ここは禅寺
じっくり座禅を組んでゆかれるがよい
そうじゃ禅は無心
己を忘れることじゃ
堅く目を閉じ
心をおちつけて
頭の中のあらゆる雑念をはらうのじゃ
たしかに無を悟るのはむずかしい
はじめは誰でも慣れんものじゃ
どんなに雑念をはらおうと思うても凡人のかなしさ
さまざまな思いや悩みにとらわれる
だが目の前の石をみい
無の心じゃ
石には悩みはない
苦しみもない
己も石と思い石と同化するがいい
風の音に耳をすまし
草葉大地の匂いにとけこむがいい
己は風であり土であり静寂である
さすれば己が人間であることを忘れ
あらゆるぼんのうからときはなたれ
やがて無の表情が顔にあらわれる・・・
ガラスの仮面
心と身体
どちらが疲れても不調が生じてくる
自分ではまだやれると思っても、身体と精神がサインを発している時がある
いつの間にか邪念を発して
何かに囚われていることに気付いたら
あえて無の心になる
自分は石
無念無想