孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

健康志向はネタになる

2017年04月08日 | 社会観察
私はどうも略語が苦手で、横文字でも日本語でも、元の言葉の意味をしっかりと理解しないと、まったく頭に残らない性質(たち)である。

ガラケーなどつい最近意味を知ったし、「リア充」などは目にこそすれ、読み方すら分らないでいる。

英語の言葉もカタカナになるとすぐに短く略されて、「ポリコレ」などと使われる。花咲じじいの、ポチがここ掘れのことかと、ボケてみたくなるが、何とポリティカル・コレクトネス。例の差別言葉規制の意味であった。

そして、ごく最近お目にかかったのが、「難デキ」である。これは最近某週刊誌がスクープした、結構ショッキングな記事から知った。

答えは、「難消化性デキストリン」という澱粉の一種の食物繊維で、魔法の成分という異名をもつ優れものらしい。いや、『だったらしい』と言うべきか。

これもトクホという略語で広く人口に膾炙している、【特定保健用食品】に多く使用されているので、あのマークのついた飲み物などはすっかり一般化している。

  効果ナシ!!


消費者庁の定義によれば、特定保健用食品とは「許可等を受けて、食生活において特定の保健の目的で摂取をする者に対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品」とされている。(下線部がお役人らしい表現)

上の写真の飲み物は、通常の飲み物より値段が張る。それというのも、トクホの御威光が影響しているためで、テレビコマーシャルでも盛んにそこを強調している。

この難デキは、見た目は白い粉で、これをチョちょっと加えることで、『脂肪の吸収を抑え』『糖の吸収をおだやかに』するので、『食後の血糖値が気になり始めた方』におすすめ出来る、というわけである。

 トンデモ成分だ!

私はもう十数年前だったか、ヘルシア緑茶がテレビで宣伝され始めた頃、何かでどこかの大学の食物栄養学の教授が、あんな物買うより、一日一杯少し濃い目のお茶を飲めば同じことだ、と書いていたのを読んで、そちらを信用していた。

更に、彼女はそこで、バナジウムを含んだミネラルウォーターが売れれていて、いかにも癌を抑えるだのなんだのと効能をうたっている。

しかし、マウスの実験では確かに効果はあったのかもしれないが、人間に換算するとしたら、毎日風呂桶一回分の水量を飲み続ける必要があると、書いていたので、あのテレビCMは詐欺じゃないか、と憤慨したものだった。

同時に私は、トクホという制度を作った側にも、自分たちの天下り先を確保するという、あざとい役人勘定が作用していると感づいていたので、店に行ってもトクホのマークが付いた商品などは手にしなかった。

役人と販売する企業側との狡猾なわなにマンマと引っ掛かっていた消費者こそ、いい面の皮であったわけだ。

では、事実はどうだったのか。

2010年、筑波大学の鈴木正成名誉教授(故人)と京都薬科大学講師の沼尾成晴氏は、日常の食事と共に、市販の難デキ入り飲料、グァバ葉茶ポリフェノール入り茶飲料、普通の水出し煎茶を200ccずつ飲んでもらった結果、血糖値の上昇を抑制に有意差を示したものはなかったという。

同じく、脂肪に関しても、メーカーの提出した試験結果には「まやかし」があって、科学的にはありえないと、食物栄養学の専門教授らの精査によって、楽々と脂肪吸収抑制効果のあるといえる試験結果でないことが論破されたのだった。

今回、千葉大学名誉教授の山本啓一氏(生理学・生化学)や、群馬大学名誉教授の高橋久仁子氏によって見事に嘘が暴かれたわけだが、もう少し早く何とかならなかったものかと悔やまれる。

松谷化学工業は兵庫県伊丹市にあり、難デキの国内シェア8割を誇る会社だ。ここの試験データを食品メーカーは使い回しして、トクホ申請していたようで、知ってか知らずか、非科学的な試験データが一人歩きして、いつの間にか市場規模が6300億円以上にまで大きくなっていたわけだ。

 儲かりました!

