「紳士は金髪がお好き」 DVD マリリン・モンロー、ジェーン・ラッセル

1953年 米国作品。

ナイトクラブのダンサー、ローレライ（マリリン・モンロー）とドロシー（ジェーン・ラッセル）はローレライの婚約者である資産家の息子ガスと豪華客船でパリに渡ることになるが、ガスの同行はとりやめになった。ローレライとドロシーの二人は男性乗客の注目の的になる。お金に目がないローレライはダイヤモンド鉱山を持つ富豪ビークマン卿に色仕掛け。これをガスの父親が雇った探偵のアーニイに写真撮影されてしまう。



ブロードウェイのミュージカルの映画化。従って、本作もミュージカル映画のカテゴリに分類されますが、楽曲の少なさから私はこれはラブコメに分類しています。



金髪美人で人が良くすぐに惚れてしまう女性（従来は「頭が弱い金髪美人」と言えば通じたのですが、こういう表現は控えなければなりません）の繰り広げるドタバタ喜劇です。マリリン・モンローがキュート。こういうグラマラスで素直で保護したくなるような女性、マリリン・モンロー以上の演技を見たことはないです。歴史的遺産と言っても良いかも。本作はこれを楽しめる映画です。
お薦め。

	紳士は金髪がお好き [DVD]
	クリエーター情報なし
	20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (FOXDP)

「同族経営はなぜ3代で潰れるのか? ファミリービジネス経営論」 武井一喜

クロスメディア・パブリッシング 304ページ 2280円＋税

帯には「７代・200年を超えて成長する『仕組み』のつくり方」、「オーナー経営者なら知っておきたい、『売上・利益アップ』『資金繰り』よりも必要なこと。」とのキャッチ・コピーがあります。
同族経営（ファミリービジネス）は家族と会社のバランス。ビジネスガバナンスと、ファミリーガバナンスの両方を大切にしてバランスをとっていくことが企業としての永続性につながる。

日本の会社の90%がファミリービジネス。この中で戦後生まれの3代目にさしかかった企業が危なくなってきている。日本では同族企業（ファミリービジネス）と言うと公私混同のオーナー企業を連想されがちであるが、海外ではファミリービジネスの研究がなされ、これの優位性・正当性が検証されている。オーナー一家が今後もその企業を継続するために取り組むべき課題を簡明にまとめた書。

多少高価な本ですが。これにはまる企業家にとれば良きガイド、教科書になるかと思います。

	同族経営はなぜ3代で潰れるのか? ファミリービジネス経営論
	クリエーター情報なし
	クロスメディア・パブリッシング(インプレス)

「ビフォア・ミッドナイト」 DVD イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー

2013年 米国作品。

イーサン・ホーク、ジュリー・デルピーのコンビによる「ビフォア・サンライズ（恋人までの距離）」（1995）、「ビフォア・サンライズ」（2004）の続編。

20年前にパリ行きのユーロトレインで出会ったジェシーとセリーヌ。ウィーンで下車した二人は翌朝のジェシーのフライトまでの一夜を街を歩きながら語り合い続ける。（ビフォア・サンライズ）
その9年後、パリを訪れたジェシーは書店のサイン会でセリーヌに再会する。そしてまたジェシーのフライトまでの85分間を二人は語り合う。（ビフォア・サンライズ）
その9年後が本作。
前妻との息子を飛行機に乗せるジェシーの別れのシーンからストーリーが始まります。ジェシーとセリーヌはパリで同居。さらに可愛い双子の娘がいる。4人家族でギリシアへ旅行。最初は村の人たちも登場して、「普通の映画になったのか？」と思いきや、後半はきっちりと二人の会話だけの「ビフォア」のシリーズに落ち着きます。
前作と違うのは、二人の間で子供、前の家族、仕事という相容れない悩みがあること。これを二人がぶつけ合って、生々しい男女の口論まで行ってしまうところです。それでも、ラストは。。。




