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映画感想ブログです。3周年を迎えました♪
相変わらず、日本映画と香港映画が好きです。

カルマ

2005-10-09 18:48:44 | 映画(か行)
レスリー・チャン、カリーナ・ラム、レイ・チーホン、ヴァレリー・チョウ出演。ロー・チー・リョン監督作品。

一人暮らしの若い女性ヤンは、このアパートに越して以来、怪奇現象に悩まされていた。その現象は徐々にエスカレートしていき、ついに彼女は情緒不安定に陥る。そしてヤンは、従姉妹の紹介で精神科医ジムにカウンセリングを受け始めた。ジムは、彼女が両親の離婚による心の傷や、階下に住む家主から死んだ妻子への強い思いを聞かされたことなどが影響して苦しんでいると診断した。こうしてヤンはジムの親身な治療のおかげで次第に回復していく。これがきっかけで2人には恋愛感情が芽生えていくのだが、今度は逆にジムの身の回りで異変が起き始める…。(ヤフーレビュより)

ジャンルで分類すると、サスペンス・スリラーでしょうか。
予告とかを見ると、まさにホラー映画という感じが伝わってきます。
確かに怖いです。ホラー映画を見慣れてない私には。
でも、ホラー映画として捉えると、おそらくそんなに怖い方には入らないでしょう。
わぁっ。とか、おっかな~いとか言う余裕がありましたから(笑)

ところで、この映画、レスリーの遺作ですね。観る前から暗いストーリーだという事は知っていましたし、レスリーがこの映画の影響を受けていたのではないかという記事も読んだ事がありました。特典映像で、制作のイー・トンシン(デレク・イーという表記でしたが。私はまた混乱しました・苦笑)氏は、明るい役が役者に影響する事はあまりないが、暗い役は、撮影が終了した後も、役者が役から抜けだせなくなる事があり、精神科にかかる事もあると言っていました。実際、安藤政信氏は、「バトル・ロワイヤル」の撮影時に、役の影響を受け過ぎて、不眠になり、医者にかかったそうですし。毎晩人を殺す夢を見たとか…。あの時の安藤くんの顔色は真っ白で、まるで人形のようでした。表情もちょっとイッちゃってる感じがあって、観てて「大丈夫?」と思う程でした。

役者って大変ですよね……

以下、ネタばれ含みます。

監督は「ダブル・タップ」を撮ったロー・チー・リョン監督。「ダブル・タップ」は好きな映画です。狂気にかられたレスリーの演技も素晴らしいし、アレックス・フォンの演技も素晴らしかった…。

しかし、レスリーは「ダブル・タップ」に続いて、辛く苦しむ役でしたね。
でもその演技がまたいいんですけど。

ストーリーはヤフーレビューにある通りで、精神科医であるジムが患者のヤンを救った後から、ジム自身の問題が明らかになってきます。
ただ、その前からちょっとずつインサートされる女子中学生(最初はヤンの中学生時代の映像なのかと思った)やジムが白い錠剤を飲んでから寝る様子を見て、なんだかおかしいなと思わせています。
自殺してしまったレスリーの恋人の霊が出て来ますが、うーん、貞子みたいでした(苦笑)。

この映画を観て、自分の問題はやはり自分で解決するしかないのだな、と実感しました。あ、もちろん、カウンセリングが無意味であるという意味ではなく、最終的に、自分の辛い過去と向き合って、乗り越えるのは自分自身なんだなと。
医者であるジムにどうやら辛い過去があって、それがトラウマになっているらしいと分かった時は、アイタタと思いました。

『誰かを助けたいと思って精神科医(カウンセラー)になる人は、本当は自分が助けて欲しいのだ……』

という、説が蘇ってしまったもので。
この手の仕事に興味があって、勉強した事がある人なら、なんとなく分かるのではないかと思います。
精神科医やカウンセラーは、本当に精神力が強い人じゃないと、なれない(なってはいけない)と思いますね。
ああ、ふと、「インファナル・アフェア3 終極無間」のリー先生の過去の罪を思い出してしまいました(爆)

一つ付け加えておくと、カウンセラーになる人達は、その訓練を受ける際に、自分の持っている問題をちゃんと解決します(そのはずです)。
なので、カウンセラーが皆、何か問題を抱えているかというと、そういうわけじゃないはずです。ええ。
精神科医については、知りませんが(苦笑)。
ま、誰だって、完璧な人間じゃないしね。

大幅に話が逸れましたが、この映画、出来はなかなか良いと思いました。ホラー映画としてはどうか分かりませんが…(あまり観ないので、判断できない)
ラストも、屋上から飛ばなくてよかった。心底ホっとしました。
これでバッドエンディングじゃ、いくらなんでも救いがないですから…。
ただホラー的要素もあるので、何度も観たい映画というわけにはいかないですねぇ。
共演のカリーナ・ラムがとても可愛かった。ヴァレリー・チョウって、どっかで聞いた名前だなぁと思ったら、「恋する惑星」でトニーの元恋人でスッチーの人でしたね!
レイ・チーホンもトニーと「月夜の願い」や「ワイルド・ブリッド」で共演してる方でした。