経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

傲慢な経理マンにはなるなよ

2012-02-16 10:17:41 | 達人経理マンへの道

 かつて自分が散々傲慢を通してきて、いまさらこんなことを言うのは恐縮だが、約40年間経理一筋に生きてきて、やっと最近辿り着けた心境なのでお許し願いたい。
経理マンには、会社の極秘事項も汚い部分も全て判ってしまう。だから自分は凄いのだと錯覚してしまうのだ。これらは職務上知り得たことであって、決して自分の能力が優れているから得られた情報ではないのだ、ということを忘れてはいけない。

 また経理マンは、社内の直接利益を産む部署が、十二分に力を発揮出来るよう、またより働き易くなるためにフォローしてあげることが本来の目的であることも忘れてはいけない。ところが公務員が公僕であることを忘れて、お上風を吹かせているのと同様に、偉そうに専門家風を吹いている経理マンも少なくないのだ。
 だからといって、決してへりくだる事も弱気になることもない。当たり前のことだが、しっかり勉強して、会社全体のためにきちっと仕事をすればいいのである。そのためにはときには強気に出ることも必要だし、負けず嫌いでなければ勤まらない。ただ傲慢風を吹かせて、他人の話を聞かなかったり、裏で会社の陰口を叩いてはならないと言っているのである。

 何といっても社会というものは、人間関係で保たれているのだ。また陰口はどこかで必ず漏れてしまうものである。そのために人間関係が希薄になるばかりか、場合によっては会社の信用を傷つけることにもなりかねない。どうしようもなく嫌な会社だと思ったら、黙ってさっさと退職すればいい。
 こんなことは、誰でも判ることであり、自分も当然のことと考えていた。ところが、いざ実践になると目先の忙しさにかまけて、いつの間にか初心を忘れてしまうものなのである。いい年をこいて今ごろこんな簡単な理屈に本気で気付いている自分も情けないが、「親孝行したい時には親はなし」と言うが如く、多かれ少なかれ人生とはそういうものなのであろう。

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