前作があっての本作。これだけ観てもよく分からない映画になります。1、２と順に観ることが必須。

	ビフォア・ミッドナイト ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) [Blu-ray]
	クリエーター情報なし
	ワーナー・ホーム・ビデオ

「雪猫」 大山淳子

講談社文庫 264ページ 560円＋税

真っ白な猫、タマオ。生まれたばかりでビニール袋に入れられ捨てられたのを救ってくれた理々子に恋をしている。理々子の家に住んで10年。ある夜怪しいクルマに追われた理々子を救おうとして飛び出したら、青年の姿に変身していた。夜だけ変身ができるようになっているが、変身すると寿命が縮むと黒猫のイヴに教えられた。

猫弁シリーズの大山淳子さんが猫の視点で書いた淡いラブストーリー。
タマオを救った理々子、理々子の祖母のおぬいばあ、父親の柳沢氏。作家の花園とその飼い猫のイヴ。こういう人たちをタマオの視線から書き綴っていきます。タマオは理々子が好きでたまらない。理々子を守るためには何でもしたい。しかし、猫の自分では。。。ある日、願いが叶って夜限定の人間への変身ができるようになる。

本作の終盤に猫弁のテヌが登場。タマオはテヌを「黒と茶と灰色が不規則にまじった、いわゆるサビ猫に出会った。サビ猫のデザインは目のやり場に困る。方向性の無い柄で、落ち着かない」と語っています。

猫の香箱の姿勢についての解説
香箱を組む。猫は安心するとこの姿をとる。四本の足をきちんとたたみ、まるでハコのようにまっすぐに腹這うのだ。この姿勢からはすぐに逃げることも攻撃することもできない。自分に気概を与えない相手といるとき限定の姿勢で、信頼の証しだ。

よく似た設定の小説に越谷オサムの「陽だまりの彼女」があります。こちらは、もっと濃厚な恋愛もの。本作は、性欲とはかけ離れた純愛。こういう淡い恋心も良いものです。

	雪猫 (講談社文庫)
	クリエーター情報なし
	講談社

「もらとりあむタマ子」 DVD 前田敦子

2013年作品。 タマ子（前田敦子）は東京の大学を卒業後、甲府でスポーツ用品店をやっている一人暮らしの父親のもとに転がり込む。タマ子は就職せず、家事を手伝わず、父親が作る食事を食べてる、漫画を読む、寝るという日々を過ごしている。TVを見て悪態をつき、近所の男子中学生からは友達がいない寂しい人として同情されたりしている。

春夏秋冬を通じて、大きなイベントや動き無し。タマ子と父親と近所の人たちの暮らしを映すだけ。ここが良かったというようなシーンは無い。 ひたすら、だらだらとした生活をするタマ子。これが少しだけ動く。父親のことを気にしたり、就職のことを考えたり。短い映画だったので、最後まで観ることができましたが、これが2時間あったら、間違いなく途中で寝てました。

タマ子を演じた前田敦子。彼女はずっこける映画ばかりでしたが、本作は許容範囲。何もしない、表情も無いという役割はできますね。 前田敦子は普段はこういう生活しているのか。そんな風にも思えたので、もしかすると演技力がアップしたのかな。 観てはならぬ映画でした。

	もらとりあむタマ子 [DVD]
	クリエーター情報なし
	キングレコード

「映画 ノ・ゾ・キ・ア・ナ 完全版」 DVD 池田ショコラ、篤海

2014年作品。 6枚組DVD。

漫画「ノ・ゾ・キ・ア・ナ」の映画化。2014.7.1に封切りとほぼ同時にDVDが発売されています。タイトルは「映画 ノ・ゾ・キ・ア・ナ」となっていますが、作品の時間構成からすると、DVDリリースが主で映画はDVDのプロモーション用と考えられます。タイトルに「映画」と付くだけでDVDの売上やレンタルにも好影響がありそうですから。

原作は13巻。これをDVD 6枚に収めることができるかなと思っていました。結果は、原作の第6巻の1話目までを映像化。デザイン専門学校の入学から期末までの1年間。ストーリーとしては、龍彦がユリと別れるところまです。

