この映画を見たときは、仕事が忙しくてメニエール病を発症して、休日は具合が悪くてずっと寝ていた。
でも病気で毎日を鬱々と過ごすのは嫌だった。
そういう時に立ち寄った映画館で、何気なくやっていた映画がドリームだった。
病気だったときに、勇気付けられた映画。
レンタルショップで、再度見ることにした。
「キャサリン・ゴーブルについて」
主人公のキャサリンは、子供の頃から数字を扱うことができる天才。
でも当時のアメリカは黒人差別が著しく、給料も低く公共機関でさえも黒人用・白人用と区別されている状態だった。
キャサリン・友人のメアリージャクソン・ドロシーヴォーンは、黒人ながらもNASAで働いている。
NASAでエリートの白人達と一緒に働きながらも、それに負けないほどの能力を有している三人。
エリートの白人から嫌がらせを受けながらも、毎日800mm先の非白人用のトイレに、書類を持って走っていくキャサリン。
ずぶぬれになりながらトイレから戻ってきたキャサリンに、上司は毎日どこへ行ってるんだと声を荒げる。
怒りを抑えながらも、自分用のトイレがないことを訴えるキャサリン。
やっと黒人差別に気付いた上司は、非白人用のトイレの看板をぶち壊す。
「メアリー・ジャクソンについて」
とても優秀なメアリー・ジャクソン。
NASAで技術者になることを、最初は反対していた夫。
しかし黒人で初の、白人の通う高校に通う時に、夫が彼女にプレゼントしたものは、勉強をする為のペンシルだった。
彼女が黒人初の航空技術者になれたのは、夫の愛もあったけれど、理解のある上司や、周りの非難も気にしなかった判事の力が大きい。
「ドロシーブォーンについて」
ドロシーは、NASAで管理職代行として長年働いてきたけれど、賃金は上がらず昇進もしない日々を送っていた。
だけどNASAにコンピュータが導入されることになり、自分達の仕事がなくなることを予測して一人でコンピュータの操作を学び始める。
そしてそれを、同じ職場で働く黒人女性達に教えていく。
エリートの白人でさえ扱えなかったコンピュータを、自在に操るドロシー。
自分と、同じ職場で働く女性達の雇用を守った彼女は、念願だった黒人管理職に起用されることになった。
この映画、見ていて痛快だったのは、コンピュータが間違えた着水予定地点を、キャサリンがピタリとあてたことや、黒人差別という暗い一面や悩みに対して、彼女達が今という時間を大切にして明るく生きたことだった。