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「文谷有佳里 なにもない風景を眺める:赤と黒」 Gallery Jin Projects

Gallery Jin Projects
「文谷有佳里 なにもない風景を眺める:赤と黒」 
3/13-4/6



Gallery Jin Projectsで開催中の文谷有佳里個展、「なにもない風景を眺める:赤と黒」へ行ってきました。

現在、上野の森美術館で行われているVOCA2013展にも選出された文谷有佳里。1985年に岡山で生まれ、2010年に東京芸大院の先端表現を修了。現在、愛知県で制作を続ける若いアーティストです。

文谷のドローイングと言えば、ともかく乱れ舞うような線のリズム、そしてその即興的な動きに大きな魅力がありますが、今回はこれまでの黒いペンに加え赤を使用。赤と黒という対比的な色を駆使し、絵画平面という空間を超えて、線自体が自律して運動して絡み合うかのような独自の世界を展開しています。

VOCAにおいて推薦委員の飯田志保子(インディペンデント・キュレーター)は、文谷について次のように評しています。

「文谷の作品は、カンディンスキーや武満徹が描いた図形楽譜の作曲的指示性を併せ持った、ドローイング、建築、音楽の総合芸術的な実践である。」(VOCA2013展図録P.79より転載。)

確かに純然たる抽象である文谷のドローイングも、即興や音楽というキーワードとともに、線と線が交差して、いつしか形を組上げていく建築的な構造を見ると、不思議と「何もない」はずの風景に何らかのイメージがわき上がってくるのではないでしょうか。

ひしめく曲線、うごめくユニットはまるで群衆のようです。そこへぐさりと大きく突き刺さる力強い直線はさながら舞台。また破線に点線も。放射状に進むかと思い気や、突如消失。まだ平行になって出現したりと様々。実にスリリングです。



なお今個展ではドローイングにあわせて、ギャラリー入口のガラス面にも作品を展開。



ガラスのドローイングとその向こうにある紙のドローイング。錯綜する線の動きとあいまって、より複層的な世界が作り上げられています。(ガラス面の作品は初日に公開制作で出来たものだそうです。)

VOCAでも大作を披露した文谷の今の活動。上野にほど近い、ここ末広町のアーツ千代田3331でも楽しむことが出来ました。


「VOCA展2013」@上野の森美術館(~3/30)

4月6日までの開催です。*Gallery Jinは3331の2階から地下1階へと移転しました。

「文谷有佳里 なにもない風景を眺める:赤と黒」 Gallery Jin Projects
会期:3月13日(水)~4月6日(土)
休廊:月曜、火曜日。
時間:12:00~19:00
住所:千代田区外神田6-11-14 3331Arts Chiyoda B108
交通:東京メトロ銀座線末広町駅4番出口から徒歩2分、東京メトロ千代田線湯島駅6番出口から徒歩4分、JR線御徒町駅南口から徒歩8分。
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