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堤真一、阿部寛、椎名桔平、田中麗奈、黒木瞳、宮藤官九郎、柄本明、谷村美月、宮迫博之出演。原田眞人監督作品。
公式サイト
終戦から7年後の1952年。“探偵”榎木津礼二郎(阿部寛)は、元映画女優の柚木陽子(黒木瞳)から失踪した娘・加菜子(寺島咲)の捜索を依頼される。同じ頃、売れない作家の関口巽(椎名桔平)は、カストリ雑誌『月刊實録犯罪』の記者・鳥口(マギー)から少女バラバラ連続殺人事件の記事を任され、若手記者・中禅寺敦子(田中麗奈)と共に事件との関係が疑われる新興宗教“深秘御筥教”への潜入取材に向かう。一方その夜、謹慎中の木場刑事(宮迫博之)の後輩で、連続殺人事件を担当する青木刑事(堀部圭亮)は、駅のホームで加菜子が電車にひかれ瀕死の重傷を負った現場に遭遇する。搬送先の病院に駆けつけた陽子は、加菜子を高名な美馬坂医学教授(柄本明)の研究所へ転院させてしまう。そこは、巨大なハコ型をした異様な建物だった。やがて、難解な3つの事件は敦子の兄にして古書店“京極堂”主人・中禅寺秋彦(堤真一)のもとへと持ち込まれることになるのだが…。(allcinema onlineより)
総合:★★★★☆
ストーリー:★★★☆☆
映像・演出:★★★☆☆
思ってたよりグロくて、コミカルだった(笑):★★★★☆
前作の「姑獲鳥の夏」の感想は
こちら。
前作は、堤さんが出演しているというだけで見に行ったミーハーな私(笑)。「姑獲鳥の夏」の映画を観た後、原作を読んだのですが、なんだか小難しくて、でも一気に読んだという記憶があります。が、続きを読もうとまでは思わなかったらしい。
で、今回。シリーズ2作目の「魍魎の匣」が映画化されると知って、じゃあ今回は先に原作を読もうかなと手にとってから・・・この「妖怪シリーズ」にハマってしまいました。
現在、本になっている妖怪シリーズはすべて読みましたが、私はこの「魍魎の匣」の話が一番好きです。衝撃度、グロさ(笑)がピカイチ。でもって、この「魍魎の匣」の実質主人公の木場修太郎のキャラが結構好きかな、と思っているので。それから、心理学、宗教、占い、超常現象などについて語られていて、それが非常に面白かった。これを読んで、私は運命とか占いを信じなくなりました(笑)。世間では、占師やなんとかカウンセラーがもてはやされているようですが、私は全く関心がありません。子どもの頃、占いやおまじないの本を読み漁っていたのが嘘のよう(笑)。ただし、占いを信じている人を否定しているわけではありませんので、あしからず。
まぁ、あの手のモノがうさんくさいと思っている人は、この本を一読してみると良いかも。著者は京極夏彦氏。分冊文庫も出てますので、読みやすいです。(持ち運びしやすいと言うべきか)
ちなみにその辺の薀蓄は映画ではバッサリカットでした(笑)。
話しがそれてしまいました。映画ですが、まぁまぁ合格点でした。納得いかないシーンもありますが、あの長いストーリーをよくまとめたなと。バッサリなくなったエピソードもありますが、役者陣が頑張っていたのと、コミカルな部分が楽しく観れたので良かったです。ストーリーを知っているので、ミステリーモノとしては見ることが出来ませんでしたが、犯人は誰なんだ!!ということはあまり重要ではなかったような。公式サイトの出演者コメントでネタばれしてますし(爆)。
以下、
ネタばれも含みますので、ご注意願います。
一番良かったのが、阿部ちゃん演じる榎木津かな。私はこのシリーズを読む前に前作の映画を見ているので、役者のイメージで読んでいるのですが、それを差し引いても、阿部ちゃんの榎木津はかなり近いなと思いました。特徴があるので、演じやすさもあるかも。今回はハジけると言っていた阿部ちゃんでしたが、もっとハジけてもいいかも。ただ、「魍魎の匣」あたりでは、原作でもそんなにハジけてなかったかな・・・。
一番納得出来なかったのは、宮迫さん演じる木場修。どうやら、宮迫さんのスケジュールの都合で出番が減ったらしいですが、青木刑事だけで十分な感じ。上にも書きましたが、このストーリーの実質主人公は、木場修なわけですが、そうではなくなって、木場修がバッサリカットで、あとはだいたい均等に役割が割り振られていたような感じでした。木場修は、このシリーズで重要なメンバーですが、この映画のこのストーリーであれば、いらなかったな・・・。
ストーリーはだいぶカットされ、加奈子がハコ館から失踪する部分がありませんでした。それがなくなるとラストが活きてこないんですけどね・・・仕方ないですね。
一番最後の加奈子の「ほう」は、匣の中で言って欲しかったな、というのが願望。
田中麗奈さん演じる敦子は、前作よりもこの映画の方が原作に近いかなという気はしました。ただ、敦子だけじゃなく、京極堂の妻・千鶴子も、関口を小バカにした台詞があって、ちょっと納得出来ません。原作では、京極堂や榎木津にはいつもケチョンケチョンにやられる関口ですが、女性陣にはそれなりに扱われているので、女性陣までこれじゃちょっとかわいそう(笑)。関口の妻役の篠原涼子に至っては、ほぼ現代人みたいな感じに見えて(しゃべり方も)、ちょっとガックリ。
京極堂は原作よりも、人間味溢れる人になってました(笑)。ま、いいけど・・・ラストのピンチは、びっくりしたけど。どう考えても、ピンチになるのは関口の方で、京極堂が、しらんぷりして帰ってしまうという図が思い浮かぶんですが(笑)。
京極堂たちが御筥様のアジトに乗り込んでいくシーンはなかなか良かったです。京極堂の家で、榎木津、関口の3人が口々にしゃべり出すシーンも面白いです。榎木津が、久保竣公の所へ行くシーンも良かった。けど、榎木津があんなに簡単に刺されたりしないような(笑)。
黒木瞳演じる陽子は元女優で、劇中劇で、時代劇をやってましたね。よくあんなの撮ったなぁと感心。しかし、ラストの方での女優復帰には心底驚きました。愛する人が死に(たぶん)、娘の居所は分からないのに女優復帰して、楊貴妃役であんな晴れやかな顔。黒木さんが楊貴妃の衣装を着たかっただけじゃないのか?(爆)と、目が点になりました。
久保竣公役のクドカンは、悪くないんですが、原作の久保とは違うキャラになってました。悪意を持って、手足を切ってたみたいで・・・。それだと普通にアブナイ殺人者なんだよね。ただ箱にみつしりと隙間なく娘を入れたくて、だたそれだけのために・・・というのが狂気を感じさせてゾっとするわけなんですが。
ハコ館は、想像してたよりずっとでかくて、びっくりしました。中があんなに広いというイメージはまったくなかった。なので、美馬坂の所へたどり着くまでが長く感じましたね。久保には美馬坂の首にガッツリ噛み付いて欲しかったですが、そのシーンはありませんでした。
PG指定等がなかったようですが、思ってたよりグロかったので、グロがダメな人は要注意です。まぁバラバラ殺人事件だしね。ダメな人は観に行かないよね。
というわけで、どちらかというと、ダメ出しの方が多かったような気がしますが、私はもう1回見に行きます(笑)。前売券を使ったので、今度はレディースディに。
総合評価は、もう一度観たいと思ったので、★一つおまけ。