孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

草の根大使の資格とは

2015年02月14日 | 日記
私が二十代初めに外国に行って、なんとか外国の人と話ができるようになった頃、強烈に感じたのは、自分が自国のことをあまりにも知らな過ぎるということを思い知らされたことです。相手の外国人は、私のような若者でもその国の代表者みたいな感覚で、このことは日本人はどう考えるんですか?とか、日本人ならこういう時どうしますか?とかよく質問してきました。

最初は、適当に即答していましたが、よく考えると自分の答えが日本人のイメージを作ってしまうことにもなりかねないと思い始め、途中から少し考えてから答えるようになりました。この体験がきっかけで、帰国してから「比較文化論」関連の本を何冊か読み、今でもときどき読み返します。

難しい質問とか、学生にはとても答えられない質問だなあと思っても、それは自分が無知なだけであって、世間並みには「常識」の部類だったということも理解し、あとで赤面することもありました。「日本では所得税はどのくらい払うんですか?」とか、「日本では、クリスチャンはどのくらいの割合、いますか?」とか。中には親日派と思われる人が、「印鑑が自分のものであると、どうやって証明するのですか?」という意地悪な質問をして、ニヤニヤ笑っていたこともありました。

「日本が独立したのはいつですか?」とか、「天皇が突然なくなったら、次はだれが天皇になるんですか?」とか、自国のことをあまりにも知らなくて、もう鳥肌が立ちそうな気分になったものです。「知りません」と正直に答えればいいんでしょうが、年齢的には成人ですし、少しは私にもプライドがありましたので、何とかそれなりに説明するのに四苦八苦したものです。

そういう意味では、若いうちに外国人と接することには大きな意義があると、私は強く感じますし、自国の歴史や文化を知らないと大恥をかくことになりますよと、声を大にして言い切れます。「君たちは、草の根大使だ。それを十分意識して行動して欲しい。」と、最初に言われたものですが、大使には最低限の常識と教養が欠かせないと、滞在中に痛感させられたものです。



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