Movies!!

映画感想ブログです。3周年を迎えました♪
相変わらず、日本映画と香港映画が好きです。

うつせみ キム・ギドク監督&行定監督トークショー

2006-03-31 22:01:56 | 映画(あ行)
昨日3月30日、恵比寿ガーデンシネマでキム・ギドク監督と行定監督のトークショーがあり、行って来ました。
私は仕事が終わってから駆けつけたのですが、友人が先に整理券をもらってくれたので、余裕で入る事ができました。が、集合時間になって、映画館に行ってみると、凄い人。230席くらい席がある劇場ですが、立ち見まで出る大盛況でした。整理券をもらってくれた友人に感謝感謝です。
正直、純粋にキム・ギドク監督目当ての人がどれくらいいるんだろう・・・と思いましたが、トークショーでの拍手の凄さを考えるとキム・ギドク目当ての人がほとんどだったのではないかと思います。
なんだかとても不思議な気持ちがしました。1年前、「サマリア」を観るまで、全く知らない監督だったのに、今、生キム・ギドクを観ているのですから。

映画上映後に監督二人のトークショーがありました。
映画は試写会に続いて2回目の鑑賞でした。
前回観た時の感想はこちら

最初は恥ずかしそうにボソボソと話していたキム・ギドク監督ですが、最後の方は胸を張って、大きな声で堂々と話をされていて、自信に満ち溢れているように見えました。よく写真で見かけるように帽子を被っていたので、やや後方にいた私には表情はよく見えなかったのですが・・・・・・

行定監督は6年前の釜山映画祭に「GO」が招待され、行った時にキム・ギドク監督と知り合ったそうです。キム監督は珍しく酔っ払っていて覚えていないだろうと思っていたら、次に会った時にちゃんと覚えていて、記憶力のいい人だと思ったとか。
キム監督は、どこへ行っても、一番仲がよい監督は行定監督だと言っているとの事。
今回の来日は「弓」のプロモーションだそうで、この映画もセリフがないので、早く観たい人は韓国版のDVDを観てください、僕はもう観ましたと行定監督が言ってました。
新作の「タイム(time)」はすでに撮り終わり、ポストプロダクションも終わっているとの事。観客からの質問にセリフがない映画が多いがこれからもそうなのか、というのがありましたが、「タイム」はセリフがあるようです(笑)。
キム監督はだいたいいつも2週間くらいの短い期間で映画を撮り終える事、低予算である事、行定監督は日本でも長く撮る方なので見習いたいそうです。「北の零年」は7ヶ月かかったとか。「ロックンロールミシン」は2週間で撮ったそうですが。「ロックンロールミシン」はキム監督も観たそうです。私は未見~。
低予算で撮るというのは、キム監督自身がお金をかせぐのにとても苦労した経験があるので、自分のお金が大事ならば、他人のお金も同じように大事で、自分に投資してくれる人のお金は大事に使いたい、投資してくれる人には一生感謝しなければならないと思っているとの事。うーん、ウォン・カーウァイ監督に、このキム監督の話を聞かせ(以下略)。
行定監督が、ぜひキム監督に日本で映画を撮ってもらいたい、一緒に何か出来ないかと思っていると言っていました。キム監督は日本という国をずっと誤解していた、それは自分が受けてきた教育のせいだと思う、映画製作に携わるようになり、自分の映画に投資してくれる日本人や配給してくれる会社などと関わるようになって、イメージが180度変わったとの事。今回の「うつせみ」のテソク役にも日本の俳優の金子賢さんや安藤政信さんにオファーをしたが、キム監督の映画を撮る期間が2週間と短いため、スケジュールやいろいろな問題で叶わなかった。「弓」も少女役には日本の女優をと考えていたが、それもいろいろな問題で叶わなかったとの事。自分のことを好いてくれる人達がいるので、これからもそういう人たちと仕事をしていきたいと思っているとの事。
もちろん、安藤くんの名前が出た時点で、過剰に反応する私(大笑)。金子賢に安藤政信ってそのまんま「キッズリターン」だね、と一緒にいた友人と話してました(笑)。
安藤くん、2週間くらい、他の仕事放ってでも行くべきだったよ!(と勝手なことを言ってみる)
でも話を聞いていて、なんとなく、近い将来そういう機会があるんじゃないかなと思いました。
「うつせみ」は難しい映画で、観る人によって、解釈がいろいろ出来ると思う、ソナが見た夢、テソクが見た夢、ソナの夫が見た夢という解釈が出来るとの事。どうやらキム監督はソナの夫が見た夢、という風に撮ったようです。
この「うつせみ」は心にある空間を埋める映画だと思う、固く閉ざしている心をノックする映画で、今、韓国では、ノックをしてもドアを開けない人が増えている、そして1回ノックして開かなければ、それで諦めてしまう、なぜ1回で開かなければ、何度も何度もノックしようとしないのか、これはそういう映画だと思う。この映画を観て幸せな気持ちになった人は、そういう空間がある人だと思うと言っていました。
質問の中で、赤い色がいつも特徴的なので、今回はどういうつもりで赤を使ったのかというのがあったのですが、キム監督は、自分は特に赤にこだわっているわけではないと言っていました。どの色にこだわってというのはないというのを繰り返し話してましたね。そして、黒と白が混ざった色はどんな色でもない、だから自分は黒と白は同じだと思う、と言っていました。パンフにもありましたが、黒と白が同じというのは、善と悪は同じであるというのに繋がっているのかなと思いました。黒と白の話は行定監督も「居酒屋で何度も聞いた(笑)」と言ってました。

