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日本と米国の移転価格税制比較

2012-11-24 10:10:56 | 達人経理マンへの道

 もはや全世界の主要国で導入された移転価格税制だが、世界に先駆けてこの税制を導入した米国と日本の税制の比較をするのが一番手っ取り早いと考え、以下に比較一覧表として掲示することにした。

 

注1)移転価格の対象取引とは
 棚卸資産の販売・購入、ライセンス等の譲渡又は使用、利息の受取・支払、有形資産のリース、役務の提供、費用の分担契約など

注2)延滞利子について
日本 7.3%と前年の11月30日の公定歩合+4%のいずれか低い方 
米国 連邦短期利率+α=概ね9% ・・・更に日歩複利で計算し、APAと関係なく課される

注3)米国の移転価格ペナルティー
A.20%ペナルティー(追徴税額の20%)
①移転価格純調整額が1課税事業年度につき500万ドル、或いは売上の10%のどちらか少ない額を超えた場合
②移転価格が200%以上又は50%以下変動する調整を受けた場合
B.40%ペナルテイー(追徴税額の40%)  
①移転価格純調整額が1課税事業年度につき2000万ドル、或いは売上の20%のどちらか少ない額を超えた場合
②移転価格が400%以上又は25%以下変動する調整を受けた場合
但し上記ペナルティーは、同時文書(スタディー)の提出があれば、免除される

注4)同時文書とは
 通称移転価格スタディー(ドキュメンテーション)と呼ばれ、2~3年ごとにまとめて提出している日系企業が多いようである。
 この書類の目的は、移転価格の経済分析をして、対象の関連者間の取引価格が適正であることを検証するもので、比較企業の平均的な営業利益率の幅に納まっていれば適格であると判定される。またこれらの文書は、移転価格に精通した専門家によって作成され、必要に応じ提出する必要がある。 
『主要文書の内容』 
事業概要、組織図、規則で定められている全ての文書、算定方法及び選択理由、他の方法を選択しなかった理由の説明、関連者取引の説明、比較企業と比較性の判断及び調整を行ったかの説明、価格設定において用いた経済分析及び予測値の説明、価格算定に影響を与えた後発事象の説明、同時文書の項目一覧。

注5)移転価格の算定方法・・・棚卸資産の販売の場合
①基本三法   
A.独立価格比準法(CUP法) ・・・ 第三者に対して同種・同条件で売買する価格を適正価格とする
B.再販売価格基準法(RP法) ・・・ 買い手が、第三者に再販する場合の価格から通常の利潤(売上利益)を控除した価格を適正価格とする
C.原価基準法(CP法) ・・・ 売り手が原価の額に通常の利潤を加算した価格を適正価格とする
②利益分割法(PSM法) ・・・ 国外関連者との間の利益貢献度に応じて利益を分配する方法
③取引単位営業利益法(TNMM法) ・・・ 1つの関連者間取引から生ずる営業利益を、適切な基準で測定し、関連者が第三者間取引で得るであろう営業利益と比較する方法
④利益比準法(CPM法) ・・・ 同業他社の営業利益率を参照して適正価格を決める方法

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