セクシー、エロティック描写は原作の半分以下。えみる役の主演の池田ショコラはランジェリーまでで、全く脱ぎません。これ以外のエリやマキコなどはしっかり脱ぐんですけど。それなりに名の通った写真集も出している池田ショコラは脱がなかったのでしょうね。ここが残念。これによって原作のバランスを崩してしまいました。惜しいです。


誰に対しても優しすぎて逆に人を傷つけてしまう龍彦。何やら隠し事があるようで、それでも優しいエリ。そして秘密を持つはかなげな謎の美少女えみる。この配役と役作りは上手いです。原作と同様にどんどん引き込まれて1週間でDVD 6枚観てしまいました。

えみる の世界にはまった人にはお勧めです。

	映画 ノ・ゾ・キ・ア・ナ 完全版 DVD-BOX
	クリエーター情報なし
	エスピーオー

「一度は訪れたい文具店&イチ押し文具」 高畑正幸

玄光社MOOK 112ページ 1500円＋税

文具王 高畑正幸が選んだ「一度は訪れたい」文具店と、最近のお薦め文具をまとめたムック本。

すてきな文具、掘り出し物が見つかる文具店の紹介。LOFTのような全国チェーンの大型店ではなくて、文具が好きなオーナーが開いているどちらかと言うと小規模な文具店の情報です。最初に紹介されたのが、私の家から徒歩で行ける一乗寺の恵文社であったのが驚き。ここは文具も置いてありますが、私のカテゴリ分類では書店なので「なぜ？」という感があります。恵文社は文具もあるけど、書籍の品揃え、陳列でいつも感心させてくれる書店なんだけどなぁ。
恵文社はさておき、これ以外にも他の本で紹介された店（これが大多数です）と、初登場の店が総計39。数は多いですが、情報量は少なめ。文具ファンとしては煮えきれないところありです。

後半の10ページが「イチ押し文具の紹介。ここも新しい情報無く、残念な結果になりました。

文具のムック本としては中途半端。お薦めはなりません。

	一度は訪れたい文具店&イチ押し文具 (玄光社MOOK)
	クリエーター情報なし
	玄光社

「ラッシュ/プライドと友情」 DVD クリス・ヘムズワース

2013年 米・英作品。

1976年のF1グランプリ。ジェームズ・ハント（クリス・ヘムズワース）とニキ・ラウダ（ダニエル・ブリュール）のタイプが全く違う二人のレーサーの戦いをスリリングに描いたスポーツ、アクション映画。
天才的な感性のドライビングするプレイボーイのジェームズ・ハントと、マシン・セッティングから事故率まで考える論理派のニキ・ラウダ。この二人はF3、F2からのライバル関係で、お互いを意識しあっていた。1976年のシーズンはニキ・ラウダが優勝を重ね年間ポイントでは圧倒的優位に立っていた。しかし、ニュルンベルグのコースでニキ・ラウダがクラッシュして再起不能とも思われる重傷を負う。残りのレースでジェームズ・ハントがポイントを獲得して年間チャンピオンになろうとしていた。そこに、ニキ・ラウダが奇跡とも言える復帰。こうして二人は残されたレースで年間チャンピオンを争うことになる。



久しぶりに観た、面白いカーレース映画です。レースシーンが上手く描かれ、さらにこれにつながるレーサーの普段の生活がこれを盛り上げていく。ライバル関係、妻への思いやり、レース資金の獲得などレースの全段としてはぴったりの要素が盛り込まれています。

ジェームズ・ハント役のクリス・ヘムズワースは「マイティ・ソー」の主演で知った俳優です。天才なのですが、死を恐れ、これに対面するために今の瞬間をとことん楽しむという生き方をする男、ジェームズ・ハント。少し崩れた男の感じが良く出ています。こういう役割、演技ができるとなると、クリス・ヘムワーズはこれから売れますね。