予想以上に長時間、トークそしてティーチインがあったので、全部覚えてません(汗)。そして、うろ覚えな話しは自分の言葉に置き換えているのもありますので、ご了承を。どなたかこんな話もしてたよ~とか、補足していただけるとありがたいです。

ところで、画像のサインですが、ワタクシ、監督にサインをもらってしまいました!!!
パンフを買って、外に出たら、人だかりがあって、なんだろう?と近付いてみると監督がサインをしてるじゃないですか!!
ペン持ってこなかったよ~~~と言いつつ、人だかりに近付いていったら、ちゃんとサインペンを持っている人が何人もいて、凄いな~と思いました。で、近くにいたオバサマがサインをもらい終わっていたので、「すみません、ペンを貸してもらえませんか?」と言ったら、快く貸してくれました!
そしてなぜか監督の近くでパンフとペンを出したらすぐにサインをしてもらえました!!ずっとサインをもらうために待っていた方ごめんなさい!ペンを借りてたので、焦ってパンフを出したらすぐにしてもらえたんです~~。
しかも、スタッフの方が「キム・ギドク監督、移動の時間ですので、そろそろ…」と言っていたのですが、なんせ日本語なので(笑)、監督はスタッフをチラっと見た後、すぐにまたサインをくれました(笑)
サインをもらって、オバサマにペンを返して「ありがとうございました!」と言ったら、オバサマは良かったね~と言ってくれ、なぜか監督もオバサマに「ありがとございましゅ(と聞こえた・笑)」と言ってました(笑)
でも、後でサインをよく見たら、日付けが間違ってる(爆)。昨日は3月30日でしたよ~29日って書いてありますが(笑)そして、このサイン、パンフが上下逆です。私が監督に渡した時に動揺してしまったようです。暗かったし~。
話しかけてみる、という事は全く思い浮かばなかったのですが(あんなに近くにいてチャンスだったのに!)、安藤くんを使って下さいと言えばよかった~~(笑)。名前を連呼すれば理解してもらえたかも(爆)。
監督と写真を撮ってる方もいましたね。
なんかもうミーハー炸裂で、こういう時の自分の行動力は凄いといつも思います。さすが慣れてるというか(笑)。サインもらえて、とても嬉しかった。監督は丸い顔の小柄な普通のオジサマでした。どうやら「ありがとうございます」という日本語は覚えたらしいですね(笑)トークの時も言ってましたし。
時間が来てしまって、トークショーが終わる時もまだまだ手を挙げて質問をしたがっていた人がたくさんいました。またこういう機会があるといいなと思います。
今回のトークショー行って良かったです。大満足でした。

ブラック・シティ 黒白森林

2006-03-30 14:44:17 | 映画(は行)
アンソニー・ウォン、レイモンド・ウォン、ジョーダン・チャン、フランシス・ン、ラウ・チンワン、チャップマン・トウ出演。バリー・ウォン監督作品。

確か、去年の10月くらいの香港映画祭?で上映されてましたね。香港映画祭で上映された映画の中で観ていない映画の一つだったような記憶があります。後はほとんど観た映画だったような・・・
バリー・ウォンの映画は、調べてみたら、監督している作品はほとんど観た事がありません。製作だったらあるんですけど。
唯一観た事があるのが「インファナル・アンフェア 無間笑」(笑)。
もともとコメディ映画を撮る人、というイメージがついていて、今回このDVDをレンタルする際に、え?真面目な映画なの?と思ってしまった。いや、他にもちゃんと撮ってますよね、真面目な映画(汗)。

しかし、豪華なキャストじゃないですか!これ、キャストへのギャラだけで凄いことになりそうな。と、思ったら、ラウチンとフランシス・ンは友情出演なんですね・・・(悲)。
「インファナル・アフェア」のパクリと言われているそうですが、ストーリーは違いました。ストーリーよりも役柄だったり、シチュエーションだったり、ロケ地だったり(笑)が似通ってる感じですね。
屋上でのシーンに反応したり(笑)、チャップマン・トウを見ると「あ!キョンだ!」と思って、後はずっと役名をキョンと思い込んでたり、ン・ティンイップとアンソニー・ウォンが同じ画面に映ると、そのまんまインファだわ・・・と思ったり(笑)。音楽が似てなかっただけマシか(大笑)。
ストーリーは、アンソニー演じるウォン刑事(インファと役名一緒じゃないか?)は同僚のセブンアップ(ラウ・チンワン)がマフィアのチョウ(フランシス・ン)を逃がそうとしている所を屋上で待ち伏せする。2発の銃声がして、セブンアップとチョウが死亡。セブンアップは殉職として扱われる。
セブンアップの息子コーラとチョウの息子レイはウォン刑事を父親を殺した人として憎みながら育ち、やがてコーラは父親と同じ刑事に、レイはマフィアになる。
やがて優秀な刑事のコーラがウォン刑事の部下になるのだが・・・・・・

