極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

都のてぶり忘らえにけり

2019年01月18日 | ネオコンバーテック

  

 


                                  
湯  問  とうもん
ことば
--------------------------------------------------------------------------------
「われの死すといえども、子ありて存す。子また孫を生み、孫また子を生み、子また子あり、子ま
た孫あり。子子孫孫窮匱(きゆうき)なきなり。而して山は増すことを加えず。いかんぞ平らがが
らんや」
「力を量らずして、日の影を迫わんと欲す」「すでに去るに、余音梁欐(りょうれい)を
繞り、三日絶えず。左右その人夫らずと以えり」
----------------------------------------------------------------------------------------
終北の国
孔子が東の国に旅した時、子供がふたりで何やらいい争っていた。孔子はわけをたずねた。

謁は治水のため各地を歩いていたが、道に迷ったあげく、ある国にたどりついた。北海のはるか北
中国から列干星列万里離れているかわからない。国の名は終北といった。はてしなく広がる大地。
雨・風・霜・露もなく、鳥・けもの・虫・さかな・草木のたぐいもない。あたり一面真っ平らで、
周囲は高い山がとりまいている。国の中央に豆偏という山がある。形はちょうど水がめのようだ。
頂上には滋穴という丸い輪のような口かおり、そこから水がこんこんとわきでている。人々はこれ
とよんでいる。その香りは萌や山根よりも香ばしく、味は酒や甘酒よりもかぐわしい。わきでると
ころは一つだが、四筋に分かれて山をくだり、国中をうるおしている。

気候はおだやかで、疫病などない。人々はみんなすなおでさからわず、争うことがない。心はなご
やか、からだはしなやか、おごりもしなければねたみもしない。年上の音も年下の音もいっしょに
くらし、君主もなければ臣下もない。男女は自由に交わり、仲人もいらないし式もあげない。みん
な水をのんで生きており、耕しもしないし植えつけもしない。気候が温和なので、はたを織ったり
着物を縫ったりしない。寿命は百歳と決まっており、早死にも病気もない。人ロはふえるいっぽう
で、よろこび楽しむことはあっても、悲しみ老いさらばえることはない。人々は音楽が好きで一日
じゅういっしょに歌をうたっている。つかれたり腹がへった時には神漢をのひ。のめば元気がでて
心もなごむ。のみすぎると酔い、十日しないと目がさめない。神漢で湯あみすると肌がつやつやと
し、香りは十日のを神使問消えさらない。

その後、周の穆王が北方を旅してこの国を通り、三年の問帰るのを忘れてしまった。周に帰ってか
らもこの国に魂を奪われて、数カ月の聞、酒も肉も口にせず、女にも近づかなかったという。また、
斉の宰相・管仲が斉の桓公のおともをして、遼口まで行ったことがあった。その時、終北の国まで
足をのばすよう桓公にすすめた。すると大臣の隰朋が公をとめた。

「斉の国は広く人民も多うございます。山川の眺めはすばらしく、五穀はゆたかにみのります。国
民には礼と鎬が行なわれ、服装もたいへんりっぱです。宮廷には美人がみち、朝廷には忠臣がみち、
ひとたび叱咤すれば百万の兵もそろい、ひとたび指揮すれば諸侯は命にしたがいます。だのにそれ
を捨てて、よその国をうらやましがり、斉の国をすてて、えびすの国に行かれるのですか。これは
俯仰がもうろくしたのです。ついて行くことはございません」

そこで桓公は思いとどまり、隰朋にいわれたことを管仲に伝えた。すると、管仲はいうのだった。

「隰朋なんかにわかることではございません。斉の富が何だというのです。もっとも、あの国へ行
き着けるかどうか、心もとないので行くことは中止しておきましょう。だからといって、別に隰朋
のいうことをきいて中止するわけではありません」

ユートピアヘのあこがれ 
古代ユートピアの1つが語られている。そこには儒教的な儀礼とは何の関係もない自由がある。



【下の句トレッキング:都のてぶり忘らえにけり】


天離(あまざか)る鄙に五年住まひつつ都のてぶり忘らえにけり   筑前国守 山上憶良

I lived in the country far from the capital for five years and forgot the customs of the capital.

俳句三昧となっていたことに気づき、急遽、『日めくり万葉集』(1月17日)で、何事もバラン
スと言い聞かせながら修正する。


 JAN. 17, 2019

【世界の再エネ篇:インド鉄道の太陽電池プロジェクト計画

この調達は推定1万6千ルピー(約2億5千万円)の価値があり、インド製の機器を1.2ギガワ
ット使用規定である。発電量は、鉄道で使用される4ギガワットの石炭火力消費電力の代替に当て
られる(
2019年1月17日ウマグプタ)。
年間電気代削減に、はまもなく、10州の電化線路に沿って配置された一連の太陽発電パネルから
電気を列車運行に使用。鉄道で消費する4ギガワットの石炭火力発電に代わるもので、初年度の年
間エネルギー料金の20%、その後40%の節約となる。Indian Railways社は現在1台あたり約5
ルピー/キロワットアワーを購入。異業者
は、鉄道事業者への電力販売を通じて、ソーラーパネル
やその他の機器設置費用を回収。州との合意の下、余剰電力を地元の公益事業者に売却する条項が
あり、インド鉄道の必要同等電力を供給する。
鉄道委員会はインドのSolar Energy Corporationが作成
したプロジェクト入札文書を検討。これは、パネルからの太陽光発電をインバータや昇圧トランス
を介し25kVの架空牽引システムに直接送電を推奨。それにより、別々の伝送線路を敷設するコス
トを削減し、25kV単相インバータが製造促進される。

 

●インバータ製造の促進
Times of Indiaによると、ABB、Huawei、Delta、Sungrowを含む約20の製造業者が、十分な需要がある
機器の製造に関心があると言われており、2030年までにインド鉄道が純ゼロエミターになるまでの
歴史的な一歩となり、交通手段としてはるかに環境に優しい旅行の選択肢ななると鉄道と石炭担当
大臣は語る。
提案の下で、インド鉄道は選択線路の両側に空地を提供する。インド政府は、再生可
能エネルギー事業の立ち上げに、多額の現金を保有する公共部門事業奨励し、2025年までに5ギガ
ワットの太陽光の開発約束。この
イニシアチブの一環として、鉄道事業者はすでに駅とサービスビ
ルに約71.19メガワットのルーフトップを設置、同社はソーラーパネルを車両の屋上にも追加
も検討画しており、すでに19人のナローゲージコーチと23人のブロードゲージ非空調付きコー
チの屋上にパネル設置をすませている。
 

  Apr. 1, 2018

【エネルギー通貨制時代 41】 
Anytime, anywhere ¥1/kWh  Era” 
 Mar. 3, 2017 

【蓄電池篇:電気自動車500マイル走行を可能にする二次元材料Ⅱ】

今夜は先回の、「最新リチウム硫黄電池製造技術」のつづき。さて、今回の鍵語である単層遷移金
属ダイカ
ルコゲナイドTMDCs;Transition Metal Dichalcegenides)は、ナノテクノロジー領域であり、
ナノサイズの制御
は既存技術を覆すインパクを発揮している。例えば、小さくしたハルバッハ配列
モータのように、光子をナノサイズと配列で電磁波に変換し、従来の蛍
光体や色素化合物を用いる
ことなくカラー表示デバイスや透明マントや平面レンズを出現させ、あるいは、
化学加工物を用い
ず超撥水界面や殺菌性を出現させ、また、材質を変更するだけで自己洗浄ガラス、さら
には、瞬間
接着剤を使用することなく大規模な建造物の接合法やあるいは、自己組織化/自己崩壊機能
を付与
したiPS細胞の瞬間生体接合剤や新薬創や、勿論、グラフェンや単層遷移金属ダイカルコゲナイ
ド等を用いた電子デバイスや触媒などの創製に応用展開されていくだろう。

 

 Dec. 20, 2018

WO2018148518A1 Passivation of lithium metal by two-dimensional materials
  for rechargeable batteries
二次電池用の二次元材料によるリチウム金属の不動態化

図5は、実施形態によるリチウムイオン電池システムを示す。一実施形態では、リチウムイオン電
池(LiB)システム500は、アノード501、カソード502、セパレータ503、電解質5
04、負極端子506、正極端子507、およびケーシング508を含むことができる。上述し、
少なくとも図1および図2に示されるような2D材料の1層。 1A-B、図2A-C、および3A-
C。カソード502は、リチウム酸化物材料(例えば、LiCoC、LiFePO、LiMn
LiNix Mny Coz Cなど)を含み得る。他の実施形態では、カソード502は、上で説明
され少なくとも図1および図2によって示されるように、少なくとも1層の2D材料で被覆された
Li電極を含むことができる。図1A-B、2A-C、および3A-C。セパレータ503は、ポ
リプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などを含む。


電解質504は、カソード502とアノード501との間でLiイオンを輸送することを可能にし
得る任意の数の電解質溶液(例えば、水性、非水性など)を含むる。例えば、電解質504は、様
々なリチウム塩(例えば、LiPF、LiClLiH PO、LiAlCl、LiBFなど)
または他の電解質材料を含み得る。集電体506をアノード501に取り付け、集電体507をカ
ソード502に取り付けることができる。 一実施形態では、集電体506は銅金属を含み、集電
体507はアルミニウム金属を含むことができる。ケーシング508は様々なを含み得る。例えば
LiBシステム500の実施形態は円筒形セル(例えば13650、18650、18500、2
6650、21700など)、ポリマーセル、ボタンセル、プリズムセル、ポーチセルなどに組み
込まれてもよい。

さらに1つまたは複数のセルをさまざまな用途(たとえば、自動車、ラップトップなど)で使用す
るために、より大きなバッテリパックに組み合わせることができる。 特定の実施形態において、
マイクロコントローラおよび/または他の安全回路は、セル動作を管理するために電圧調整器と共
に使用されてもよく、LiBシステム500の特定の用途に合わせて調整されてもよい。

一実施形態において、LiBシステム500は、低レベルの湿度および酸素(<0.5ppm)下で
アルゴン充填グローブボックス内でカソード502およびアノード501を使用して製造された。
電解質504は、エチレンカーボネート(EC)、ジメチレンカーボネート(DMC)、およびジ
エチレンカーボネート(DEC)の1:1:1(体積比)混合溶媒中の1Mヘキサフルオロリン酸
リチウム(LiPF6)塩の溶液を含んでいた。 セパレータ503は、PP系膜を含んでいた。ケー
シング508は、圧着工具で組み立てられたCR2032コインセルを含んでいた。 充電(脱リ
チウム化)および放電(リチウム化)サイクル試験は、0.
01-3.0Vの電圧窓内で室温で多チ
ャンネル電池試験ユニットにおいて行われた。

図6は一実施形態によるリチウム - 硫黄(Li-S)電池システムを示す。一実施形態では、Li
-S電池システム600は、アノード601、カソード602、セパレータ603、電解質604
負極端子606、正極端子607、およびケーシング608を含むことができる。アノード601
は、上述のように少なくとも図1および図2に示されるように、少なくとも1層の2D材料で被覆
されたLi電極を含むことができる。図1A?B、2A?C、および3A?C。カソード602は、
硫黄電極としての硫黄粉末および/または炭素構造を有する複合材料(例えば、カーボンナノチュ
ーブ(CNT)、グラフェン、多孔質炭素、自立型3D CNTなど)を含み得る。 セパレータ6
03は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などを含み得る。

電解質604は、カソード602とアノード601との間でLiイオンを輸送することを可能にし
得る任意の数の電解質溶液(例えば、水性、非水性など)を含み得る。例えば、電解質604は、
1%LNO3添加剤を含む1:1 DOL / DME中の1M LiTFSiまたは他の電解質溶液を
含み得る。集電体606をアノード601に取り付け、集電体607をカソード602に取り付け
ることができる。一実施形態では、集電体606は銅金属を含み、集電体607はアルミニウム金
属を含むことができる。ケーシング608は様々なセルフォームファクタを含み得る。例えば、Li
-S電池システム600の実施形態は、円筒形電池(例えば、13650、18650、1850
0、26650、21700など)、ポリマー電池、ボタン電池、角形電池、パウチ電池などに組
み込むことができる。さらに、1つまたは複数のセルをさまざまな用途(たとえば、自動車、ラッ
プトップなど)で使用するために、より大きなバッテリパックに組み合わせることができる。

特定の実施形態において、マイクロコントローラおよび/または他の安全回路は、セル動作を管理
するために電圧調整器と共に使用されてもよく、リチウム硫黄電池システム600の特定の用途に
合わせて調整されてもよい。一実施形態において、LiーS電池システム600は、湿度(H2O)
および酸素(O)濃度を0.5ppm未満に一定に維持しながら、アルゴン充填グローブボックス
内で製造された。カソード602(BF 3D- CNT-Sカソード材料)の電気化学的性能は、
カウンター/参照としての役割を果たすリチウムを用いてコインセル中の多チャンネル電池試験ユ
ニットによって評価した。

カソード602のサイズは、正方形の形状で1cm×1cm(1cm)であった。リチウムビス
-トリフルオロメタンスルホニルイミド(LiTFSi、99%シグマアルドリッチ、1M)および
硝酸リチウム(LiNO3、99.99%、シグマアルドリッチ、0.25M)塩を1,2-ジメトキ
シエタン(DME、99.5%)の有機溶媒に溶解し電解質604を調製した。 1:1の体積比を
有する(シグマアルドリッチ)および1,3-ジオキソラン(DOL、99%、シグマアルドリッ
チ)。コインセルに添加された電解質604は、60μLの容量に最適化された。セパレータ60
3は、アノード601とカソード602とを隔離するためにポリプロピレン(PP)を含んでいた。
定電流充放電試験は、室温で1.5~3.0Vの電圧範囲内で実施した。C速度は、硫黄の理論比容
量((Qs = 2×9.65×10/(3.6×32.065)-1672mAh / g)に基づ
いて計算された。サイクリックボルタンメトリーおよび電気化学インピーダンス分光法(EIS)
測定は、ポテンショスタットによって行った。


図7は、本願の一実施形態によるリチウム硫黄電池システム700を示す。一実施形態では、Li-
S電池システム700は、アノード701およびカソード702を含むことができる。アノード7
01は、上で説明し、少なくとも図1および図2に示すように、少なくとも1層の2D材料で被覆
したLi電極を含むことができる。図1A-B、2A-C、および3A?C。例えば、アノード70
1は図7に示されている。 1つまたは複数のMoS 2層がその上に堆積されたLi金属を含むも
のとして図7に示される。上述したように、アノード701は、スパッタリング、蒸着などを介し
てLi金属上に2D材料(例えば、MoSなど)の1つまたは複数の層を直接堆積する。2D材料
の1つまたは複数の層は均一であり、セルが低分極で高電流密度で動作することができるように無
視できるインピーダンスを提供できる。

一実施形態では、リチウム化MoSは、エッジ配向フレーク状MoSであり得、これは、バルク
リチウム金属へのおよびバルクリチウム金属からのLiイオンの一貫した流れ、均一で安定なLi電
着、およびデンドライト形成の抑制を提供し得る。一実施形態では、カソード702は3D-
CNT
/S電極を含む。図3、
図7に示すように、カソード702は、その上に複数のCNTを有する基
板(例えばグラフェン)を含むことができ、これについては以下でより詳細に説明する。複数のC
NTを硫黄を塗布し、大表面積、超低抵抗経路、および基板との強い結合を提供できる。

一実施形態では、3D-CNT/Sカソード702の初期データは、> 8mg/cmの硫黄添加
量を示す。2D材料で塗布されたリチウム金属アノード701および3D-CNT/Sカソード7
02を含む別の実施形態では、1000℃を超える充電/放電サイクルで0.5℃で1100mA
h/g(例えば、> 500Wh/kg)の比容量であった


図8は、一実施形態による電極800の断面図および対応するSEM画像を示す。電極800は、
Liイオンの高い伝導経路および短い拡散長、ならびにサイクリングプロセス中に生成されたポリ
スルフィドの
吸収能力を提供する、多孔質3D-CNT構造(例えば、複数のCNT)を含み得る
。構造的完全性および導電性を維持しながら、1つまたは複数の3D CNT層をマルチスタッキン
グすることによって、CNTの高充填量を達成することができる。

一実施形態では、CNT表面を官能基で処理することにより、CNTと硫黄との間の結合強度を高
(例えば、酸素末端CNTは、硫黄との結合強度がより高くなる)、ポリスルフィドシャトル効果
が最小になる。以下。
一実施形態では、充電式電池内の三次元マイクロチャネル電極において、三次元Cuメッシュは、
二次元Cu箔の表面積の約10倍の表面積改善を示し、CNTの装填量を増加させることができる
(例えば、> 50倍)。 500nm厚のサンプルを用いて)。

一実施形態では、電極800は、様々な高エネルギー用途およびエネルギー貯蔵技術に対して拡張
可能であり得る。例えば、他の電池構成要素の重量は様々な用途にとって関心事である。一実施形
態では、電池のエネルギー/電力密度および/または比容量は、電池の全質量および/またはパッ
ケージ密度で正規化することができる。3D構造のカーボンナノチューブは、さまざまなプラットフ
ォームに対しより効率的で用途の広いエネルギー貯蔵を提供する。


図9は実施形態による電極の製造プロセスの態様を示す。一実施形態では、結合剤を含まない3D-
CNT/Sカソード構造体を製造することができる。図9(a)は、複数の自立型3D-CNTお
よびこれを示す対応する低倍率SEM画像を示す。図9(b)に示す一実施形態は、(例えば、約
155℃で機械的に加圧により)3D-CNT上に1層以上の硫黄を均一に被覆すること含む。硫
黄粒子は、毛細管現象および低表面張力により、溶融した硫黄を3次元CNT構造内の閉じ込めを
容易にできるため、均一に分散されかつ機械的に圧縮されてもよい。
図9(c)は、3D-CNT
への硫黄粒子の結果生じる分布概略図を示す。図9(d)は、高密度3D-CNTの断面SEM画
像。相互接続CNTは、大表面積(例えば、> 100m/g)および狭い細孔径分布(例えば、
2?20nm)の提供。図9(e)は、合成結合剤を含まない3D CNT/SのSEM画像を、対
応する炭素および硫黄のEDSマッピングと共に示す。セクション(f)は、(e)に示すSEM
画像のエネルギー分散型X線(EDX)スペクトルを示す。
これらのCNTの平均直径は100-
150nmの範囲であり得る。例示的な製造された3D-CNT/SカソードのSEM画像(e)
およびEDXスペクトル(f)は、3D-CNTの導電性ネットワーク内の硫黄の均一な分布を実
証する。

一実施形態では、結合剤を含まない3D-CNT/S電極を上記の例示的な方法に従って製造。結
合剤を含まないカソード設計は、0.1Cレート(-1.4mA)で8.83mAh/cmの高い面
容量および1068mAh/gの比容量を有する8.33mg/cm(カソード電極中~55重量
%S)の高硫黄負荷をもたらした。 150サイクルで95%以上のクーロン効率を示す。
実施形態
は、カソードの質量に対して、~1276W/kgの比出力で-478W/kgの比エネルギーを示す。


図10Aと図10Bは一実施形態による様々な硫黄添加量を有する電極の比容量に対するサイク数
を示すグラフ。 例えば、図10Aは、異なる硫黄充填量をもつ例示的な電池のレート能力を示す。
図10Bは、3D-CNT内に装填された55wt%S(8.33mg/cm)硫黄の高硫黄装填
量のサイクル性能を示す。図10C一実施形態による3D CNT/S電極の面積容量のグラフを
示す。図10Cは、バインダフリー3D-CNT/S電極の面積容量と従来のLi-S電池カソー
ド材料の面積容量との比較を示し、例示的なバインダフリー3D-CNT/Sカソード構造がより
高い面積容量を達成し得ることを実証する。

図10に対応する定電流放電 - 電荷プロファイルは、以下の通りである。図10Aは、すべてのC
レートについてプラトーを実証する(例えば、3D CNT / S構造のマトリックス内で高い導電
率を有する効率的な動的プロセスを示す)。改善された反応速度論はまた、下側(Qiower-piateau
と上側のプラトー(Qupper-piateau)との間の放電容量比からも実証されている。例えば、図10A
は、37wt%Sおよび42wt%Sの両方について、それぞれ1.85および1.8である、2C
速度でのキオワーピトー/クッパーピオトー比を示し、これはより高いC?速度での可溶性ポリスル
フィドの不溶性硫化物への効率的な変換を示す。
図10Aは、55wt%S(8.33mg/cm)の高硫黄装填量および0.1Cでの~1068m
Ah/gのセル送達初期放電容量(?3.39mA /cm)からの比容量を示す。~8.8mAh/
cm(例えば、従来のLi-S電池より高い)。一実施形態では、150サイクル後でも、セルは
、1サイクルあたり-0.4%の平均容量減衰で、-613mAh / gの比容量を依然として送
達することができる(例えば、図10Cに示される以前に報告されたデータより優れている)。


図11A-Bの実施形態による、複数のCNTをその上に有する可撓性3D金属メッシュを示す図
である。図11A-図11Bは、実施形態がスケーラブルかつ屈曲可能であり得るように構成され
た3D金属メッシュ上のCNTの実施形態を示す。図11A-図11Bの多孔性金属メッシュ構造上
のCNTを実証する実施形態のSEM画像を示す。一実施形態は、3D-Cuメッシュ上の3D-
CNTのCVD、および/または本明細書で論じる製造方法のいずれかを使用し製造できる。当然
のことながら本明細書で論じるLi-S電池の実施形態では、スケーラブルで曲げ可能な構造を電極
を利用し、曲げることが可能でスケーラブルな電極を多種多様な形状、サイズ、用途などに容易に
適合ができる。


図12は実施形態による3D CNTアノードスタックの製造プロセスの態様を示す。図12(a)
を参照すると、一実施形態では、CVDおよび/または本明細書で論じる他の堆積方法によって、
複数の3D-
CNTをメッシュ構造(例えば、Cu、グラフェンなど)上に成長できる。例えば、
Cuメッシュ構造(例えば、<200メッシュ)は、50~200μmの平均厚さを含み、最初に
一連のアセトン、エタノール、脱イオン水などで超音波洗浄できる。その後、清浄なCuメッシュ
構造をオーブン中で乾燥できる。一実施形態では、チタンバッファ層およびニッケル触媒は、所与
の堆積圧力(たとえば、約200℃)で堆積時間を変えながら(たとえば、1~15分)、室温で
(たとえば、RFマグネトロンスパッタリングを使用して)Cuメッシュ上に堆積できる(10-3
Torr Ar)。次に、3D-CNTを熱CVDシステムで合成することができる。高密度で整列したCN
Tの成長は、600~800℃の温度で10~60分間エチレンガス(例えば、50~150SC
CM)および水素キャリアガス(例えば、10~100SCCM)を使用することによって最適化
することができる。



