物価が低いとも思われていた中西部及び二・三線都市だが、物価上昇幅は都市部より大きいそうだ。
上海と成都の市場での調査によると、価格差の大きいのは豚肉だけで、上海が成都より2元(500グラム当たり、以下同じ)高く、卵、東北米、砂糖は成都の方が上海より1元近く高く、その他の食品価格は基本的に同じであった。この他、上海カルフールと成都カルフールで販売されている20種類の生活必需品のうちの半分について成都のほうが上海より高いというものであった。上海の物価がこれだけ抑えられている原因としては、上海はデパートやスーパーも多く、競争が激しいからではないかという見方がある。さらに交通、情報、立地等优势、価格上昇を抑制する要素が中西部よりも多く、そのため物価上昇幅も中西部地区より小さくなっているという見方がある。
上海はこれでもいいのだろうが、成都の物価水準は収入水準と比べるとやはり厳しい。成都の一般的な三人家族の毎月の食費は1000元程度、子供の教育費といった諸々の支出を加えると毎月の基本的な支出は少なくとも6500元程度必要で、これは既に一般的な上海の家庭とほぼ変わらない。しかしながら2009年の従業員年間平均給与水準を比べると成都で27,272元、上海で45,114元とかなり大きな開きがある。成都は内陸部の大都市といえるが、それでも収入水準は上海と比べてこれだけの格差がある。中国における平均値というのは参考にしづらいのはよく言われていることだ。しかし成都はLV、Cartier、TOD''S、Gucci、Loewe、LA MERといった高級ブランドが既に売られている都市であり、それなりの収入水準もついてきていると考えられそうなものだが、そこは平均値だけでは語れない中国マーケット。一流ブランドを平気で買えるような平均値だけでは見えてこないお金持ちがいるのだろう。平均値だけでは語れないとは言うものの、それにしても数字だけ見ると成都での生活はなかなか厳しそうですね。