なかなか面白かったし、後味は悪くありませんでした。コーラは父親を慕う気持ちから、ウォン刑事に対する憎しみを持っているものの、一緒に仕事をしていくうちにウォン刑事の人柄に触れて、憎しみが薄れ、警官としての正義感が打ち勝っていく様子が描かれてました。レイモンド・ウォンは若い刑事らしく爽やかな感じがした反面、若い刑事らしくない素晴らしい銃の使い手でした(笑)ガン・アクションもなかなか良かったと思います。
アンソニー・ウォンは相変わらず安定した演技で渋くっていいですねぇ。ラウチンとフランシス・ンとアンソニー・ウォンが同じ画面に映るのって、凄くないですか?(笑)あの屋上でのシーンは冒頭は銃声のみなので、一体どういう状況だったのだろうと思っていたら、後で分かった事実は、意外とアッサリしてて拍子抜けしました(苦笑)。あそこは「え、そうだったの・・・・・・」とグっとくるところなんじゃないかと思うんですよね、ちょっと残念でした。
アンソニー・ウォンはピアノで「エリーゼのために」を弾いてましたが、あれって本人が弾いてますよね?おおー弾いてるぅ~と思いながら観てたんですが。どこかで弾けるというのを聞いたような気もします。
ジョーダン・チャンは出番はあまり多くなかったですが、セリフがかっこよくて、印象的でした。ラスト、普通に騙されました(笑)。
キョンじゃなくて、チャップマン・トウは「インファ~」の時と同じようなコメディリリーフでしたね。そんな役しかもらえないのか(笑)新作の「イザベラ」(でいいんでしたっけ?)は主役だそうで、うーん、日本での公開はあるのか・・・・・・観てみたいです。
マフィアのボスはパトリック・ツェーでした。ニコのパパですね。この人もシブかった~。パトリック・ツェーの娘役にツインズのジリアン・チョンが出てました。「香港国際警察」で片割れのシャーリーン・チョイを観たばかりです(笑)。

ところで、この映画、トム・クルーズがリメイク権を買ったとか。「インファ~」は思い入れが強すぎるため、どんな映画が出来たとしても微妙だと思いますが、こちらの映画は、もしかしたら、ハリウッド版も楽しく観れるかもしれないな、と思いました。
トム・クルーズも出演するのかな?どの役で???(笑)

プロデューサーズ(試写会)

2006-03-29 14:18:11 | 映画(は行)
ネイサン・レイン、マシュー・ブロデリック、ユマ・サーマン出演。スーザン・ストローマン監督作品。

1959年、ニューヨーク。かつてはブロードウェイで栄光を極めたものの今やすっかり落ち目のプロデューサー、マックス。ある日、そんな彼のもとに会計士のレオが帳簿を調べにやってくる。やがて彼は、ショウがコケればコケるほどプロデューサーの手元に金が残る不思議なカラクリを発見する。それを聞いたマックスは、大コケ確実のミュージカルを作り出資金を丸ごといただいてしまおうと企む。かくしてレオとマックスは史上最低のミュージカルを作るべく、さっそく脚本選びに取り掛かるのだが…。(allcinema onlineより)

公式サイト

この映画、2001年にブロードウェイミュージカルとして上演され、「オペラ座の怪人」「シカゴ」にもなしえなかったトニー賞12部門獲得したそうです。
それの完全映画化。
ミュージカルは嫌いじゃありません。ただチケ代が高いのであまり行きません(苦笑)。
「オペラ座の怪人」も「シカゴ」も観ました。(映画の話ね)それぞれそれなりに良かったし、「オペラ座の怪人」は、ストーリーも音楽も好きなので、かなり楽しめました。

この映画は、コメディなので、上記2作品よりもさらにミュージカルっぽいです。冒頭の音楽からして、ミュージカルの世界へようこそ!な感じ(笑)
なので、ミュージカルが苦手な人はたぶん受けつけないと思います。
歌ったり踊ったりしている間は当然話が進みませんので、それが楽しめない人は時間の無駄ですね(笑)。
ミュージカルOK、そして、ちょっとこの映画が気になっている人は観て損はしないと思います。必ず笑えます!この映画観て、全然笑えない人はちょっとかわいそうかもしれない・・・(苦笑)
上にレビューが書かれてますが、あのレビューの後からが断然面白くなります。タブーのはずのナチス・ヒトラーネタ、ゲイネタ、ユマ・サーマン演じるアヤシイ英語のスウェーデン女性などなど・・・

ストーリーはたいした事ないですが、セリフとシチュエーション勝負で、それが成功しています。かなり笑わせてもらいました。
主役二人は、ミュージカル版でも主役を演じたそうで、もちろん歌も踊りもバッチリ。ユマ・サーマンは、顔はあまり綺麗な人とは思わないのですが(ごめんなさい)プロポーション抜群だし、歌も踊りもとても上手いです。(歌は吹替えじゃないよね??)とってもセクシーでしたよ。

昨日、試写会に行ってきたのですが、会場に入ったのが開場時間から10分くらいたってからなのですが、ほぼ3分の2くらい席が埋まっていてびっくりしました。昨日は開場が18時で開映が19時だったのですが、19時近くになってからは席がなくて会場整理の人が「最前列、1席空いてますよ!」みたいな感じで座らせていました。
なんでそんなに混んでいたのでしょう?「タイフーン」と同じ試写会場だったのですが、「タイフーン」の時は、全然余裕でした。うーむ。春休みだから?(でも学生ばっかり、という感じじゃなかったですよ)
そして、会場には、やたらバカ笑いする人が・・・・・・
確かに面白いんですけど、下ネタであんなにバカ笑いすると、ちょっと下品です(苦笑)
真後ろにバカ笑いする人がいたので、ちょっと興ざめした部分はあります。他にも無理やり笑ってるんじゃないかと思えるような笑い方する人がいましたねぇ。確かに会場内には「関係者席」がありましたが・・・

観終わった後、なぜか拍手したくなるのは、ミュージカルを観ている気分になるからでしょうか。(実際軽く拍手が起きてました)
ラストのエンドロールも最後まで観てくださいね。最後の最後でまた笑えます(笑)。
おすぎのお薦めはあまり信じないですが(笑)、これは信じてみてもいいかも・・・