図12(b)に示すように、3D-CNTを有するメッシュ構造をエッチングプロセスに導入する
ことができる。例えば、CNTs/Cuメッシュ構造をFeClエッチング溶液中でエッチング
し、(c)に示すように自立型3D-CNT構造が得られる。さらに、3D-CNTの1つまたは
複数の層をホットプレスによって3D-CNTの層をプレスしてマルチスタック3D-CNTを作
製し製造でき、これを次に電極とする((d)に示す))。電解質へのポリスルフィドの溶解は、
Li−S電池の容量低下に寄与し得る。一実施形態では、ポリスルフィドシャトル効果軽減にCNT
表面を官能基(例えば、酸素末端CNTなど)で処理して、CNTと硫黄との間の結合強度を高め
ることができる。例えば、CNTを用いた硫黄の安定化方法は、官能基(例えば、カルボン酸、ア
ミン、ケトン、アルコール、エステルなど)を導入することを含み得る。化学的官能化は、一部に
は、官能基とCNTの表面およびナノチューブのエンドキャップとの共有結合に基づいている。

一実施形態では、HNO、HSO、および/または両者と強酸化剤(例えば、KMnOなど)
との混合物などの強酸によるCNTの酸化処理は、酸素化官能基を形成することができる。別の実
施形態では、活性分子との非共有相互作用は、CNT/Sの界面特性を調整するために提供され得
る。 CNTは、芳香族化合物、界面活性剤、ポリマー、および/または疎水性相互作用によって
非共有結合的に官能化できる。

                                       この項了

 Jan. 17, 2018

世界最大のロッテルダム風力タービン始動





  ● 今夜の一曲

CHAGE and ASKA PRIDE  Music Writers: Ryou Asuka 

思うようには いかないもんだな
呟きながら 階段を登る 
夜明けのドアへ たどり着いたら
昨日のニュースと手紙があった 
折れたからだを ベッドに投げ込んで
君の別れを 何度も見つめてた 
伝えられない事ばかりが
悲しみの顔で 駆けぬけてく 
心の鍵を壊されても
失くせないものがある プライド 

光りの糸は レースの向こうに
誰かの影を 運んで来たよ 
やさしい気持ちで 目を細めたとき
手を差しのべる マリアが見えた 
何が真実か わからない時がある
夢にのり込んで 傷ついて知ること 
誰も知らない 涙の跡
抱きしめそこねた 恋や夢や 
思い上がりと 笑われても
譲れないものがある  

 

コメント

左義長五百マイル

2019年01月17日 | ネオコンバーテック

  

 


                                  
湯  問  とうもん
ことば
--------------------------------------------------------------------------------
「われの死すといえども、子ありて存す。子また孫を生み、孫また子を生み、子また子あり、子ま
た孫あり。子子孫孫窮匱(きゆうき)なきなり。而して山は増すことを加えず。いかんぞ平らがが
らんや」
「力を量らずして、日の影を迫わんと欲す」「すでに去るに、余音梁欐(りょうれい)を
繞り、三日絶えず。左右その人夫らずと以えり」
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ものを知らない孔子
孔子が東の国に旅した時、子供がふたりで何やらいい争っていた。孔子はわけをたずねた。
「ぽくは、お日さまは朝は近くにいて、日中は遠くにいってしま
うと思うんです」「ぼくは、朝は遠くにいて、日中は近くにくると思うんです」
「そんなこといったって、日がのぼる時は車の上のかさぐらい大きいけど、日中はお皿みたいに小
さいもん。近くのものは大きくみえて、遠くのものは小さくみえるはずじゃないか」

「だって、日ののぼり始めはまだ涼しいけど、日中になれば熱湯に手をつっこんだみたいだよ。遠ければ涼
しくて、近ければ熱いはずじゃないか」
孔子はどちらともきめかねた。子供たちは口をそろえてひやかした。
「それでも物知りといえるの、おじさん」 

車の上のかさ〉 車の上にかける円形のかさ。雨よけにも日よけにもなる。

  Wikipedia

左義長五百マイル君に届かん

 

【エネルギー通貨制時代 40】 
Anytime, anywhere ¥1/kWh  Era” 
 Mar. 3, 2017 

【蓄電池篇:電気自動車500マイル走行を可能にする二次元材料Ⅰ】

今夜は、ナノテクノロジー(ネオコンバーテックのコア技術)領域から、最新のリチウム-空気二次電池技
術の話題を取りあげる。1月10日、UIC工科大学の研究グループは、二次元触媒材料を合成したことを
公表。 それによると、触媒がリチウム - 空気電池に組み入込むことで、それらの多くの2 D材料は、電
池が伝統的な触媒を含むリチウム- 空気電池よりも最大10倍多いエネルギーの保持にすることに成功
する。尚、 同グループの調査結果はジャーナルAdvanced Materialsに掲載。

ところで、リチウム空気電池は、電気自動車、携帯電話、およびコンピュータに電力を供給する
ために現在使用されているリチウムイオン電池の次の革新的な代替候補にある。現在開発段階に
あるリチウム空気電池は、 リチウムイオン電池の 10倍のエネルギーを蓄えることができ、はる
かに軽量であるが、リチウム空気電池は二次元材料から作られた先進的な触媒を組み込むことで
さらに効率的でより多くの電荷提供が可能となる。この触媒は、電池内部の化学反応の速度を速
め、触媒製造材料の種類により、電池のエネルギーを保持供給能力を大幅に高めることができる。

尚、このような2 D材料の一般的原理の発見を理化学研究所などの国際共同研究グループが成功して
いる(下図参照)。

 Dec. 8, 2017

17年12月8日、理化学研究所などの国際共同研究グループは、遷移金属ダイカルコゲナイド
TMD;Transition Metal Dichalcodenidesの略)――タングステン、パラジウム、白金などの遷移金
属元素Mと、硫黄、セレン、テルルのいずれかのカルコゲン元素Xとが結合し「MX2」の化学組成
で表される層状構造を持つ化合物。組成によって絶縁体から半導体、金属、超伝導体まで幅広く
電子状態が変化する。また、層状結晶をバラバラにした原子レベルの厚さのシートにしても安定
で、積層時とは異なる電子状態が発現することもあり、有望な次世代の電子素子として注目され
てい――において、物質表面にスピンの向きがそろったトポロジカルな電子状態や、物質内部全
体にグラフェンと同様な質量ゼロのディラック電子状態が発現時の一般的な原理を発見――六つ
の異なる組成をもつTMDについて、トポロジカル表面電子状態や3次元ディラック電子状態が存在
していることを実証――してたことを公表している。

 Jan..16,2019
さて、15種類の二次元遷移金属ジカルコゲナイドまたは単層遷移金属ダイカルコゲナイド(TM
DCs;Transition Metal Dichalcegenides
)を合成。 TMDCは、充電および放電中に電池内で起こる反
応などの他の材料との反応に参加するために使用することができる、高い電子伝導性および速い
電子移動を有するため、独特の化合物である。 同大学の研究者らは、リチウム空気電池を模した
電気化学システムの触媒としての15種類のTMDCの性能を実験的に調べ、これらの材料の反応
速度は、金や白金のような従来の触媒に比べてはるかに高い早い。 二次元TDMCが非常にうまく機
能した理由の1つには、 リチウム空気電池で起こる充電放電の触媒の二機能性として知られる双
方向反応による。二次元原材料は電解質、すなわち充電および放電中のイオン移動材料と相乗作
用をもたらすが、使用した二次元TDMCとイオン液体電解質は、電子がより速く移動するのを助
ける助触媒系であり、より速い充電と、より効率的なエネルギー貯蔵と放出をもたらす。また、
電池を次のレベルに引き上げ、より効率的かつ大規模な製造方法の開発を必要とする。

 Mar. 21, 2018

【最新関連特許事例】

特開 2018-200782 金属空気電池用正極、金属空気電池、リチウム空気電池、金属 空気電
  池用正極の製造方法、リチウム硫黄電池用正極、リチウム硫黄電池、及びリチウム硫黄電池
   用正極の製造方法 学校法人 東洋大学

リチウム空気電池は、理論的に12000Wh/kgというガソリンに匹敵するエネルギー密度
を得られる電池である。理論値だけで比べればリチウムイオン電池よりも30倍以上もエネルギ
ー密度が高い。さらに、リチウムイオン電池に比べて危険性が低く、空気を利用することから、
自動車への搭載が期待されている。 従来、リチウム空気電池の正極(空気極)は、空気(酸素)
の透過性が高いカーボンペーパーを正極集電体として、その片面に正極活性体を塗布し作製され
ていた。正極活性体は、電気伝導性の炭素物質と、金属触媒と、バインダーとを混合した材料が
用いられている。特に炭素物質はアセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラフェン、カー
ボンナノチューブ、その他のカーボンナノ構造体などがこれまで使用されている。

リチウム空気電池の構成要素は、正極以外に、負極、分離膜、電解質である。負極には通常金属
リチウムが使われる。リチウム空気電池の放電は、負極から電解質に溶出したリチウムイオンが
正極近傍で酸素と化学反応し、正極上に過酸化リチウム、炭酸リチウムなどの放電堆積物を形成
するというメカニズムで行われる。充電はその逆の反応が起こる。正極活性体の金属触媒は過酸
化リチウムを形成(放電時)や分解(充電時)を助ける働きをし、炭素物質は放電堆積物を形成
する場所の提供と、酸化反応により生じた電子の輸送を担う。そのため、特に正極活性体に使わ
れる炭素物質は、電気伝導性が高く、放電堆積物を多く形成するため比表面積が高くかつ多孔質
状であることが望ましいと考えられている。これまでの正極作製方法は、複数の物質からなる正
極活性体を準備し、それを正極集電体に塗布するという複数の工程により行われていた。例えば、
グラフェンと、バインダーとしてポリテトラフルオロエチレンを使用し、高容量の正極を製造す
る方法がある。

複数の工程を経ることなく、かつ電池の高容量化を実現できる金属空気電池用正極、金属空気電池、
金属空気電池用正極の製造方法、リチウム硫黄電池用正極、リチウム硫黄電池、及びリチウム硫
黄電池用正極の製造方法の提供。【解決手段】正極集電体上にカーボンナノウォールが形成され
ていることを特徴とする、金属空気電池用正極。本件によれば、単一行程で正極活性体を正極集
電体上に作製できるため、従来法に比べて製造時間を顕著に短縮できる。また、本発明において
は、金属触媒やバインダーを使用することなく正極を製造することができる。このため、複数の
工程を経ることなく、かつ電池の高容量化を実現できる。

特開2018-195578 金属空気電池用空気拡散層及びその製造方法、並びにそれを
  含む金属空気電池 三星電子株式会社
 

金属空気電池は、イオンの吸蔵及び放出が可能な負極と、空気中の酸素を活物質として使用する
正極と、を含む。該正極においては、外部から流入される酸素の還元反応及び酸化反応が起こり、
該負極においては、金属の酸化反応及び還元反応が起こり、このときに発生する化学的エネルギ
ーを電気的エネルギーに変換させて抽出する。例えば、該金属空気電池は、放電時には、酸素を
吸収し、充電時には、酸素を放出する。このように、該金属空気電池は、空気中に存在する酸素
を利用するため、電池のエネルギー密度を大きく向上させることができる。例えば、該金属空気
電池は、既存のリチウムイオン電池より数倍以上高いエネルギー密度を有することができる。


併せて、ガス拡散層の重さを低減させる場合、該金属空気電池のエネルギー密度を追加して向上
させることができる。それと関連して、炭素ナノ素材から形成された多孔性フィルムがガス拡散
層として使用されているが、機械的特性が低下してしまうという問題
がある。
下図のごとく、金
属空気電池用ガス拡散層及びその製造方法、並びにそれを含む金属空気電池に関し、該金属空気
電池用ガス拡散層は、複数の非伝送性ファイバ構造物を具備する多孔層と、炭素素材を含み、該
炭素素材がファイバ構造物の表面に沿って配置される、伝導性炭素層とを含み、また、金属空気
電池用ガス拡散層は、層状自己組立法を利用して、接着層及び伝導性炭素層を含む多層膜構造を
具備するように製造される金属空気電池用空気拡散層及びその製造方法、並びにそれを含む金属
空気電池を提供する。


 
 WO2018148518A1 Passivation of lithium metal by two-dimensional materials
   for rechargeable batteries
二次電池用の二次元材料によるリチウム金属の不動態化


0現在のリチウムイオン電池技術は、貯蔵能力およびエネルギー能力の点で限界に達しているとい
う認識が高まっている。しかしながら、より高いエネルギー貯蔵およびより長持ちする装置に対
する需要が依然として増加している。次世代の電池システムのいくつかは、リチウム - 空気 お
よび、リチウム-硫黄電池を含む。リチウム金属は、インターカレートおよびまたは導電技術を
使用せずにリチウムイオン貯蔵の材料として知られている。このため、リチウム金属電極は、高
い理論比容量(?3860mAh/g)および低い酸化還元電位(-3.04V)を示す。したが
って、それらは次世代の充電式リチウムイオン電池用のアノード製造に最良選択と見なされるこ
とが多い。しかしながら、リチウム金属アノードは、数多くの問題を抱る。これらの特性は、繰
り返しのリチウム析出/溶解プロセス中の制御不能なデンドライト形成と関連することが多く、
電池の短絡および潜在的な過熱や発火の原因となる。リチウムデンドライト成長抑制およびび/
またはリチウム金属の安定性を高めるいくつかの技術が実施されている。例えば、添加剤を用い
た液体電解質改質のデンドライト成長/堆積制御。 リチウムイオン+導電性ポリマーまたは固
体電解質の採用する。 リチウム金属の表面にアルミナ層の塗布、アルミナ薄膜層は、2D材料
の電子伝導性を欠くセラミック系材料であり、従って電池電極の内部抵抗を増加させる。しかし
ながら、充電式電池に関して有効であることが示された方法はない。低コストで豊富な硫黄が
リチウム-硫黄電池概念を魅力的にする一方で、リチウム-硫黄電池の広範な開発を妨げるいく
つかの問題、例えば、硫黄は絶縁材料であり、活物質の不十分な利用をもたらし、充電/放電プ
ロセス中の電子移動障害となり、さらに、放電プロセス中に、リチウムと硫黄と反応してカソー
ドでより高次の可溶性ポリスルフィドの形成する可能性があり、サイクルプロセス中にアノード
とカソードとの間でポリスルフィドの往復を生む。

このシャトル効果は電池の内部抵抗を増大させ、容量の衰退に寄与する。さらに、リチウム金属
の不均一な堆積から生じる制御されていない樹枝状結晶の形成は、より高いC速度での安全性の
問題、ならびに多孔質リチウム金属構造の連続的発生を引き起こす。いくつかの手法が開発され
てきたが、リチウムノードと共に使用された場合、セル効率の低下および容量フェージングの増
大の問題は依然としてリチウム-硫黄電池性能に影響を与える。リチウム電極上に二次元材料(
例えば、MoS、WS、MoT、MoSe、WSe、BN、BN-
C複合材料など)を堆
積させるための方法に関する。二次元材料で被覆されたリチウム金属電極を組み込んだ電池シス
テムも記載されている。方法は、リチウム電極に出入りするリチウムイオンの流れを促進するた
めに二次元材料を挿入することを含み得る。二次元材料被覆リチウム電極は、高いサイクル安定
性および著しい性能向上をもたらす。システムおよび方法はさらに硫黄コーティングを有するカ
ーボン構造(例えば、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェン、多孔質カーボン、自立型
3D CNTなど)を有する電極を提供する。

特許請求範囲

    1. リチウム金属を不動態化する方法であって、該方法は、リチウム電極を用意する。リチウム電極上に二次元材料の少なくとも1つの層を堆積させる。そして二次元材料の少なくとも1つの層を複数のリチウムイオンでインターカレートすること。リチウム金属を不動態化する方法であって、該方法は、 リチウム電極を用意する。リチウム電極上に二次元材料の少なくとも1つの層を堆積させる。そして、二次元材料の少なくとも1つの層を複数のリチウムイオンでインターカレートすること。
    2. 前記二次元材料が、MoS2、WS2、MoTe2、MoSe2、WSe2、BN、およびBN ? Cからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
    3. 請求項1に記載の方法であって、さらに、少なくとも1つの界面層を挿入するステップであって、前記少なくとも1つの界面層は、前記リチウム電極と前記二次元材料の少なくとも1つの層との間にあるように構成される。前記少なくとも1つの界面層がプラズマ処理された清浄面を含む、請求項3に記載の方法。
    4. 前記少なくとも1つの界面層がプラズマ処理された清浄面を含む、請求項3に記載の方法。
    5. 前記少なくとも1つの界面層が、10nm未満の厚さを有する金属中間層を含む、請求項3に記載の方法。
    6. 前記少なくとも1つの界面層が官能化中間層である、請求項3に記載の方法。
    7. 前記堆積するステップが、スパッタリングおよび蒸着のうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の方法。
    8. 前記挿入することがさらに以下を含む、請求項1に記載の方法。二次元材料を含む第1のターゲットを提供する。リチウム金属を含む第2のターゲットを用意する。 そしてリチウム電極上に第1のターゲットと第2のターゲットとを同時にスパッタリングする。
    9. 前記挿入するステップがさらに、二次元材料 - リチウム複合体を含むターゲットを準備するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。 リチウム電極上にターゲットをスパッタリングする。
    10. 請求項1に記載の方法であって、更に、陰極を準備する工程; 陰極上に複数のカーボンナノチューブ構造体を形成する。 複数のカーボンナノチューブ構造体上に複数の硫黄粒子を堆積させるステップ。
    11. 正極端子と、b。 陽極は、正極端子に接続され、不動態化層を形成するために2D材料の少なくとも1つの層で被覆されたリチウム電極を含む。 セパレータ層。 陰極は、その上に配置された複数の硫黄粒子を有する複数のカーボンナノチューブ構造体を含む。 陰極に接続された負端子。
    12. 前記カーボンナノチューブ構造体が3Dカーボンナノチューブ構造体である、請求項11に記載の電池。
    13. 前記カソードが、前記基板に結合された複数の硫黄被覆カーボンナノチューブ構造を有するグラフェン基板を含む、請求項11に記載の電池。
    14. 前記セパレータ層が、ポリプロピレン層およびポリエチレン層のうちの少なくとも一方を含む、請求項11に記載の電池。
    15. 前記アノードおよびカソードが電解質溶液内に配置されている、請求項11に記載の電池。
    16. 前記電解質溶液が非水溶液である、請求項15に記載の電池。
    17. 1つ以上の集電体をさらに含む、請求項11に記載の電池。
    18. 前記1つ以上の集電体が、少なくとも1つのアルミニウム金属集電体と少なくとも1つの銅金属集電体とを含む、請求項17に記載の電池。
    19. 前記リチウム電極上の前記コーティングが、1つ以上の二硫化モリブデン(MoS )層を含む、請求項11に記載の電池。
    20. 前記リチウム電極上のコーティングが、二硫化タングステン(WS 2)、二硫化モリブデン(MoTe 2)、二セレン化モリブデン(MoSe 2)、二セレン化タングステン(WSe 2)、窒化ホウ素から選択される少なくとも1つの層をさらに含む請求項19に記載の電池。 BN)、および遷移金属ジカルコゲナイド単層。

 

【詳細な説明】 

図1A-図1Bは、この実施形態による、2D材料被覆リチウム金属電極を製造する方法が示さ
れている。
図1Aは、2D材料の堆積前に、Li金属電極101を洗浄。電極101は、リボン
型リチウム金属、リチウム金属被覆アノードなどを含む。電極101は、酢酸、アセトン、イソ
プロピルアルコール、脱イオン水などで洗浄。別の実施形態では、電極101は、異なる一連の
工程たは洗浄液を使用洗浄できる。特定の実施形態では、電極101は界面層102を有し得る。
界面層102は、電極101との2D材料の接着促進に挿入できる。例えば、界面層102はプ
ラズマ(例えばAr、He、H、Nガス)を含み得る。)きれいな表面を処理。別の実施形
態では、界面層102は堆積金属層を含み得る。金属層は、1.0nmから10nmの厚さで堆
積。さらに別の実施形態では、界面層102は機能化界面層でありる。例えば、電極101を真
空中で官能基(例えば、水素、フッ素、C-H結合)で処理できる。
 

次に、図1Bでは、2D材料103が電極101(または界面層102を有する電極101)上
に堆積される。 2D材料103は、二硫化モリブデン(MoS)、二硫化タングステン(W
)、二硫化モリブデン(MoTe)、二セレン化モリブデン(MoSe)、二セレン
化タングステン(WSe)、窒化ホウ素(BN)などの1D層以上の二次元材料を含み得る。
および/または他の任意の遷移金属ジカルコゲニド単層。異なる材料が異なる性能を提供する。

例えば、MoSはLi金属に対して強い接着力を提供する。また、インピーダンスを下げるた
めに容易に金属相に変換される。一実施形態では、図2に示すように、1つの実施形態において
、図1Bにおいて、金属102(例えば、Mo)は、直流(DC)スパッタリング、電子ビーム
蒸着または電気化学的堆積によって堆積される。その後、2D材料103をスパッタリングによ
って堆積できる。
マグネトロン無線周波数(RF)スパッタリング用のターゲット材料としてタ
ーゲット111(例えば前述の2D材料のいずれか)を使用して、2D材料の連続層を電極10
1上にスパッタリングして2D材料被覆電極を製造する。一実施形態では、スパッタリングは、
10-6トル以下のベース圧力、不活性ガス流112、および10?100WのRF電力でチャン
バ110内で行われてもよい。不活性ガス流112は、1-100mTorrで流されてもよい。
アルゴン、ヘリウム、または他の物質との反応性が低い他のガス。他の実施形態では、蒸発を利
用して電極101上に2D材料103を堆積させることができる。堆積時間は、2D材料103
の厚さを調整するために1から30分の間で変動してもよい。

図2Bは、一実施形態による、2D材料層を挿入する方法の別の実施形態を示しており、ターゲ
ットは、2D材料/Li複合材料に基づいて作られ、それに応じてスパッタリングされる。2D
材料ターゲット221は、2D材料とLi金属を含む。前述の実施形態の代替形態では、同時ス
パッタリング法を使用するのではなく、組み合わせたターゲットをスパッタリングする。スパッ
タリングのためのターゲット材料として2D材料/ Li複合材料ターゲット221を使用して、
2D材料/ Li複合材料の連続層が電極201上にスパッタリングされ、インターカレートさ
れた2D材料204がもたらされる。不活性ガス流222は、1~100mTorrで流されて
もよく、アルゴン、ヘリウム、または他のガスとの反応性が低い他のガスを含んでもよい。他の
物質堆積時間は、挿入された2D材料204の厚さを変えるために1から30分まで変化させる
ことができる。他の実施形態では、蒸発を利用して電極201上に挿入された2D材料204を
堆積できる。
図2Cは、2D材料205が電気化学的に挿入されている他の実施形態を示す。
例えば、電極201は、本明細書に記載の実施形態に従って2D材料を用いて堆積させることが
できる。 次に電極201を反応室230に導入することができ、ここで電極201は電解質溶
液(例えば、1:1のDOL/DME溶媒中の1Mリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニ
ル)イミド(LiTFSI))中のリチウム金属231に面る。 次いで、電極201とリチウ
ム金属231との間に電圧を印加することができる。印加電圧は1~100Vの間とすることが
できる。電極201とLi金属231との間の距離は1~50mmの間とすることができる。
次いで、電圧を印加すると、リチウム金属231のリチウムイオンが電極201上に被覆された
2D材料をインターカレートし、それによってインターカレートされた2D材料205を生成す
る。

