あつしが行く!!

日本共産党前福島県議会議員・長谷部あつしが日々の活動を綴ります。

理解されていない医療/技術進歩・専門化・高齢化/公立病院の役割

2009年06月01日 | 日々の活動


医療は身近でありながら、理解されていない面がけっこうあるように感じています。

「短期間の入院で追い出される」とか、「救急車のたらい回し、入院拒否」とかと、マスコミの報道ではよく耳にしたり見たりします。

医療現場の現実は、長期入院者が病院経営を圧迫するしくみを国がつくったために、退院していただくほかに手がないし、救急車が来ても、その患者さんを診ることができる医者がいないのです。

さらに重大だと思うのは、ほかの産業労働とは違う医療労働の特徴です。

医療技術が進歩すれば、かつては治らなかった人が治癒し、医師から見れば、そうした患者さんを診る機会がふえます。仕事がふえるわけです。

また医療も専門化が進んでいます。各専門医がふえなければ、その医師の仕事はふえるばかりです。

そのうえ高齢社会。若い年代よりは体力も衰え、病気をもつ人がふえるのですから、医療にかかる機会がふえるのが当然です。より多くの人手が必要です。

技術の進歩によって機械化が進み、仕事が効率化されて速くなり、人手もいらなくなる分野とはまるっきり違うわけです。相手は身も心ももつ人間です。

しかも、「もうけて経営を維持すればよい」世界でもありません。




とりわけ公立病院は、経営維持だけ考えて医療提供していればいいわけでなく、国民の生存権を保障する国の責任(憲法25条)を補完し、地域の民間医療機関や福祉機関と連携・目配りし、地域住民の健康保持に責任を負うわけです。

社会の高齢化や医療の技術進歩・専門化が進むことを考えれば、公立病院の役割は大きくなりこそすれ、縮小すればいいという方向は私には考えられません。

きょうは一日そんなことを考える日でした。