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映画感想ブログです。3周年を迎えました♪
相変わらず、日本映画と香港映画が好きです。

イン・ハー・シューズ(第18回東京国際映画祭 特別招待作品)

2005-10-28 14:19:12 | 映画(あ行)
キャメロン・ディアス、トニ・コレット、シャーリー・マクレーン出演。カーティス・ハンソン監督作品。

弁護士のローズ(トニ・コレット)のアパートに、美しい容姿だが職にもつかず、男にたかりながらぶらぶらしているマギー(キャメンロン・ディアス)が転がり込んできた。(ヤフーレビューより)

公式サイト

映画祭の上映作品の中で一つくらいハリウッド映画を観ておこうかなと、ぴあのプレリザーブを申し込んだら、当選しました。
申し込む前からキャストが来日しない事は分かっていたので(以前、来日しちゃったので、また来ることはないな、と)、舞台挨拶などは、そんなに期待してませんでした。
どこかの情報で(公式だったような気もするけど、今、探しても見つからない・笑)原作者が舞台挨拶をするかも、というのを見たような気がしたのですが、原作者だけ来るってことはないだろ、と思っていたら、やっぱり来ませんでした(笑)。
舞台挨拶に来たのは、大橋マキさんというアロマ・セラピストで元アナウンサーだそうです。遠かったので、顔が見えず、誰???という感じでしたが(苦笑)。
キャスト(キャメロンとトニ)からのメッセージが流れましたが、あまりにもちょこっとだったので、ぷっと吹き出してしまいました。他の客からも「これだけ?」という声が(苦笑)。
舞台挨拶の様子は映画際の公式サイトにアップされてます。

女性の自分探し、というテーマは観る前から知っていました。
観てみて思ったのは、かなり女性向きの映画だなという事。
隣で観てた男性はすやすやと寝てました(苦笑)。

キャメロン扮するマギーは、容姿端麗だが、無職・無収入で、遊んでばかりいて、父と継母がいる家を追い出され、弁護士をしている姉のローズの家に転がり込む。ローズは仕事は出来るが恋にはいつも上手く行かず、悲しいことがあった時に自分を慰めるために、大量の靴を買い込んでいる。
マギーは読書障害(計算も苦手らしいので、学習障害なのかも)で仕事が長続きせず、そのうち、ローズの恋人と寝ている所をローズに見つかり、ローズの家も追い出されてしまう。父の部屋でお金をくすねようとした時に、祖父母から自分宛てに送られてきていたバースディカード等を見つけ、マギーはフロリダに住む祖父母の家に行く・・・。
ローズは恋人を妹に寝取られ、弁護士の仕事をやめ、ペットの散歩の仕事を始めるが、元同僚のサイモンにアプローチされ、婚約することになる。妹とは追い出してから連絡がつかず、困惑していたところへ祖母から手紙が届く・・・。
マギーとローズの祖母エラは、老人ホームで働いている。夫は3年前に亡くなった事は話すのに、娘の事は話したがらない。そこへ孫のマギーから電話が入り、休暇と称するマギーを家に泊めるのだが・・・。

観る前から、なんか良さそうと思っていたのですが、期待以上でした。
マギー、ローズ、エラの3人全てに感情移入して、それぞれのシーンでホロリとさせられました。
マギーの障害を持つ身の辛さ、母のいない寂しさ、姉への想い。
ローズの妹への想い、恋が上手くいかない自分へのいら立ち、母への想い。
エラの娘への愛情、孫への想いなどなど・・・
脚本が素晴らしいです。マギーが障害を克服していく様子や仕事を通して成長していく姿が無理なく描かれていました。原作があるのに、ストーリーに無理が見えないし、辻褄が合わなかったり、突然出てくるシーンとかもない。登場人物の心情が丁寧に描かれているので、感情移入しやすいです。彼女たちの気持ちを靴という小道具を通して、描かれているというのもステキですね。また実際に出てくる靴がとってもステキ。
ローズが「服は合わないし、食べると太るけど、靴はピッタリだから」というセリフが印象に残りました。

私が一番感動したのは、マギーとローズが母との共有の想い出の話をするシーンです。楽しくて、でもとても悲しいエピソード。彼女たちにはどうする事もできず、ローズは幼いマギーに本当のことを言えず、1人で悲しみを抱えてきた事。二人にしか分からない共通の想いに、泣かされました。

ただよく分からなかったのが、継母が言ってた「私のマーシャ」。継母の血の繋がった娘のことでしたっけ?出てきませんでしたよね?最後までよく分かりませんでした。分からなくても、特に問題なかったんですが(笑)。

キャメロンやトニ、シャーリーの演技はとても自然で、監督の演出も丁寧な印象を受けました。全体的な映画の完成度は高いと思います。アカデミー賞の呼び声が・・・というの、分かる気がしました。