 図3A-Cは特定の実施形態による、2D材料がその上に堆積されたLi電極の断面図を示す。図1
に示す実施形態では、No。図3Aに示すように、2D材料被覆電極は、電極301および2D
材料303を含む。2D材料303は、MoS、WS、MoTe、MoSe、WSe、BN、
BN-Cなどを含む。
一実施形態では、電極301を最初に洗浄し、次に2D材料を電極301
上に堆積させることができる(例えば、スパッタ、蒸着など)。2D材料303はまた、前述の
インターカレーション方法(例えば、2D材料とLiイオンとの同時スパッタリング、2D材料/
Li複合材料のスパッタリング、電気化学的スパッタリング)のいずれかに従って、Liイオン
とインターカレートすることもできる。特定の材料は2D被覆電極を提供するのに適していると

して開示されているが、そのような特定の材料は限定としてではなく例示の目的で開示されてい
る。本開示の実施形態による2D材料被覆電極。一実施形態では、2D材料303用の選択材料
は、電極製造には化学物質および温度サイクルの耐久性が求まられる。特定の実施形態では、2
D材料303は、空洞、島、および孔を含む多孔質形態がある。多孔質形態は、様々な条件(例
えば、スパッタリング中の高エネルギー衝撃による非平衡原子スタッキング)に起因し得る。多
孔質形態は、電解質イオンの静電吸収のための開放路を提供し、そして支配的な二重層電荷蓄積
のための電気化学的活性部位を提供し得る。これは蓄積された電荷のより速い充電および/また
は放電できる

図4は、本出願の一実施形態による方法400を示す。特定の実施形態では、方法400は、図
1-図4を
参照して図示および説明された製造プロセスに対応し得る。図1A-図1Bおよび/
または図1C。 2A-
C。ブロック410において、方法400はLi電極を準備することを
含む。一実施形態において、Li電極は、
リチウム複合材料、酸化リチウム、硫化リチウムなど
を含むことができる。特定の実施形態では、界面層
を挿入することができ、それによって、2D
材料へのより良好な接着がえられ、例えば、界面層は、上述の
ように、プラズマ処理された清浄
表面、金属層、および/または官能化層を含み得る。 ブロック420で、
方法400は、Li
電極上に2D材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む。2D材料は、MoS、WS

MoTe、MoSe、WSe、BN、BN-Cなどを含み、上述のようにいくつかの方法(
例えば、スパッタリング、蒸着など)によって堆積させることができる。
ブロック430にお
いて、方法400は、2D材料の少なくとも1つの層を複数のLiイオンでインターカレートす
ることを含む。 いくつかの実施形態では、2D材料の挿入は電極の堆積と同時に起こり、他の
実施形態では、2D材料の堆積は電極材料の堆積後に起こり得る。

一実施形態では、2D材料と2D材料の2つのスパッタリングガンによって、2D材料と2L材
料を真空スパッタリングチャンバ内で同時スパッタリングする。スパッタリング用のターゲット
材料として2D材料ターゲットおよびLiターゲットを使用して、2D材料およびLiの連続層
をLi電極上にスパッタリングし、その結果、インターカレートされた2D材料が得られる。別
の実施形態では、ターゲットは2D材料とLi金属複合材を含む。

次に、同時スパッタリング法を使用するのではなく、複合ターゲットをスパッタリングする。ス
パッタリング
用の2D材料/ Li複合材料ターゲットを使用して、2D材料/ Li複合材料の
連続層が電極上にスパッタ
リングされ、その結果インターカレートされた2D材料が得られる。
さらに別の実施形態では、2D材料を
電気化学的に挿入することができる。

図4は、本出願の一実施形態による方法400を示す。特定の実施形態では、方法400は、図
4を参照して図示および説明された製造プロセスに対応し得る。図1A-図1Bおよび/または
図1C。 2A-C。ブロック410において、方法400はLi電極を準備することを含む。
一実施形態において、Li電極は、リチウム複合材料、酸化リチウム、硫化リチウムなどを含む
ことができる。特定の実施形態では、界面層を挿入することができ、それによって、2D材料へ
のより良好に接着できる。
例えば、界面層は、上述のように、プラズマ処理された清浄表面、金
属層、および/または官能化層を含み得る。ブロック420において、方法400は、リチウム
電極上に2D材料の少なくとも1つの層を堆積することを含む。2D材料は、MoS、WS
MoTe、MoSe2、WSe、BN、BN-Cなどを含み、上述のようにいくつかの方法(例
えば、スパッタリング、蒸着など)により堆積できる。

ブロック430において、方法400は、2D材料の少なくとも1つの層を複数のLiイオンで
インターカレートすることを含む。いくつかの実施形態では、2D材料の挿入は電極の堆積と同
時に起こり得、他の実施形態では、2D材料の堆積は電極材料の堆積後に起こり得る。一実施形
態では、2D材料と2D材料の2つのスパッタリングガンによって、2D材料と2L材料を真空
スパッタリングチャンバ内で同時スパッタリングする。スパッタリング用のターゲット材料とし
て2D材料ターゲットおよびLiターゲットを使用して、2D材料およびLiの連続層をLi電
極上にスパッタリングし、その結果、インターカレートされた2D材料が得られる。別の実施形
態では、ターゲットは2D材料とLi金属複合材を含む。

次に、同時スパッタリング法を使用するのではなく、複合ターゲットをスパッタリングする。ス
パッタリング用の2D材料/リチウム複合材料ターゲットを使用して、2D材料/リチウム複合
材料の連続層が電極上にスパッタリングされ、その結果インターカレートされた2D材料が得ら
れる。さらに別の実施形態では、2D材料を電気化学的に挿入できる。例えば、電極は、本明細
書に記載の実施形態に従って2D材料を用いて堆積させることができ、次いで電極を、電解質溶
液中のLi金属に面した反応チャンバ内に導入することができる。次いで電圧を印加すると、2
D材料の挿入が引き起こされる。得られた2D材料被覆電極は、充電式電池を含む様々な用途に
使用することができる。

図4は、本出願の一実施形態による方法400を示す。特定の実施形態では、方法400は、図
1-図4を参照して図示および説明された製造プロセスに対応し得る。図1A-図1Bおよび/
または図1C。2A-C。ブロック410において、方法400はLi電極を準備することを含
む。一実施形態において、Li電極は、リチウム複合材料、酸化リチウム、硫化リチウムなどを
含むことができる。特定の実施形態では、界面層を挿入することができ、それによって、2D材
料へのより良好な接着がもたらされ得る。
例えば、界面層は、上述のように、プラズマ処理され
た清浄表面、金属層、および/または官能化層を含み得る。ブロック420において、方法40
0は、Li電極上に2D材料の少なくとも1つの層を堆積を含む。

2D材料は、MoS、WS、MoTe、MoSe、WSe、BN、BN-Cなどを含み、
上述のようにいくつかの方法(例えば、スパッタリング、蒸着など)によって堆積させることが
できる。
ブロック430において、方法400は、2D材料の少なくとも1つの層を複数のリチ
ウムイオンでインターカレートすることを含む。 いくつかの実施形態では、2D材料の挿入は
電極の堆積と同時に起こり得、他の実施形態では、2D材料の堆積は電極材料の堆積後に起こり
得る。一実施形態では、2D材料と2D材料の2つのスパッタリングガンによって、2D材料と
2L材料を真空スパッタリングチャンバ内で同時スパッタリングする。スパッタリング用のター
ゲット材料として2D材料ターゲットおよびリチウムターゲットを使用して、2D材料およびリ
チウムの連続層をリチウム電極上にスパッタリングし、その結果、インターカレートされた2D
材料が得られる。別の実施形態では、ターゲットは2D材料とLi金属複合材を含む。

次に、同時スパッタリング法を使用するのではなく、複合ターゲットをスパッタリングする。ス
パッタリング用の2D材料/リチウム複合材料ターゲットを使用して、2D材料/リチウム複合
材料の連続層が電極上にスパッタリングされ、その結果インターカレートされた2D材料が得ら
れる。さらに別の実施形態では、2D材料を電気化学的に挿入することができる。
例えば、電極
は、本明細書に記載の実施形態に従って2D材料を用いて堆積させることができ、次いで電極を、
電解質溶液中のリチウム金属に面した反応チャンバ内に導入することができる。次いで電圧を印
加すると、2D材料の挿入が引き起こされる。得られた2D材料被覆電極は、充電式電池を含む
様々な用途に使用することができる。


                                    この項つづく

 

   今夜の一曲

藤原さくら「五百マイル」 
 

 Jan. 15, 2019

ボーイング社 電動旅客機の共同開発を日本企業に呼びかける!?

 

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外の面は雨のしののめらし

2018年06月21日 | ネオコンバーテック

 

       
                                      
『呉子』
春秋戦国時代に著されたとされる兵法書。武経七書の一つ。『孫子』と併称される兵法書。前四
世紀楚の宰相であった呉子の言を集録したものという

5.応  変(おうへん)

臨機応変の「応変」。孫子の応変が老子思想に基づくものであるのにたいし、呉子のそれは法宗
感想を根底としている。


戦術よりも戦略配置を
「ここに敵軍がいるとしよう。その軍勢は非常に多く、しかも武勇すぐれているばかりか、大き
な山
を背にし、険しい地形を前にし、右手に山、左手に川という理想的な布陣。そのうえ、濠を
深く、塁
を高くし、強力な弓をフらねて守りを固めている、山が勁くように空々と退き風雨のよ
うに激しく進
む、そのうえ糧食も十分にたくわえている。このような敵と長く対峙するのは不利
だと思うのだが、
どうしたらよいであろうか?」
武侯がたずねると、呉超はこたんだ。
「これは重要な問題です。この問題はは、けっして単なる個々の戦闘に関する戦雨ぬではなく、
聖人の謀
ともいうべき大局的な戦略問題であります。
それにはまず、兵車千倆、騎兵一万の大車をととのえ、これに歩兵を付したうえで、全ボを五つ
分けて五箇所に配ほいたします。こうすれば、敵はきっと戸感って、どこを攻めたらよいかわ
からなくなるでありましょう。

そこで敵が防備を堅固にするようであれば、すぐに同原を送り込んでその計画をさぐるのです。
して、まず平和的に交渉いたします。敵が、わが方の説得に応じ、陣を解いて去るならば、そ
れでよ
し、応ぜずに、わが方の使者を膳りすて親書を焼いてしまうような挙に出るならば、五軍
を次々にく
りだして戦うのです。戦いに勝っても、深追いしてはなりません。勝てぬとみたなら
ば、すかさず逃げることです。このようにして、余力を残してわざと逃げ、あるいは整然と進ん
ですばやく戦う機動性が必要です。戦うには、一軍で敵を正面攻撃し、一軍は背後を絶ってはさ
みうちにし、両軍とも、ひっそりと物音をたてず、あるいは左に、あるいは右に、敵の虚に采じ
て奇襲するのです。こうして軍がかわるがわる攻めろならば、かならず勝利にいたるでありまし
ょう。以ヒが、強敵を撃つ方法です」

車騎の力に非ず、聖人の謀なり」 局部的な現なや表面的な戦力(単騎の力)にとらわれず、
大筒的な観点にたって、敵味方の状況を考え、わが戦力を配分する。これを呉子は「聖人の謀」
と表現している。

  Mar. 28, 2018

【下の句トレッキング:外の面は雨のしののめらしい】

きみなくてレリークヴィエを聴きいたり外の面は雨のしののめらしい  三枝浩樹/「時祷集」

 Grey Wagtail

ただ一度生まれて果つる時のなかひとりにひとりの終の答あり

卓上に富有と津軽 日本の秋すぎんとし今朝は霧湧く

キセキレイ水辺にいたり微動する鏡となりてゆく秋の川

きみなくてレリークヴィエを聴きいたり外の面は雨のしののめらしい

野に熟れたるトマトの甘さひとふりの塩きらめきて色の濡れたり

イフェマールとはつかのまのいのちにてそのつかのまをわれらは生くる

うつせみのひかり集めてたまかざる夕べの色とわれはなりゆく


百葉箱のような人生という比喩がほんのり浮かぶ そうでありたい
I thought slightly about a metaphor of my life is like a Stevenson screen.  I want to be like that.

人ひとりいなくなること永遠に解けない謎がまた寄ってくる

かぎりなき贈与のなかにめざめつつひかりの春の本に凭りいたり

風に慣るるということあらず ゆっくりと確実に壊れゆくのであろう

四月十五日朝よりの雨なお止まず散りてあたらしきはなびらあまた

別るるためまことわかるるため会いて五十三年 母を葬りぬ

イフェマール(ephemeral):儚さ、一日の命の

 Wikipedia

この十三首を流れるイフェマールに「たたかひに 果てし我が子を かへせとぞ 言ふべきとき
と なりやしぬらむ」(釈迢空)/「マッチ擦るつかのま海に桐ふかし身捨てるほどの祖国あり
や」(寺山修司)や「思へばこの世は常の住み家にあらず」(幸若舞・能「敦盛」)を惹き寄せ
わたしの昨今の心情とシンクルナイズしたが、第八首の「百葉箱のような人生・・・」が印象強く
残る。百葉箱は主に外の気温を直射日光の影響や雨などの影響をなくした気象観測器。外側は日
光を反射しやすいように白く塗られており、風通しをよくする為によろい戸を設け、扉は北向き
になるよ設置し、地面からの照り返しを防ぐために芝生の上などに百葉箱は設置。中には温度計
 (最高・最低温度計、自記温度計) や乾湿計(湿球と乾球の示度の差から湿度を求める計器)な
どを入れている。生命の移ろいの陰影を宇宙の無限遠点下から精緻に「日常」の心象を微分し、
「儚さ」を表現する魂の詩篇(Psalm) として
読みとめた。
 

1067夜『ゴドーを待ちながら』サミュエル・ベケット|松岡正剛の千夜千冊

  
【ソーラータイル事業:大面積のフィルム型ペロブスカイト太陽電池】

昨日につづき、6月18日のNEDOと(株)東芝はの保有するメニスカス塗布技術に加えた大面
積のフィルム型ペロブスカイト太陽電池てモジュール関連する特許事例を掲載する。



❑ 特開2018-049970  光電変換素子 株式会社東芝

【概要】

周知の通り、光電変換素子は、蒸着法等の比較的複雑な方法を用いて製造されるが、塗布法や印
刷法は、従来よりも低コストで簡便に光電変換素子を製造できる。光電変換素子として、例えば
有機材料または有機材料および無機材料を用いた太陽電池、センサ、発光素子等が開発されてい
が、光電変換素子の光電変換特性向上求められており、本件はその光電変換素子を容易に製造す
る方法の提供にある。本件の光電変換素子は、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極および
第2の電極に接し、ペロブスカイト型化合物を含む活性層を備えた光電変換層とを備える。X線
回折測定で得られる活性層のX線回折パターンは、ペロブスカイト型化合物の(004)面に起
因する第1の回折ピークと、ペロブスカイト型化合物の(220)面に起因する第2の回折ピー
クとを有する。第2の回折ピークの最大強度に対する第1の回折ピークの最大強度の比は、0.
18以上である(下図1)。
 

【符号の説明】

1…基板、2…電極、3…電極、4…光電変換層、5…隔壁、41…活性層、42…バッファ層、
43…バッファ層、44…下地層、45…保護層、61…支持体、61a…回転軸、61b…支
持面、62…被処理体、62a…塗布層、63…塗布機構、63a…塗布液、71…ガス供給機
構、71a…ガス、81…研磨ローラ、81a…回転軸、81b…研磨面、82…移動機構、
83…制御機構、91…支持体、91a…回転軸、91b…支持面、92…支持体、92a…回
転軸、92b…支持面、93…支持体、93a…回転軸、93b…支持面、94…制御機構、
95…クリーニング装置。

さて、  上図1/図3は光電変換素子の構造例を示す図である。図1は、上面模式図である。上
図2は、図1の線分X1-Y1における断面模式図である。図3は、図1の線分X2-Y2にお
ける断面模式図である。実施形態の光電変換素子としては、例えば発光素子、太陽電池、または
センサ等が挙げられる。図1ないし図3に示す光電変換素子は、基板1と、電極2と、電極3と、
電極2および電極3に接する光電変換層4と、を具備する。基板1は、電極2、電極3、および
光電変換層4を支持する。基板1を介して光が光電変換層4に入射する場合、基板1は、透光性
を有す。

電極2は、基板1上に設けられている。電極2は、アノード電極およびカソード電極の一方とし
ての機能を有す。電極3は、光電変換層4を挟んで電極2と離間して設けられている。電極3は、
光電変換層4上に設けられ、基板1上まで延在する。電極3は、アノード電極およびカソード電
極の他方としての機能を有す。光電変換層4は、電極2と電極3との間に設けられる。光電変換
層4は、活性層41と、バッファ層42と、バッファ層43と、を有する。なお、必ずしもバッ
ファ層42およびバッファ層43の少なくとも一つを設けなくてもよい。

活性層41は、電極2と電極3との間に設け、バッファ層42の上に設ける。光電変換素子
太陽電池の場合、活性層41は、入射する光のエネルギーにより電荷生成や励起子生成を行って
もよい。光電変換素子が発光素子の場合、活性層41は、発光層としての機能を有してもよい。
活性層41は、ペロブスカイト型化合物を含む。ペロブスカイト型化合物とは、ペロブスカイト
と同じ結晶構造を有する化合物である。ペロブスカイト型化合物を含むことにより変換効率を高
めることができる。

ここでは、ペロブスカイト型化合物の説明は、一部を省略するが 活性層41を厚くすると光吸
収量が増えて短絡電流密度JSCが増えるが、キャリア輸送距離が増える分、失活によるロスが増
える傾向
にある。このため最大効率を得るために、活性層41の厚さは30nm以上1000n
m以下で
あることが好ましく、60nm以上600nm以下であることがさらに好ましい。活性
層41の
厚みを個々に調整すれば、実施形態の光電変換素子と他の一般的な光電変換素子を太陽
光照射条
件で同じ変換効率になるように調整が可能である。しかし、膜質が異なるため200l
xなどの
低照度条件では、実施形態による光電変換素子は一般的な電変換素子より高い変換効
率を実現
できる。
また、活性層41の厚みを個々に調整すれば、実施形態の光電変換素子と他の一般的な光電変
素子
を太陽光照射条件で同じ変換効率になるように調整が可能であるが、膜質が異なるため20

0lxなどの低照度条件では、本件の形態による光電変換素子は一般的な電変換素子より高い
変換効率が得られる。
ペロブスカイト型化合物の結晶構造は、例えばX線回折(XRD)測定により解析される。下図
4は、XRDにより得られる活性層41のX線回折パターンの一部を示す図である。図4に示す
回折パターンは、回折角度(2θ)が28.0~28.3度の範囲にペロブスカイト型化合物の
(004)面に起因する第1の回折ピークと、回折角度(2θ)が28.5度の付近にペロブス
カイト型化合物の(220)面に起因する第2の回折ピークと、を有する。結晶面の表記はミラ
ー指数で表わされるが、単位胞の規定の仕方で呼称が変化する。第1の回折ピークは、第2の回
折ピークと重なっていることがある。この場合、低角側から見て、単位角度あたりの強度増加の
減少を伴う領域における変曲点が第1の回折ピークの頂点と定義される。もしくは、各回折ピー
クが低角側と広角側に正規分布するとして最小二乗法等で形状をフィッティングすれば単体のピ
ーク形状を求められ、そこから、第1の回折ピークの頂点が定義できる。最大強度の比は図4の
ようにベースラインからの強度aとbを(004)と(220)の最大強度として求められる。

第1の回折ピークを有すことは、ペロブスカイト型化合物の結晶構造の安定性が高いこと示す。
また、図4に示す回折パターンにおいて、第2の回折ピークの最大強度に対する第1の回折ピー
クの最大強度の比は、0.18以上である。0.18未満では、ペロブスカイト型化合物が十分
に形成されておらず、変換効率が低下しやすい。(004)は(220)と垂直に交差する結晶
面であるため、両方が検出されるということは、3次元的に結晶構造の秩序構造
が形成されていることを裏付け、特に有機材料を下地としてペロブスカイト型化合物を形成する
場合は、結晶核生成の基点が無く、結晶成長が困難になる。この場合にも検出されるということ
は、3次元的に秩序構造が良好であることを意味する。なお、回折ピークの強度は、結晶面の存
在だけではなく、他の結晶面、特に並行する面の干渉を受けて、強度が弱くなることがある。こ
れらを加味して0.18以上であることは、ペロブスカイト型化合物内の3次元的な秩序構造
高められていること意味する。以下、要所のみ掲載する。

基板1の厚さは、その他の構成部材を支持するために十分な強度があれば、特に限定されないが、
基板1が光入射面側に配置される場合、光入射面には、例えばモスアイ構造の反射防止膜を設置
できる。このような構造とすることで、光を効率的に取り込み、セルのエネルギー変換効率を向
上できる。モスアイ構造は表面に100nm程度の規則的な突起配列を有す構造で、この突起構
造により厚み方向の屈折率が連続的に変化するため、無反射フィルムを媒介させることで屈折率
不連続的な変化面がなくなるため光の反射が減少し、セル効率が向上する。基板1は単体また
は組み合わせることで光電変換素子の機能を発現するものでもよい。具体的には、既に完成され
たシリコン太陽電池の上に、本発明を適用した太陽電池を形成し、タンデム型太陽電池としても
よい。この場合、等価回路が並列回路になることが好ましい。さらに、第1の電極と中間層とが
シリコン太陽電池と共有されてもよい。この場合、等価回路が直列回路になることが好ましい。

電極2および電極3の少なくとも一つの電極の厚さは、電極の材料がITOの場合、30nm以
上300nm以下であることが好ましい。30nm未満の場合、導電性が低下して抵抗が大きく
なりやすい。抵抗が大きいと光電変換効率が低下する場合がある。300nmを超える場合、I
TO膜の可撓性が低下して、応力が作用するとひび割れる場合がある。電極2および電極3の少
なくとも一つの電極のシート抵抗は、10Ω/□以下であることが好ましい。
尚、光電変換層4の構造例は、図1ないし図3に示す構造に限定されない。下図5は、光電変
換素子の他の構造例を示す断面模式図。図5に示す光電変換素子では、図1ないし図3に示す構
成に加え、下地層44と、保護層45と、をさらに有する光電変換層4を具備する。 
さらに、活性層41の一方向に電極2および/またはバッファ層42と、電極3および/または
バッファ層43と、を互いに離間して配置したいわゆるバックコンタクト方式の構造を有してい
てもよい。


