呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

フライト遅延に伴う補償

2010年11月03日 | 日記

 中国航空運輸協会が湖北機場集団に《航空運輸服務質量不正常フライト引受人服務及び補償規範(試行)》を発し、春秋航空を除き、国内の航空会社は新たな遅延補償を実施することになった。遅延の原因となるものには天気、突発事件、空中交通管制、安全検査、乗客または公共安全等の原因による航空会社の原因によらないものと、フライト計画、整備要因、フライト手配、運輸サービス、クルー等の原因による航空会社の原因によるものとがあるが、この違いにより行われる補償は次のように異なる。

 

航空会社に非がない場合

航空会社に原因がある場合

     航空会社は補償責任を負わない

     空港または航空会社は乗客に飲食サービス及び休息場所の連絡を協力するが、関連費用は乗客が自己負担。

     経由地で遅延する場合、いかなる理由であれ航空会社は必要に基づいて経由する乗客に無料の飲食サービス及び宿泊場所を提供すること。

     フライト遅延、キャンセル、チケットの払い戻し、変更の費用は航空会社が負担。

     遅延時間に基づいて乗客に無料の飲食サービス及び休息場所を提供すること。遅延見通しが1-4時間以内のフライトについて、速やかに乗客に飲食を提供すること。

     4時間以上の遅延見通しについて、休息場所を手配すること。

     4-8時間以内に出発した場合、300元相当の値引き、マイルまたはその他方式の同等価値の補償、または200人民元を提供すること。

     8時間を超過指定出発する場合、450元相当の値引き、マイルまたはその他方式の同等価値の補償、または300人民元を提供すること。


 乗客に高速鉄道などの代替輸送を提供し、当初の到達予定時刻の4時間以内に最終目的駅に到着するにもかかわらず、乗客がそのサービスを放棄する場合、補償は行われない。

 

 中国の飛行機はしばしば遅れる、というよりも遅れるのが当たり前で常態化しているといってもいい。その場合補償してもらえるとのことだが、結局天気、突発事件、空中交通管制、安全検査、乗客または公共安全等といった航空会社に非がないとされるケースの場合、食事や休息場所の手配のみが行われるに過ぎない。そうなると、次に疑うべきは、本当は航空会社に非があるにもかかわらず、それを正直に開示しないのではないかということだ。空中交通管制は遅延する言い訳としてよく聞かれるが、そもそもダイヤの組み方に問題があって空中交通渋滞が生じることも少なくないだろうから、根本的には航空会社に非があるといってもよいだろう。もちろん、そうなると一社の航空会社だけの問題ではないのだが。いずれにしても、航空会社は自社に非がある場合に本当にそれを認めてちゃんと補償してくれるのだろうか。遅延補償もいいし、スチュワーデスのミスコン化もいいが、一般的なサービスレベルの向上もあわせて望みたい。

 


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