マッスルモンク

2006-03-29 12:03:55 | 映画(ま行)
アンディ・ラウ、セシリア・チャン、チョン・シウファイ、カレン・トン出演。ジョニー・トウ、ワイ・カーファイ監督作品。

大切な人を失ったことが原因で、他人の前世での業(カルマ)が見え、その人の死因を予知する能力を有したビッグガイ。しかし、そのことで因果の非情さを悟り、僧衣を脱ぐ結果となってしまった。いまではその類い希な筋肉美を活かしてストリッパーをするなど享楽的な生活を送っていた。そんなある日、ひょんなことから彼は一人の女性刑事フンイーと出会う。フンイーに恋心を抱くビッグガイ。しかし、彼は彼女が背負う醜悪なカルマを見てしまう。彼女の前世は中国人を虐殺する日本兵だった。彼は非情な因果の環からフンイーを救うべく立ち上がる。(allcinema onlineより)

ジャケットのアンディ筋肉スーツ&坊主頭を観て、コメディなのね~と思って観たら、単なるコメディ映画ではありませんでしたー。
ジョニー・トウ監督の作品にしては珍しく(私が観た範囲では、ですが)、ちょっと説教くさい感じがしましたね。坊主が主人公だからでしょうか(笑)。
アンディが持ってしまった予知能力とマッスルが繋がらず、なぜマッスルである必要があるのか、という疑問は映画を観終わった後も残ったのですが、筋肉もりもりというのは、力の象徴なんですかね。ラストでは、普通の体型になっていましたし。
セシは、刑事役でしたが、可愛かったですねー。ただ、あまり刑事には見えない・・・(苦笑)冒頭のはっちゃけ具合が凄かったです。異様にテンション高くて(笑)。

以下、ストーリーに触れますので、ネタばれご注意願います。

アンディ演じるビッグガイが予知能力を持っていて、前世の業からセシ演じるフンイーを助けようと何度も試みますが、結局救えない、というのが、コメディに成りきってない箇所ですね。あのセシの首・・・夢に出そうなくらい、引きました(苦笑)。
前世の業が見えることで、事件を解決していく部分はなかなか面白かったです。
ラスト30分くらいから映画の雰囲気がガラリと変わり、セシは死ぬし、復讐することに意味はあるのか、という話になって、ふとこの間観た「SPIRIT」を思い出しました。
この映画を観てから、自分の前世はどんなことしてたんだろう~と考えたり、~~さんの前世はこんな感じだったのかな、とか来世はきっとこうなるだろう(笑)と思ったりしてます。別に前世とか来世を信じてるわけでもないんですが(爆)

一つ気になったのが、音楽が「インファナル・アフェア」シリーズにそっくりだったこと。ワザと??と思ったりもしましたが・・・音楽担当は別の人だし・・・うーむ。

コメディではなかったし、観終わった後、楽しかった、とかすっきりした、とかそういう感じではなかったのですが、思っていたより奥が深い映画でしたね。

香港国際警察 NEW POLICE STORY

2006-03-28 16:24:30 | 映画(は行)
ジャッキー・チェン、ニコラス・ツェー、ダニエル・ウー、シャーリーン・チョイ、チャーリー・ヤン出演。ベニー・チャン監督作品。

1年前。香港のアジア銀行がある一味に襲われた。しかも一味は犯行後、自ら意図的に警察へ通報。そして彼らは、駆けつけた警察官たちを重装備で返り討ちに遭わせるのだった。対する香港警察のチャン警部は一味のアジトを特定、ただちに特捜部を率いて現場へ向かう。だが、そこには事件の早期解決に自信を持っていたチャンをあざ笑うかのごとく残忍な罠が仕掛けられ、チャンの部下たちは次々と倒されてしまう。かろうじてその難を逃れるものの、生きる希望全てを失ったチャン。そして彼は今、地に落ちた人生を送っていた。そんな彼の前に、新たな相棒として若いシウホンがやって来る…。(allcinema onlineより)

ジャッキー・チェンの映画をちゃんと観るのは「ゴージャス」以来です。子どもの頃はよく映画館に観に行き、手に汗握って、大笑いして、すっきりした気分で映画館を出るというパターンでした。この映画で、ジャッキー・チェンが香港映画に復活!というのは、うっすら宣伝を見た記憶があるのですが、うーん、あまり宣伝していなかったような・・・
公開している時は観に行かなかったのですが、後で、面白いよという声をいくつも聞いたので、観てみる事にしました。
借りる段階になってびっくり。ニコが出てたのですね!ダニエル・ウーが出ているというのは聞いていたのですが・・・
ニコは「PROMISE」でのあの指差し棒ですよ(爆)
今回は指差し棒は持ってないですが、「踊る大捜査線」の青島のジャケット着てたので(違)、びっくりしましたが・・・。.

以下、ストーリーに触れますので、ネタばれにご注意下さい。

自信満々のジャッキー演じるチャン警部が、部下を引き連れて銀行強盗のアジトへ、一味を逮捕しに行くと、まるでゲームのように部下がどんどん殺され、たった一人生き残り、その後失意のまま過ごすという、今迄、私が知っていたジャッキー映画とは全然違うシリアスな始まり方に、まず驚きました。
そして、犯人役にダニエル・ウー。あら、この人、また悪役?・・・・・・というのは、私が先に「ディバージェンス」を観たからなのですが・・・しかも、監督同じだし(笑)。
でもまた悪役が似合うんだな~・・・。「ディバージェンス」で、殺し屋だったダニエルの過去が描かれていたかどうか忘れてしまいましたが、今回は、なぜこのような犯罪に手を染めたのか、という背景が描かれてました。まだまだ少年のような幼さを残しているダニエル演じるジョーの父親は警察の幹部ですが、何もせずフラフラしている出来の悪い息子を恥じていて、逆に母親は息子を溺愛している。ベタと言えばベタですが、やはり背景が分かった方が観ていて、ストーリーに入りやすいです。

