米国海洋大気庁(NOAA)は、人間活動起源の温室効果ガス排出量は増加したが、依然としてその半分
を、地球の海洋、森林その他の生態系が吸収していると発表。植物と海洋はCO2の自然吸収源とされる
が、近年、これらの吸収能力が排出量の増加に追い付けなくなり、大気中のCO2の増加や気候変動の影
響が予想より早く発生するおそれがあると指摘されていた。しかし、NOAAとコロラド大学の研究者ら
が1960年から2010年までの地球上のCO2の測定値を分析したところ、予想より早い変化は見られず、各
国のCO2排出インベントリ等と比較すると、地球の海洋と生態系が温室効果ガス排出量の約半分を吸収
していると考えているが、残りの半分は大気中に蓄積し続けて地球温暖化を加速すると考えられ、研
究者らは、海洋酸性化等により吸収力は徐々に低下すると予想する。そこで、今回の分析から、地球
上の生態系が大気中CO2を除去するプロセスがまだ十分に理解されおらず、その解明が急がれるとして
いる。
【環境に優しい生分解性微多孔フィルム】
東レは、透湿性と防水性を合わせ持ちながら生分解性のある「微多孔ポリ乳酸フィルム」の開発に成
功したと発表。農業用マルチフィルムや紙おむつ・生理用品などの生活資材向けに、大きく拡大が期
待できる新素材として、2014年までのなるべく早期に生産技術の確立を目指す。
透湿・防水性フィルムは、農作物の保温や雑草抑制効果で農業用マルチフィルム、紙おむつ・生理用
品などのヘルスケア用途、使い捨てカイロなどの包装用途をはじめ、日常のさまざまな場面で広く利
用されている。従来は主に微多孔ポリエチレンフィルムが使用されているが、廃棄物処理問題や環境
負荷低減の観点から、生分解可能なポリマーへの置き換えが切望されていた。代表的な生分解ポリマ
ーのポリ乳酸は、透湿・防水性を有するフィルムを製造するには、空気を通し水は通さない微細な孔
(「貫通孔」)をつくる必要があり、ポリ乳酸を用いた透湿・防水フィルムは、高コストの溶媒を用
いた湿式法で、生産性の高い乾式法での製造は技術的に困難だった。
通常、乾式法で微多孔フィルムを製造するには、微細粒子を添加したフィルムを引き伸ばして粒子の
まわりにすき間を作り、一般的なポリエチレンフィルムは、微細粒子が均等に分散しやすく、すき間
がフィルムの表から裏まで効率的につながり、透湿・防水性をもたらす貫通孔が出来上がるという。
これに対して、ポリ乳酸中では、微細粒子の分散性が低く、微細粒子をポリ乳酸中に高濃度に配合す
ると凝集ができ、フィルム内部に孔が均一に配置されず、延伸を行っても粒子の周りにすき間ができ
るだけでだったが、透湿・防水性を有すポリ乳酸フィルムを得るには、微細粒子をポリマー中に高濃
度・高分散した状態で適正な延伸を行い、一つ一つの孔をつなげて貫通孔を作るため、微細粒子と相
互作用するユニットとポリ乳酸と相互作用するユニットからなる新規ポリマーを精密合成し、この新
規ポリマーを微細粒子と共にポリ乳酸中へ混練することで、ポリ乳酸中に微細粒子を高濃度かつ、単
分散できたという。
特開2012-096529
【符号の説明】
1 口金 2 キャストドラム 3 フィルム 4 噴霧ノズル 5 吸引ノズル 6 口金後部の遮蔽板
7 スポットエアー 8 電極 9 フェルト(液体膜付与用) 10 エアーナイフ 11 電極
12 キャストドラムからの剥離点
【INTERMISSION】
チェスト
忙しい合間に暇をを見つけては木工技法を調べているが、DIYなどで一般図書でもかなり詳細なところまで記
載されている。これはしまったなぁ~と思いつつも、木工の魅力に吸い込まれてしまう。上の図は収納箱。衣料
やトイなど用途は広いことがわかってきた(当たり前田のクラッカーって、古い藤田まことのギャグだが)。ところ
で今回のチェストには、それ以外に胸(バスト)との意味があるが。
昨夜に続き、温暖化と気象変動の話題と、生分解性のポリ乳酸フィルムの製造法について下調べしてみた。
時代は確実に「環境リスク本位制」にあると実感する。