村上ファンド「31人の投資家リスト」 7月25日

月刊誌「FACTA」に、31人の「村上ファンド投資家リスト」なるものが掲載された。もはや個人的な利殖を否定できない状況にある日銀の福井総裁の他にも、小泉改革を取り巻いた著名人たちが群雄割拠に名を連ねる。

(政治家)
浅尾慶一郎(民主)・伊藤達也(自民)・岡田克也(民主)・片山さつき(自民)・河野太郎(自民)・竹中平蔵(自民)・西村康稔(自民)・林芳正(自民)・松井孝治(民主)・茂木敏充(自民)・斉藤健(千葉7区補選落選)・塩川正十郎(元財務大臣)

(財界関係者等)
鮎川純太(テクノベンチャー会長兼社長)・新井隆司(ビックカメラ会長)・宇野康秀(USEN社長)・小城武彦(カネボウ副社長)・折口雅博(グッドウィルグループ会長兼CEO)・角川歴彦(角川グループホールディングス会長兼CEO)・木村剛(フィナンシャル社長兼CEO)・堺屋太一(作家)・澤田秀雄(H.I.S会長)・重田康光(光通信会長兼CEO)・冨山和彦(産業再生機構専務)・中川勝弘(トヨタ自動車副会長)・南部靖之(パソナグループ代表兼社長)・西川りゅうじん(商業開発研究所レゾン所長)・平田竹男(日本サッカー協会専務理事)・藤田晋(サイバーエージェント社長)・増田宗昭(カルチュア・コンビニエンス・クラブ社長)・三木谷浩史(楽天会長兼社長)・安延申(ウッドランド社長)

リストの出所は、家宅捜索した東京地検か、捜索されたM&Aコンサルティングか、ファンドを実質運営していたとされるオリックスかの3ヶ所しかあり得えないが、FACTA編集部は、3ヶ所のうちいずれかが出所であるという確証を得ているという。

永田メールの轍を踏まぬようFACTA編集部は、リストアップされた31人全員に、①村上氏に面識はあるか②村上ファンドから投資の勧誘を受けたか③村上ファンドに投資した事実はあるか④投資しているなら、投資時期や金額などを教えて欲しいと、4項目の質問状を送り、真偽のほどを確かめようとした。

その結果、竹中平蔵議員と松井孝治議員の2人は、再三の電話にも無回答を貫いている。林芳正氏や塩ジイは「回答しません」、鮎川純太氏は「取材は一切断っている」、USENの宇野康秀氏は「コメントは控える」、角川歴彦氏は「取材はお断りします」、重田康光氏は「本人への取材取次ぎはできません」、小城武彦氏は「連絡先不明」、ウッドランドの安延申氏は「回答なし」と、なっている。そして残りの21人は全員が、投資の事実は一切ないと答えている。

しかし、見れば見るほど、リストアップされた31人は、民主党の3人の議員はともかく、他は見事に小泉改革を取り巻き周辺をうごめいていた人たちばかりだ。彼らは、規制緩和をうたった小泉改革の真っ只中にいた、まさにインサイダーであり、彼らが村上ファンドへの投資を行っていたのだとすれば、それは究極のインサイダー取引きそのものだ。たびたび開かれていた「竹中勉強会」には、楽天やフルキャスト、インデックスなど急成長を遂げたITベンチャーや村上世彰氏の右腕と称されたM&Aコンサルティングの丸木社長や同社のファンドマネジャーらが名を連ね、何を隠そう「次はどの株が上がりそうか」を、詳細に分析していたというのだから、名実共に紛れもないインサイダー取引きが、公然と繰り広げられていたということになる。

FACTAも指摘するように、検察の次のターゲットは、小泉改革のメインエンジンの役割を担ってきた「規制改革・民間開放推進会議」議長であり事実上村上ファンドの主宰者であったオリックスを率いる宮内義彦氏だ。小泉規制改革の旗振り役であった宮内氏が、おそらく、最も小泉改革の恩恵に預かった人物に違いない。小泉エセ改革の申し子である村上ファンドで、暴利をむさぼったと推測されるそのインサイダーたちと、村上ファンドの黒幕であるオリックスの宮内義彦氏は、小泉内閣終焉と同時に摘発されなければならない。

更に、日本の金融の最高責任者である日銀の福井総裁を、秋の臨時国会では、速やかに辞職させなければならないのだ。子どもたちの見本とならない人物が、権力の座をいつまでも許されることは、教育上、極めてよくないことだ。濡れ手に粟の利殖行為は、まさに「国家の品格」をけがす、極めて卑劣で卑怯な行為だ。福井総裁が、秋の臨時国会を待たずに、自ら進退を決すべきだと思うのは、私ばかりではないはずだ。
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