Movies!!

映画感想ブログです。3周年を迎えました♪
相変わらず、日本映画と香港映画が好きです。

うつせみ キム・ギドク監督&行定監督トークショー

2006-03-31 22:01:56 | 映画(あ行)
昨日3月30日、恵比寿ガーデンシネマでキム・ギドク監督と行定監督のトークショーがあり、行って来ました。
私は仕事が終わってから駆けつけたのですが、友人が先に整理券をもらってくれたので、余裕で入る事ができました。が、集合時間になって、映画館に行ってみると、凄い人。230席くらい席がある劇場ですが、立ち見まで出る大盛況でした。整理券をもらってくれた友人に感謝感謝です。
正直、純粋にキム・ギドク監督目当ての人がどれくらいいるんだろう・・・と思いましたが、トークショーでの拍手の凄さを考えるとキム・ギドク目当ての人がほとんどだったのではないかと思います。
なんだかとても不思議な気持ちがしました。1年前、「サマリア」を観るまで、全く知らない監督だったのに、今、生キム・ギドクを観ているのですから。

映画上映後に監督二人のトークショーがありました。
映画は試写会に続いて2回目の鑑賞でした。
前回観た時の感想はこちら

最初は恥ずかしそうにボソボソと話していたキム・ギドク監督ですが、最後の方は胸を張って、大きな声で堂々と話をされていて、自信に満ち溢れているように見えました。よく写真で見かけるように帽子を被っていたので、やや後方にいた私には表情はよく見えなかったのですが・・・・・・

行定監督は6年前の釜山映画祭に「GO」が招待され、行った時にキム・ギドク監督と知り合ったそうです。キム監督は珍しく酔っ払っていて覚えていないだろうと思っていたら、次に会った時にちゃんと覚えていて、記憶力のいい人だと思ったとか。
キム監督は、どこへ行っても、一番仲がよい監督は行定監督だと言っているとの事。
今回の来日は「弓」のプロモーションだそうで、この映画もセリフがないので、早く観たい人は韓国版のDVDを観てください、僕はもう観ましたと行定監督が言ってました。
新作の「タイム(time)」はすでに撮り終わり、ポストプロダクションも終わっているとの事。観客からの質問にセリフがない映画が多いがこれからもそうなのか、というのがありましたが、「タイム」はセリフがあるようです(笑)。
キム監督はだいたいいつも2週間くらいの短い期間で映画を撮り終える事、低予算である事、行定監督は日本でも長く撮る方なので見習いたいそうです。「北の零年」は7ヶ月かかったとか。「ロックンロールミシン」は2週間で撮ったそうですが。「ロックンロールミシン」はキム監督も観たそうです。私は未見~。
低予算で撮るというのは、キム監督自身がお金をかせぐのにとても苦労した経験があるので、自分のお金が大事ならば、他人のお金も同じように大事で、自分に投資してくれる人のお金は大事に使いたい、投資してくれる人には一生感謝しなければならないと思っているとの事。うーん、ウォン・カーウァイ監督に、このキム監督の話を聞かせ(以下略)。
行定監督が、ぜひキム監督に日本で映画を撮ってもらいたい、一緒に何か出来ないかと思っていると言っていました。キム監督は日本という国をずっと誤解していた、それは自分が受けてきた教育のせいだと思う、映画製作に携わるようになり、自分の映画に投資してくれる日本人や配給してくれる会社などと関わるようになって、イメージが180度変わったとの事。今回の「うつせみ」のテソク役にも日本の俳優の金子賢さんや安藤政信さんにオファーをしたが、キム監督の映画を撮る期間が2週間と短いため、スケジュールやいろいろな問題で叶わなかった。「弓」も少女役には日本の女優をと考えていたが、それもいろいろな問題で叶わなかったとの事。自分のことを好いてくれる人達がいるので、これからもそういう人たちと仕事をしていきたいと思っているとの事。
もちろん、安藤くんの名前が出た時点で、過剰に反応する私(大笑)。金子賢に安藤政信ってそのまんま「キッズリターン」だね、と一緒にいた友人と話してました(笑)。
安藤くん、2週間くらい、他の仕事放ってでも行くべきだったよ!(と勝手なことを言ってみる)
でも話を聞いていて、なんとなく、近い将来そういう機会があるんじゃないかなと思いました。
「うつせみ」は難しい映画で、観る人によって、解釈がいろいろ出来ると思う、ソナが見た夢、テソクが見た夢、ソナの夫が見た夢という解釈が出来るとの事。どうやらキム監督はソナの夫が見た夢、という風に撮ったようです。
この「うつせみ」は心にある空間を埋める映画だと思う、固く閉ざしている心をノックする映画で、今、韓国では、ノックをしてもドアを開けない人が増えている、そして1回ノックして開かなければ、それで諦めてしまう、なぜ1回で開かなければ、何度も何度もノックしようとしないのか、これはそういう映画だと思う。この映画を観て幸せな気持ちになった人は、そういう空間がある人だと思うと言っていました。
質問の中で、赤い色がいつも特徴的なので、今回はどういうつもりで赤を使ったのかというのがあったのですが、キム監督は、自分は特に赤にこだわっているわけではないと言っていました。どの色にこだわってというのはないというのを繰り返し話してましたね。そして、黒と白が混ざった色はどんな色でもない、だから自分は黒と白は同じだと思う、と言っていました。パンフにもありましたが、黒と白が同じというのは、善と悪は同じであるというのに繋がっているのかなと思いました。黒と白の話は行定監督も「居酒屋で何度も聞いた(笑)」と言ってました。

