呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

収入格差

2010年11月25日 | 日記

 中国の貧富の差は激しい。上海のような都市部でも高級車を乗り回す人もいれば乞食がいたりします。内陸のド田舎に行くと年収2000元レベルの人もまだいるようです。人力資源社会保障部の関連研究機関の研究結果によりますと、中国東部、中部、西部の収入比率は1.52:1:0.68という結果が出ています。さらにこれを都市対農村で見ていきます。

 

(1978年)都市:農村 = 2.5   : 1

(2001年)都市:農村 = 2.9   : 1

2005)都市:農村 = 3.22 : 1

2008)都市:農村 = 3.31 : 1

 

 都市と農村の所得格差がずっと以前から問題になっていましたが、それが縮まるどころか拡大していってます。また、上の10%の層と下の10%の層の所得格差も1988年的7.3倍から2009年には23倍にも膨れています。数ヶ月前には灰色収入がメディアで結構取り上げられてました。いつまで経ってもなくならないようですねえ。しかも灰色収入というのは持っている人がさらにもっと得る性質のものであり、そうなると上に紹介したこの比率もこんなもんじゃないかもしれません。13億人もいるというのは国力であると同時にこれを統治しきれないというリスクも同時に持ち合わせます。反日デモが気がつけば反政府デモになっていた陝西省宝鶏市のような地域もありました。政治指導力の強い国でこんな問題が起こるのですから、いかに舵取り難しいかということですね。

 

 それにしてもこの極端な所得格差の問題は私が仕事をしている間はなくなりそうもないでしょうね。