デンマーク・ハーフキッズ

デンマークについての情報やニュースを紹介、またデンマーク人と日本人のハーフの子供たちの子育て日記。

デンマークの英語政策

2005-12-06 22:50:33 | デンマーク・ニュース
デンマークのニュースを見ていて、溜息が出た。
デンマークでは英語による教育を強化、大学生などが海外で学ぶことをより
奨励することになるらしい。

日本と比べるとはるかに英語教育が充実しているデンマーク。小学校3年生から
学び始め、最初のクラスではmy name isから始まると夫が言っていた。
そしてテストは英語で書かれた短文を読み、それに先生と英語で質疑応答する
という非常に合理的、かつ実質的なものだそうだ。
その甲斐あって、現在のデンマーク人の若い人たち50歳以下くらいの人たちは
ほぼ全員英語を話す。

デンマークに行ったとき、日本の中学生にあたる年齢の子ども達とすでに英語で
コミュニケーションが取れることに驚いた。彼らはデンマーク語訛りだったりは
するのだけど、きちんと言いたいことを英語で表現できるまでになっている。

そのデンマークがもっと英語に力を入れるという。
かねてから、デンマークには小さい国で資源もなく、あるのは人材だけ、という
自覚があり、教育を大切に思う土壌はあるのだけど、本当に前向き・・・。

日本はどうか。
英語教育を改善しようといっても、何か根本的なところを忘れてはいないか。
ここは日本語だけで全てが済んでしまう国だ、というところから出発しては
いない。たまーに外国人の先生が来たところで何になるというのだろう。
中学生からではなく、もっと小さいうちから週に何時間もネイティブの先生に
授業を担当してもらい、より実践で使えるように工夫する必要はないだろうか。

日本ではもし自分の子どもに英語を話せるようになってもらいたければ、親が
何とかするしかない状況だ。英会話スクールに通わせるとか留学させるとか、
である。
もちろん大人になってから、自分の力でなんとかする人も多く、それでも世界で
なんとかやっていけるわけだけど、どちらにせよ、個人に任されている。

日本の国はどういう人材を欲しいと思っているんだろう? デンマークと比べる
と英語を自由に操れる、国際舞台で活躍するためのツールを最低限持っている
人を育てたいとは思ってないようだ。
こういうスケールの小ささが非常に日本的に思えてしまうのだけど・・・。

ヒュゲ:デンマークの文化

2005-12-06 12:37:45 | デンマークの行事
この時期、毎夜、キャンドルで過ごして心温まるのだが、最近やっと私も
デンマークの文化「ヒュゲ」について理解してきた気がする。
よくデンマーク紹介の本などに説明が書いてあるけれど、これは理解するのに
少し時間がかかる。

要は家族や仲間が集まって、温かい時間を過ごす、会話を楽しむということ
なのだけど、ヒュゲはそれだけでは言い尽くせないようだ。例えば一人で
家でのんびり好きなことをして過ごすのもヒュゲと言うらしい。

これは日本の文化「侘び・寂」や「粋」というものを外国人に説明するのが
難しいということと共通しているように思う。もちろん言葉で説明することも
できるのだけど、その背景にある歴史や文化、日本人が共通して浮かべられる
イメージなどがあって、始めて成り立つ言葉だろう。
ヒュゲもまたそういう類の言葉だ。

さて、このヒュゲ、背景としてはやはりデンマークの寒さや不便さがあるように
思えてならない。そういう環境の中で、心休まる、温かい時間を持つことが
デンマーク人にとって大切なことなのだろう。
*デンマークは決して不便な国ではないけれど、日曜日にすべてのお店が閉まる
とか、レストランが高い、レストランに行くという習慣がもともとない、など
という意味で日本と比べると不便、ということ。

つきつめて言えば、個人主義と厳しい自然環境の中で、デンマーク人が大切に
してきた文化なのではないか。うまくは説明できないけれど、デンマーク人や
デンマークの国を知って行くとなんとなーくヒュゲの必要性が私にも理解できて
きたように思う。
そういう私もデンマークに行って何が楽しみかと言えば、近年はヒュゲである。
日本のように遊ぶところやショッピングなどの楽しみに欠けるデンマークでは、
やはり友人達との時間や一人でお茶をしながら何か読んだりする時間がとても
楽しく思えるようになってきた。