次に、実施形態の光電変換素子の製造方法例について説明する。上図6は、実施形態の光電変換
素子の製造方法例を説明するためのフローチャートである。実施形態の光電変換素子の製造方法
例は、第1の電極形成工程S1と、光電変換層形成工程S2と、第2の電極形成工程S3と、熱
処理工程S4と、を具備する。なお、実施形態の光電変換素子の製造方法は、上記製造方法例に
限定第1の電極形成工程S1では、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法、メッキ法、または塗布法等を用いて基板1上に電極2を形成する。

光電変換層形成工程S2では、電極2上に光電変換層4を形成する。光電変換層形成工程S2は、
第1のバッファ層(下地層)形成工程S2-1と、塗布工程S2-2と、ガス吹き付け工程S2
-3と、保護層形成工程S2-4と、研磨工程S2-5と、第2のバッファ層形成工程S2-6
と、を有する。
第1のバッファ層(下地層)形成工程S2-1では、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法、メッキ法、または塗布法等を用いて電極2上にバッファ層42および下
地層44の少なくとも一つの中間層を形成する。下地層44は、例えば塗布法を用いて形成する
ことが好ましい。なお、バッファ層42および下地層44を形成しない場合、第1のバッファ層
(下地層)形成工程S2-1は実施されない。

下図7は、塗布工程S2-2を説明するための模式図である。塗布工程S2-2では、塗布法を
用い、塗布機構63から塗布液63aを支持体61に配置された被処理体62の中間層上に塗布
して塗布層62aを形成する。なお、塗布機構63を備える塗布装置を用いて塗布層62aを形
成してもよい。塗布機構63による塗布液63aの供給は、別途設けられた制御機構により制御
される。
支持体61は、回転軸61aと被処理体62を支持する支持面61bとを有する。回転軸61a
は、支持面61bに垂直である。支持体61は、支持面61bにおいて真空チャックを用いて被
処理体62を固定する。塗布層62aを形成する際、支持体61は、回転軸61aを中心に回転
する。
塗布液63aは、ペロブスカイト型化合物の前駆体と前駆体を溶解し得る有機溶媒とを含む。有
機溶媒としては、例えばN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、γ-ブチロラクトン、ジメ
チルスルホキシド(DMSO)などが挙げられる。有機溶媒として複数の材料の混合溶媒を用い
てもよい。塗布液は、1つの溶媒と、溶媒に溶解されたペロブスカイト型化合物を形成するため
の複数の原材料と、を含んでいてもよい。
塗布液63a中の前駆体の濃度は、1770mg/ml以下であることが好ましい。1770mg
/mlを超えると、ペロブスカイト型化合物の結晶粒径が大きくなり、研磨工程S2-5におい
て活性層41にピンホール等が発生しやすくなる。
塗布層62aは、例えばペロブスカイト型化合物を形成するための複数の原材料を個々に含む複
数の溶液を調製して順次、スピンコータ、スリットコータ、バーコータ、ディップコータ等を用
いて塗布することにより形成されてもよい。



上図8は、ガス吹きつけ工程S2-3を説明するための模式図である。ガス吹きつけ工程S2-
3では、ガス供給機構71から塗布層62aにガス71aを吹き付けてペロブスカイト型化合物
を形成する。なお、ガス供給機構71を有する塗布装置を用いて塗布層62aにガス71aを吹
き付けてもよい。ガス供給機構71によるガス71aの供給は、別途設けられた制御機構により
制御される。
ガス71aとしては、例えば窒素や、希ガスに分類されるヘリウム、ネオン、アルゴンが好まし
く用いられる。また、ガス71aとして空気、酸素、二酸化炭素などを用いることもできる。こ
れらのガスは、それらを単独で、または混合して用いることもできる。窒素ガスは安価で大気か
ら分離して利用することができるため好ましい。ガス71a中の水分濃度は50%以下、好まし
くは4%以下であることが好ましい。ガス71a中の水分濃度の下限値は、10ppm以上であ
ることが好ましい。(中略)ガス71a中の水分濃度は50%以下、好ましくは4%以下である
ことが好ましい。ガス71a中の水分濃度の下限値は、10ppm以上であることが好ましい。

ガス71aは、室温で液体である物質の蒸気を含んでいてもよい。室温で液体の物質としては、
例えばN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、γ-ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド
(DMSO)、クロロベンゼン(CB)、ジクロロベンゼン(DCB)等を用いることができる。
室温で液体である物質の蒸気は、活性層41の平滑性を向上させることができ、ペロブスカイト
型化合物の安定性を向上させることができる。
ガス71aの温度は30℃以下であることが好ましい。30℃を超えると塗布液63aに含まれ
るペロブスカイト型化合物の前駆体の溶解度が上昇し、ペロブスカイト型化合物の形成が阻害さ
れてしまう。一方、被処理体62の温度(基板温度)はガスの温度よりも低温であることが好ま
しい。被処理体62の温度は、例えば20℃以下、さらには15℃以下であることが好ましい。

ガス71aを吹きつけることにより、ペロブスカイト型化合物が形成される過程で有機溶媒が排
除され、ペロブスカイト型化合物の形成反応を促進させることができる。ガス71aの吹きつけ
により、熱を加えなくともペロブスカイト型化合物の形成反応が進むため、活性層41のピンホ
ール、亀裂またはボイドの形成を抑制することができる。また熱を加えないことで塗布層62a
の表面の急激な乾燥が抑制されて、塗膜表面と内部との応力差を抑制することができる。このた
め、形成される活性層41の表面の平滑性が高くなり、フィルファクタFFを改善することがで
き、寿命を改善することができる

ガスの吹きつけは、塗布液63a中でペロブスカイト型化合物の形成反応が完了する前に行う必
要がある。

すなわち、ガスの吹きつけにより反応を促進することが必要である。塗布層62aを形成した後、
速やかに
ガスの吹き付けを開始することが好ましい。具体的には塗布終了後から10秒以内が好
ましく、1秒以内
であることがより好ましい。
塗布層62aが乾燥する過程では、ペロブスカイト型化合物の形成と同時に原料としてMAI、
ヨウ化鉛などの単体の結晶も成長することがある。塗布層62a中に溶解分散した状態から速や
かに乾燥させる程、ペロブスカイト型化合物を効率よく成長させることが可能である。よって、
実施形態の光電変換素子の製造方法例は、有機膜や格子不整合の大きい酸化物上にペロブスカイ
ト型化合物を形成させる場合に有効である。


上図9は、研磨工程S2-5を説明するための模式図である。研磨工程S2-5では、研磨ロー
ラ81を用いて被処理体62の表面を研磨する。研磨ローラ81は、移動機構82により移動が
可能である。移動機構82は、制御機構83により制御される。研磨は被処理体62の表面を平
滑にするために行われる。特に保護層45を形成した後に、塗布層62aの表面における凸部の
みを露出させるような研磨を行うことが好ましい。(中略)  研磨ローラ81は、回転軸81a
と回転軸81aを中心に回転して被処理体62の表面を研磨するための研磨面81bとを有する。
研磨の際、被処理体62の表面が回転軸81aと平行に研磨ローラ81の研磨面81bに接する
ように移動機構82により研磨ローラ81および被処理体62の少なくとも一つを移動させる。
これにより被処理体62に傷が生じにくく、または研磨によるゴミが残存しにくくなる。上図9
では、移動機構82により研磨ローラ81を移動させる例を図示している。研磨ローラ81は、
回転しながら支持面61bと平行な一方向に沿って移動してもよい。
ロールツーロールにより被処理体62を移動させながら研磨してもよい。上図10は、研磨工程
S2-5の他の例を説明するための模式図である。図10に示す構成の場合、研磨ローラ81の
位置は固定されていてもよい。この場合は、移動機構82が設けられなくてもよい。図10に示
す支持体91は、回転軸81aと平行な回転軸91aと回転軸91aを中心に回転して被処理体
62を支持する支持面91bとを有する。支持体92は、回転軸81aと平行な回転軸92aと
回転軸92aを中心に回転して被処理体62を支持する支持面92bとを有する。支持体93は、
回転軸81aと平行な回転軸93aと回転軸93aを中心に回転して被処理体62を支持する支
持面93bとを有する。支持体91ないし支持体93の位置は、固定されていてもよい。

上図11は研磨を行っていないサンプルの表面の写真であり上図12は研磨を行ったサンプルの
表面の写真。図11に示すサンプルの表面は斑点を有する。これはPCBMを2回塗布しても消
えなかった。図12に示すサンプルでは、斑点が無い。研磨を行うころにより、1回目の塗布に
より表面に斑点が有していても、2回目の塗布により斑点を消すことができることがわかる。
すなわち、活性層の露出部分を覆うことができる。(中略)これらの光電変換素子に対し、ソー
ラーシミュレータでAM1.5の光を1000W/mの条件で照射したときのIV特性をそれ
ぞれ測定した。図13は、光電変換素子のIV特性を示す図である。表1は、熱処理時間と各パ
ラメータ(開放電圧VOC、短絡電流密度JSC、最大出力Pmax、フィルファクタFF、変換効
率PCE、並列抵抗Rsh、界面抵抗Rs)との関係を示す表であり、上図14は変換効率PC
Eを示す図であり、下図15は開放電圧VOCとの関係を示す図であり下図16は界面抵抗Rsを
示す図であり、下図17はフィルファクタFFを示す図であり、下図18は短絡電流密度JSC
示す図であり、下図19は並列抵抗Rshを示す図である。例えば、変換効率4,48%だった
サンプルは、熱処理の時間経過と共に改善し、変換効率8.97%と、初期の変換効率の約2倍
の性能に達した。また、VOCよりもJSCとFFが大きく変化した。

 
表2は、光電変換素子の各パラメータの再現性を示す表であり、下図20は、光電変換素の各パ
ラメータの再現性を示す図。実施例1では、研磨工程を含む上記工程によりサンプルA、B、Cを
作製した。表2から研磨を実施することによって、変換効率のばらつきは1バッチ内の0.82ポ
イントの範囲内に収まっていることがわかる。このことから光電変換素子が高い再現性を有するこ
とが確認できた。



【図26】光電変換素子のIV特性を示す図  【図27】光電変換素子の構造例を示す模式図
【図28】光電変換素子のIV特性を示す図  【図29】光電変換素子のIV特性を示す図

今回の世界記録はペロブスカイト型の第面積化の成功例であり、今後は商用化をめだし、作り込みの長寿
命化(~10年)、高変換率化(~20%)の開発が始まるが、順当に行けば、ここでも日本が先端を走ること
になる。面白い。

  ● 今夜の映画





While My Guitar Gently Weeps

圧倒されました。                       
                                                          

 

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再生医療革命 Ⅰ

2018年05月02日 | ネオコンバーテック

      

                                     

12 火  攻

篇名は「火攻」だが、後半は、別固の独立した箆であり、指河竹の感情的な行動を戒め、冷
静な
判断を強調している。

火攻めの原則

何を焼くか、その目的によって、火攻めは五つの種類に分けられる。

一、人員に損害を与える。
二、物資を焼く。
三、補給を絶つ。
四、倉庫を焼く。
五、陣形を混乱させる。

どの場合でも、火攻めは、適当な条件がみたされてはじめて決行できるのである。必要な道
具類は
あらかじめ準備しておくべきだ。 
まず、決行する時を選ぶ必要がある。空気が乾ききったころ、そして、月が箕、壁、翼、斡
(いず
れも星座の名)にかかるとき、これこそ決行の時だ。月がこれらの星座にかかるとき
には、必ず風が吹
き起こる。

そして、次には火攻めの程順に応じた兵力の使い方を考えるべきである。
敵陣に火の手があがれば、速やかに行動を起こすべきである。ただし、火の手があがったの
に、敵
陣が静まりかえっているようなら、攻撃はひかえなければならない。火が盛んになる
のを得ったうえ
で進むべきか退くべきかを見極める、冷静な判断が必要とされる。
原則として、火攻めには間者をつかい、敵陣の内部から火を放つ。だが、条件にめぐまれた
場合に
は、外からでも決行してさしつかえない。
火は常に風上に放ち、風上から風下に向かって敵を攻めること。また、昼間の風は夜には止
むこと
も心得ていなければならない。

戦争を行なうには、火攻めの方法を十分理解した上で、以上の条件に応じてそれを活用する
ことが
大切である。
火攻めは、水攻めとともに、きわめて有効な攻撃手段である。だが、水攻めは、火攻めとち
がって
敲の補給を絶つだけで、敵がすでにたくわえた物資に損害を与えることはできない。


 No.1

連載が終了した『エネルギー革命元年』を最新事業開発の考察を継続しながら、新しい事業
開発の考察として『再生医療』の事業開発を掲載していくことにする。ところで、再生医療
こと、再生医学( Regenerative medicine)とは、人体の組織が欠損した場合に体が持っている
自己修復力を上手く引き出し、その機能回復の医学分野である。この分野における医療行為
である。
再生医学を行う手法には、❶クローン作製、❷臓器培養、❸多能性幹細胞(ES細胞、
iPS細胞)の利用、❹自己組織誘導の研究などがある。❺将来的には遺伝子操作をした豚な
どの体内で人間の臓器を養殖するという手法も考えられている。自己組織誘導については、
❶細胞と、分❷化あるいは誘導因子シグナル分子)と、❸足場の3つを巧みに組み合わせ
ることにより、組織再生が可能になるとみられており、従来材料による機能の回復(工学技
術に基づく人工臓器)には困難が多く限界があること、臓器移植医療が移植適合性などの困
難を抱えており、再生医学には大きな期待が寄せられている。
胚性幹細胞ES細胞)の作成
には受精卵を用いるといった倫理的な問題も伴うことから、京都大学再生医科学研究所の山
中伸弥教授らによる人工多能性幹細胞iPS細胞)の研究成果が、ノーベル生理学・医学賞
を受賞したことなどから世界から注目されている。細胞や細胞医薬品の長期保存のため液体
窒素を活用した大型の全自動凍結保存システムなども注目されている。

 Nov. 20, 2017

尚、日本においては、医薬品医療機器等法の第二条9に「身体の構造又は機能の再建、修復

又は形成」「疾病の治療又は予防」「に使用されることが目的とされている物のうち、人又
は動物の細胞に培養その他の加工を施したもの」、および「疾病の治療に使用されることが
目的とされている物のうち、人又は動物の細胞に導入され、これらの体内で発現する遺伝子
を含有させたもの」を再生医療等製品と定義している。

  

 【再生医療革命 Ⅰ:臨床ラッシュ】

他人由来のIPS細胞を使った難病治療の研究で、ヒトを対象にした臨床試験が相次いで始
まつている。他人由来の細胞を使う再生医療は、コス
トを大幅に下げることが期待されてお
り市場化を見据え民間企業の参
入も加速する。3月23日、シード・プランニング社は、国
内の再生医療周辺産業の市場――国内の再生医療周辺産業の市場は、培地・血清・試薬など
の消耗品分野と製造受託などのサービス分野が市場を牽引、30年には15年比約22.6倍の
6,140億円になるとの予測を公表。

ここで、「再生医療周辺産業」とは、「再生医療」の臨床応用やそれらの基礎研究をサポー
トする製品やサービスを提供する産業と定義、再生医療や再生医療研究において用いる装置・
設備類や消耗品類、サービス類等を指す。国内市場に絞ると、15年時点の国内の再生医療市
場は約140億円。その約9割はがん免疫細胞療法や美容領域等の保険外診療が占める。
20年以
降にはiPS細胞由来の再生医療等製品が徐々に承認され、20年から30年にかけ市場拡大が急
速に加速。
また、脊髄損傷をはじめとする現在有効な治療法が存在しない疾患領域を対象と
する再生医療等製品が上市され、適応患者数が多いこと、臓器移植代替の領域に再生医療の
貢献等を踏まえると、30年の国内市場規模は約1兆1,000億円に到達すると予測。
対象部位に
関し、20年以降軟骨領域が、現在対象疾患から除外されている変形性膝関節症を対象とする
再生医療等製品が上市され市場の拡大。

眼領域の疾患に関しても、角膜疾患および網膜疾患において複数の製品が上市し、さらに世
界で初めてのiPS細胞を用いる加齢黄斑変性の細胞医薬品が上市されることで市場の拡大す
る。また、神経領域の疾患については、現在有効な治療法はなくリハビリが中心に行われて
いるものの、開発中の製品を用いることによって症状回復が観察される症例もあることから、
神経領域における再生医療等製品は承認後に急速に普及するとみられている。(
「再生医療
周辺産業の市場予測、30年には15年比約22.6倍と急拡大へ 」財経新聞、2018.03.28)

Mar. 21, 2013


ここでは、週刊エコノミスト2017年3月21日特大号で掲載された特集「再生医療 臨床ラッシ
ュ」の記事を電子書籍をお復習いし理解を深めながら、関連分野の最新技術事例を考察する。

【目 次】
はじめに
・臨床ラッシュ 他人由来の細胞で治験へ 難病治療に広がる可能性/インタビュー 岡野
 栄之(慶応義塾大学医学部長)/ロボットで脊髄損傷を治療 脳と神経のループを再構築

・パーキンソン病 インタビュー 高橋淳 京都大学iPS細胞研究所教授(神経再生学)
・3大疾病 がん 再生医療の「オプジーボ」? 免疫細胞を増強する新治療
・3大疾病 脳卒中 細胞が「薬」になって脳を刺激 慢性期脳梗塞の新治療法
・3大疾病 心筋梗塞 ヒトの「心筋」シート化 2018年度に治験開始へ
・毛髪再生 再生医療でフサフサ? 資生堂、京セラが参入
・カナダ・トロントリポート 官民の資金で成長後押し
・関連銘柄24 再生医療で広がる市場 迫る医療の「産業革命」

【執筆者】花谷美枝、横山渉、村上和巳、宮城康史、渡辺勉、繁村京一郎


他人由来の細胞で治験へ 難病治療に広がる可能性 花谷美枝(編集部)

他人由来のiPS細胞を使った難病治療の研究で、ヒトを対象にした臨床試験が相次いで始
る。他人由来の細胞を使う再生医療は、コストを大幅に下げることが期待される。市場化を
見据えて民間企業の参入も加速する。

他人由来の細胞を使った再生医療の研究で、ヒトを対象に安全性を確かめ、効果を見る臨床
試験が相次いで始まる。治療までの時間を大幅に短縮し、コストを下げる可能性かおる他人
来の細胞の移植が実現すれば、これまで治療が困難だった病気や障害を治せる可能性が高
る。脊髄損傷の治療でも、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った臨床研究が始まる。
報道によると、慶応義塾大学の岡野栄之教授と中村雅也教授らの研究チームは、脊髄を損傷
した患者
に、iPS細胞から作った神経のもとになる縦胞を移植する臨床研究について学内の
倫理委員
会に申請した。了承を受けた後、国への届け出を行う。iPS細胞から神経細胞のも
とになる「神経前駆細胞」を作り、患者の脊髄の損傷部分に移
植する。iPSは、京都大学I
PS細胞研究所から提供を受ける。拒絶反応が起きにくい
タイプの健康な人から作り、備蓄
を進めているものを使う。脊髄を損傷してから2~4週間が
経過した患者を対象に2018
年前半の試験開始を目指すと報じられている。

傷ついた神経を修復

脊髄損傷は交通事故や転落・転倒などにより脊髄が損傷し、神経が断裂したり圧迫されたり
して、脳から発した電気信号が届かなくなり、手足が動かなくなったり感覚が麻疹したりす
る。岡野教授らの研究では、iPS細胞から作った神経前駆細胞を損傷部分に移植する。手
足が
麻疹した小型サルのコモンマーモセットを対象にした研究では、細胞移植により運動機
能が改
善し、立つことができるようになったり、手の握力が改善したりした。詳しいメカニ
ズムは不
明だが、移植した細胞が損傷部分を回復させる役割を果たすと考えられている。

岡野教授によると、再生医療の効果には、移植した細胞が失われた細胞を補う「細胞置換」

と、移植細胞が栄養因子を出して再生能力や保護効果を高める「栄養効果」がある。脊髄損
の治療では、その両方が効いていると考えられるという。現状では、細胞移植で治療効果
を見込めるのは受傷後数週間以内の急性期から亜急性期の患
者だ。受傷後時間が経過した慢
性期の患者は、損傷部分が固いカサブタのような状態になり、
回復しにくくなる。再生医療
で治療する場合も、自分由来の細胞からiPS細胞を作っていた
のでは治療のタイミングを
逃す。ストックされている他人の細胞を使えば、亜急性期までの期
間に治療を開始できる。

岡野教授は今後、治療の研究を進めることで、「慢性期の患者でも、細胞移植とリハビリの
み合わせによって回復を期待できる」と期待を寄せている。国内の脊髄損傷の患者数は約
10万人で、毎年5000人の患者が新たに発生している。現在
の医療では根本的な治療法が
なく、再生医療に寄せられる期待は大きい。

治験数が増加

人工培養した細胞や組織を使って失われた組織を修復・再生する再生医療の研究は、ここに
来て大きく前に進み始めている。厚生労働省の再生医療等評価部会は2月1目、他人のiPS
細胞からつくった網膜組織の細
胞を目の難病「泄出型加齢黄斑変性」の患者に移植する世界
初の臨床研究計画を了承した。今
年前半に最初の手術が行われる。同じ2月には京都大学i
細胞研究所の高橋淳教授がパ
ーキンソン病の治療で臨床試験を始めると発表(側回。大阪
大学の渾芳樹教授は重症心不全
で、臨床試験へと進む意向を昨年明らかにしている(判詞)。

縦胞移植の中でも、あらゆる臓器に対応できて培養もしやすいiPS細胞を活用することへ
の期待は大きいが、実際に治療で行われたのは患者本人から細胞を採取した例だけだ。自分
来のiPS細胞は他人由来に比べて拒絶反応のリスクは低いが、細胞を採取・加工する時
間と
費用が問題だった。疾患や障害によっては発注後、早期の治療を必要とすることがある。
また
治療費のコスト抑制の課題に応えるためにも、他人由来の細胞を使った治療の研究が求
められ
ていた。
他人由来の細胞を使った治療の中でも、iPS縦胞を使う研究を後押しするのが、京都大学
iPS
細胞研究所の・-PS細胞ストックだ。血液細胞の型(HLA型)のうち、拒絶反応
が起
きにくいタイプを選んでiPS細胞をあらかじめ件って保存し、必要に応じて提供する。
15年
以降は民間にも提供を開始、22年度までに日本人の大半をカバーできるストックを作る
目標を
立てている。研究者にとってiPS細胞提供のインフラが整備されたことの意義は大
きく、慶
応大・岡野教授は「京都大学から提供を受けた(非臨床グレードの)iPS細胞を
用いた動物
実験が13年に始まり、技術的にはヒトでの臨床研究に移行する段階に入れるよう
になってきた
のが今だ」と話す。

