指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

横浜ドリームランドだった 『めぐりあい』

2019年04月14日 | 映画
昨日に続き、1968年の『めぐりあい』を見る。
川崎の貧しい男女の話で、黒沢年男と酒井和歌子、ダンプカーの上のキッスで有名な恩地日出夫監督作品、脚本は山田信夫。
黒澤は、自動車工場(日産のようだ)、酒井は、若宮大佑の小さなベアリング店で働いている。
川崎駅前の京浜急行は高架になっているが、駅前広場は今と随分と異なる。
武満徹の音楽が抒情的で美しい。歌は荒木一郎。



黒沢の父・桑山正一の定年退職による失業、酒井の母親森光子の死などがあるが、最後は二人で一緒になることが示唆される。

この酒井が、母の事故死の後に勤める遊園地が、横浜ドリームランドなのだ。
遊園地で、東宝なので近くの向ヶ丘遊園かと思っていたら、台詞にきちんとドリームランドと言っていて、映像もある。
東宝でドリームランドは珍しい。松竹には、大船の近くの戸塚にあったので、頻繁にでてくるのだが。

よく考えたら、これは並木座等で何度か見ているはずだが、最後まで見ていなかったことに気づく。
恩地監督も、これや内藤洋子の『あこがれ』と『伊豆の踊子』あたりがピークだったと思う。