ジャッキーを最初から活躍させるのではなく、しつこくつきまとう新米刑事シウホンがジャッキーのやる気を起こさせていくというのがいいですね。刑事じゃなかったですけど(笑)父親が犯罪者なので警官になれない、というのは・・・どこかで聞いた事があるような(爆)
あの青島仕様のジャケットが実はチャン警部が、シウホンの父親にかけた物だったというエピソードは、好きです。

チャーリー・ヤンがジャッキーの婚約者の役で出演していました。とっても綺麗でした。「愛していると、もう一度」で観た時も綺麗になったなぁと思ったのですが、こっちの方がもっと綺麗でしたよ。しかし、ジャッキーの婚約者って、ちょっと苦しくないか??(笑)
あと、タイ署長がリウ・カイチーでしたね。ただそれだけで、なんとなく嬉しい。

アクションは相変わらず凄かったです。ジャッキーのカンフーはやや昔よりもキレが悪いような気もしましたが、年齢を考えたら、やはり凄いですよね。カンフーだけじゃなくて、手錠と棒での壁下りは、観ていてヒヤヒヤ。チャーリー・ヤンの抱えてしまった爆弾も、一度は止まったけど、やっぱり爆発!というのが、安心した後に来るので、ショックが大きいです。クライマックスで、ニコの首が絞まって、目をシロクロさせているのを観て、「PROMISE」で、首が絞まって顔を真っ赤にしてたのを思い出しました(笑)。あれもドキドキヒヤヒヤでした~。

全体的に面白かったんですけど、ラストのジャッキーとチャーリー・ヤンを囲んで大団円みたいなのは、いただけない・・・。あれで、すーっと興ざめしてしまいました(苦笑)。

男たちの挽歌

2006-03-27 13:16:06 | 映画(あ行)
チョウ・ユンファ、ティ・ロン、レスリー・チャン、エミリー・チョウ、レイ・チーホン出演。ジョン・ウー監督作品。

香港ノワールの火付け役となった傑作アクション。本国公開時には大ヒットとなり、歴代興収記録を塗り替えた。偽札製造を行う組織の元幹部の兄ロンと、香港警察の刑事となった弟チャン。そして兄の親友であり兄弟分であるユンファ。物語は偽札製造組織の陰謀を軸としながら、彼ら3人の兄弟愛と友情を、ド肝抜くガン・アクションに託して見せる。(ヤフーレビューより)

いわずと知れた、香港ノアール傑作映画です。と、まるで昔から知っているかのように書いてますが、今回初めて観ました。私は「インファナル・アフェア」で香港ノアールにハマった人間なので・・・
観たい観たいと思いつつ、なかなか機会がなかったのですが、今回のTSUTAYA半額クーポンは香港映画特集にしようと決め、6枚借りてきました~~~。あと1枚韓国映画借りてきちゃいましたが・・・

「男たちの挽歌」シリーズは3,4が貸し出し中だった為、ま、順番に観ていこうかなと思い、1,2を借りてきました。

いや~面白かったです。ジョン・ウー監督の「ハードボイルド・新男たちの挽歌」「ワイルド・ブリッド」などを観た事がありますが、「ワイルド・ブリッド」はアクションが凄すぎて、観終わった後にかなり疲れました。面白かった、とか感動した、とかの前に「つ、疲れた・・・・・・」という感想が先に来てしまって(笑)。
なので、今回もちょっと気合を入れて観たのですが、激しい疲れはありませんでした。
観る前のちょっとした知識として、チョウ・ユンファの映画、というイメージがあったのですが、チョウ・ユンファの映画というよりも、ティ・ロンとレスリー・チャンの兄弟愛の映画という印象が強く残りました。もちろん、チョウ・ユンファとティ・ロンの友情の映画、でもありましたが。
刑事をやっている弟キットのために組織を抜け、堅気として働き始めるホー。罠にハマったホーのために復讐し、そのために足に傷を負ったマーク。マークはホーが台湾での刑務所暮らしから帰ってくるのを待ち、二人で再起しようと持ちかけるが、ホーはキットのために悪事には手を染めない、そして親友であるマークを諭す。しかし、罠にハマッたキットのために再び銃を持つホー・・・・・・
王道なストーリーではありますが、それぞれのキャラが立っていて、引き込まれます。
アクションももちろん大きな見所ではありますが、兄弟愛、友情というテーマが強く押し出されているので、逆に私にとっては、グっとくる要素になりました。

兄弟愛の映画、であっても、やっぱり一番かっこいいのは、チョウ・ユンファでしたね。二丁拳銃(これが噂の!)にサングラスに爪楊枝。とても強い印象が残りました。
ガン・アクションも凄い迫力。そしてかっこいい!魅せる男!でした。
ティ・ロンはもうちょっと額が広くなってから(ごめんなさい!)しか観た事がなかったので、うわ~若い~~~と思いましたが、弟への愛情、親友への友情を持った男気のあるいい男でした。これまたかっこいい・・・・・・。
そして、レスリー・チャン。86年の映画ということで、もちろん、レスリーも若い若い。そして可愛い~。兄への愛が深いからこそ、憎しみも深いのだ、という事がひしひしと伝わってきました。レスリーもかなりアクション頑張ってました。真剣な表情で銃の練習をしているシーンは、「ダブルタップ」のレスリーとダブって見えました。
あ、そうそう、エミリー・チョウがレスリーの恋人役として出演していましたね。男ばかりの映画の中で唯一の華。キットを心配し、ホーとキットの兄弟の仲をなんとかして元に戻したいと願いけなげな女性の役でした。

