あつしが行く!!

日本共産党前福島県議会議員・長谷部あつしが日々の活動を綴ります。

「逆転法廷」/裁判員制度/課題をかかえスタート/「異議あり!」

2009年06月04日 | 日々の活動



『逆転法定―裁判員攻略読本―』(中嶋博行著、講談社)を読みました。

著者は弁護士で作家。1994年、「検察捜査」で江戸川乱歩賞を受賞しています。

本書のメインは最初の小説パート「逆転! 裁判員法廷」で、法廷ミステリで裁判員制度の流れがわかることです。

「裁判員制度は国民的議論が不十分なまま、最高裁判所や法務省の主導によっていわば『上』からつくられました…もともと、国民の関心を呼び起こす努力が足りていたとはいえないのです」と率直に指摘されています。

警察や検察による被疑者の取り調べが密室で行なわれ、証拠の開示が捜査当局の一方的な意思のもとにおかれているため、冤罪を生まないための制度的な保障がないこと、裁判員は家族や友人にも判決にいたる評議などについて罰則をもって守秘義務を課せられること、など重大な課題をかかえたままスタートした裁判員制度。

ともかく本書は、「閉鎖的だった裁判所に新鮮な市民感覚をそそぎ込み、司法への信頼をこれまで以上に厚くする」願望で書かれています。

オビに書かれている「異議あり!」とは、制度への異議ではないようで、人気ゲーム「逆転裁判」での弁護士・成歩堂龍一(なるほどう・りゅういち)によるおなじみの指差しのシーンのようです。ごめんなさい、私はぜんぜん知りません。