こういう、健康食品やサプリメントに関する「まやかし」は、この世に溢れている。胃で吸収されないコラーゲンを、これを食べると肌がツルツルになるなどと言うのは、もはや信ずる方がまともではないと思うのだが、溺れるものは藁でも掴むのだ。

日曜日の早朝にBS放送を観て御覧なさい。もはや嘆かわしい事態です。

 一度買うとしつこいんです。

ただ厄介なのは、『プラセボ効果』が現実に存在することだ。プラセボとは偽の薬のことで、例えばただの小麦粉を、「これは高価な鎮痛剤で、すぐに効果が現れます。」と言って飲ませると、スーッと痛みが消えることがあるそうだ。

人間は、信じ込むことで自分の体を治癒させる力があるというなら、もしかして、「薬など飲まなくても、血圧は上がらない」と頑なに思い込めば、それで案外効果があるのかもしれない。この考え、ちょっと虫が良すぎるか・・・。

メールは英語で!?マジ??

2017年04月08日 | 英語関連
もうかれこれ5~6年前になるだろうか、楽天の社長が英語を社内公用語にすると宣言して、「業務での日本語禁止」「全社員TOEICスコア600点以上」「規定されたスコアに届かなかった役員は退職してもらう」など、次々とアホらしい指示を打ち出したのだった。

そして、つい最近には、社員のTOEICスコア平均点が800点となったと、大喜びしているのが報道されていた。さらに、今月に入って、新入社員360人の入社式のことがニュースになっていて、全員TOEICスコアが800点以上だったというから笑った。

通販会社に入社したはずが、英語、英語と尻を叩かれ、TOEICのスコアを上げるためなら、仕事をしなくてもいい、会社が金を出すから英会話学校で勉強しろ、と言われ続ければ根っから英語が嫌いだった社員は、とてもいたたまれなかったろう。

 社内にはいろんな外人が

『大山鳴動して鼠一匹』という西洋のことわざがあるが、みんな英語のテストでいい点が取れて良かった、良かったと喜んでいる割には、この会社、海外の業績は散々な結果に終わっているようだ。

欧州やアジアに進出したものの、昨年には次々に拠点を閉鎖・統合・売却しているようだが、これというのもすべて社員の英語の力不足の所為であったのだろう。

実は、異動した私の今の職場は、ソフトウェア開発業務の一部を海外に外注化したところで、そことのやり取りは、すべて英語となっている。その窓口担当者は8名ほどいるようで、私の配属先の3名の日本人社員は、30歳前後の威勢のいい若者たちだ。

  こんな感じの職場

私が配属した初日に、いきなり(私の二つ隣の机から)私宛にメールが送信されてきて、「この部門では基本的にメールは英文でやり取りしています。何かおかしなところがあったら、訂正してください。」

恐らく、こんな意味の英文だった。多分、こういう状況だから、お前も従えよ、と言いたかったのだと解釈した私は、正直言って「ドン引き」して、二の腕にサーッと鳥肌が立ってしまった。

しかし、こういうメールを送りつけられたからには、無視するわけにもいかないので、まず送信された英文メールの間違いを一つ一つ横線で訂正して正しい英文に直してから、返信をクリックした。そして、英文で次のような返信メールを送った。

『皆さんの英語学習に対する熱意には感服いたしました。最初は、ドン引きしたというのが、私の偽らざる印象でしたが、『郷に入っては郷に従え』の格言通り、今後は日本人同士でも英文でメール送信させていただきますので、よろしくお願いします。』

グループ内全員に送信したのだが、私の推測では、一度読んだだけでは理解できない言い回しではなかったかと思ったが、意外とそれに対する反応は速かった。

少し後になって知ったのだが、どうも彼らは英文メールの読み書きには、ほとんどがGoogle翻訳を利用しているようであった。

Google翻訳は、左に日本文を入力して、「英語」をクリックすれば、瞬時に右側にその翻訳文が表示されるから便利だ。和訳の時は英文を貼り付けて、「日本語」をクリックするだけでよい。

ただし、英訳の時は、入力した日本文が正しい文章でなかったり、主語が省略されたりしていると、翻訳された英文も頓珍漢な物になってしまうので、かなりコツがいる。

すでにメーリングリストに私も含まれているため、今では一日に数十通のメールが送られてきて、海外の担当者たちと、あるいは社内でどんなやり取りをしているか除き見ることができる。

