北京暮らしを始めてみれば ふたたび

2012年1月から再び北京生活が始まりました。(前回は2003.1~2006.1)
北京の毎日をつづります。

故宮の建物の“半分の間”とは!?

2021-06-23 21:00:41 | 北京暮らし おでかけ編(故宮)

 

お久しぶりの故宮です。

 

 

 

 

 

この日はメインの観光スポットである中軸線の建築はさくっとスルーして、向かうは。

 

 

 

 

こちら。

故宮の東側にある・・・。

 

 

 

文華殿。

この中で、故宮博物院に保管されている人物画展が開催されているんです。

 

 

 

 

 

中はこんな感じ。

フラッシュを使わなければ写真OKです。

 

 

 

 

 

 

昔のお話のワンシーンを描いたもの。

 

 

 

 

当時の様子が垣間見られるもの。

 

 

 

 

人物画も。

 

 

 

・・・と、もちろん展覧会そのものも素晴らしかったのですが、私の真の目的はこの建物の隣りにありました。

 

 

 

 

文淵閣。

 

 

 

実はここ、まだ未公開エリア。

なので。

 

 

 

 

 

こんな感じで遠くから眺めるしかありません。

 

とは言え先ほどの文華殿もコロナ期間からずっと閉鎖されていたので、ようやくここまで近づけた!って感じなのです。

 

 

ところでこの建築物。

故宮の他の建築と異なるのですが、おわかりでしょうか?

 

 

 

 

故宮内の建物の間口はこんな風に奇数となっています。(この場合は1階が11個の間口)

 

 

ところが。

 

 

 

文淵閣は、間口が6個。 つまり偶数なんです。

 

 

ここからは少し話が長くなります。

 

「故宮には9999個の“半分の間”がある」
そんな言い伝えをもとに2012年、5ヶ月の時間をかけて故宮すべての建築を調べ尽くした結果、ここ文淵閣のみ半分の間が存在することがわかりました。


そもそもなぜ“半分の間”が存在するのか?

故宮内の建築は全て、間口が奇数。なのにここは6間。つまり偶数というところがポイント。



この建物はかつて乾隆帝が

「江南地方の“天一閣”と全く同じ建築を造るように」

と言ったのが始まりだとか。

ところが天一閣の間口は6個。偶数の間口は故宮の建築のしきたりに合わない。








 

 

困った建築士たちの苦肉の策として、西側に広さ半分のいわゆる“半分の間”を作ることで完全な偶数ではない・・・ということにして、乾隆帝の希望に添いかつ故宮の建築様式にも合う(辻褄合わせ?)建物となったのです。

 

 

 

 

文淵閣には他にも興味深い点がありまして。

 

文淵閣は四庫全書を保管するための建物。

重要な書物を保管する建物の最大の敵はなんと言っても「火」、なので建築そのものも他とは異なります。

 

 

 

 

 

それは、瓦の色。黒色です。

故宮の大半は瓦が黄色なのになぜか?

 

 

それは、風水では黒は水を司るからなのです。

水を以て火をおさめる、そんな意味合いがあるんですね。

 

 

 

また、建物に描かれたものはほとんどが水に関わる植物だったとか。

今はかなり腐食が進んではっきり見えませんでしたが。

 

 

 

文淵閣は今も参観不可です。

ただ、隣接する文華殿で6月末まで展覧会が行われているのなら、もしかしたら覗き込むぐらいはできるかも⁉︎と足を運んでみたところ、立入禁止だったけど外から眺める事はできました!

めちゃくちゃ嬉しかった~~~!!!

 



瓦の上の神獣が欠けてたり、建築装飾がはげていたり。

 

 

 

これから時間をかけて修復していくんやろうなぁ。

 

 

 

 

注:展示会の期間は6月末までですが、故宮は6/26~7/1まで閉館なのでご注意を。