特典映像でチョウ・ユンファが昔を懐かしむといった形のインタビュー映像がありました。「狼/男たちの挽歌・最終章」がジョン・ウーの最高傑作と言っていたので、早く見てみたいです。

ブラザーズ・グリム

2006-03-26 13:18:05 | 映画(は行)
マット・デイモン、ヒース・レジャー、モニカ・ベルッチ、レナ・ヘディ、ピーター・ストーメア出演。テリー・ギリアム監督作品。

ウィルとジェイク・グリム兄弟は、いかさまの魔物退治で賞金稼ぎをする旅を続けていた。しかし、ドイツの村で芝居がばれて、その地を支配するフランス将軍に逮捕されてしまう。将軍はグリム兄弟に命じ、森で10人の少女が姿を消した事件の調査に向かわせた。猟師の娘アンジェリカをガイドに、森の奥深くに立つ塔にたどり着いたグリム兄弟は、その塔に伝わる女王の逸話を知る。その頃、森に不気味な異変が起こり始めていた。 (goo映画より)

「ブロークバック・マウンテン」でヒース・レジャーを観たばかりですが、この映画ではどんな演技なのだろうと思ったら、全然別人に見えました(笑)
まだ26,7歳のはずですが、マット・デイモンとどっちが兄でどっちが弟役なのか分からないくらい老けて見えましたよ~。丸メガネにひげというのもありますが…そしてやっぱり話し方は、「ブロークバック・マウンテン」の時と違い、あのぼそぼそしゃべりは演技(訛り)だったんですね~。
マット・デイモンはぱっと見、かっこよくない…と思いましたが、すぐに慣れました(笑)

ファンタジー映画でグリム兄弟という事なので、「赤ずきん」や「ヘンデルとグレーテル」「眠りの森の美女」「シンデレラ」「白雪姫」などのパロ(と言っていいのか?)が出て来ました。マットとヒースがシンデレラに扮して、床磨きをしていた時は爆笑しました。あの格好!キモイよぉ~~~(笑)
愛する人にキスをすれば魔法が解ける、とジェイクがアンジェリカにキスをするんですが、全然、愛がこもっているように見えないのはなぜだ(爆)

そうそう、ピーター・ストーメアが出てました。「コンスタンティン」で悪魔役やってた人ですね。最初はグリム兄弟と敵対してますが、ラストでは仲間になっていて、それがまた良かった。オイシイ役だなぁと思いながら観てました。

全体的にコメディタッチなのも笑えてよかったです。その分、ツッコミ所もいろいろあった気がしますが。セリフも良かったので楽しめました。
兄弟喧嘩もするけれど、マット扮するウィルは弟をとても愛していて、「弟のいない人生なんて…」とか言ってるので、あら、ヒースってば、また愛されてるわ~と思ってしまいました(笑)

ただですね。森の中という事もあって、黒い虫がゾロゾロゾワゾワ、あれにはまいった(苦笑)虫が苦手な人は気を付けた方がいいです。ハイ。

ザ・インタープリター

2006-03-25 18:13:26 | 映画(さ行)
ニコール・キッドマン、ショーン・ペン、キャサリン・キーナー、イェスパー・クリステンセン出演。シドニー・ポラック監督作品。

アフリカのマトボ共和国。独裁的な大統領ズワーニが治めるこの国では、民主化を目指す多くの活動家の命が無惨に奪われていた。マトボに生まれた女性シルヴィア・ブルームは、現地のクー語の通訳として5年前からニューヨークの国連本部で働いていた。ある日、彼女はズワーニ暗殺計画にまつわる会話を偶然耳にする。すぐさま当局に通報したシルヴィアだったが、以来彼女の身辺では不穏な動きがつきまとう。彼女を守るためトビン・ケラーや女性捜査官ウッズらシークレット・サービスのメンバーが送り込まれる。しかしケラーはすぐに、シルヴィアが何か嘘をついているとの直感を抱くようになり、彼女への疑念を強めていくのだが…。(allcinema onlineより)

公開時、非常に気になっていた映画でした。サスペンスだし、私が好きそうな感じの映画だな~と。
ただ、主演の二人が苦手で…試写会当たらないかな、と結構たくさん申し込んだんだけど、ダメでした。お金払って観に行く決心がつかず、DVDになって、やっと観ました。
思っていたのとちょっとストーリーが違ったのですが、なかなか楽しめました。緊張感のあるシーンがとても良かったです。なんかちょっと物足りなさも感じましたが……
主演の二人は苦手ではあるんですが、演技が嫌いなわけではなく、ニコールに限って言えば、顔が苦手(苦笑)。どうしても冷たいツンとした感じがしてしまって。
この映画でも常に眉間に皺が寄っているような表情でしたが、ラストで笑顔を見せてくれて、いつもこんな感じならいいのにーと思いました。
彼女はとっても色白で、綺麗過ぎるんだと思います。他から浮いてしまうんですよね。むかーし、トム・クルーズと共演した「ディズ・オブ・サンダー」を観た時、彼女は映画の中で1人浮いていて、嫌な感じの人だなぁと思ったら、その後、トム・クルーズと結婚したので、マジで驚きました…。離婚しちゃったけど…

