方が会場に来た。
出番の時間はとっくに過ぎてて、
私は演奏しなかった、て言ったら、
なんでそんなこと勝手に決めたん、て叱られた。
時間まちがえてたんだけど、彼女に怒られたのがひどくショックで、
私は無性に“風舞”をやりたかったんだけど、
とてもそんな状況じゃなくて。

どうやって謝ったらいいんだろうと考えながらお風呂に入って、
出てきたら着替えがなくて、浴衣を探してるうちに相方は熟睡してて、
あーーーもーあたしはどうしたらいいのーーー!


みたいなワケ分かんないけど、なんかイヤな夢をみました。
昨日といい、今日といい。
きっと、なんか悩んでるんだな、私は…(笑)
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コワレル。

2008年04月04日 | つれづれ
商店街を歩いていたら、
三味線ケースが瓦解して、
三味線が放り出されて、
壊れる。



なんて縁起でもない夢を見ました。



誰を責めるわけにもいかず、
誰が助けてくれるわけでもなく、
あたしは黙って、散らばった破片を拾い集めていました。
それは、あたし自身を形づくっていたものたちのような気がして。
ひとつでも失くしたら、自分自身が欠けたままになる気がして。

道行く人はみんな、何事もない顔で歩いていくだけで、
あたしも誰かに手伝ってほしくなんかなかったし、
同情もされたくなかったし、
こっちを見てほしくさえなかった。
知らん顔されてた方がいい、て顔で、
あたしはあたしをもう一度作ろうとしていた。



さびしい夢だなぁ。

でも、それが私自身の姿なのかもしれない。
きっと、昔はこんなふうだった。
誰に分かってもらう必要もない、
私は私にプライドを持って生きてる、
と思ってるガキでした。
それはそれは強い人間でした。
本当は孤独な人間でした。



楽器が壊れる夢をたまに見ます。
それはイヤな夢です。寝覚めが悪いことこの上ない。


でも、大丈夫です。
あたしは元気です(笑)
やること多過ぎて、やや頭がパンク寸前な感じですが、
おおむね幸せです。
これからスポーツニュースで虎の雄姿を見て、
幸せの底上げを図ります☆

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予告編。

2008年04月02日 | お知らせ
というのか、前哨戦というのか(笑)

「曽根崎心中」道行をやります。
本編は来年3月☆乞うご期待!!

道行の詞章が好きで、ずっとやってみたかったこの作品。
個人的にいちばん好きなのは、最後の最後

   誰が告ぐるとは曽根崎の森の下風音に聞こえ
   貴賤群集の回向の種 未来成仏疑いなし
   恋の手本となりにけり


という部分。
あまりの言葉の世界の完成度に、挫けそうになりながら、
でも、今回の道行部分で、音としてはいちばん印象的で、
かつオリジナリティがあると思う部分になりました。


日本舞踊古典研修会主催  第17回  扇寿会

4月13日(日)  1時開演(開場12時30分)

   @ ワッハホール   大阪府立上方演芸資料館
                 大阪市中央区難波千日前12-7 YES NANBAビル5F

お問い合わせ→senjukai@hotmail.co.jp
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