予想以上に長時間、トークそしてティーチインがあったので、全部覚えてません(汗)。そして、うろ覚えな話しは自分の言葉に置き換えているのもありますので、ご了承を。どなたかこんな話もしてたよ~とか、補足していただけるとありがたいです。

ところで、画像のサインですが、ワタクシ、監督にサインをもらってしまいました!!!
パンフを買って、外に出たら、人だかりがあって、なんだろう?と近付いてみると監督がサインをしてるじゃないですか!!
ペン持ってこなかったよ~~~と言いつつ、人だかりに近付いていったら、ちゃんとサインペンを持っている人が何人もいて、凄いな~と思いました。で、近くにいたオバサマがサインをもらい終わっていたので、「すみません、ペンを貸してもらえませんか?」と言ったら、快く貸してくれました!
そしてなぜか監督の近くでパンフとペンを出したらすぐにサインをしてもらえました!!ずっとサインをもらうために待っていた方ごめんなさい!ペンを借りてたので、焦ってパンフを出したらすぐにしてもらえたんです~~。
しかも、スタッフの方が「キム・ギドク監督、移動の時間ですので、そろそろ…」と言っていたのですが、なんせ日本語なので(笑)、監督はスタッフをチラっと見た後、すぐにまたサインをくれました(笑)
サインをもらって、オバサマにペンを返して「ありがとうございました!」と言ったら、オバサマは良かったね~と言ってくれ、なぜか監督もオバサマに「ありがとございましゅ(と聞こえた・笑)」と言ってました(笑)
でも、後でサインをよく見たら、日付けが間違ってる(爆)。昨日は3月30日でしたよ~29日って書いてありますが(笑)そして、このサイン、パンフが上下逆です。私が監督に渡した時に動揺してしまったようです。暗かったし~。
話しかけてみる、という事は全く思い浮かばなかったのですが(あんなに近くにいてチャンスだったのに!)、安藤くんを使って下さいと言えばよかった~~(笑)。名前を連呼すれば理解してもらえたかも(爆)。
監督と写真を撮ってる方もいましたね。
なんかもうミーハー炸裂で、こういう時の自分の行動力は凄いといつも思います。さすが慣れてるというか(笑)。サインもらえて、とても嬉しかった。監督は丸い顔の小柄な普通のオジサマでした。どうやら「ありがとうございます」という日本語は覚えたらしいですね(笑)トークの時も言ってましたし。
時間が来てしまって、トークショーが終わる時もまだまだ手を挙げて質問をしたがっていた人がたくさんいました。またこういう機会があるといいなと思います。
今回のトークショー行って良かったです。大満足でした。


最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
話しかける (lovelytelly)
2006-03-31 22:45:09
だよねえ、難しいよね。アンドウシ、ジュセヨじゃまったく意味通じないしね…。最近韓ドラ見てるんだが、このまま見てたら喋れるようになるんじゃねえかと浅はかな誤解しかけてるこの頃(汗)。
返信する
>lovelytelly (hi-chan)
2006-03-31 23:06:09
ジュセヨって何?(笑)

ssiだかsiiだかが、もしかして「さん」なのかしら?と最近思うようになった私。

韓国俳優のファンの方はブログで皆さん書いてるのよ。

韓ドラ観てるの?何観てるのー?

私も観てみたいと思いつつ、まだなのねん…



大学で朝鮮語をやっていた同僚が言うには、韓国語は日本人には聞き取りやすいし、話しやすいはずなんだってさ。へぇ~



私は4月から中国語やるぞ~(ほんとか?)
返信する
ありがとう!! (フェイユイ)
2006-04-01 00:53:58
うわー!私が知りたいと思っていた、キム・ギドク監督のトーク・ショーについての詳しい情報ありがとうございます!!

ギドク監督の様子が見えてくるような素晴らしい記事ですね。

行定監督のおかげでギドク監督がますます日本びいきになってくださることを願います(笑)

安藤くんのこと残念だったですね。名前を連呼すべきだったと私も思います。

でもサインをもらえたなんて!オバサマに感謝ですね(笑)
返信する
すばらしい! (らんぼ~)
2006-04-01 08:00:45
おおお~やっぱりトークショーいらっしゃったんですね!

