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フローレスの「理髪師」を聴く

メトロポリタン歌劇場インターネットライブ(BartokRadio)

曲 ロッシーニ 歌劇「セビリアの理髪師」

指揮 マウリツィオ・ベニーニ
演奏 メトロポリタン歌劇場管弦楽団
キャスト 
 アルマヴィーヴァ伯爵 ホアン・ディエゴ・フローレス
 バルトロ ジョン・デル・カルロ
 ロジーナ ジョイス・ディドナート
 フィガロ ピーター・マッティ

BartokRadioのオンデマンドで聴きました。生中継で放送されたメトロポリタン歌劇場の「セビリアの理髪師」です。絶好調とまではいかないようでしたが、フローレスの美声には酔うことが出来ました。

BartokRadioオンデマンド
*Szombat(土曜日)の18時から21時の間に収録されています。放送日より一週間ほど保存されているので、今週末まで聴くことが可能です。



伯爵と言えばやはり第二幕の「Cessa di piu resistere」ですが、さすがのフローレスはここでも全く危なげなく歌い切ってしまいました。私としてはもう少し、アクの強い伯爵が好みではありますが、持ち前の甘くまた艶やかな声で、このヒートアップしたドタバタ劇をまさに諭すように静めていきます。見事です。(ところでここを聴く度に、2002年、新国立劇場の公演で伯爵役を務めたシラグーザを思い出します。ホールいっぱいに響き渡ったその瑞々しい歌声は忘れられません。)

フローレス以外のキャストも十分に務めを果たしていましたが、指揮のベニーニにもう一歩、落ち着いた表現があればより良かったとも感じました。軽やかで溌剌と始まる序曲や、その一方でのテンポをじっくり落とした各アリアでは手堅さを感じさせましたが、一部の重唱になるとややあおり気味になって先を急ぎます。緩急にも激しく、ロッシーニに特有な疾走感を楽しめる演奏ではありましたが、第一幕のフィナーレは少々乱れているようにも思いました。全体の構成を見通すような統率力にやや欠けていたかもしれません。

ちなみにこの公演も、かのMETライブビューイングで上映されていたようです。今回は、会場が映画館ではなくホールだったようですが、どのような反響があったのでしょう。また、以前に上映された「清教徒」や「魔笛」なども、この4月に首都圏郊外のMOVIXにてアンコール上映があるのだそうです。

*関連リンク
オペラキャスト(ネットラジオ全般)
METライブビューイング公式サイト(松竹)
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