徳島市の阿波踊りが12日、開幕した。 市観光協会によると、15日までの4日間、県内外から最大で延べ約900連が参加し、約7万人が舞い続ける。期間中の人出は、昨年の114万人以上を見込むそうだ。
地元の盆踊りに行ったのは、もう記憶にほとんどないほど昔のことだが、夏祭りに血が騒ぐのは日本人たる証拠かもしれない。ニュースに本場の阿波踊りを踊る画像があったが、あのシンプルで妖艶な中にも気品のある女踊りは、さすが本家本元だなあと、思わず見入ってしまう。
そろって踵を後ろに蹴り上げたときの、ピンクや赤の蹴だしの色合いといい、シルエットといい、何ともいえず色っぽくて粋で乙である。また、編み笠がいい。傾き加減が微妙に顔を隠し想像力をかき立てるし、半円形の形が何とも女性的でチャーミングである。
徳島市の阿波踊りは数百年の歴史があるそうだ。動きは至極単調で、ヤットナー、ヤットナーの掛け声に合わせて、両手を頭上でひらひら動かす。長い歴史が衣装と動きを洗練させ単調ながらも見る方も、踊る方も飽きさせないエッセンスを凝縮した伝統文化だと思う。
似たような踊りに、同じ四国の高知のよさこい踊りがある。こちらも全国に波及しているようだが、私はどうも好きにはなれない。なぜかと考えたのだが、どうもあのケバケバしい衣装が嫌いである。洋風なのか和風なのかワケが分からず、ただ目立てばいいといった感じで、日本文化の趣が微塵も感じられない。
阿波踊りに見られるような上品さはまったく無く、ひたすら決った振り付けを隊列を組んで踊ることを観客に見せること。これに力点が置かれているような気がする。好みの問題で、決して非難するつもりなど無いのだが、まだ伝統文化とは呼べないシロモノではないかと思う。
初めてよさこい踊りをテレビで見たとき、それは本場高知の踊りだったか記憶は定かではないが、何だか以前どこかで見たような既視感を感じた。何だろうと考えたら、それは、30年以上前に東京の原宿などに出没して話題になった、「竹の子族」と呼ばれた小集団だった。
週末の歩行者天国に繰り出して、派手な原色の衣装に着替え、ディスコ音楽に合わせて踊っていた中学生や高校生たちの一団だった。
竹の子族がよさこい踊りのルーツかどうかなどは、どうでもいいが、改めて阿波踊りと画像を見比べると、本物とまがい物といった差を感じてしまうといったら、よさこい踊り愛好家の方々から反感を買うかもしれない。すみません。
徳島県のみなさん、今後とも日本の伝統文化を大切に継承していってください。ただ、お願いですから、ユネスコ文化遺産登録などという下らない色気をださないようにしてください。
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