Hanews-はにゅうす

ウィーン歌曲歌手、「はにうたかこ」の毎日のちょっとしたことを書いています

ロシアへの旅立ち

2006年08月19日 00時12分38秒 | Weblog
今日は、今お世話になっているバレエ教室の生徒さんの一人が、今月末ロシアへの留学切符を手に入れたことから、彼女のための公演がありましたので、お手伝いに行ってきました。彼女は昨年コンクールで入賞し、モスクワのバレエ学校の入学許可を得たという、とても優秀なバレリーナです。今日は彼女を中心にプログラムが組まれ、でも教室のおちびちゃんたちも全員出演するという形でした。

私は(今日は踊れませんので)影アナウンスを受け持ち、先生にいただいた原稿を音楽にあわせて読む、ということだけでしたが、初めてバレエの舞台袖や裏側を見せていただき、衝撃でございました。

まず、一番驚いたのは化粧!オペラのそれや、自分のコンサートのそれなんかとは全然違う。みなすごい顔になっている。ひたいにくるくる短い巻き毛までペンシルで描いている。鼻の横はまっかっかだし、首だけでなく背中や胸まで白く塗っている。すごい!これを9月に私もするのか・・・と想像すると、ちょっと怖いけど楽しい。

次が衣装。みんな保護者の手作りだそうだ。ティアラなんかも針金をうまくつかってそこへビーズを足して・・・とほとんどが手作り。それでも照明があたれば本物に見えるからすごい。この手作り感は見習わないといけない。(でもぼたん一つつけられない私はどうしたらいいのか・・・)

最後が舞台袖のにぎやかさ。コーラスとか、オペラとかでも、そでは静かにしているもんだ。というのが普通だと思っていたけど、みんな袖で、今舞台に出ている先輩の踊りを真似していたり、ずっと身体を動かして冷えてしまわないようにしている。屈伸している子、足上げている子、飛んでいる子、いろいろ。

バレエ公演後のセレモニーは、メッセージあり、歌あり、みんなからのプレゼントありと盛りだくさん。先生は、最後までみんなで歌うことやメッセージ入りの風船を内緒にしていたし、そして旅立つ生徒も内緒で「私の代わりに」と等身大のプーさんを用意していた。普段とっても怖い先生が号泣するので、私ももらい泣きしてしまうほど、会場全体が涙々の終幕でした。
留学前にこんなステキな公演を用意してもらえるなんて、本当にすばらしいと思いますし、先生や周りのみなさんの愛情だと思います。感謝してしっかり勉強してほしいなぁと思いました。

それにしても、今の子はいいなぁって、本気でうらやましくなりました。私の時は何もしてもらえなかったなぁと昔を思い出していじけてしまうくらい。
また留学してもPCもメールもなかったので、日本で何が起こっているのか、みんなどうしているのかわからず、また私も自分の近況を知らせることができず、とても寂しい思いをしたのを覚えています。毎日、日本からの手紙を待ち、空っぽの郵便受けを開けるのが本当に寂しかったのを思い出し、泣きそうになりました。
でも、私も次の留学は同じ条件です。毎日日本に自分の状況を発信できる。いつでもメールで連絡ができる。これってとっても心強いんです。(精神的な不安感が、昔の留学と比べて全然ない)

彼女とはウィーンで会いましょう!と約束し別れました。きっと私が行く頃には、モスクワでの留学生活を満喫していることでしょう。




コメント (2)
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