経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

世襲制について一言

2022-11-24 14:58:43 | 一口メモ

 世襲とは特定の地位(官位や爵位など)や職業、財産等を、子孫が代々承継することである。歴史的には古代・中世世界における多くの政治体制において、その支配者の地位(皇帝や国王、諸侯など)は、血縁関係を基礎とした継承によって独占的に占有されることが通常であった。それにより、社会の中では支配する階層(支配者)と支配される階層(被支配者、臣民)の分化が生じたのである。

 我が国においての世襲制は、天皇家を中心として武家・農家・商家などに広く普及していて、生まれたときから人の運命が決められていた。ただ時代の推移と共に少しずつ世襲制が崩れてきて、努力や実力・運などによって将来を大きく変えることも可能になってきたはずだ。……とは言っても、現代にいたっても相変わらず世襲がはびこっている世界がある。

 先に述べた皇室は別格として、まずは政治家の世界だが、国会議員の1/3は世襲議員であり、自民党に限って言えば約40%にのぼる。さらに平成以降の総理大臣は「7割」が世襲だと言うから驚きである。世界の先進国のうちG7国を例に挙げると、世襲割合は10%以下だと言われているのだ。またあのケネディー兄弟やブッシュ一族などの世襲で知られる米国ですら、世襲議員の割合は5%程度に留まっているのだから、いかに我国は世襲議員で溢れかえっているかが明白である。

 ではなぜ我国は世襲議員が多いのだろうか。その原因は「3バン」つまり世襲議員は、地盤(後援会・地元の支援組織)、看板(知名度・親の七光り)、鞄(選挙資金)を親から引き継げるためだと言われている。また中選挙制から小選挙制に移行して、世襲議員はやや減少したと伝えられているものの、やはり相変わらず世襲議員が有利なことには変わりがない。

 と言うのは、例え世襲以外の者が議員になったとしても、次回の選挙で再当選するとは限らない、もし落選すればその次の選挙まで、もしかすると永久に不安定な職業に就かねばならない。そんなとき、やはり大金持ちや政治家の子息ならば安心して浪人できるではないか。結局はどんなに能力があっても、貧乏人には不安定な政治家という職業は選択し辛いのである。

 このように世襲にまみれた政治家よりも、さらに世襲どっぷりの世界がある。それは歌舞伎、能楽、華道、茶道、日本舞踊などの伝統文化や伝統芸能の世界だということは誰でも知っている。
 さらに上場会社においても、世界のトヨタをはじめとして、いまだに世襲が幅を利かせていることは別稿で述べたことがある。つまり世襲は日本のお家芸なのであろう。そして日本人はそんな世襲制度に「安心感」を抱くのであろうか。

評:蔵研人

下記の2つのバナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ! またこのブログ記事が役立った又は面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。


にほんブログ村

人気ブログランキングへ


コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« windows10のサポート期間 | トップ | 働かないおじさんたち »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

一口メモ」カテゴリの最新記事