先日も、前に座っている、Yさんが送ったメールの主語が、[I and you ]だったので、お節介かとは思ったが、『Yさん、多分言い易さからだと思うけど、英語ではこういうとき、[I and you]ではなくて、[You and I]と、I を後ろに持ってくるんですよ。』とアドバイスした。

『あっ、そうなんすか!分りました!』と元気よく返事してくれたので、安心したのだが、それが昨日のことだった。Yさんの送ったメール文を見て、椅子から滑り落ちそうになり、あわてて机にしがみついてしまった。

Yさんは、私の忠告を素直に実行してくれたのだったが、彼の英文はこう始っていた。

[ Hi! Steve-san, You and we will have .... ]

この、ハーイ、XXX さんというのは、日本人同士のメールでも必ず使われるフレーズで、私は目にする度に胃液が逆流して、ほとんど吐きそうになってしまうのだが、Yさんのメールで一人バカ受けしたのは、次の [You and we ] だった。

Yさん、律儀に「自分」を含む we を後に持ってきたつもりだったろうが、この言葉だと「あなたと私たち」という意味に解釈され、we には you も含まれていることになる。一言、we とするだけで充分だったのだ。

この指摘は敢えてしなかったが、今後この手の滑稽な間違いを忠告すべきか控えるべきか、悩むことになりそうである。

楽天から社員の英語のレッスン業務を請け負った大手英会話スクールの社長がどこかで述べていた。その社長曰く・・・

『コミュニケーションツールとしての英語で、欧米だけで無くアジアの人たちとも話すのだから、発音や細かな間違いはまったく気にすることはない・・云々』

こういうセリフはよく聞くのだが、これは英会話に四苦八苦している人向けの気休めの言葉としては理解できるが、私は絶対にこうは言いたくない。

どうせ、ほんのちょっとの手間で修正できるのだから、最初から正しい英文を作り、話すことが絶対大切だとこれまでの経験から強く感ずる。

お世辞でも、「あなたの英語は、これまで会った日本人の中で一番正しくてきれいです。」と言われれば、誰しも悪い気はしないだろう。


店が古けりゃ良いってもんじゃない。

2017年04月08日 | 社会観察
もう10年以上前になると思うのだが、緑茶のカテキンがもてはやされて話題になり、ヘルシア緑茶だとか、トクホだとかいう新語が盛んに語られ始めた時期があった。

それより更に10年以上も前だったと思うが、全国一のお茶の産地である静岡で知らない人はいないほど歴史あるお茶屋さんが、自分の工場で製造して販売していたお茶に、何と人工調味料や緑色の着色剤を使用していたことが発覚した事件があった。

ありていに言うと、いつのお茶だか、どこのお茶だか分からない安物の荒茶という原料の茶葉に、味の素と緑色の色素を混ぜて製茶に仕上げ、体裁のいい袋や缶に詰めて、【創業天明元年】○○堂の静岡茶などとして売っていたのだ。

 江戸時代に創業が自慢

どのように発覚したかというと、製茶工場の外に使用した化学調味料とか着色料の空き缶などが大量に詰まれてあったのがバレたからだった。

この事件は、当時かなり地元では話題になり、私の記憶では、周囲の反応は、「あの店でやってるなら他の店も同じ事をやってるだろうね。」というものだった。

お茶の生産量は静岡が全国一だが、その割合は50%を切って、今では多分35%位で2位の鹿児島とほとんど差は無いだろう。しかし、店で売られている緑茶はその7割近くは「静岡茶」と表示されているそうだ。

 お茶は捨てる部分がゼロです

貿易統計を調べれば、中国から緑茶が年間何十トン輸入されているか調べればわかるだろうが、果たして店先で「中国産緑茶」と表示された煎茶は売られているのだろうか。知らない方は平気だろうが、実情を聞くととても飲む気にはなれない。

この静岡というお茶の産地にも、支那人が流暢な日本語を操って、支那産の緑茶を営業して廻っているそうだから、はて、いったいどこで使われているのだろうか。

専門業者に訊いても、「さあ、どうだかなあ・・・」とお茶を濁されてしまうのがオチだろう。