他人由来iPS細胞を使った細胞移植という先端研究だけではない。再生医療の研究は対
疾患、アプローチの種類ともに広がりを見せている。

再生医療等医薬品の治験の件数は、1月末までで少なくとも5件(医薬品医療機器総合機構
への届け出ベース)ある。再生医療等製品は、従来の医薬品とは別に早期に保険適用を承認
る仕組みが14年に施行されており、今後も治験の数は増えると見られる。ヘリオスの急性
期脳
梗塞治療薬「マルチステム」は2/3相試験中で、サンバイオの外傷性器損傷治療薬「
SB6
23」は2相の試験中だ。1月にはタカラバイオが血波のがんで「キメラ抗原受容体
(CA
R)-T細胞療法」で再生医療等製品としての治験を申請している。
治験の件数増加は、14年111月施行の医薬品医療機器等法により、早期承認制度が導入さ
れた
ことが大きい。国が認めれば、治験の最終段階を早期に切り上げて、保険適用を得て商
品化で
きる。

ただ、多くの研究は動物実験で確認された効果を、ようやくヒトに応用する試験の最初の段
階に差し掛かかったところだ。医薬品の開発は、研究室で行われる「臨床研究」から、治療
兼ねた「臨床試験」に入り、保険適用を目指す「治験」へと進む(目)。臨床試験は、ま
ずヒト
での安全性を確かめながら、慎重に進められる。またがん化の回避など安全性を確保
する技術
のほか、縦胞培養や流通など、実用化までにクリアすべき課題は多い。

一方、民間企業が将来の市場拡大をにらみ、細胞培養の受託や装置開発などで参入する動き
を見せ始めている。京セラやニコンなど、異業種からの参入組も多い。再生医療用細胞の開
発・受託製造施設を新設し、18年度に受託開始を予定する日立化成の丸山寿社長は「10年か
てでも、ライフサイエンス分野を新しい事業の桂に育てる」と将来性の大きさに期待を寄
る。

みずば銀行産業調査部の戸塚隆行調査役は、民間企業の参入が進み、「産業化の下地ができ
つある」と話す。再生医療は、研究の段階から新時代の医療市場へと成長する最初の時期
を迎
えようとしている。



【最新再生医療特許事例】

❑ 特開2018-065132 金属製多孔膜、それを用いた分級方法、および分級装置

【概要】

 近年、フィルタを用いた細胞凝集塊の分級において、細胞凝集塊の回収率を高めることが望
まれている。本発明は、細胞凝集塊の回収率を高めることができる金属製多孔膜、それを用
いた分級方法および分級装置を提供することを目的とする。下図1のごとく細胞凝集塊を分
級する金属製多孔膜10であって、前記細胞凝集塊が捕捉される第1主面PS1と、第1主
面PS1に対向する第2主面PS2とを有すると共に、第1主面PS1と第2主面PS2と
を連通する複数の貫通孔12を有する膜部11を備える金属製多孔膜10。このような構成
により、細胞凝集塊の回収率を高めることができる金属製多孔膜10で、細胞凝集塊の回収率
を高めることができる金属製多孔膜、それを用いた分級方法及び分級装置の提供。



❑ 特開2018-064578 細胞において多能性を誘導する方法

【概要】

細胞を、MUC1活性を増大させる遺伝子、タンパク質又は化学種と接触させることによ
って細胞に
おいて多能性を誘導又は維持する方法であって、タンパク質は、好ましくはMU
C1*リガンドであり
、リガンドは好ましくはNM23であり、タンパク質は抗体、好まし
くはMUC1*のPSMGFR配列を
特異的に認識する二価抗体であってもよい方法。MU
C1*とは、細胞外ドメインがPSMGFRを含
むようにN末端が切断されたMUC1タン
パク質を指すことで、単独で、又は既に同定されたものに加
えて、細胞において多能性を誘
導するか、又は多能性誘導の効率を向上させるタンパク質及び小分
子の提供。


❑ 特開 2018-061511 神経細胞評価方法、神経細胞評価プログラム及び神経細胞評価方法

【概要】 

iPS細胞の作成(特許文献1参照)により、再生医療、組織工学、細胞工学等の分野の進
歩は著しく、細胞の状態の評価や、細胞に対する薬物等の効果や影響の評価に対する要望が
非常に大きくなっている。特に神経細胞においても、iPS細胞等の胚性幹細胞から神経細
胞を作製する方法が確立されてきており(特許文献2参照)、神経細胞の有効な分析方法が
求められている。細胞の分析方法として、分析対象の細胞を経時的に撮像した動画を解析し
そこから得られる情報に基づいて細胞の分析を行う方法が研究されている。

しかしながら、動画からひとつの評価値を算出するものであり、動画における細胞の経時的
な動きを評価するものではない。本発明者らは、細胞等の分析対象が経時的に撮像された動
画像において、分析対象の経時的な動きを評価することが可能な分析手法を新たに見出した
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、分析対象を経時的に撮像した動画像から分析対
象の経時的な動きを評価することが可能な分析システム、分析プログラム及び分析方法を提
供することにある。下図12のように、神経細胞評価プログラム及び神経細胞評価方法を提
供し、特徴量算出部と、特徴量表示部とを具備する。特徴量算出部は、神経細胞を経時的に
撮像した動画像において、神経細胞の評価対象範囲の動き量の周波数特徴量を算出する。特
徴量表示部は、算出された神経細胞の評価対象範囲の周波数特徴量の薬剤投与前後での変化
を可視化して表示するよう制御するkとで、分析対象が経時的に撮像された分析対象動画像
から分析対象の経時的な動きを評価可能な分析システム、分析プログラム及び分析方法を提
供する。


【我が家は春爛漫】 

 

 ● 今夜の一曲

I AM YOUR SINGERサザンオールスターズ
作詞・作曲 桑田佳祐/原由子  編曲 宮崎隆


l am your slnger.

僕の生きがいは 数えきれないその笑顔

「愛の詩(うた)』も「塊の声」も あなたがくれた プレゼント

きっと未来はあてなき旅の途中

また逢う日のため笑っておくれ 夏がまた来るまでは

互い涙見せずに いつまでも変わらぬ想い

遠<離れ離れの時も 「 大好きだよ」と

嗚呼ロ唇に微笑みを Oh…いつの日も乗せて!!

サザンオールスターズの53枚目のシングル。2008年8月6日発売。発売元はタイシタレーベル
。キャッチコピーは「すべての音楽を愛する人たちへ。30年間の気持ちを込めて」。前作「
DIRTY OLD MAN ~さらば夏よ~」以来約2年ぶりとなるシングル。この間企画盤などのベ
スト・アルバム・再発も含め、サザン名義での作品リリースが全く行われず、発売自体も同
作以来に。

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エネルギー革命元年 Ⅶ

2018年04月27日 | ネオコンバーテック

      

                                     

11 九  地
敵味方のおかれている状況を九つの場合に分類し、それぞれに応ずる法(九地の法)をあげ
とくに捨て身によって全力を発揮する”奥の手”を論じている。

状況に応じた内部指導
敵国に攻め入る場合、奥深く入れば軍隊の団結は強まるが、深く進入せずに止まればバラバ
ラになりやすい。国境を越えて戦うということは、孤立して戦うことを意味する。そして、
戦場が進の目方に通じているのは「衢地」(くち)、敵地に奥深く入れば「重治」、まだ入
ったばかりの所が「軽地」、堅固な地 山を後ろにし狭い呑を前にしたのが「囲地」、逃げ
場のないのが「死地」である。その他「争地」「交地」「圯地」(ひち)、敵地で戦うこの
ハつの場合について、味方のあり方を考えてみよう。

「散地」では味方の志を一にし団結を強めることが肝要である。
「軽地」では味方をよく掌握して、バラバラにならぬように心がけることである。
「争地」を攻めるには、蔵の後ろにまわって旱つことである。
「交地」は、敵もきやすいのであるから、占領したら慎重に守りを固めることである。
「衢地」では友好国との結合を強化することである。
「重地」では食禄の補給が絶えないようにすることである。
「圯地」では進軍をつづけ、一刻も早く自由な行動のできるところへ出ることである。
「囲地」では自から出目をふさぎ、味方から死になって戦うようにすることである。
「死地」では、戦う以外に生きる途がないことを全軍に示すことである。

要するに、敵に囲まれれば防ぎ、ほかに方法がなくなれば必死に戦い、危険におちいれば統
率者を頼りにする、これが兵士の心理なのである。
諸侯の計略をよく知らないで、これと交りを結ぶことはできない。山林、高山、湿地帯など
の地形を知らないで、行軍することはできない。案内人を使わずに坦の利を得ることはでき
ない。九地のうち一つでも知らないものは、天下を副司する軍とはいえないのである。

 No.197
【蓄電池事業篇:最新電固体型電池技術】

神を欺いたことで、シーシュポスは神々の怒りを買い、大きな岩を山頂に押して運ぶという
罰を受け。彼は神々の言い付け通りに岩を運ぶのだが、山頂に運び終えたその瞬間に岩は転
がり落ちてしまう。同じ動作を何度繰り返えす『シーシュボスの神話』(Le Mythe de Sisyphe
――作者のカミュはここで、人は皆いずれは死んで全ては水泡に帰す事を承知しているにも
拘わらず、それでも生き続ける人間の姿を、そして人類全体の運命を描き出しているが、こ
れをヒントに蓄電池事業を考えてみると、太陽光や風力などの再生可能(=自然)エネルギ
ーからの余剰電力を位置エネルギーをエネルギー変換する水力発電の貯水池(ダム)からの
放流水を下方の貯水池から揚水ポンプで上方の貯水池に戻し貯めこれを半永久的に繰り返す
揚水水力発電型蓄電池方式をイメージ。

   Apr. 25, 2018
Le mythe de Sisyphe            トーマスエジソンの1906年特許のアルカリ

このような揚水発電による電力需給量のバランス調整という「シーシュポスの苦役」からの
解放(=”エネルギー革命元年宣言”)がマサチューセッツ州政府のように一部の地域で実
現先行している地域がすで存在する
(下の「RESILINTPOWER」(復元力)ロゴ※参照)

※同州政府のクリーンエネルギーグループとメリディアン研究所の共同イニシアチブである
RESILINTPOWER」(復元力)事業は、脆弱な地域社会を対象とした、廉価な住宅とコミュニ
ティ施設に太陽光発電(マサチューセッツ州の太陽光発電能力は2,076メガワット)と蓄電池
を整備することで、
経済的、健康的で便益性のある広範な復元に、クリーンエネルギーグル
ープはリーダーシップ構想を公表。

ところで、クリーンエネルギーと蓄電池の普及は、1893年、トーマス・アルバ・エジソンが
電球発明し、電気を蓄える蓄電池を発明している。エジソンは、1879年に蓄電池を主電源と
し配線した住宅に設置し、昼間に充電し、夜間や夜間に白熱電球として電力消費するシステ
ムを考案した語っている。また、
第一世代の電気自動車を発明したのにもかかわらず、より
信頼性の高い量産型のガソリン車フォートモデルTにより、技術史のゴミ溜まりに追い込ま
れたが、百年の後
この技術が初期の欠点を克服するに至る。

 



マッキンゼーの世界有数の技術コンサルタントは、蓄電池が電力分野の次なる「破壊的技術」
であり、低コスト化にともない
電力状況を一変させると、2017年の報告書で述べ(上図参照)
今日の低価格では、蓄電池は、グリッドバランシングなどのニッチな用途から、信頼性のた
めに従来の発電機の交換、電力品質のサービスの提供、再生可能エネルギーの統合サポート
など、幅広い用途で、より広範な役割を果たし始めているとする。尚、
 2017年の蓄電量は
27%増の431メガワットアワーに達し、2018年には倍増すると見込む。また、
2018年の
調査によれば、長期的な将来の市場成長の可能性も大きいと予測。
この調査では、蓄電コス
トが引き続き下落し、今後10年間で蓄電池市場は5万メガワット拡大すると予測。
 

1980年代以降、エネルギーと環境擁護者は、技術特有のクリーンエネルギー政策と公共投資
を促進。30年前、これらの初期動向はエネルギー効率に焦点を当てた。戦略は1990年代に
実用規模の風力に拡大され、その後世紀の変わり目に太陽光と分配。
エネルギー効率の目標
を定めたユーティリティインセンティブは、クリーンエネルギー市場を急速拡大、今日の主
流をしめる。 州と連邦の政策は、風力や太陽光、州レベルの公益投資費用、再生可能なポ
ートフォリオ基準、太陽光発電システムの正味計量の税額控除を創出。これは特別なコスト
削減とクリーンエネルギー市場の拡大につなる。
最近では、環境保護令と株式戦略を求め
てクリーンエネルギープログラムの公平設計に基づき、低所得コミュニティに利益をもたら
すように管理保証する。
現在、百年の技術革新の後、古い有効技術である蓄電池が新たに登
場。クリーンエネルギーの「聖杯」と呼ばれる
技術は、エネルギーシステムの最終的で脱炭
素化を実現する可能性を伴い、全経済分野にうまく転換できるかもしれない。上図1に示す
ように、蓄電池は、増大するアプリケーションを持つ複雑な技術で、

• 建物レベルからベースロード電力まで、さまざまな発電システムで動作するように拡張す
 ることができる。

• 化石燃料の排出を削減するために太陽光や風力などの分散型発電技術(オンショアまたは
 オフショア)と組み合わせることができる。

• それは、経済的、健康的、安全性、およびエネルギー弾力性を含む多様な利益をもたらす。
• これは、商業顧客および脆弱な低所得住民の公共料金請求および電気代を減らす。
• ユーティリティーが地域のキャパシティー支払いを削減するために使用することができる。
• 周波数調整などのグリッドアプリケーションから収益を生み出すことができます。
• それはプエルトリコに計画されているようなコミュニティのマイクログリッドに弾力を提
 供する。

• 電気自動車(EV)充電ステーションが電気料金を削減、その最も野性的なブースターの一
 部によれば、電気飛行機に電力供給できる。
時間と共に拡大するこれらの様々な用途
 は、電池貯蔵技術をエネルギーと気候変動を解決できる、


このように技術開発の初期段階にあるものの、蓄電池は重要技術で、電池
保管コストを歴史
的に削減。もはやエジソンの遠い夢ではなく、コスト削減により、ラップトップから電気自
動車、据え付け型、建物サイズ蓄電池まで開発している。
図2に示すように、リチウムイ
オン電池の価格は、2010年から2016年の間に70%以上低下、世界全体容量が倍増するにつ
れて19%のコスト削減パターンが続いた。
ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナ
ンスの最新の2017年の数値によれば、蓄電池のコストは、2016年以来驚異的な24%に低下。
これは予測をはるかに超える。  BNEFは、2018年3月末のコスト・アップデートで、「結論
は化石燃料部門にとっては冷たい」と表現されている程、
バッテリー技術はエジソンの時代
のように手作業(流れ作業)でなく、その費用は化石燃料価格の変動とは無関係で、寧ろパ
ーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォンなどのより安価でユビキタスな情報化時
代の技術則の、コスト削減という経済的利点を有し、太陽光などのエネルギー技術と蓄電池
やディスクドライブの3
つはその恩恵に与る。まず、メータの背後にある商用-顧客向けア
プリケーションでは、電池需要の変化を減らし、弾力性を提供すると同時に太陽光発電設備
に価値付加する。
第2に、蓄電池は、今後数年間に数百のガスピ-カープラント(特に、公
共料金が高い混雑したグリッドエリアに配置された汚染の少ない、頻繁に稼動しないプラン
ト)を置き換わる。
第3に、多くの州では、多くの再生可能エネルギー資源を送電網に投入
し、送電と容量のコストを削減する、実用規模の蓄電池事業が数多く存在し。
これら3つの
合理的に関連市場が、蓄電池をコア推進し、重要な環境および経済上の利益をもたらす。

さらに、再生可能エネルギーと貯蔵がベースロードの化石燃料プラントへの依存を減らす方
法――
約20年前のソーラー業界は、蓄電池の採用を阻む障壁が数多くあったが、これらの
障壁(技術オプション、コスト、安全性、利益、およびその他の市場障壁に関する情報格差
が含まれる)が
、これらの障害を克服し、気候やその他の緊急のエネルギー需要対処に技術
を適時拡大に、より支持的な政策と戦略を必要とし
、この技術提供する複数のアプリケーシ
ョンに合わせ設計された技術革新そのものと同じように、アプリケーションごとに異なるタ
イプの分析とポリシーを必要とする。

 Battery cell manufacturing process

【特許事例:最新全固体蓄電池技術】

以上、最新のクリーンエネルギー情報を考慮し「太陽光+蓄電池」の技術及び事業並びに市
場動向
を探り、「エネルギー革命元年論」の意味付けを行い備忘録とした。ここではそのこ
とを踏まえ、❶環境配慮製造プロセス、❷安全第一、❸高性能(①高密度、②長寿命、③高
速充電)、❹廉価、❺大規模化の要件に焦点を絞り全固体型二次電池の最新技術(日米特許)
動向を調査俯瞰する。

 Video

❑ 特開2018-063757 全固体リチウム二次電池 日立金属株式会社

リチウムイオン二次電池は、他の二次電池と比較して高いエネルギー密度をもち、二次電池
の小型軽量化、大容量化や高出力化に有利で、リチウムイオン二次電池の用途は、❶小型電
子機)に加え、❷大型電気機器(例えば、HEV(ハイブリッド自動車)やEV(電気自動車)な
どの自動車用動力電源や、電力貯蔵用電源)にも拡大。
高温環境(例えば、エンジンルーム
内や屋外)での設置が検討され、高温環境に耐えられるリチウムイオン二次電池が求められ
ているが、非水電解液を用いる従来のリチウムイオン二次電池は、①一般的に非水電解液の
熱温度が60℃程度と言われている上に、②非水電解液を構成する溶媒が引火性をもち、
耐熱性や耐火性の観点で弱点がある。

この弱点の克服に、非水電解液の代わりに固体電解質を用いた全固体リチウム二次電池が、
現在、精力的に研究されている。全固体リチウム二次電池は、用いられる固体電解質(例え
ば、固体高分子電解質、無機電解質)が百℃を超える耐熱温度を有し引火性もないことから
非水電解液を用いる従来のリチウムイオン二次電池よりも高温環境での利用が可能になる。

全固体リチウム二次電池は❶薄膜型と❷バルク型とに大別できるが、電池容量の観点からは
電極活物質の絶対量を多くできるバルク型が有利で、大型電気機器用の大容量二次電池を想
定した場合、バルク型の全固体リチウム二次電池が対象となる。言い換えると、バルク型の
構成であれば電池容量に余裕が取れるので、電気機器の大小(消費電力量の大小)による制
約が少なくなり、幅広く適用することが可能となる。
また、全固体リチウム二次電池は、固体電解質層が流動性を有しないことから❸固体電解質
層自体が電池セパレータの機能を兼ねることができるため(言い換えると、非水電解液リチ
ウムイオン二次電池では必要な別体の電池セパレータを配設する必要がないため)、非水電
解液リチウムイオン二次電池よりも体積エネルギー密度を高めることができるポテンシャル
がある。

一方、全固体リチウム二次電池では、高出力化のため、固体電解質自体が高いイオン伝導性
を有する必要があると共に、固体電解質層と電極層との間で電気的接合性を確保する必要が
ある。より具体的に言うと、固体電解質層と電極活物質層との間(固相/固相界面)で良好
なイオン伝導パスを構築し(イオン伝導の障害を極力低減し)、かつ電極活物質層と集電体
層との間(固相/固相界面)で良好な電子伝導パスを構築することが非常に重要である。

上記要求(特に、電気的接合性の確保)を実現するためには、電極層と固体電解質層とを積
層した電極群全体を一体焼成することが好ましい。(中略)

【特許文献1】国際公開第2012/020700号
【特許文献2】特開2015-049981号公報

特許文献1~2の技術は、それぞれ全固体リチウム二次電池に関して有用な作用効果を有す
ると思われる。ただし、特許文献1~2の技術は、いずれも電極活物質および固体電解質と
してリチウムリン酸化合物を利用するものであり、使用する材料の選択肢が制約されること
で、電池性能の向上が頭打ちになることが懸念される。

なお、特許文献1~2の技術は、その記載内容から小型電子機器用の比較的小型の二次電池
を想定していると思われ、その技術を単純に大型電気機器用の大容量二次電池へ転用するこ
とには困難があると考えられる。

一方、二次電池に対する技術的要求レベルは今後ますます高まることが予想される。すなわ
特許文献1~2を凌ぐ技術の開発は継続すべき重要な課題である。

したがって、本発明の目的は、全固体リチウム二次電池において、電極活物質や固体電解質
として使用する材料の選択肢を広げながら、電極層と固体電解質層とを積層した電極群全体
を一体焼成したとしても該電極層と該固体電解質層との間の望まない化学反応を抑制して二
次電池の高出力化に貢献可能な全固体リチウム二次電池を提供することにある。(中略)


本発明によれば、全固体リチウム二次電池において、電極活物質や固体電解質として使用す
る材料の選択肢を広げながら、電極群全体を一体焼成したとしても電極群内の電極層と固体
電解質層との間の望まない化学反応を抑制して二次電池の高出力化に貢献する全固体リチウ
ム二次電池を提供することができる。

【要約】

本発明に係る全固体二次電池は、集電体層と正極層と固体電解質層と負極層とが積層された
電極
群を有する全固体リチウム二次電池であって、前記電極群は、焼結接合体を形成してお
り、前記正極層は、前記集電体層に当接する第1正極層と、前記固体電解質層に当接する第
2正極層との二層構造を有し、前記第1正極層と前記第2正極層とは、互いに組成の異なる
正極活物質を含有し、前記第2正極層の前記正極活物質がリチウムニッケル図2複合酸化物
からなることを特徴とする全固体リチウム二次電池で、電極活物質や固体電解質として使用
する材料の選択肢を広げながら、電極層と固体電解質層とを積層した電極群全体を一体焼成
したとしても該電極層と該固体電解質層との間の望まない化学反応を抑制して二次電池の高
出力化に貢献可能な全固体リチウム二次電池の提供。