以下、ネタばれ含みます。
ストーリーは難しかったですね。「シリアナ」ほど???ではなかったですが(笑)
黒人の顔の見分けがつかず、あの人最初から出てたっけ?みたいな感じになってしまって。ラッド氏は最初から怪しかったですけどね。
ラスト、シルヴィアがゾワーニを撃とうとしたのは、最初から計画されていたわけじゃないですよね?観た時は、ラッド氏と組んでたのかと思っちゃいました。あまりにも普通に控え室みたいな所に入れてるし…国連の職員だから??
上のブースからゾワーニを撃とうとした人が狙撃銃を組み立てている時も、そのパーツがフルートの一部に見えて、最初の方でその場所にシルヴィアが置いていたバックの中にフルートが入ってたっけ、と思い出し、え?仲間なの??
と思ってしまったんです。でも違うよねぇ(苦笑)
よく分からないけど、見直す程じゃないので、別にいいか、と(笑)

バスが爆発する直前のシーンが非常に緊張感のあるいいシーンでしたね。バスの中と犯人と思われる人の家の中の捜索、そして、バスの中にいる捜査員とケラー捜査官が電話で話すカットバック。上手いな~と思いながら観てました。
ケラーとシルヴィアが心を通わすシーンもいいですね。でも深い間柄にならない、というのもいいですね。そこでラブラブになるのも嘘くさいし。

実際の国連での撮影が初めて許可されたそうですね。ほほう、これが…なんて思いながら観ました。



ブロークバック・マウンテン

2006-03-23 13:59:37 | 映画(は行)
ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール、ミシェル・ウィリアムズ、アン・ハサウェイ出演。アン・リー監督作品。

1963年、ワイオミング。ブロークバック・マウンテンの農牧場に季節労働者として雇われ、運命の出逢いを果たした2人の青年、イニスとジャック。彼らは山でキャンプをしながら羊の放牧の管理を任される。寡黙なイニスと天衣無縫なジャック。対照的な2人は大自然の中で一緒の時間を過ごすうちに深い友情を築いていく。そしていつしか2人の感情は、彼ら自身気づかぬうちに、友情を超えたものへと変わっていくのだったが…。(allcinema onlineより)

公式サイト 

アカデミー賞はじめ、数々の映画祭で受賞した作品。そして監督賞はほぼ総なめ状態のようですね。
映画が始まる前に、受賞歴がゾロゾロと流れて、ちょっと苦笑しましたが。

せつない愛の物語でした。冒頭の山の風景、羊たちを観て、ああもうこの映画好きだ、と思いました。こういうのを好きと思えるようになったのを自覚すると、年取ったなぁと思いますね(汗)。
同性愛の映画、という事で、最初にキモチワルイと思ってしまうと、もうたぶん最後までダメなんですが(「真夜中の弥次さん、喜多さん」はダメでした)、全然そんな気持ちは起こらず、ただただ二人の切ないラブストーリーとして観る事が出来ました。
たくさん賞を取っていて話題にもなっていたので、かなり期待して観に行きましたが、期待は裏切られる事なく、満足出来る映画でした。


以下、ストーリーに触れますので、ご注意願います。

対照的な二人が友情を築いていくのは、とても自然でした。山の風景が美しく、いろんなものが優しく見えたような気がします。
テントの中で、二人が一線を越えてしまうシーンは、やや唐突に感じましたが、山を降りて、別れた後のイニスが吐きそうな程、苦しんでいる姿を観て、とてもせつなくなりましたし、4年後に再会した時は、こっちまで嬉しくなりました。イニスも、ジャックが来るのを待つ間、家の中でビール飲んだり、タバコ吸ったりと落ち着かなくて、なんか可愛いなと思ったりして。
再会して、激しく抱き合うシーンは、これって男女でもこんなに風にならないんじゃないかと思うくらいでした。イニスの奥さんに、二人がキスしてるところ、見られちゃうんですけどねぇ・・・(苦笑)。
二人のそれぞれの状況をじっくりと描きながら、イニスとジャックは、一緒にいたいけど出来ない、というせつない感情を上手く描いているなと思いました。アコースティックギターの音色がせつなさを強調してましたね。

ラストで、あっけなくジャックが死んだり、イニスがジャックの違灰をブロークバック・マウンテンに持っていくのかと思いきや、そうはしない、感傷的になり過ぎない演出がこれまた、いいなと思いました。逆に、イニスが山に忘れてきたと思っていた血のついたシャツを、ジャックが大事に持っていた所にグっときましたね。

ヒース・レジャーは初めて観ました。が、「ブラザーズ・グリム」に出演しているようですね。DISCASから来ているので、近いうちに観ると思います。この映画で奥さん役のミシェル・ウィリアムズと結婚されたそうで、ストーリーがストーリーなので、ちょっとびっくりです(苦笑)。この映画ではモゴモゴしゃべっていますが、どうもこれは演技のようですね。
ジェイク・ギレンホールは、つい最近、「ジャーヘッド」を観ました。その時の印象が強いですが、若いけど、なかなか演技の上手い役者さんですね。「デイ・アフター・トゥモロー」にも出演していたようですが、印象に残ってません(汗)。

スタンド・バイ・ミー

2006-03-22 11:20:16 | 映画(さ行)
ウィル・ウィートン、リヴァー・フェニックス、コリー・フェルドマン、ジェリー・オコンネル、キーファー・サザーランド、リチャード・ドレイファス出演。ロブ・ライナー監督作品。

59年、オレゴン州の小さな町、キャッスルロック。ともに12歳のわんぱく仲間4人が、森の奥で行方不明になった少年を見つけだそうと冒険に出る。しかしこの2日間の冒険は、それぞれ生涯忘れられない思い出となるのだった。(allcinema lonlineより)

