著者:山口祐介
この本が出版されたのは2007年であり、当時著者の山口氏は32歳でビジネスマンとしては一番油が載ってパワフルだったに違いない。その割には大ベテランのような、落ち着いた雰囲気の分かり易い文章であった。
そして見開き2頁に20行前後かつ上段のみに、まるで詩のように失敗するポイントを箇条書きし、下段はほのぼのとしたイラストで埋めるという実に読み易い工夫が施されている。さらにそれをもう少しく詳しく知りたい読者のために、次の頁の見開きでさらに砕いた解説がなされているのである。従ってその気になれば、本書は僅か数時間で読了してしまえるだろう。
「真理編」なので技術的なことは殆ど書かれておらず、どちらかと言えば「相場を行うための心構え」的な内容である。ただ確かに負けたときに読む本であり、私自身がよく負けていたパターンが笑えるほど羅列してあった。
とくに「やっぱり、そうだったんだ」と改めて痛感したポイントをまとめると、だいたい下記の通りである。
1.相場に正解はない、あるのは不確実である
2.相場は騙し合い、上手に売り抜け
3.アナリストは結果論だけ、コメントを鵜呑みにするな
4.下がり続けた後、少し上がり始めたときに買う癖は捨てよ
5.未来を予想するのではなく、未来に対応しよう
6.塩漬けを肯定せず、躊躇せず損切りせよ
7.感情的にナンピン買いに走るな
なお本書の続編として、相場で負けたときに読む本 「実践編」も出版されているが、こちらは未読である。読んでいないので何とも言えないが、本書を読んで役に立ったと思った人は、こちらの続編も読み易いようなので一読されてはいかがであろうか。
評:蔵研人
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