日馬富士事件の影響と休場者続出のためか、かなり白けてしまった九州場所も、予想通り白鵬の優勝で幕を閉じた。これで白鵬の優勝は40回の大台に乗り、来場所も向かうところ敵なしの状況が続くことだろう。
ただ11日目に嘉風に敗れた後も土俵に上がらないなど、大横綱にあるまじき態度や、優勝インタビューで観客に万歳三唱を要求するなど、大相撲史上に例のない奇行の数々には、かなり疑問を感じてしまうのである。だから国籍は関係なく、この大横綱を余り好きになれないのだ。
また立ち合いの変化や乱暴なかちあげなどについて、横綱らしくないと批判する相撲ファンが多い。だが私自身は、それは白鵬の勝負に対する執着心と研究熱心さの表出なのだと前向きに評価したいし、怪我が少ないのも日頃の鍛錬の賜物なのだと褒めてやりたい。
一方で私が応援している稀勢の里なのだが、無口で真面目で常にガチンコなところが、彼の最大の魅力と言えよう。ところが横綱になった途端に大怪我をしてしまい、その場所に奇跡的な優勝はしたものの、無理に出場したお蔭でその後4連続休場や、史上ワーストに並ぶ1場所5個目の金星を配給してしまったのである。
ことに今場所の稀勢の里の相撲を観ていると、怪我の影響というより、稽古不足と心理的な脆弱さ、頑固一途で研究不足であることがプンプンと臭ってくるのだ。とにかく負けたくないとビビルだけの酷い相撲ぶりだ。負けてもいいから、立ち合いにもっと踏み込んで、積極的に攻めて行かねば今の彼には勝機はない。受けるだけの横綱相撲を取っている場合ではないのだ。
さらにはいつも同じ相手に敗れているし、特に今場所は連敗ぐせも直せなかった。もし来場所もこのような状況が続けば、残念だが当然『引退』という二文字が押し寄せてくるはずだ。だから是非とも負けを恐れず、もっと反省と研究を重ねて、積極的に攻める相撲に徹してもらいたいのである。
そんな訳で来年は、暴行事件を起こしてしまった日馬富士、稀勢の里と同様に休場常連組となった鶴竜も含めて三横綱が同時に引退する、という最悪の事態も考えられるではないか。いずれにせよ、横綱への昇進基準が甘いのではないだろうか・・・。もっともこれは現在の横綱に限ったことではなく、昔から横綱らしくない横綱は大勢いた。
戦後横綱に昇進したのは34人だが、私が本物の横綱だと感じたのは、残念ながら栃錦・若乃花(初代)・大鵬・輪島・北の湖・千代の富士・曙・貴乃花・武蔵丸・朝青龍・白鵬の11人に過ぎない。(但し成績面だけで、品格面は考慮していない)
大相撲の話に終始してしまったが、稽古(復習)・研究(予習)・積極的な前向き思考と行動力が必須なのは、決して力士だけではない。そう我々経理マンいやサラリーマンも学生も皆同様なのではないだろうか。
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