【符号の説明】

10b…集電体層グリーン基板、10c…集電体層、 21b,25b…第1正極層グリーン基板、21c,
25c…第1正極層、 22b…第2正極層グリーン基板、22c…第2正極層、 21a…第1正極層グ
リーンシート、26a…第1正極活物質部グリーンシート、 27a…電気絶縁部グリーンシート、
26b…第1正極活物質部グリーン基板、26c…第1正極活物質部、 27b…電気絶縁部グリー
ン基板、27c…電気絶縁部、 30b,35b…負極層グリーン基板、30c,35c…負極層、 36b…
負極活物質部グリーン基板、36c…負極活物質部、 40b…固体電解質層グリーン基板、40c…
固体電解質層、 50b…バイポーラ電極グリーン基板、50c…バイポーラ電極、 61b…正モノ
ポーラ電極グリーン基板、61c…正モノポーラ電極、 65b…負モノポーラ電極グリーン基板
、65c…負モノポーラ電極、 63…正極外部端子、67…負極外部端子、 70…キャリアシート、
80…接合層、90…パッケージング材、 100b,105b…電極群グリーン基板積層体、100c,105c
…電極群焼結接合体、 100d…全固体電池構造体、100e…全固体リチウム二次電池。



※グリーンシート(生のシートという意味)とは誘電体シートのこと。

 

 【特許請求範囲】

  1. 集電体層と正極層と固体電解質層と負極層とが積層された電極群を有する全固体リチ
    ウム二次電池であって、前記電極群は、焼結接合体を形成しており、前記正極層は、
    前記集電体層に当接する第1正極層と、前記固体電解質層に当接する第2正極層との
    二層構造を有し、前記第1正極層と前記第2正極層とは、互いに組成の異なる正極活
    物質を含有し、前記第2正極層の前記正極活物質がリチウムニッケル複合酸化物から
    なることを特徴とする全固体リチウム二次電池。
  2. 請求項1に記載の全固体リチウム二次電池において、前記リチウムニッケル複合酸化
    物は、Li2NiMn3O8、LiNiO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、およびLiNixCoyMn1-x-yO2(0.34
    <x<0.90、0.10<y<0.33、0.44<x+y<1)から選ばれる一種であり、前記固体電
    解質層に使用される固体電解質は、ガーネット型リチウム複合酸化物からなることを
    特徴とする全固体リチウム二次電池。
  3. 請求項2に記載の全固体リチウム二次電池において、前記ガーネット型リチウム複合
    酸化物は、Li7La3Zr2O12、Li7+xLa3Zr2O12-xMx(0<x<1.2、MはN,Cl,S,Seのい
    ずれか)、Li5La3Ta2O12、Li5La3Nb2O12、およびLi6BaLa2Ta2O12から選ばれる一種で
    あることを特徴とする全固体リチウム二次電池。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の全固体リチウム二次電池において、前
    記電極群は、前記集電体層の一方の主面上に前記正極層が積層形成され該集電体層の
    他方の主面上に前記負極層が積層形成されたバイポーラ電極と、前記固体電解質層と
    が交互に積層されたバイポーラ積層型電極群であることを特徴とする全固体リチウム
    二次電池。
  5. 請求項4に記載の全固体リチウム二次電池において、前記バイポーラ積層型電極群を
    積層方向から見たときに、前記バイポーラ電極および前記固体電解質層はそれぞれ四
    辺形形状を有し、前記集電体層はその外縁が前記正極層および前記負極層の外縁より
    も内側になるように形成されており、 前記バイポーラ電極中の前記正極層および前
    記負極層のそれぞれは、前記集電体層に接する面において前記四辺形の所定の対辺領
    域に電気絶縁部を具備していることを特徴とする全固体リチウム二次電池。
  6. 請求項5に記載の全固体リチウム二次電池において、前記積層方向から見たときに、
    前記正極層の電気絶縁部は前記四辺形の一対の対辺領域に配置され、前記負極層の電
    気絶縁部は前記四辺形の他の一対の対辺領域に配置されていることを特徴とする全固
    体リチウム二次電池。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の全固体リチウム二次電池において、 前
    記集電体層は主要成分が炭素系材料および/または導電性酸化物からなり、 前記第1
    正極層の前記正極活物質がリチウム遷移金属複合酸化物からなり、 前記負極層は主要
    成分が炭素系材料、リチウム遷移金属複合酸化物および/またはリチウム遷移金属複
    合窒化物からなり、 前記固体電解質層は主要成分がリチウム複合酸化物電解質からな
    ることを特徴とする全固体リチウム二次電池。

 特開2018-063927硫化物固体電池 トヨタ自動車株式会社

 全固体電池では、電解液が用いられないことから、❶電解液を用いる二次電池と比較し、過
充電に起因する電解液の分解等が生じない。❷更に、全固体電池は、高いサイクル耐久性及
びエネルギー密度を有していることが特徴。全固体電池に用いられる固体電解質においては、
固体電解質材料として、硫化物固体電解質材料が知られている。硫化物固体電解質材料は、
リチウムイオン伝導性が高いため、電池の高出力化を図る上で有用。これに関して従来から
種々の研究がなされているが、硫化物固体電解質材料は、リチウムイオン伝導性が高いとい
う利点を有する反面、これが水(例えば、空気中の水分)と接触した場合には、硫化水素
発生するという問題があるが、この問題に関して、❶発電要素が収納されている外装体の内
部に、硫化水素ガスを吸収して無害化する材料を有する硫化水素無害化部が配置され、これ
が発電要素から生じた硫化水素を無害化し、これによって、外装体外への硫化水素の流出を
防止する技術が開示されている。❷また、特体電池を収容する筐体と、固体電池を冷却す
る温度調整手段を有し、筐体の内側の温度が所定値以下となるように固体電池を冷却するこ
とで、硫化水素の発生を抑制する。前者は、硫化物固体電池において、硫化水素が発生した
場合に対する対策が試みられているが、硫化水素の発生自体を抑制できない可能性がある。
また、後者は、固体電池を収容する筐体に、吸気ダクトから空気を流入させ、固体電池を冷
却している。これによれば、空気が筐体内の全体に広がると、固体電池全体が冷却されると
考えられる。しかし、固体電池においては、電池全体の温度が低下すると、電池抵抗が高く
なり、電池性能が低下する可能性がある。

【要約】

正極集電体層16、正極活物質層14、硫化物固体電解質層13、負極活物質層15、負極
集電体層17がこの順で積層されている電池素子10を有する積層電池18と;積層電池18
を積層方向から挟持して拘束している第一及び第二の拘束部材20,21とを有する硫化物
固体電池100において、第一及び第二の拘束部材20,21の少なくとも一方が冷却部22
を備え、冷却部22は、(i)第一及び第二の拘束部材20,21の少なくとも一方の面方
向の端部、(ii)第一及び第二の拘束部材20,21の少なくとも一方と積層電池18の
面方向の端部との当接部に対応する部分、又は(iii)(i)及び(ii)の両方に配置
されており、積層電池18の面方向の中心温度よりも積層電池18の面方向の端部温度が低
くなるように冷却す硫化物固体電池100。


【符号の説明】
1 断面線 2 積層電池の面方向の端部 4 積層電池の面方向の中央部 6 拘束部材と積層
電池の面方向の端部との当接部に対応する部分 10 電池素子 11 正極層 12 負極層  
13 固体電解質層 14 正極活物質層 15 負極活物質層 16 正極集電体層 17 負極
集電体層 18 積層電池 20 第一の拘束部材 21 第二の拘束部材 22 冷却部 30
ボルト 100 硫化物固体電池


【その他の関連特許】

 



● 営農型太陽光」「地域新電力」推進を明記 環境基本計画改訂

4月17日環境省は、「第5次環境基本計画」を閣議決定したと発表した。6つの重点戦略の
最初に「グリーンな経済システムの構築」を挙げ、「再生可能エネルギーの最大限の導入」
を掲げた。具体策として、水素や地域バイオマスの利用、営農型太陽光の推進を明記した。
環境基本計画は、環境基本法に基づき、環境保全に関する長期的な施策を定めるもので、中
央環境審議会の答申を受け、約6年ごとに見直している。今回の見直しは、国連でパリ協定
が採択された後に初めて策定される計画となった。そのため、「21世紀後半に温室効果ガス
排出を実質ゼロ」と明記した同協定の挑戦的な目標を意識し、「新たな文明社会を目指し、
パラダイムシフトが必要」との方向性を打ち出した。
 

再エネに関しては、温暖化対策の柱としつつ、「エネルギー自給率の向上」「地域経済の活
性化」の効用を重視した。その具体策として、「営農型太陽光(ソーラーシェアリング)」
「地域新電力」「地域の未利用バイオマス資源」「廃棄物系バイオマス」の活用・推進など
を盛り込んだ。
また、太陽光・風力を大量導入する上で課題になっている「電力系統への負
荷」に関して多くの記述を割き、「送電網の広域利用」「需要側の調整(デマンドレスポン
ス)」「蓄電池の導入」「水素としての貯蔵」などの有効性を示しつつ、「電力系統に依存
しない自立分散型の再エネの導入を進める」との方向性も挙げている

 ● 今夜の一曲

ピアノソナタ第14番 ハ短調 K. 457

1784年にウィーンで作曲された(モーツァルト自作の作品目録では、同年10月14日に完成し
たと書かれている)。翌1785年に「幻想曲 ハ短調 K. 475(英語版)」と共に「ピアノフォ
ルテのための幻想曲とソナタ」作品11としてアルタリアから出版された。短調であるが故に、
その後のピアノソナタの新地平を切り開いたこのモーツァルトの記念碑的な2曲のピアノソ
ナタは、モーツァルトの楽譜の写譜をしていたフォン・トラットナーの妻でモーツァルトの
ピアノの弟子でもあったテレーゼ・トラットナー夫人に献呈された。



アナスタシア・リジコフ (Anastasia Rizikov)はカナダのクラシック音楽のピアニスト。1998
年12月8日生まれ。ロシア系移民としてトロントで生まれる。5歳からピアノを始めたが急激
な上達を見せ、13歳でラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を演奏するなど、カナダの天才少女
として騒がれた。 Sergei Babayan, Arie Vardi, Robert Levin, Ferenc Rados, Anatoly Ryabov, Oxana
Yablonskaya
ほかのマスタークラスを受講しているが、彼女の名を決定的にしたのは28歳まで
のカテゴリーのコンクールを12歳で優勝したことである。その後も次々と国際コンクールの
最年少記録を更新したものの、BNDES、グリーグ、ヴィオッティ(その年の最年少出場)では
本選に進めず、2017年のマリア・カナルス国際ピアノコンクールでは第3位に終わったという。

 

コメント

みずにもやはき足裏はある

2018年04月20日 | ネオコンバーテック

      
                                     

10 地  形

まず「地形」から説きおこしてはいるか、この篇名に、さしたる意味はない。後半は、敗北
の原因、将の責任と役割にふれている。

味方・敵・地の利
将たる者にとって、部下は赤ん坊と変わらない。そうあってこそ、部下は深い谷底であろう
と一緒におりて行こうという気持をおこすのである。将たる者にとって、部下は愛児と変わ
らない。そうあってこそ、部下は生死をともにしようという気持になるのである。しかしな
がら、部下を厚遇するだけで思いどおり使えず、可愛がるだけで命令できず、乱れていて

治めることができないならば、親が子供を甘やかしすぎるようなもので、戦争の役には立だなくな部
下を統率し、その力を把握することは、敵の力を知ることと同様、勝利の大きな要因である。部下の
実力を十分知っていても、敵のあなどりがたい力を認識していなければ、勝敗の確率は五分と五分
である。 敵の力は破り得るという自信があっても、わが部下の実力を十分に認識していな
い場合も
同様である。さらに、敵の力は破り得るという自信があり、わが部下の勝つべき実
力を認識していた
としても地の利か悪いということを知らないならば、これもまた勝敗の確
率は五分と五分である

戦上手は、敵、味方、地形、この三つを完全に掌握しているから、一度行動を開始すれば迷
うことな
く、ことがおこっても決してたじろがない。敵味方、双方の力量を正しく量り、天
の時と地の利とを得て戦う者は、常に不敗である。

この一節の前半は、前節からの脈絡がない。おそらく後世、混入したものであろうが、こ
 れは
これとして「将と部下」という意味で示唆にとんでいる。

 Wikipedia

【下の句トレッキング:みずにもやはき足裏はある】

ストローをためらひがちにのぼりくるみずにもやはき足裏はある  柳澤美晴

                                                    (『おやすみ、メアリー・スー』より)


 主に二次創作で、もとの作品にはいないオリジナルキャラクターであるにも関わらず「優秀」
「特
別」が行きすぎたキャラクターのことを「メアリー・スー」と呼ぶ。(作者の自己陶酔)Mary
Sue
メアリー・スー)とは、理想化されたオリジナルキャラクターを揶揄する語。

    
【黒の革命篇:最新高品位長尺グラフェンの連続製造プロセス技術】

4月17日、マサチューセッツ工科大学の研究グループは、高品位長尺グラフェン機能膜の
連続製
造プロセスの開発したことを公表。この開発により、塩、より大きなイオン、タンパ
ク質
またはナノ粒子を含む様々な分子などの濾過膜――グラフェンをシームレスにし、基板
を完
全に覆い、高品位膜用途向――として脱塩、生物学的分離などに使用できる。

● 成長するグラフェン
グラフェンは理想的なろ過膜で、1枚のグラフェンは原子的に細い鶏籠網状の炭素原子がパ
ターン
結合材料は非常に丈夫で、最小の原子のヘリウムも浸透できない。グラフェン膜を製
作し、所望の分子をろ過するサイズに調整する小さな穴/ナノ細孔制御技
術開発――化学気
相堆積法では、最初に銅ホイルのサンプルを加熱し、炭素と他のガスの組み合わせを堆積さ
せ、
グラフェン膜はバッチ方式で製造されているが、商用向けの製造方式にするには技術的
な課題を抱える。

薄膜の連続処理には工業的アプローチのロールツーロール方式と化学蒸着製造技術を組み合
わせ、高品位グラフェンを大量/高速製造する必要がある。このシステムは、小さな炉を通
過するコンベアベルトに接続された2つのスプールで構成。❶まず第1のスプールでは、幅
が1センチメートル未満の長尺銅箔ストリップを広げ、炉に入る段階で、ホイルは最初の1
本のチューブに送られ、次にスプリットゾーン・チューブに送られる。
ホイルが第1のチュ
ーブを所定組成のメタンおよび水素ガス雰囲気の加熱処理することで、
グラフェンは小さな島
状に形成開始しやがて一様となり連続シートを形成、オーブンの外に出るまでに、グラフェンは、ピ
ザの連続的なベッド状でホイルを完全被覆した状態される。❷次に、このグラフェンが炉を出ると
グラフェンは第2のスプールで連続的供給、毎分5センチメートル速度で高品位グラフェン
を製造(最長運転の約4時間で、最長約10メートルのグラフェン)。同研究グループは、
わたし(たち)が「作り込み」という作業を繰り返すことで好適制御条件を見出している。


Posted: Apr 18, 2018

● フレキシブルで工業的製造設計
次に、グラフェンをロールツーロール法で中間製品をハーバード大学で開発された方法でポ
リマーメッシュまたは支持体をエッチングし銅を除去する。
また、メタンと水素ガスの成分
比率を変え、プロセス処理速度と相関を求め、
電子アプリケーションから膜アプリケーショ
ンまで、グラフェンの
調整操作に関して大きな柔軟性を見つける。今後、ロールツーロール
方式で、ポリマー鋳造や現在手作業で行われている工程を含め製造
方法を確立する予定で、
エンドツーエンドプロセスとして、より多くのオペレーションを製造ラインに統合する必要
があり、
グラフェン膜技術の信頼と関心が高まれば商品化できると期待を寄せている。



❑ A Scalable Route to Nanoporous Large-Area Atomically Thin Graphene
Membranes by Roll-to-Roll Chemical Vapor Deposition and Polymer Support
Casting

ACS Appl. Mater. Interfaces, 2018, 10 (12), pp 10369–10378 DOI: 10.1021/acsami.8b00846
Publication Date (Web): March 19, 2018

【要約】

グラフェンのスケーラブルで費用対効果の高い合成と統合は、ナノ多孔質原子状薄膜(NAT
M)などの大面積アプリケーションを実現する上で不可欠です。
ここでは、ロールツーロー
ル化学蒸着(CVD)による大面積グラフェンの高速連続連続合成と、階層的に多孔性のポリ
マー支持体の鋳造とを組み合わせた、NATMの製造へのスケーラブルな経路を報告する。

ず2つのゾーンのロールツーロールグラフェンCVDリアクタを設計し構築した。グラフェン
CVDリアクタは、可動フォイル基板をアニーリングおよび成長雰囲気に順次露出させ、ゾー
ン間の鋭い等温遷移を行います。
反応器設計の構成上の柔軟性により、グラフェンの品質に
影響を与える重要なパラメータの詳細な評価と、高速のロールツーロールグラフェン製造で
考慮すべきトレードオフが可能になります。
このシステムでは、5cm / min以上の速度で均一
な高品質単層グラフェン(ID / IG <0.065)を合成します。
最適化されたグラフェンから製造
されたNATMは、ポリマー鋳造および後処理を経て、従来合成されたグラフェンから製造され
た膜と同等の性能を有するサイズ選択的分子輸送を示す。
したがって、この研究は、タンパ
ク質脱塩および小分子分離を含む用途のための、NATMのスケーラブルな製造プロセスの実
行可能性を確立する。



❑ High-speed roll-to-roll manufacturing of graphene  using a concentric tube
CVD reactor
Scientific Reports volume 5, Article number: 10257 (2015) doi:10.1038/srep10257

【要約】
ロールツーロール化学気相成長のための同心管(CT)反応器の設計を提示する(CVD)によ
るフレキシブル基板への適用、および銅上のグラフェンの連続生産への応用ホイル。CTCVD
反応器では、薄い箔基材を内管の周りに螺旋状に巻き付け、同心管の間の隙間を通って平行
移動する。ベンチスケールのプロトタイプマシンを使用します銅基板上のグラフェンを25mm
/分~500mm / minとし、プロセスパラメータが均一性とカバレッジに及ぼす影響を調べる連
続的に動くフォイル上のグラフェン低速では、高品質の単層グラフェンは形成された;高速で
は、小さなグラフェンドメインの急速な核形成が観察されるが、凝集CTCVDシステにおけ
る限られた滞留時間によって防止される。我々は、平滑な等温還元雰囲気と炭素含有雰囲気
との間の移行は、高品質のロール・トゥ・ロール・グラフェンに不可欠であるCVD。フォイ
ル品質と微細構造がグラフェンの均一性をどのように制限するかについて議論する巨視的な
次元。CTCVDのスケーリングと再構成の手段2次元材料製造の一般的な要件に基づく設計。



さて、どの程度の膜強度があるのかわからないが、まずは、半導体製造で使用する超純水製
造装置の機能膜に
応用し、ゼロウェスト、省エネ、コスト削減ための研究をスタートさせた
たいね。


【関連資料及び特許事例】

----------------------------------------------------------------------------------
❑ US 9394174 B2 Alkyne-assisted nanostructure growth

【要約】
ナノチューブを含むナノ構造体の形成および処理に関する。いくつかの実施形態は、比較
穏やかな条件(例えば、低温)を使用してナノ構造成長のためのプロセスを提供する。場合
によっては、本発明の方法は、ナノ構造形成の効率(例えば、触媒効率)を改善し、揮発性
有機化合物および/または多環芳香族炭化水素を含むナノ構造形成中の望ましくない副生成
物の生成を低減することができる。そのような方法は、ナノ構造形成に関連するコストを低
減するとともに、環境および公衆衛生および安全性に対するナノ構造製造の有害な影響を低
することができる。


   
高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』   


終 章 TPPも雇用法も、世間でいわれていることはウソだらけ」
第1節 自由貿易は戦争を「抑止」するものであり、止めるべきではない

これまで、戦後から平成までの日本経済の歩みについて、何か「間違った常識」で、何か「
物事を正しく見る眼」なのか、経済理論とデータ検証をベースとしつつ解き明か
してきまし
た。
本書の最後に、現在も様々に取り沙汰されている2つの経済的事象について、経済史
視点も交えながら考えてみたいと思います。テーマは「自由貿易」と「雇用問題」に
ついて
です。

最初に、「自由貿易」について見ていきましょう,
私がときに不思議に思うのは、我が国でよく「自由貿易」に対する反対意見が声高に叫ばれ
ることです。最近のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)反対の議論の中に
も、ずいぷん
と理解に苦しむ論調を見かけました。

もちろん、「自由貿易」で自分たちの利益・権益が侵されるおそれを感じている人々は反対
するのでしょう。また、「プラザ合意はアメリカの仕組んだ罠だ」などというこ
とを真面目
に信じている人も、そういう陣営に与するかもしれません。どの国にも自由
化反対論者はた
くさんいて、グローバリズムに対する根強い反対意見はあります。
しかし、そういう人たち
は、自由貿易の歴史的背景や理論に触れたことがあるので
しょうか。ことに日本人は、戦後、
自由貿易の恩恵を大いに享受してきています。そ
の日本人の1人として、歴史や理論を知っ
たうえで本当に「自由化反対」などといえる
のか、どうにも不可思議に思えるのです。

歴史的に振り返って見ると、自由貿易が推進された理由は、戦争の抑止と密接に関連してい
ます。1929
年の世界恐慌以降、世界経済はブロック化の方向に進みました。ブロックの
権益を守るため、ブロック問で摩擦や対立が起こりました。また、高い関税や資源の輸出制
限が掛けられ、それが第二次世界大戦につながった要因の1つと考えられていま
す。資源を
持たざる国である日本は、このような経済状況に大いに苦しみました。
戦争の反省をもとに、
世界の国々は貿易自由化を進めることになりました。戦後の貿
易自由化は、経済目的で始ま
ったものというより、戦争を防ぐために始まったものなの
です。そして実際に、2国間の貿
易が進み、相互依存が強くなるほど戦争の確率は低下
してきたように考えられます。
私は「国際平和五角形(ペンタゴン)」と呼んでいるのですが、戦争を防ぐ国際平和の5要
件というものが示されています。

(1)同盟関係を持つこと
(2)相対的な軍事力
(3)民主主義の程度
(4)経済的依存関係
(5)国際的組織加入

これらの5要件はいずれも戦争を起こすリスクと関係があります。この中の(4)に、経済
的依存関係という要件が含まれています。私は国際政治研究のためにプリンストン大学に留
学していたときに、「民主主義国家同士は、稀にしか戦争しない」という民主的平和諭の権
威であるマイケル・ドイル教授(現コロンビア大学)から、次のような本があることを教え
てもらいました。ブルース・ラセット教授(エール大学)とジョン・オニール教授(アラバ
マ大学)によって2001年に出版された "Triangulating Peace”という本です。同書の中で
国際平和の5要件と戦争リスクの減少の関係が示されています。

                                 リスク
(1)きちんとした同盟関係を結ぶこと               40%減
(2)相対的な軍事力が一定割合(標準偏差分、以下同)増すこと   36%減  
(3)民主主義の程度が一定割合増すこと                       43%減  
(4)経済的依存関係が一定割合増加すること                      33%減
(5)国際的組織加入が一定割合増加すること                      24%減

