●ランチ●
算数の授業が終わると、休み時間になりました。この休み時間は子ども達は家から持ってきたフルーツを食べたり、思い思いに校庭に出て遊んだりします。この日は雨が降っていましたが、雨用の上下のスーツを着て、長靴を履いて子ども達は元気に校庭に出て行きました。その後、大幅に時間割を変更して、まだ10時半だというのにいきなりランチタイムになったのでした。
どうやらこの後の音楽の授業を、クラスを半分に分けて行うために、日本風に言うと早弁チームと普通のランチタイムのチームに分かれたようです。でもちょっと10時半というのは早すぎて、この後、子ども達のおなかが早くすいてしまわないかとちょっと心配になりました。
ランチは先生と一緒に食べます。私たちが座って見ていると、先生の一人が「コーヒーはいかが?」と声をかけてくれ、わざわざ持ってきてくれました。このあたりは非常にカジュアルで、日本のような堅苦しさがなく、会社でも学校でもまるで自分の家のようにくつろいでよいという、デンマークの文化、なのかなと思ったのでした。
●音楽●
次は音楽の時間でした。校庭をぐるりと回って少々離れている建物の2階に音楽室があります。左側にグランドピアノが置いてあり、右側に広くスペースを取った部屋で、私の小学校のときの音楽室のだいたい2倍くらいはありそうな部屋です。担任の先生は音楽の先生に子ども達を引き継いで、退出しました。
そしてまず、先生が子ども達に今日のメニューの説明をしました。先生は私たち見学者を邪魔にするどころか、自己紹介をしてくれ、丁寧に英語で私たちにも説明してくれました。今日は新しい試みをすること、音楽に合わせて好きなように身体を動かし、音楽が止まったら子ども達も止まって2人組を作ったりすること(リトミックのような感じです)、それから4つの音楽を静かに1つずつ聴いて、聞き終わったら紙に聴いたイメージを描いてみることなどでした。ついでに「よかったら参加してもいいわよ」とまで言ってくれたのですが、これは私は辞退させていただきましたが、このあたりでやっと慣れてきたショウミーは参加させてもらいました。
子ども達は音楽に合わせて歩いたり、少々踊ってみたり、あるいは男の子たちはおふざけをしたりしているのですが、初めてということもあり、周りの様子を伺いつつ行っている様子です。もっと自由に踊るかなと思ったのですが、前の子の真似をしているような動きで、こういうところでは意外と日本人の女の子のほうが積極的かもしれないなと思いました。その後、感じたことを絵に描くのですが、これがちょっと面白いことに、やはり皆、同じような絵を描くのです。独創的な男の子もいましたが、女の子たちは皆、音楽を聴いたわりにはかわいい女の子のイラストを描いたりしていました。床に寝転がって、先生のピアノで4つのタイプの音楽を聴くのですが、聴いているときは子ども達はリラックスして音楽にひたっているようでしたが、それをアウトプットとなると、どうしたらいいかわからなくて、他の子どもの真似をしてしまうのかもしれませんね。
それでもとにかく音や歌の楽しさというのを、子ども達に充分感じてもらえるような授業だったと思いました。感じること、ひたること、身体を音に合わせて動かすこと、また絵でそれを表現すること、そういったことが子ども達にとってエキサイティングなことに違いありません。先生も丁寧に子ども達の絵にコメントをしたりして、音楽を教えるだけでなく、子どもの心を育てているように見受けられました。
そしてショウミーは言葉なくしても溶け込める、この音楽の授業を通して、デンマークの学校を本当に好きになってしまったようでした。算数の授業のときも先生に一緒に机に座っていいのよ、と言われていたのですが、恥ずかしがって入っていけなかったのに、この音楽の授業を境に顔が輝いて、すっかりこの学校の一員のような気持ちになってしまったようでした。
続く
算数の授業が終わると、休み時間になりました。この休み時間は子ども達は家から持ってきたフルーツを食べたり、思い思いに校庭に出て遊んだりします。この日は雨が降っていましたが、雨用の上下のスーツを着て、長靴を履いて子ども達は元気に校庭に出て行きました。その後、大幅に時間割を変更して、まだ10時半だというのにいきなりランチタイムになったのでした。
どうやらこの後の音楽の授業を、クラスを半分に分けて行うために、日本風に言うと早弁チームと普通のランチタイムのチームに分かれたようです。でもちょっと10時半というのは早すぎて、この後、子ども達のおなかが早くすいてしまわないかとちょっと心配になりました。