想定以上に面白かった映画です。クルマ好きには堪えられないです。

	ラッシュ/プライドと友情 [DVD]
	クリエーター情報なし
	ポニーキャニオン

「ノ・ゾ・キ・ア・ナ フルカラー（１３）」 本名ワコウ

ビッグコミックスモバMANスペシャル Kindle版

ノ・ゾ・キ・ア・ナのフルカラー版 最終の第13巻。

えみるとホテルに入った龍彦。そこでえみるは今晩だけの特別の覗き合いルールを復活させる約束をする。今日の0時まではえみるが、0時以降は龍彦がお互いを自由にできる権利を持つというルール。実はえみるはこのルールを使って二人の過去をなぞろうとしていた。えみるは過去ずっと龍彦を想っていたことを自分で確かめていた。
そして、えみるは兄を失った悲しみに暮れていたときに隣に引っ越してきた龍彦の姿を見て、もう一度信じることができるようになったとの告白を。
翌日、兄の墓参り。その後 JRの駅でえみるは去っていった。

ホテルのシーン。二人のセックスのシーンと、えみるの告白。これが続きます。しかし、長いとか、くどいとかは全く感じません。実は一番愛し合っていた二人がようやく結ばれる。これに至るまでの回想やえみる、龍彦の想いが重なって美しい世界が続きました。

エンディングがどうなんでしょう。最終話とそれに向けたえみるの失踪は、無理があったような。えみるは なぜこういうことをしたのか？ ちょっと説明のしようがないですね。きれいに、感動的に終わらせるために練り上げたのかとは思いますが、無理が大きすぎました。

久しぶりにはまったコミックです。
1巻で数回のセックスシーンが描かれますが、いやらしさは感じません。他の作家さんではできそうもない、美しさがあって食傷気味とかそういうことにはなり得ません。
ヒロインのえみるが愛おしいです。最初は不気味な女性であったのが巻が進むにつれて、人間味あふれた、はかなさも感じられる弱い女性であることが分かってきます。このえみるに対して常に回り道を選ぶ龍彦にやきもきしながら、応援している自分に気づいたりしました。私も若いですね。

これは残しておきたい名作です。
お薦め。

	ノ・ゾ・キ・ア・ナ フルカラー（１３） (ビッグコミックスモバMANスペシャル)
	クリエーター情報なし
	小学館

「なぜ、戦略を実行するのはむずかしい？ (組織のなやみ研究所) 」 株式会社富士ゼロックス総合教育研究所

Kindle版 ユナイテッド・ブックス 0円

株式会社富士ゼロックス総合教育研究所のビジネス書 第1弾。Kindle版の他にiBooks、Kobo版が共に無料で出ています。組織が持つ課題を人材・組織の面から解決するために富士ゼロックス総合教育研究所が研究・実践してきた内容を一般に分かりやすく解説した書籍を順次発行していくそうです。
第1弾として「戦略実行」。「分かっているけど戦略が実行できないのはなぜ」という疑問を軸としての解説。

目次
第1章　ところで戦略ってなんだろう？
第2章　なぜ戦略を実行するのは難しい？
第3章　戦略実行の“足かせ”とは？
第4章　どうすれば戦略が実行できる？
第5章　メンバーに戦略を正しく理解させるには？
第6章　実践！ 戦略実行をアップさせる「フレームワーク」の使い方

メモ
・実行できない第一の原因は現場の人たちの「戦略に対する理解不足」
・「メンタルモデル」と「スキーマ」が正しい理解を常に邪魔している。

戦略とは何かから始まり、メンバーに戦略を理解させて実行させること、戦略実行のためのフレームワークの解説まで、簡潔に要点がまとめられています。
ページ数少なめなので、1時間で読める分量です。これが少しでも実行できれば戦略実行力がアップします。
無料本としては妙な情報無く、まとまりがあって、かつ読みやすい。お薦めです。

	なぜ、戦略を実行するのはむずかしい？ (組織のなやみ研究所)
	クリエーター情報なし
	ユナイテッド・ブックス