貿易を進めることは(4)に該当します。経済的依存関係が増えると戦争リスクが43%減少
するというのです。このようなことを知れば、どんなに反対意見が強くても、貿易自由化は
止めるべきではないことが、よくわかります。自由化は戦争を抑止する方向に働くからです。

関税率を下げるとWin-Winになるのが経済学の常識 また、2国間の自由貿易が増えると、
両国に利益をもたらし、Win-Winの関係になる、ということは、経済学の中でも最も確度
の高い命題でもあります。摩擦が生じることはありますが、全体として見ればWin-Winで
すから、経済学者で自由貿易に反対している人はいません。
もちろん、Winの大きさは追います。日米貿易でアメリカのWinのほうが大きくて、日本の
Winのほうが小さいケースも、その逆も出てきます。しかし、日本がマイナスになることは
ありません。両者がWinになるというのは、自由貿易の定理のようなものです。
TPP交渉は関税率引き下げの交渉ですが、関税率を下げるとどうしてメリットがあるのか
は、経済学の理論を知ると理解しやすくなります。
まず、関税がかかっていないシンプルなケースを考えてみます。
図6を見て下さい。横軸のQは数量、縦軸のPは価格で、Dは需要曲線、Sは供給曲線です。


価格が下がるほど買いたい人が増えますので、需要の数量は増えていきます,需要曲線Dは
右府下がりになります。反対に、価格が上がるほど売りたい人が増えますので、
供給量は増
加します。供給曲線Sは、右府上がりとなります。SとDの両者が交わった
点が、取引され
る価格です。
仮にこの価格をCとします,消費者の中には、Cより高い価格でも買ってもい
いと
思っている人もいます,そういう人は、Cの価格で買うことができると「得」をします。
これを「消費者余剰」といいます。図でいうと、三角形A・C・Fが消費者余剰に
なります。
次に供給者のことを考えてみます。供給者の中には、価格Cよりも安い値段でも売ってもい
いと思っている人もいます。そういう供給者にとっては、価格Cで売ることがで
きれば「得」
をします。これを「供給者余剰」と呼びます。図では、三角形C・E・F
が供給者余剰です。
 消費者余剰(三角形A・C・F)と、供給者余剰(三角形C・E・F)を足した部分が、
この取引をすることによるトータルの利得です。では、関税をかけるとどう変わるのか(図
7)。図の供給曲線がSからS’の位置に移勤します。関税分だけ値段が上昇しているとい
うことです。


関税がかかったケースでは、消費者余剰と供給者余剰が変化します。消費者余剰は三角形A・
B・G、供給者余剰は三角形B・D・Gです。その下の平行四辺形D・E・
H・Gの部分が
関税です。関税は国の取り分です。
この取引によるトータルの利得は、三角形A・B・G(
消費者余剰)、三角形B・
D・G(供給者余剰)、平行四辺形D・E・H・G(税金)の合
計です。
さて、関税がかかつていないケースと、関税がかかっているケースのトータルの利
得の面積を比べてみて下さい。両者を比較すると、関税がかかっているケースでは、三角形
G・H・Fの部分だけ面
積が小さくなっていることがわかります。この部分を「デッドウェ
イトロス」といいます。国全体のトータルではロスが出ると
いうことです。「デッドウェイ
トロス」の部分はどうしても取り戻すことができませ
ん。関税を課すことによって絶対にカ
バーできないロスが生じるのです。
関税を引き下げれば、デッドウェイトロスの分を取り戻
せます。誰の利益になるかは
わかりませんが、全体では利益が増えます。マクロで見ると関
税引き下げが必ず得をするというのは、この理論が根拠になってい
ます。関税を引き下げれ
ば、得をする人もいますし、損をする人もいます。農業従事者に
とっては大きな損失が出る
かもしれません。しかし、国全体で見ると、関税引き下げは
デッドウェイトロスがなくなる
分だけ必ず得をするのです。


個々の利害関係者が集まって「私は得をする」「私は損をする」という議論を繰り返
してい
ても、実りのある結論にはなりません。国全体のトータルで取り分を大きくしま
しょう、と
いうのが関税を引き下げていく自由貿易の考え方です。
あとは、関税引き下げによって利益
を失ったり、失業したりする人に対して、どう手
当てをするかです,全体のパイが増えるわ
けですから、消費者と供給者の両方から少し
ずつ税金をとって、困っている人に分配する方
法もあります。
TPPについていえば、内閣立居は、政府統一試算としてマクロ経済効果を
3・2兆
円としています。おそらく内開府は「デッドウェイトロス」の計算をしているのだ
と思
います。そうでなければ、数値など出すことはできません。関税をかけることによって
発生するデッドウェイトロスがなくなることが、TPPのマクロ経済効果です。自由貿易の
公理のようなものですから、どんな反対論者でも、この理論を論破するこ
とは無理です。


如何なる自由貿易あるいは自由貿易主義なのかと突きつめれば、わたし(たち)はこのブロ
グでも掲載しているように「歴史的自由貿易主義」の立場にあり、「自由貿易」とは「共同
間の相互協議貿易のことをさし、高橋の主張するような数式(公式)主義(=観念主義
ではないことを、また、現実的には覇権的な軍事的/財政的な力(=バイアス/不公正)が
伴なうこともここでは、まず表明しておき読み進めていこう。

                                  この項つづく

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エネルギー革命元年Ⅱ

2018年04月16日 | ネオコンバーテック

      
                                     

9 行  軍

狭い意味の「行軍」ではない。車を戦場にすすめる場合の基本がここに述べられている。な
かでも現象によってその本質を見破る観察法はするどい。

人心把握
部下は数が多ければよいというものではない。むやみに進撃することをつつしみ、力を集中し、
情をよく把握できてはじめて勝利が得られるのだ。将たる者がここに思いを致さず多数を
たのんで
敵を斜視するならば、逆に捕排にされることは必至である。多数の兵士を掌握する
場合、罰
についてはとくに注意しなければならない。すなわち、部下がよくなじんでいない
うちに、わずかの過失があったからといって、これを罰するならば、その部下は心服
しない
心服しない者は使いにくい。逆に、すっかりなじんでいて、過失があってもこれを罰しない
ならば、押れてしまって使いにくくなる。したがって、部下に対してはつねづね、温情をも
ってあたると同時に、威厳をもって軍紀を整えて
こそ必勝の態勢ができあがる。平素から命
令が行なわれていれば、いざというときにも人民は服従する。逆に、平素から命令が行なわ
れていな
ければ、いざというときにいくら説教しても人民は服従しない。つねづね、人々か
ら信じら
れている者こそが、人々とともに成果を期し得るのである

部下の掌握 部下の掌握については、『孫子』の各篇で触れられているが、ここでは、

①部下の致が多い少ないということが問題ではなく、一致結束しているかどうかということ。
②剖というものは、一定の条件を前提として、考えなければならない。必要なのに剖しない
と、統制を乱すこと。
③仁と威の両面が必要であること。
④平素から正しい管理が行なわれていなければ、いざという時に及んでも用をなさないこと。
……を説いている。

   
高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』   
 

第6章 不純な「日銀法改正」と痛恨の「失われた20年」
第1節 「失われた二十年」の原因は何か?

前章で見たように、日本銀行が「「資産価格」と「一般物価」を分けて考える」という金融
政策のセオリーに反して、二般物価」が問題ある水準ではなかったのに金融引
き締めを行っ
た結果、日本経済はどん底に叩き込まれることになりました。そして、そ
れが間違いだった
ことを認めたくないとばかりに引き締めに固執したために、「失われ
た二十年」といわれる
デフレの泥沼にはまってしまったのです。

1980年度からバブルが崩壊した1991年度までの平均経済成長率は「名目で6・3%
実質で4・3%」だったのに対し、1992年度から2011年度までの平
均経済成長率は
「名目でマイナスO・1%、実質でO・8%」と、大幅に落ち込んでし
まいました。日本が
低成長率に甘んじていた期間も、アメリカ、イギリス、ドイツ、フ
ランスなどの欧米各国は
年3~4%の成長率であり、日本だけが苦境にあえいでいるよ
うな体たらくです。

なぜ、そのようなことになってしまったのか。本章で、「失われた二十年」の謎を解き明か
していくことにしましょう。
そのことを考えるにあたり、まず最初に、「失われた二十年」
の原因について考えて
みたいと思います。これまで幾度も述べました通り、私は「失われた
二十年」の原因は、日銀の金融政策の失敗(不必要、かつ過度の金融引き締め)にあると考
えています。しかし世の中には、様々な理由を並べる人たちがいます。たとえば、ざっと次
のようなものが菓げられるでしょう。

・不良債権が足自になった
・づフンスシート不況になった
・IT投資、デジタル化に出遅れ、生産性が上がらなかった
・ゾンビ企業が生き残り、イノベーションに後れをとった
・岩盤規制を打ち崩す構造改革が不十分だった

それぞれ、至極もっともな意見ですが、しかし結論を先にいってしまえば、いずれの見方も
経済の「原因」と「結果」を見誤っている私は思います。

第2節 不良債権が足伽になった」はまったくのウソ

まず、「不良債権が足抱になった」という議論を検証しましょう。「バブル崩壊後に日本経
済の足を引っ張ったのは、不良債権だ」と思っている人はたくさんいます,しかし、不良債
権というのは金融機関の経営の問題であり、経済全体に大きな影響を及ぼすほどのものでは
ありません。「不良債権の先送りが経済低迷の原因だ」などといわれましたが、不良債権の
先送りはいつでも起こっている現象です。ミクロのことだけを見ていえば、不良債権の先送
りはしないほうがいいに決まっています。しかし、マクロ側から見ると、マクロ経済を良く
すれば不良債権は自然に減少していきます,景気が減速して資産価値が落ちるから不良債権
になっていくのです。経済全体が良くなれば、貸付先の企業業績も少しは良くなるでしょう。
株価も上がりますし、不動産の値段も上がって担保価値も上昇します。先送りしている問に
実体経済が成長すれば、不良債権問題は片付いていきます。不良債権のすべてがすっきりと
なくなることはありませんが、問題にはならなくなります。

「原因」と「結果」でいえば、不良債権問題の「根本原因」は、主として金融政策の失敗で
あり、不良債権というのは単なる「結果」にすぎません。おそらくバブル崩壊後に日銀がき
ちんと金融緩和して経済成長を促していれば、不良債権問題は5年くらいで問題のないレベ
ルにまで解消したでしょう。それが10年も20年も長引いてしまったのは、低成長、マイ
ナス成長で経済が伸びなかったからです。この20年間に他の先進国が大幅にGDPを伸ば
しているのに対して、日本だけがほとんどGDPを伸ばしていません。間違えてはいけませ
んが、それは日本が不良債権問題を抱えているから伸びなかったのでは決してありません。
これほど長期間にわたってGDPを伸ばせなかったからこそ、不良債権問題が早期に片付か
なかったのです。金融機関が不良債権を抱えているから、貸出しを抑制し、貸し剥がしが起
こるといわれていました。たしかに金融機関が回収を急ぎたかったのは事実でしょう。

しかし、本当に儲かる貸出先であるのなら、金融機関Aが貸し剥がしをしたとしても、金融
機関Bが貸し出すはずです。儲かるとわかっているのに貸さないことはありません,おそら
く、その貸出先は、どの金融機関も貸出しできないほどの厳しい経営状態にあったのです,
なぜそうなったのか。もちろん、経営の失敗という事もあると思いますが、経済全体が低迷
しているという要素が多分にあるはずです。過度の円高が続いていたことも原因でしょう。
マクロ経済全体を良くすれば、より多くの企業が息を吹き返します。経済全体を良くすれば、
儲かる企業が増えてきて、自然に不良債権は減少し、貸し渋りも減っていきます。不良債権
や貸し渋りが経済成長を妨げたという見方は正しくありません。金融機関の不良債権をすべ
てゼロにしたところで、日本経済のGDPが伸びるという保証はどこにもありません,

その反対に、日本経済全体を成長させれば、不良債権は必ず減少していきます。このような
説明と軌を一にするのが、「バランスシート不況」についての見方です。「失われた二十年」
の時期に、よくフ、ハランスシート不況」ということがいわれました。これは、資産価値が
落ちたために企業が債務超過になると、財務内容(バランスシート)を正すために収益を借
金の返済に充てようとするのでゾ設備投資や消費が抑制されて景気が悪化する、という考え
方です。たしかに、そうとも見えるのですが、これも「原因」と「結果」の見誤りです。マ
クロ経
済政策で景気が上向けば、資産価値が上がるので、自ずと解消される問題です。不良
偵権もバラン
シートも、個別企業の経営の問題であり、「ミクロ」の世界です。それが日本
経済全体という「マクロ」
の原因になることはほぼないと思っていいでしょう。その反対に
「マクロ」経済は「ミクロ」に必ず影響を与えます。金融政策と財政政策
でマクロ経済を良
くすることが、個別企業にとって一番恩恵かおる道なのです。

第3節 経済が収縮するデフレ不況下で、できるはずがないこと

次に、「IT投資、デジタル化に出遅れ、生産性が上がらなかった」「ゾンビ企業が生き残
り、イノベーションに後れをとった」「岩盤規制を打ち崩せなかった」という議論について
見ていくことにしますが、これらも結論は「ひと言」で終わりです。「経済が収縮するデフ
レ不況下で、そんなことができるはずがない」――それだけです。たしかに事実関係を見れ
ば、「失われた二十年」の期間を諸外国と比べると、日本のIT分野をはじめとする投資額
が低かったことは否定できません。投資が低ければ、必然的に生産性は低くなります。そう
すると諸外国に勝てるはずもなく、経済が悪化していく――という見立てになるのですが、
しかし、考えるべきは「なぜ投資額が低かったのか」です。つまり、それが「原因」なのか
「結果」なのかです。

設備投資の理論は非常に単純で、要は投資に見合うだけの収益が得られるかどうかで、投資
額の多寡が決まってしまいます。ということは、将来の成長性が期待できるかどうか、実質
金利が低いかどうかのいずれかが、大きな要因になります。将来の成長性が高いと期待でき
れば、投資しても必ず大きなリターンかおりますから、みんなが喜んで積極投資に走るはず
です。また、実質金利が低ければ、資金調達コストが下がり、その分、収益が見込めること
になりますから、これまた投資に積極的になるはずです。 しかし、現在の日本のような「
安定成長期」には、将来の成長性はたかが知れています。となれば、民間の投資を増やせる
かどうかのポイントは「実質金利が高いか低いか」に絞られることになります。

ところで、「実質金利」は、「名目金利-(マイナス)予想インフレ率」で求められます。
つまり、予想インフレ率が上がれば実質金利は下がります。反対に、どれほど名目金利が低
くても、デフレの影響で予想インフレ率が大きく下がっていれば、実質金利は上がることに
なります。このように「デフレによって予想インフレ率が下がり、実質金利が上がる」とい
う状態になると、経済にとんでもないマイナス圧力がかかります。諸外国と比べて実質金利
が上がれば、設備投資がしづらくなると同時に、円高にもなります。円高になれば、輸出競
争力が低下してしまい、輸出企業を中心に大きな打撃を受けることになります。さらに予想
インフレ率が高いということは、インフレ効果で投資金額が将来的には実質的に縮減してい
くことが期待されるということでもありますが、デフレであれば逆になります。しかもデフ
レであれば消費停滞、賃金削減の負のスパイラルが発生し、経済の活性化など夢のまた夢に
なります。

「失われた二十年」の日本は、このような状況でした。まさに、金融政策の失敗以外の何も
のでもありません。こんな、何から何までマイナスの状態で、どうやって設備投資を増やせ
るというのでしょうか。「産業構造の転換が遅れてゾンビ企業が生き残ってしまったこと」
も、「岩盤規制を打ち崩せなかったこと」も、すべて「原因」は同じです。将来の成長性が
期待できる状況、すなわち経済の「パイ」が大きくなっているときであれば、思い切って投
資をし、構造を転換して新たなジャンルに足を踏み出すことも容易です。実質金利が高くて
も、思い切った投資をすることができます。しかし、何から何までマイナスの状態では、そ
んなことをしてみせろ、というほうが一問というものです。「原因」と「結果」でいえば、
明らかに「投資の出遅れ」「ゾンビ企業」「岩盤規制改革失敗」は原因ではなく結果です。
根本的な「原因」はデフレであり、それを招来した誤った金融政策なのです。

                                  この項つづく

       Apr.15, 2018

 Apr. 5, 2018

【健康寿命生物工学論Ⅰ:細胞の若返り技術に道】

マウス造血幹細胞コンパートメントの高齢化を解決する大規模クローン解析

4月5日、加齢によって白血球の一種になる能力を失った血液のもとになる細胞を、若いマ
ウスに移植すると、その能力を取り戻したとする研究成果を、東京大と米スタンフォード大
の共同研究チームが発表。チームは、仕組みを解明できれば、血液細胞を若返らせ、免疫機
能の回復につながる可能性があるとしている。今月、米科学誌セル・ステムセルに掲載。

 研究成果のポイント

  1. 加齢により、造血幹細胞の能力のうち自己複製能は比較的維持されるのに対し、リン
    パ球系への分化能力は大きく低下する。
  2. リンパ球系細胞への分化能力を失った造血幹細胞が加齢により著明に増加する。
  3. しかし加齢による造血幹細胞の分化能力の低下は可逆的である。
  4. 血液細胞の加齢による変化を正しく理解することにより、新しい加齢メカニズムの同
    定や白血病発症の原因究明につながる。

【概要】

血液中の赤血球や白血球などは骨髄にある造血幹細胞から作られる。加齢により、白血球の
一部で免疫をつかさどるリンパ球をつくる能力は落ちることが知られている。東京大学幹細
胞治療部門の中内啓光特任教授らの研究チームは、生後20~24カ月の高齢マウスの骨髄
から造血幹細胞を採り、血液をつくれなくした別の若いマウスに移植➲高齢マウスの造血幹
細胞を移植したマウスは、リンパ球をほぼつくれなかった。しかし、そのマウスの造血幹細
胞を含む骨髄を別の若いマウスに移植し、観察を続けたところ、造血幹細胞がリンパ球にな
る能力を持ったことを確認した。➲1回目でなく2回目の移植で能力を持った理由は解明さ
れておらず、今後の課題。研究チームの一員、スタンフォード大の山本玲研究員は「リンパ
球になる能力が回復したことは細胞の『若返り』を示唆している。加齢メカニズムの解明に
つながる」と話す。



フローサイトメトリーflow cytometry)とは
細胞を懸濁させた液体を細胞が一列になるように流れている状態にし、それにレーザー光を
当てて反射する光を測定し、光の強さを電気信号に置き換えて定量化し、細胞一つ一つの情
報を自動的にサンプリングする方法。
細胞1個1個の相対的大きさや形状、内部構造の違い
、細胞の同定や細胞群を構成する種々の細胞の存在比を短時間で解析できる。
また、細胞を
蛍光抗体で標識することによって細胞表面にある抗原量を定量的に測定することもでき、細
胞の形態の差としては現れない細胞の性質の差を識別することが出来る。
また、液滴となっ
た細胞懸濁液に電荷を与えることで、性質の異なる細胞を分取も可能。

  No.192

 【ソーラータイル事業篇:テスラのソーラールーフタイル事業  

テスラ社の屋根型ソーラータイル事業はさらに進化した「3IN1 ROOFシステム」はコスト半
分、空調冷暖房費33%削減、性能は3倍と社長も舌を巻くほどのパーフォマンスを実現。
それじゃテスラとパートナーとなり、その地域、その顧客の希望をかなえるトータールシステ
テムの提供を事業展開させた方が早く、世界規模の環境保全を実現でき、雇用と社会の安定・
安心に貢献できるのではと考えてみた。



【ソーラータイル事業篇:従来製品の総費用半分の屋根用ソーラ】
 

ステラ社の新しい「3in1ルーフ」ソーラータイルは、テスラ屋根の半分の価格で住宅に電
力を供給できる。同社のソーラー
屋根はいち早く注目浴びるてきたが、同社社長のイーロン
・マスクですら想像を超えるスピードで進歩してきている。例えば、「3in1ルーフ」は断
熱、強風、太陽光の3つを一括対応――
従来のスレートタイルよりも軽量で屋根裏部屋への
伝熱はゼロを達成し冷暖房費を削減、二酸化炭素排出量を大幅削減を実現。
同社の屋根用ソ
ーラの価格は平方フィート当たり約11ドル(93平方メートル当たり約1,100円)。
従来の
スレートルーフィングより軽く、10平方フィートあたりわずか110ポンド(約16,800円
)で、より軽い荷重構造で。屋根は屋根裏のデッキと断熱材との間の結露をなくし、カビや
腐敗を防止、風速200 mph (毎秒89.4メートル)強度、耐紫外線、耐久性、断熱仕様(対従
来製品の3倍増)、冷暖房空調(HVAC:heating, ventilating, air conditioning)コストを最大3
8%削減(対従来製品)の仕様となっている。また、新商品購入は 500ドルの手付け金を支
払えば2019年度に設置でき、先着購入者千名のお一人様に駐車場用充電装置を無償取り付け
する。
 3in1 Roof

シングルおよびダブルワイドサイズのモジュラー住宅は、縮小した壁、天井、屋根の垂木の
ため、市場で最もエネルギー効率の低い構造。
3 IN 1 ROOFシステムは、モジュラー製造業
者が屋根裏部屋の換気口をバイパスすることができるため、モジュラーディーラーの屋根覆
いになりつつあり、モジュラーの居住スペースの残りの部分と同じように暖房や空調がほと
んど簡単に行えます。
所有者は、劇的な気温の変化による被害の恐れなしに、必要な貯蔵ス
ペースのためにその気候制御上部領域を使用することができます。

 Supremacy 1000™

Supremacy 1000(上写真)は、99.99%の信頼性設計された24Vdc(直流)リチウムイオン電
池――高エネルギー密度、軽量、高速充電、長寿命、信頼性解析保証の特徴をもつ――で構
成された
コントローラは、「3in1屋根用ソーラー」と構造物のエネルギー駆動機器と照明
間のインテリジェントゲートウェイ機能を発揮。同装置は
、隣のドアや何千マイルも離れた
コントローラ、
選択的共有電力、双方向インターフェイスの機能をもつ。また、特定者内の
情報共有や緊急事態下で病院や学校などのエネルギー受容者とのネットワーク拡張も可能で
ある。


Mar 19, 2018

【スマートグリッド篇:電力とデータの両方を無線伝送技術】

3月19日(ドイツ時間)、インフィニオン(Infineon Technologies)は。独Würth Elektronik
eiSos
と共同でワイヤレス電力伝送開発キット「760308EMP-WPT-200W」の提供を公表。この
特徴は送信側と受信側のコイル間で、200Wの電力とデータの両方をワイヤレス伝送できる。
同キットは、送信ユニットと受信ユニット、電源の3ユニットで構成。送信ユニットは、WPT
(ワイヤレス電力伝送)コイルから構成されたフルブリッジと共振回路に加え、直列接続の
共振コンデンサーから成り、ZVS(ゼロ電圧スイッチング)モードで動作する。これにより、
キット全体の効率を高めると共に優れたEMC特性(電磁両立性:electromagnetic compatibility
が提供できる。

