孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

メールは英語で!?マジ??

2017年04月08日 | 英語関連
もうかれこれ5~6年前になるだろうか、楽天の社長が英語を社内公用語にすると宣言して、「業務での日本語禁止」「全社員TOEICスコア600点以上」「規定されたスコアに届かなかった役員は退職してもらう」など、次々とアホらしい指示を打ち出したのだった。

そして、つい最近には、社員のTOEICスコア平均点が800点となったと、大喜びしているのが報道されていた。さらに、今月に入って、新入社員360人の入社式のことがニュースになっていて、全員TOEICスコアが800点以上だったというから笑った。

通販会社に入社したはずが、英語、英語と尻を叩かれ、TOEICのスコアを上げるためなら、仕事をしなくてもいい、会社が金を出すから英会話学校で勉強しろ、と言われ続ければ根っから英語が嫌いだった社員は、とてもいたたまれなかったろう。

 社内にはいろんな外人が

『大山鳴動して鼠一匹』という西洋のことわざがあるが、みんな英語のテストでいい点が取れて良かった、良かったと喜んでいる割には、この会社、海外の業績は散々な結果に終わっているようだ。

欧州やアジアに進出したものの、昨年には次々に拠点を閉鎖・統合・売却しているようだが、これというのもすべて社員の英語の力不足の所為であったのだろう。

実は、異動した私の今の職場は、ソフトウェア開発業務の一部を海外に外注化したところで、そことのやり取りは、すべて英語となっている。その窓口担当者は8名ほどいるようで、私の配属先の3名の日本人社員は、30歳前後の威勢のいい若者たちだ。

  こんな感じの職場

私が配属した初日に、いきなり(私の二つ隣の机から)私宛にメールが送信されてきて、「この部門では基本的にメールは英文でやり取りしています。何かおかしなところがあったら、訂正してください。」

恐らく、こんな意味の英文だった。多分、こういう状況だから、お前も従えよ、と言いたかったのだと解釈した私は、正直言って「ドン引き」して、二の腕にサーッと鳥肌が立ってしまった。

しかし、こういうメールを送りつけられたからには、無視するわけにもいかないので、まず送信された英文メールの間違いを一つ一つ横線で訂正して正しい英文に直してから、返信をクリックした。そして、英文で次のような返信メールを送った。

『皆さんの英語学習に対する熱意には感服いたしました。最初は、ドン引きしたというのが、私の偽らざる印象でしたが、『郷に入っては郷に従え』の格言通り、今後は日本人同士でも英文でメール送信させていただきますので、よろしくお願いします。』

グループ内全員に送信したのだが、私の推測では、一度読んだだけでは理解できない言い回しではなかったかと思ったが、意外とそれに対する反応は速かった。

少し後になって知ったのだが、どうも彼らは英文メールの読み書きには、ほとんどがGoogle翻訳を利用しているようであった。

Google翻訳は、左に日本文を入力して、「英語」をクリックすれば、瞬時に右側にその翻訳文が表示されるから便利だ。和訳の時は英文を貼り付けて、「日本語」をクリックするだけでよい。

ただし、英訳の時は、入力した日本文が正しい文章でなかったり、主語が省略されたりしていると、翻訳された英文も頓珍漢な物になってしまうので、かなりコツがいる。

すでにメーリングリストに私も含まれているため、今では一日に数十通のメールが送られてきて、海外の担当者たちと、あるいは社内でどんなやり取りをしているか除き見ることができる。

先日も、前に座っている、Yさんが送ったメールの主語が、[I and you ]だったので、お節介かとは思ったが、『Yさん、多分言い易さからだと思うけど、英語ではこういうとき、[I and you]ではなくて、[You and I]と、I を後ろに持ってくるんですよ。』とアドバイスした。

『あっ、そうなんすか!分りました!』と元気よく返事してくれたので、安心したのだが、それが昨日のことだった。Yさんの送ったメール文を見て、椅子から滑り落ちそうになり、あわてて机にしがみついてしまった。

Yさんは、私の忠告を素直に実行してくれたのだったが、彼の英文はこう始っていた。

[ Hi! Steve-san, You and we will have .... ]

この、ハーイ、XXX さんというのは、日本人同士のメールでも必ず使われるフレーズで、私は目にする度に胃液が逆流して、ほとんど吐きそうになってしまうのだが、Yさんのメールで一人バカ受けしたのは、次の [You and we ] だった。

Yさん、律儀に「自分」を含む we を後に持ってきたつもりだったろうが、この言葉だと「あなたと私たち」という意味に解釈され、we には you も含まれていることになる。一言、we とするだけで充分だったのだ。

この指摘は敢えてしなかったが、今後この手の滑稽な間違いを忠告すべきか控えるべきか、悩むことになりそうである。

楽天から社員の英語のレッスン業務を請け負った大手英会話スクールの社長がどこかで述べていた。その社長曰く・・・

『コミュニケーションツールとしての英語で、欧米だけで無くアジアの人たちとも話すのだから、発音や細かな間違いはまったく気にすることはない・・云々』

こういうセリフはよく聞くのだが、これは英会話に四苦八苦している人向けの気休めの言葉としては理解できるが、私は絶対にこうは言いたくない。

どうせ、ほんのちょっとの手間で修正できるのだから、最初から正しい英文を作り、話すことが絶対大切だとこれまでの経験から強く感ずる。

お世辞でも、「あなたの英語は、これまで会った日本人の中で一番正しくてきれいです。」と言われれば、誰しも悪い気はしないだろう。



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