86年の作品です。最初に観たのがいつなのかはっきりしないのですが86年という事を考えると公開当時に観たとは考えられないので、おそらく高校生の時に観たのが最初だと思います。
名作、と言われていたのでビデオを借りたのだと思いますが、正直、面白くありませんでした。特に大きな事件が起きるわけでもなく、普通の少年4人の夏の想い出、という映画だったからだと思います。
一昨年、キーファー・サザーランドのファンになった時、え?不良のにーちゃん役で出てたの?全然覚えてないよ、という事で観てみて、衝撃を受けました。
なんでこんな名作を面白くないと思ったのだろうと・・・
やっぱり年を取ったということなのでしょうか(爆)。

アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞にノミネートはされていますが、受賞はしてないようです。ありえない。こんな名作が賞を取れなくて、他にどんな映画が取るんじゃい・・・

いつかDVDを購入しようと思っていたのですが、安く手に入る機会があったので、コレクターズ・エディションを購入。メイキングでキーファーが懐かしそうに当時の事を話すインタビューを観る事が出来て、大満足です。
他にも当時の4人の少年のうち3人と監督、そして、リチャード・ドレイファスのインタビューを観る事ができました。
インタビューのなかった4人のうちの1人は、皆さんご存知のリヴァー・フェニックス。彼は4人の中でも一際オーラを放つ少年でした。リヴァーが小指を唇にあて、投げキッスをするシーン、ヤバイです。セクシーです(笑)。
リヴァーの出演作品は他にも「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」や「マイ・プライベート・アイダホ」などは観ました。
彼の若い死には、当時、とても衝撃を受けたと同時に残念でなりませんでした。この映画のラストを観ると、その気持ちが一層つのります。
コレクターズ・エディションのミュージックビデオでは、リヴァーがギターを弾く姿を観る事も出来ます。

この映画の何がいいと言えば、とにかく少年4人の演技が素晴らしい。とても自然です。撮影の前に合宿をしたと監督が言っていましたが、それが良かったのでしょうね。子役に上手い演技をさせるには、演出も上手くなければならないので、ロブ・ライナー監督は素晴らしい監督だと思うのですが、今、あまり名前を聞かないような・・・・・・

少年たちの家の事情や彼らが抱える悩みなども描かれ、それが観ている側の胸に突き刺さります。戦争の英雄だが、精神を病み、入院している父親がいるテディ、家が貧乏で酒飲みの父親がいるクリス、両親が亡くなった兄を溺愛し、父親に愛されていないと感じているコーディ・・・

親や大人を信じられない子どもたちにとって、友達というのは、どんなに大切な存在なのだろうと改めて考えさせられます。
行方不明になった少年(死体になっていると思われる)を見つけるたった2日間の冒険にそれが凝縮されて描かれています。
私が一番グっときたシーンは、コーディが死体を見つけたシーンです。
コーディの両親は、兄のことにしか関心がなかったのに、当の兄は、コーディの作家としての才能を見抜き、それを認めてくれる、コーディにとって大切な存在でした。そんな兄の葬式でも泣けなかったと言っていたコーディが、死体を見つけた時、死んだ兄を思い出し、なぜ死んだの?と泣きながら問いかけ、父親は自分を愛していないと言い、感情を爆発させます。その隣でクリスは、コーディの肩を抱き、慰めます。クリスは、兄と同じように、コーディの作家としての才能を見抜き、他の人がその才能を育ててくれないのなら、自分が守ってやる、と言ってくれる存在です。
そんな大切な友人のクリスが、不良少年エースにナイフで脅された時、コーディは持っていた銃を発砲し、逆にエースを脅します。目が据わってました(笑)。
そして、新聞やTVに出る事で英雄になろうとした少年コーディはラストで、「英雄になるんじゃないのか?」とテディに聞かれ「こんなんじゃダメだ」と答えます。
そして、彼は大人になって作家として成功します・・・。

ホラー小説で有名なスティーブン・キングの小説が原作です。メイキングにはスティーブン・キングのインタビューも入っていて、それを観ると、この小説は自伝ではありませんが、多分に彼の経験や見聞きした事などが織り込まれているようです。

キーファーは、上にも書いたように不良少年エースとして登場します。4人の少年たちは、スタッフも監督も全然怖くなかったようですが、唯一、怖い存在がキーファーだったようです(笑)。コーディ役のウィル・ウィートンは、今考えると、あれはキーファーの役作りだったと言っていました。
パッと見、迫力があって怖いです。脇役なのに存在感があります。そして演技が上手いです。
同時期にキアヌ・リーブスと共演した「ザ・ブラザーフッド」という映画にも出演していますが、全くキャラが違います。別人みたいに。当時、17,8歳くらいですが、この頃から、悪役もオッケーな演技派俳優だったんですね。
また、当時は今のように酒焼け、タバコ焼けしていない声です(笑)。でも十分迫力ありますよ。必見です。

もう一つ。音楽もいい。60年代のオールディーズが何曲も流れます。私は60年代オールディーズのカバーをしていたバンドを好きだったので、聴いた事のある曲が何曲もありました。「ロリーポップ」とかは、聴いた事ある人、結構いるんじゃないかな~

12歳のひと夏のストーリー。その時の友人が大人になってずっと続くわけではなくても、その時、感じた友情や気持ちはずっと消えないものです。
あの時にしか経験できなかった、と思えるからこそ、大人になってこの映画を見ると、共感でき、感動するのかもしれませんね。

小学生の頃、一緒に木登りをして、木の上を秘密基地と称して、いつも集まっていたあの男の子たちは、今どうしているだろう・・・。