「遠藤利克 - 『無題』」 東京国立近代美術館

東京国立近代美術館千代田区北の丸公園3-1
「遠藤利克 - 『無題』」(常設展ギャラリー4「木に潜むもの」)
3/14-6/7

「木」や「水」を用いて、彫刻を超えた静謐な空間を演出します。常設展ギャラリー4、特集展示「木に潜むもの」に展示されていた遠藤利克の作品を見てきました。



やや照明の落とされた展示室の中央にぐるりと一周、円を描くのは、上部の窪みに水のたたえられた22本の木でした。白い壁を借景に、床面へ伸びる影を従えたそれらは、まるで祭祀的な空間を作り上げるかのように立ち並んでいます。その神聖な気配にのまれてしまいました。



おそらく偶然ではあるのかもしれません。床の色、もしくは格子状の天井までが、偶然にも作品と良く釣り合っています。



しばらく見ていると、その凛とした空気に心が洗われるような気がしてきます。円環というシンプルな造形の内部には、アニミズム的霊魂の力がこめられているのかもしれません。



SCAIの個展、またハラミュージアムアークの常設で惹かれて以来、久々に遠藤の作品とじっくり向き合うことが出来ました。

開催中の常設展は6月7日までです。

注)常設展示は一部作品を除き、許可制にて写真撮影が可能です。
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