都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「第6回 shiseido art egg three展」 資生堂ギャラリー
資生堂ギャラリー
「第6回 shiseido art egg three展 - three is a magic number4 - 」
1/6-1/29

今年も恒例のアートエッグが始まっています。資生堂ギャラリーで開催中の「第6回 shiseido art egg」第一弾、three個展、「three is a magic number4」へ行ってきました。
「既存のモノを素材とし、それを集積、反復させ」(公式サイトより引用。一部改変。)ながら、ユニークなインスタレーションを展開する3人組のユニットthreeですが、今回もまた意表を突くような作品で楽しませてくれたのではないでしょうか。
その素材はずばりキャンディや醤油さしです。会場に入ると一目瞭然、視界に飛び込んできたのは、ちょうど家の形となって浮かんでいる7000個にも及ぶキャンディでした。
色とりどりのキャンディの包み紙が織りなす色彩世界もまた魅力的ですが、さらに一歩踏み込むのがthreeです。観客はキャンディを一つだけもぎる、ようは吊るされたキャンディを一つだけ取って食べることが許されています。
つまり観客はこの家に介在し、それを解体することが出来るわけです。私が出向いた日はまだ会期当初とのことで、キャンディハウスはほぼ原型をとどめていましたが、会期を追う毎に崩れ、それこそ上部のみが半ば無惨にも浮いたような残骸になるに違いありません。
一見、ポップな感触ながらも、そこからは何とも言い難い喪失、また不在の感覚を強く感じました。

醤油さしは映像とのコラボレーションです。6万5千個という途方ものない数の醤油さしが巨大なスクリーンと化しています。その向こうには東京のラッシュアワーの様子が映し出されていました。
透明の醤油さしの一つ一つはあたかもテレビ画面のピクセルのような働きを担っています。無論、その表面は凸凹です。一定の規則に従いながらも、多くの他者を意識せず、ひたすらにうごめく通勤客は、そうした醤油さしスクリーンによって、さらに屈折した、捉え難い存在へと変化します。イメージはより分裂していました。
threeはTWS本郷での個展も印象的でしたが、今回も趣向を変えた展示で感心しました。threeの表現、視点は決して同じ場所にはとどまりません。
1月29日まで開催されています。
「第6回 shiseido art egg」展示スケジュール
three 1月6日(金)~29日(日)
鎌田友介 2月3日(金)~26日(日)
入江早耶 3月2日(金)~25日(日)
「第6回 shiseido art egg three展」 資生堂ギャラリー
会期:1月6日(金)~29日(日)
休館:毎週月曜日
時間:11:00~19:00(平日)/11:00~18:00(日・祝)
住所:中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅A2出口から徒歩4分。東京メトロ銀座線新橋駅3番出口から徒歩4分。
「第6回 shiseido art egg three展 - three is a magic number4 - 」
1/6-1/29

今年も恒例のアートエッグが始まっています。資生堂ギャラリーで開催中の「第6回 shiseido art egg」第一弾、three個展、「three is a magic number4」へ行ってきました。
「既存のモノを素材とし、それを集積、反復させ」(公式サイトより引用。一部改変。)ながら、ユニークなインスタレーションを展開する3人組のユニットthreeですが、今回もまた意表を突くような作品で楽しませてくれたのではないでしょうか。
その素材はずばりキャンディや醤油さしです。会場に入ると一目瞭然、視界に飛び込んできたのは、ちょうど家の形となって浮かんでいる7000個にも及ぶキャンディでした。
色とりどりのキャンディの包み紙が織りなす色彩世界もまた魅力的ですが、さらに一歩踏み込むのがthreeです。観客はキャンディを一つだけもぎる、ようは吊るされたキャンディを一つだけ取って食べることが許されています。
つまり観客はこの家に介在し、それを解体することが出来るわけです。私が出向いた日はまだ会期当初とのことで、キャンディハウスはほぼ原型をとどめていましたが、会期を追う毎に崩れ、それこそ上部のみが半ば無惨にも浮いたような残骸になるに違いありません。
一見、ポップな感触ながらも、そこからは何とも言い難い喪失、また不在の感覚を強く感じました。

醤油さしは映像とのコラボレーションです。6万5千個という途方ものない数の醤油さしが巨大なスクリーンと化しています。その向こうには東京のラッシュアワーの様子が映し出されていました。
透明の醤油さしの一つ一つはあたかもテレビ画面のピクセルのような働きを担っています。無論、その表面は凸凹です。一定の規則に従いながらも、多くの他者を意識せず、ひたすらにうごめく通勤客は、そうした醤油さしスクリーンによって、さらに屈折した、捉え難い存在へと変化します。イメージはより分裂していました。
threeはTWS本郷での個展も印象的でしたが、今回も趣向を変えた展示で感心しました。threeの表現、視点は決して同じ場所にはとどまりません。
1月29日まで開催されています。
「第6回 shiseido art egg」展示スケジュール
three 1月6日(金)~29日(日)
鎌田友介 2月3日(金)~26日(日)
入江早耶 3月2日(金)~25日(日)
「第6回 shiseido art egg three展」 資生堂ギャラリー
会期:1月6日(金)~29日(日)
休館:毎週月曜日
時間:11:00~19:00(平日)/11:00~18:00(日・祝)
住所:中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅A2出口から徒歩4分。東京メトロ銀座線新橋駅3番出口から徒歩4分。
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