すばらしいレポに感謝感謝です。

しっかし、安藤くんの名前が監督から出るなんて!!その時のhi-chanの過剰反応ぶりが、手にとるようにわかります(笑)

>安藤くん、2週間くらい他の仕事放ってでも行くべきだったよ!

はい、まったく同感です。そんなにいっつも忙しい身じゃなかったはずなのにね~(汗)

でもでも、近い将来ぜったい実現できると信じて(hi-chanのカンを信じて)生きていくぞ~!!

返信する
>フェイユイさん (hi-chan)
2006-04-01 12:22:43
こんにちは。喜んでもらえて、良かったです。

でも本当はもっといろんな話をしていたと思うんですが、全部は記憶できませんでした…。

隣の男性は途中からノート出して、メモしてました。

行定監督があんなにキム・ギドク監督と交流していたとは全然知りませんでした。行定監督を通して、キム監督が日本で映画を撮ったりできるといいなぁと思いましたね。

日本の俳優を使うのには、なんだかいろんな障害があるようですね。



サインの件は、ほんと、オバサマに感謝です。私がかなり喜んでいたので、一緒に喜んでくれました。全然知らない人なんですけど(笑)
返信する
>らんぼ~さん (hi-chan)
2006-04-01 12:27:01
>その時のhi-chanの過剰反応ぶりが、手にとるようにわかります(笑)

あははは。さすがにきゃぁ~~とは言いませんでしたが、身体がビクっと反応してしまいました(笑)

「うつせみ」を撮っていた頃って、安藤くんは何をしてたんだろうと真剣に考えてしまいましたよ。



日本の俳優を使う時、真っ先に安藤くんにオファーしてくれると信じてます。

安藤くんも最近頑張っているので、ちょっと忙しいかもしれないですけど、ぜひぜひ出演して欲しいですね~
返信する
また読んじゃいました (らんぼ~)
2006-04-10 18:41:17
また「キム・ギドクの世界ー野生もしくは贖罪の山羊ー」を読み返してみたのですが、これによると「空き家」の撮影は7月2日にクランクインし、7月18日にアップとなっています。

製作年度2004年となっているので、その頃の安藤くんといえば、まさに7月10日に「69」が公開され、その前後はPR活動に忙しかった(雑誌の数もハンパじゃなかったもんね)ちょうどその頃。だよね~。でもさ~。なんかの撮影中ってワケじゃなかったんだよね~。まあ今さら言ってもしょうがないけどね(笑)



この本、前に読んだ時より、日本で観られる作品を全部観たっていうのもあって、かなり興味深く読むことができ、キム・ギドクに思った以上にのめり込んでしまった自分を再認識いたしました(汗)

結局ど~していいんだろう?って考えると、キム・ギドク映画に出てくる人物の生きる手段、生きる為の純粋さが、私に、できれば避けて通りたい罪の意識を思い起こさせ、つまらないプライドをずたずたに引き裂き、心の奥まできたぁ~っていう快感なのかも(大汗)



「私は私の生の中にあるものを見つめたいから映画を撮るのです。私にとっての映画は世の中につながるロープなのです。私はそこにしがみついているのです」

う~んいい言葉じゃ。

返信する
>らんぼ~さん (hi-chan)
2006-04-11 16:21:37
amazonのウィッシュリストに入れたまま、まだ購入してません~。

ちょっとお高いので、迷いもあって。図書館で借りれるかなとかいろいろ・・・

でもやっぱり欲しいかも。買おうかな。

読むと、のめりこみそうですねぇ(苦笑)。



この映画の撮影期間、「69」のプロモーションとぶつかってたんですか~

うーん。あれをブッキー一人にまかせて、韓国へ、というわけには行かなかったのかもね(苦笑)。
返信する
もち図書館です (らんぼ~)
2006-04-11 16:54:01
この本、図書館で予約したら、翌日に連絡がきました。

ありゃ~、勝手に熱くなってんのは私だけ?
返信する
>らんぼ~さん (hi-chan)
2006-04-12 17:49:25
いやいや。そんなことないですよ。

少なくとも映画に関しては、試写会の応募もコメント欄に延々と思いのたけを綴り、見事当選して行った会場で、キム・ギドク監督の来日を知り、恵比寿の映画館に会社終わった後にかけつけて、こんなレビューを書くくらいですから(笑)。

図書館で借りてもいいんですが、今、いっぱい予約してて、これ以上予約できないかもー(汗)

でも、やっぱり欲しいかなぁ。ゆっくりじっくり読みたい。時々読み返したい。

ただまたお金が出ていく予定なので、もちょっと先になるかも(苦笑)
返信する