ランチは先生と一緒に食べます。私たちが座って見ていると、先生の一人が「コーヒーはいかが?」と声をかけてくれ、わざわざ持ってきてくれました。このあたりは非常にカジュアルで、日本のような堅苦しさがなく、会社でも学校でもまるで自分の家のようにくつろいでよいという、デンマークの文化、なのかなと思ったのでした。
●音楽●
次は音楽の時間でした。校庭をぐるりと回って少々離れている建物の2階に音楽室があります。左側にグランドピアノが置いてあり、右側に広くスペースを取った部屋で、私の小学校のときの音楽室のだいたい2倍くらいはありそうな部屋です。担任の先生は音楽の先生に子ども達を引き継いで、退出しました。
そしてまず、先生が子ども達に今日のメニューの説明をしました。先生は私たち見学者を邪魔にするどころか、自己紹介をしてくれ、丁寧に英語で私たちにも説明してくれました。今日は新しい試みをすること、音楽に合わせて好きなように身体を動かし、音楽が止まったら子ども達も止まって2人組を作ったりすること(リトミックのような感じです)、それから4つの音楽を静かに1つずつ聴いて、聞き終わったら紙に聴いたイメージを描いてみることなどでした。ついでに「よかったら参加してもいいわよ」とまで言ってくれたのですが、これは私は辞退させていただきましたが、このあたりでやっと慣れてきたショウミーは参加させてもらいました。
子ども達は音楽に合わせて歩いたり、少々踊ってみたり、あるいは男の子たちはおふざけをしたりしているのですが、初めてということもあり、周りの様子を伺いつつ行っている様子です。もっと自由に踊るかなと思ったのですが、前の子の真似をしているような動きで、こういうところでは意外と日本人の女の子のほうが積極的かもしれないなと思いました。その後、感じたことを絵に描くのですが、これがちょっと面白いことに、やはり皆、同じような絵を描くのです。独創的な男の子もいましたが、女の子たちは皆、音楽を聴いたわりにはかわいい女の子のイラストを描いたりしていました。床に寝転がって、先生のピアノで4つのタイプの音楽を聴くのですが、聴いているときは子ども達はリラックスして音楽にひたっているようでしたが、それをアウトプットとなると、どうしたらいいかわからなくて、他の子どもの真似をしてしまうのかもしれませんね。
それでもとにかく音や歌の楽しさというのを、子ども達に充分感じてもらえるような授業だったと思いました。感じること、ひたること、身体を音に合わせて動かすこと、また絵でそれを表現すること、そういったことが子ども達にとってエキサイティングなことに違いありません。先生も丁寧に子ども達の絵にコメントをしたりして、音楽を教えるだけでなく、子どもの心を育てているように見受けられました。
そしてショウミーは言葉なくしても溶け込める、この音楽の授業を通して、デンマークの学校を本当に好きになってしまったようでした。算数の授業のときも先生に一緒に机に座っていいのよ、と言われていたのですが、恥ずかしがって入っていけなかったのに、この音楽の授業を境に顔が輝いて、すっかりこの学校の一員のような気持ちになってしまったようでした。
続く
玩具づけ、お菓子づけ、ゲームづけ、テレビづけ、と子ども達は与えられる一方で、今どき与えられていない子どもはいないくらいです。
それにしてもさぞやデンマークの子どもは独創的な絵を描くかと内心思っていたので、子ども達の絵を見て正直びっくりしました。いや、日本の子ども達もあの状況だと同じかもしれませんが、デンマーク人は個性があるというメディアのイメージがあったのか。
いくら森があっても、いくら広い土地があっても意外とお休みの日でも遊んでいる子供も少ないですしね・・・。いろいろとギャップのある国デンマークです。だからこそ、また面白いのだけど。
デンマークって、自由な発想を育てるという環境にしているのに、子供のスキルがそれに追いついていない感じなんだよね。
わたしが、アレ?と思っているのは、玩具づけにされたり、しょっちゅうパーティなどのイベントがあるなど、常に周囲から刺激をもらっているから、自分から働きかける機会に乏しく、創造する力が育ちにくくなっているのでは?ということです。
日本からデンマークに移ったときに驚いたのは、子供の描画でした。日本の子供の方がたくさんイメージがあって細かく描くのに、デンマークはシンプル。
教育コンテンツのアイデアはいいと思うけど、一方で子供をスポイルしている一面もあるのでは、と思わなくないですね。