受信ユニットには、ダウンストリームフィルタリングとふるい分けを行う同期整流器が含ま
れ、ユニット間の交番磁界をAM変調することでデータ伝送が可能。同キットの想定用途とし
て、センサー機器の充電中にデータを基地局に送信することなどを挙げている。
Würth Elekt-
ronik
eiSosWPT部門責任者は、この回路は10ワットから数キロワットにまで拡張が可能で、
医療機械、IoT(モノのインターネット)など環境条件の厳しい分野で今後活用を見込むと話
す。同キットは2018年第3四半期に提供を開始する予定。

 ● デミオ試乗

すごいことなってるわ!息子も驚いとる。腕前も確かだが安全運転。ただし、台車。

コメント

最新量子ドット工学講座

2018年04月04日 | ネオコンバーテック

  

      
                                     
6 虚  実

味方の「実」で敵の「虚」をつき、力ずくでなく敵の優拉にたつ。相手の力、欲望、弱点を
活用
することによって主席権をとることができる。味方が果申し相手を分散させれば少数で
も多数に
勝てる。

自由自在な変化

戦闘に際しては、次の四つの方法で敵情を把捉しなければならない。

一、十分に戦局を検討し、彼我の優劣を計算する。
一、敵に誘いをかけてみて、直ちに行動に移るかどうか、その出方を旅亭する。
一、敵の態勢を固定化させ、その死命を制しうる急所をつかむ。
一、小競り合いを試みて、故障のどこが強力か、どこが手薄かを判断する。

こうして味方の態勢を整えるわけだが、前述のとおり、戦闘態勢の神髄は、変幻自在で固定
した態勢をもたないことである。こちらの態勢が流動的で固定していなければ、敵側の間者
が陣中深く潜入していたところで、何もさぐり出すことはできないし、敵の軍師がいかに知
謀にたけていても、あらかじめ計略をめぐらすことはできない。敵の態勢に応じた自由自在
の変化によって勝利をつかかというやり方は、一般のものにはとうてい理解できないもので
ある。かれらは、こちらの採った戦闘態勢が勝利をもたらしたのだということはわかっても、
その態勢を生み出した根本に、固定した戦闘態勢を否定する変幻自在の考え方があ置にと
いうことまではわからない。したがって一度勝利をもたらした戦闘態勢をくり返し使おうと
しがちであるが、これはまちがいである。あくまで敵の態勢に応じて無限に変化することを
忘れてはならない。

       

 なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか  No.29        
 

● エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議 活動の紹介

島根県・浜田から 中国ウィンドパワー株式会社

当時、中国ウィンドパワーがGE社製風車1基の建設を計画した土地は県立浜田海岸自然
園に近接していることから島根県景観条例により規制の網がかかっていました。
地元の理解
が得られないと条件をクリアできないため申請手続きになかなか入れず、結果として着工が
2年近くも遅れました。ところが、たまたま松江市で反対運動が起きたため、それに反発し
て地元から抗議の声があがったのです。

「なんで、おれたちの意見を聞かないで、松江で勝手に反対するんだ」

こうして地元が応援に転じたお陰で、浜田市の後押しもあり着工の運びになったということ
です。建設時の難題は公道への接続道路が私有地だったため35メートルのブレード(羽根)
を搬入する際に崖を削ったり、ガードレールを一部撤去せざるを得なくなって、地権者の一
人が急に反対にまわり、ストップしたことでしたが、そのときも、誠意を尽くして説得した
結果、トラブルなしに工事が竣工しました。

次に建設したのが益田市の高津川風力発電所で、日本製の2000キロワット風車を1基建
てました。3番目に建設されたのが私たちが視察に訪れた江津東ウィンドファームで、日本
製の風車11基が日本海の海岸線に並ぶ光景はなかなか壮観でした。中国ウィンドパワーの
取り組みから学ぶ点は、建設後も地元との連携を維持していくために、どんなに小さなミス
でも全員に説明してまわり、騒音の苦情があればすぐに謝 りにいってメーカーと対策を講じ
るな
ど、クレームから逃げずに前向きに対応してきたことです。地元と顔の見える関係を築
くために自治
会と一緒に広い海岸の清掃に汗をかいていること、あるいは地元にお金(税金)
をまわすために高津
川の風車は益田ウィンドパワーという別会社にして地元に登記したとい
うことなども、「他人の赤ちゃ
んの泣き声はうるさいが、一度でも抱っこしたことがある親
戚の赤ちゃんの泣き声はかわいい」
のと同じことで、苦情より応援の声が大きい現状の原因
といってよいと思います。

中国ウィンドパワーの成功は、運営面ではこれまで述べたように地域とお互いに顔の見える
関係を築いたことが大きいといえますが、保守が行き届くように国内メーカーと
提携したこ
とも見落とすわけにはいきません。島根県多伎町の風車はヴェスタスといっ
て世界でベスト
セラーになっている機械ですが、止まったときなかなか修理に来てくれ
ないため1カ月も止
まっていたりすることがあるということですし、島根県企業局の風
車はノルディックスとい
う会社の風車で、建てたのがIHI石川島播磨でしたが、IH
Iが風車事業から手を引いて
しまったため、何かと不便をきたしているというように、
管理とか定期点検をする会社を選
び間違えると宝の持ち腐れみたいになってしまいます。それに対して中国ウィンドパワーは
機械の性能はメーーカーによるバラツキは道からずなくなることを見越して、計画段階から
管理・保守を重視してメーカーを選定したことは大変賢明だったと思いました。維持する人
さえ来てくれれば風車は故障しても動くわけです。ところが、来てくれなければ風車はいつ
までも止まったままです。

建設面の成功の要因ということがらいうと、中国ウィンドパワーの江津東ウィンドーファー
ムはトータル11]基の建設費は49位円でしたから、1基当たりの建設コストは4億円にな
ります。近くの県企業局は同じサイズで9基63位円でしたから1基当たり7億円もしたこと
になります。行政は入札でしかメーカーを決められないため結構いい値段で買わされるわけ
ですが、道路の建設費がコストに入っていないことを考慮しますと、極めて高くついたとい
えそうです。隣県の鳥取県北栄町は9基27億円でしたから1基当たり3億円でつくったこ
とになり、行政同士の比較でも大きな差が出たことになります。

中国ウィンドパワーの場合は、風況調査は当然のことながら、高圧線の敷設コストが1キロ
メートルー位円という現況を重く受け止めて、中国電力の高圧送電鉄塔の近くに立地させた
こと、取り付き道路の建設コストを低く抑えられたことなどが成功に大きくエネルギーから
経済を考える経営者ネットワーク会議 活動の紹介あずかっていると感じました。

そうした取り組みの中で特筆されるのが、「3・11」後に発足した固定価格買取制度の対
象から一時はずされかけたときの対応です。先発事業者の売電価格は適用になる後発の約半
分ですから、さらなる倒産が予想されました。ましてや、全国の風力発電のシェアの半分近
くをユーラスエナジーJパワー2社が占める現状の中で、零細の風力発電事業者はリーマ
ンショックなどの影響で運営に行き詰まり大手に吸収されることが多かったときです。危機
感を抱いた矢口さんは地域経済の担い手を自覚して運動を展開し、適用を受けられるように
するなどハ面六背の働きをしてきました。こうした経験と実績を10年以上も前から持つ矢
口さんをエネ経会議のメンバーに迎えられたことは嬉しいかぎりです。



神奈川県・小田原から ほうとくエネルギー株式会社

2012年12月には小田原市にメガソーラーを中核事業とした小田原ほうとくエネルギー株
式会社が誕生しました。
小田原はかまぼこはもちろんですが、干物、みかん、銘菓、木工製
品、鋳物、曽我梅
林の梅干、などなど、ご当地「小田原」ブランドを大切に守り育てるため
に結束して何
かをするという精神的土壌とでもいうような、つまり「顔の見える関係」を大
切にする
気風が昔から強く存在しました。小田原のご当地電力「ほうとくエネルギー」誕生
まで
のいきさつには、そうした精神的土壌が強く働いたように思われます。

ほうとくエネルギー副社長の志滓昌彦さんには子不経会議の臨時総会(2012年11月1
7日)で小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会のコーディネーターとして事例
発表を
してもらいましたし、新会社のお披露目イベントとなった「小田原電力、はじま
ります。」
(2013年3月10日)でも、現職の立場で事例発表していただきました。そ
のときのス
ピーチの記録を元にして紹介します。冒頭にも触れましたが、小田原では古くから漁業農業、
林業、観光業、商工業全般を問わず地域起こしの取り組みが伝統的に営まれてきました。遠
く遡れば小田原北条氏の時代に達します。最近になって、そうした物心両面の営みを土台に
多様な市民団体を取り込んだ「無尽蔵プロジェクト」が生まれたのがよい例といえるのでは
ないかと思います。

小田原市のご当地電力の発足はいわば協働の精神的風土と加藤憲一市長が就任早々から地域

での再生可能子不ルギー自給化に取り組んだ成果といえるかもしれません。まず市主導の「
小田原まちづくり学校」が始まりました。第2弾の勉強会がまさに再生可能エネルギーをテ
ーマにしたもので、講師役の飯田哲也(環境エネルギー政策研究所)さんと加藤市長がいろ
いろとやり取りする中で「小田原電力」のアイデアが生まれたわけです。さらに地元の商工
業者、地元の金融機関、地元の大学などが協議会を立ち上げそこでまとめた小田原電力の計
画が環境省の2011年度地域主導型再生可能エネルギー補助事業7件のうちの1件に選ば
れました。それを受けて、小田原再生可能エネルギして、2012年12月11日、元ソニ
ー上席常務としてパソコンやビデオ機器など半導体関連の具体的なビジネスモデル事業化に
多く
の実績を持つ蓑官武夫さんを社長に迎え、志澤さんを副社長として、地元企業24社の
出資
で「ほうとくエネルギー株式会社」設立の運びとなりました。

2013年3月10日、「小田原電力、ばしまります。」のキャッチコピーで、同社とエネ
経会議の共催でローカル子不ルギー・ミーティングを開き、映画『第4の革命』の監督カー
ル・フェヒナーさんをお招きしてダイジェスト販の上映とミニ講演を企画、併せて「ご当地
電カミニサミット」を行ないました。小田原には空かあり、海があり、豊かな森があり、川
があって、地熱にもめぐまれています。当面は小水力事業なども視野に入れながら小田原市
の「屋根貸し事業」に応募するなどしてメガソーラーから着手しますが、地域のコミユニテ
ィづくりのため市民ファンドのかたちで参加者を募ります。小田原は二官金次郎の経世済民
「報徳思想」を重んじる土地柄です。いわゆる「分度」の考え方で、使うエネルギーの量を
決めて使える範囲でやっていく(省エネ、節エネ)ことを旨とし、使えるだけ使ってしまう
といった従来のライフスタイルを深く反省して必要なエネルギーは自分たちでつくっていく
創エネ)、太陽光だけでなくさまざまな再生可能エネルギーをビジネス化することで地域
にお金をまわし、くらしやすいまちにして未来へつないでいく(推譲)、こうしたことを使
命としているところがほうとくエネルギーの大きな特徴で、大規模にやっているところとの
違いはここにあるといえます。ここではすべての活動を説明するだけのスペースがないため、
ごく一部の活動事例のみをご紹介しました。全体としては以下のような活動計画で臨んでい
ます。



【巻末資料】

エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議 今後の活動計画

1 地域で再生可能エネルギーを中心としたエネルギーの自給体制をつくることに資する活動

①各地での取り組みに関する情報の収集と共有

●全国各地で計画中あるいは進行中の再生可能エネルギーを中心としたエネルギー自給の取
り組みに関する情報を収集し、データベース化し、WEBサイト上にて会員間で共有できる
ようにします。
●情報収集と取材の体制を確立します。

②行政の施策についての勉強会の開催

●各地のエネルギー自給の取り組みの紹介や、環境省等からの講師派遣を受け、国行政の助
成メニューについての説明・意見交換等を行う勉強会を開催していきます。

●月1回ペースで全国9ヵ所で開催予定。(場所、日程は今後の調整に依る)
●対象は原則、会員。入会促進の機会にもしたいので、入会希望者も参加可とします。

③先進地事例視察

●再生可能エネルギーの地域での自給体制構築に向けての動きの実例について現地視察を行
います。
●年4回程度実施予定。
●上記②の勉強会との併催も検討中。
●対象は原則、会員。入会促進の機会にもしたいので、入会希望者も参加可とします。

④各地域での志民、行政、各種諸団体との連携、協議、情報交換と啓発活動

●本会と目的を一にする団体、地域でエネルギーの自給に取り組む団体等との連携を図りま
す。
●友好団体からの情報(例えば、勉強会やイベントの案内など)を適宜判断をし、WEBサ
イト上で告知します。

2 賢いエネルギーの使い方を学び実践することに資する活動

①省エネ・創エネについての知恵・技術情報の共有

●省エと創子不の知恵とノウハウについての情報を収集し、WEBサイト上にて会員間で共
有できるようにします。
●会員事業所での成功・失敗事例に関する情報を会員間で共有できるようにします。

②省・創エネセンターとテクニカルアドバイザー(技術的専門家グループ)の設置

3.組織確立と強化に資する活動

①法人化(一般社団法人)
②機能強化

●事務局体制の充実と強化をします。
●省・創エネセンターを創設し、稼働開始します。
●PR/広報チームを設置します。

③財政基盤の強化

●収入源の創出について調査研究します。

4.積極的な意見発信と発言力の強化 に資する活動

●社会への意見発信力の強化を図ります。行政や国への提言や要望を提出していき ます。
●様々な多数の会員が活動している組織であることの発信に心がけます。

5.会員間での情報の共有と連携促進に資する活動

①会員同士の情報/意見交換の場の設営(リアル&バーチャル)

●上記の勉強会、先遅延視察などと絡めて、各地域で会員の交流の場を設けます。

6.会議

●総会の開催 2013年5月
●臨時総会の開催 2013年11月新法人立ち上げ
●地区別会議の開催

その他 今後に向けての検討課題

①持続可能な企業経営と経済の実現のための調査研究と提言発信

●この国のエネルギーの方針は二回に明確にならず、国政選挙も絡み、まだまだ混沌とした
状況が続きそうです。そんな中、2年目を迎えたエネ経会議としては、法人化を含む組織の
機能強化と会員の拡充を回りつつ、世の中の動向にアンテナを掲げつつ、今とるべきアクシ
ョンとじっくり取り組むべき課題を峻別し、迅速かつ的確に活動をしていきたいと思ってい
ます。

あとがき

東日本大震災から2年半がたち、エネ経会議発足から1年半がたちました。原発問題を含め
たこの国のエネルギー政策は国民的な議論がないまま、いまだはっきりとしていません。
原発を動かさなければという議論は、電力会社とそこにお金を貸し込んでいる一部金融機関
の財務的な経営問題に起因するものでありましょう。いつぞやの銀行の不良債権問題と同じ
姿が見え隠れします。原発という不良債権の処理を一日も早く決断することによって新しい
動きに拍車がかかります。また、使用済み核燃料という負の遺産もこれ以上増やすことをや
めなくてはなりません。

限られた天然資源と温暖化に代表される自然環境の制約、人目の減少・高齢化の中で、省エ
ネを進め、安全・安心なエネルギー体制をつくっていくことは必須です。そのことは地域が
自立した持続可能な社会のあり方を実現していくため、この国の産業構造を変えていくため
の大きな力であり、いまがそのために舵を切るチャンスなのだと思います。これからもっと
食料も子不ルギーも必要になる発展途上国にとっても、早晩わが国が経験してきた問題に直
面するであろうアジアの国々にとっても、モデルとなりるあるべき姿を示すのが世界に向け
ての日本の責務だと思います。

経済界も先の利益だけに右往左往するのでなく、あるべき姿をきちんと描いて、それに向か
って現実対応しながら∵歩一歩進んでいく。売り上げとかシェアとかだけでなく、どんな世
の中を目指すのか、そのなかで自社がどういう役割を果たしていきたいのかをしっかり示し
ていくこと。それが会社という社会の公器の経営に責任を持つ者の醍醐昧だと思います。
世界に影響を及ぼすような巨大企業の社長であろうと、私たちのような、今月の資金繰りに
頭を悩ませながら、切った張ったの商売に四苦ハ苦の日々を暮らしている地域に根差したち
っぽけな中小零細企業の経営者であろうと、会社の規模に大小はあっても志の大きさには違
いがあってはならないのだと思います。政局がどうなろうと私たち地域の中小零細企業の経
営者ができること、やるべきことは変わらないと思います。けっして政治を諦めるのではな
く、経済人としてできること、やるべきことを粛々とやっていきたいと思います。それは自
らの決心と覚悟が求められることだと自戒を忘れることなく。

さいごに、この本の出版に際してお世話になった合同出版のハ尾浩幸さんはじめ多くの皆さ
ま、なかでもボランティアそのもので対談にお付き合いくださったアドバイザーの皆さま、
エールをお寄せくださった菅原文太さん、米倉誠一郎さん、同志であるエネ経会議会員の皆
さま、勝手気ままな息子、弟、副社長を温かく見守ってくれている鈴威かまぼこの会長の智
恵子、社長の博晶、社員の皆、そして、留守がちな家をしっかり守ってくれているわが妻知
子に心より御札を申し上げます。
                                    
鈴木悌介

どっかりと地に足をつけた市民運動が展開されていくさまに触れ感銘する。方や製造責任を
忘れたかのような原発再稼動を急ぐ、支離滅裂漂う政府・大手電力会社の動き。ノーモア!
原発、ノーモア!核兵器である。


                                                        この項了

 No.184 
【量子ドット工学講座 No.52:最新量子ドットLEDディスプレー事業】

矢野経済研究所は2018年3月、量子ドット(QD)ディスプレイとその関連部材の世界市場を
調査し発表した。QDディスプレイ市場は2017年見込みが200万枚となり、前年比58.5%と大き
く落ち込んだ。その後は回復し、2019年には550万枚の市場規模が予測されている。
QDディ
スプレイは、光エネルギーを吸収、変換する機能をもつQDを液晶ディスプレイ(LCD)に応
用した製品。バックライトの消費電力を増やさずに高い色再現性を実現する。ただ、QD材料
QDシートなど関連材料が高価であることや、QD粒子にガドミウムが含まれることもあって、
QDディスプレイ搭載のTVを量産している企業が、これまでは限定的であった。
こうしたこと
から、QDディスプレイのメーカー出荷数量は、2016年の342万枚に対して、2017年は200万枚
まで落ち込む見込みだ。これに対して2018年からは、先行する韓国と中国のセットメーカーに
加えて、複数のセットメーカーやディスプレイメーカーが、QDディスプレイ搭載のTVやモニ
ターの量産を始める予定。同時に画面サイズの大型化や中級機種のTVにも搭載が見込まれる。
これらの状況を踏まえ、2018年は350万枚、2019年には550万枚へと、市規模は一気に拡大す
ると予測した。

Mar. 28, 2017

QDディスプレイ関連部材には、QD粒子とバインダーレジンを配合した溶液である「QD材料」
QD粒子を面状発光体にした「QDシート」、QDシートの上下に貼り合わせてQDの劣化を防
止する「QDシート用バリアフィルム」、発光効率や色純度を向上させる「QDカラーフィル
ター」、QDをエレクトロルミネッセンスとして用いた「QLED」などがある。
今回の調査で
は、関連部材の中でQD粒子の出荷数量(重量ベース)について予測した。2016年は3.11トン
となったが、2017年は1.9トンに縮小。しかし、2018年には3.85トンに増え、2019年は7.15
ンに拡大すると予測。
 今回の調査は、2017年12月~2018年3月に実施。QDディスプレイ関
連部材メーカー、QDディスプレイメーカー、セットメーカーなどに対し、専門研究員が直接
面談や電話/メールによるヒアリングなどを行った。調査結果は「2018年版 量子ドットディ
スプレイ部材市場の現状と将来展望」としてまとめている。

● アップル社が開発中の「MicroLED ディスプレイ」

スマートフォンやスマートウォッチに使われているディスプレイは液晶や有機ELが大多数。
Apple(アップル)社は「MicroLEDディスプレイ」をApple Watchや、ARメガネなどのAR
拡張現実)ウェアラブルデバイス用に開発中。この原理は、
ミクロなLEDを高密度に敷き詰め
ることで、有機ELをも超える明るさ、色再現度、長寿命、そして省電力性が実現できると期
待されている。
台湾紙のDigiTimes社によれば、Appleは台湾半導体ファウンダリのTSMCと共
同でふたつの大きさのMicroLEDディスプレイを開発しているとのこと。1.3~1.4インチの
Apple Watch用と、0.7インチ~0.8インチをARウェアラブルデバイス用の2種類。また、別の
プロジェクトではMacBookよりもずっと大型なデバイス用のMicroLEDも開発忠である。
これ
らのMicroLEDディスプレイは、2018年後半から2019年かけて量産予定。2018年後半の「Apple
Watch Series 4
」か、2019年の「Apple Watch Series 5」あたりで採用予定か、一方で、ARウェア
ラブルデバイス用のディスプレイの量産時期は決まっていないが、大型のMicroLEDディスプ
レイは2019年に量産予定。
このMicroLEDディスプレイは同型の有機ELディスプレイよりおよ
そ5倍ほど価格が高く、Apple Watchの最上位モデルに搭載されるのではとか普及には製造コ
ストダウンが前提とか噂されている。

 Apr. 3, 2018

AppleのMicroLEDディスプレイについては、BloombergAppleのカリフォルニア本社近くの
製造工場で開発・少量生産が開始されていると報じている。高価格が気になるが、まずはど
れだけ美しいのかをこの目で確かめる必要があると ギズモード・ジャパンは伝えている。

❑ 特開2018-044142 半導体ナノ粒子およびその製造

【要約】

コアと、コアの表面を覆いコアよりもバンドギャップエネルギーが大きくかつコアとヘテロ接
合するシェルと、を備え、光が照射されると発光する半導体ナノ粒子であって、コアが、M1、
M2、およびZを含む半導体であって、M1が、Ag、CuおよびAuからなる群より選ばれる少なくと
も一種の元素であり、M2が、Al、Ga、InおよびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の元
素であり、Zが、S、SeおよびTeからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素である半導体か
らなり、シェルが、第13族元素および第16族元素を含む半導体である半導体ナノ粒子を特徴と
する、低毒性の組成とし得る三元系ないし四元系の量子ドットからバンド端発光が得られる構
成を備えた、半導体ナノ粒子及びその製造方法を提供する。



❑ 特開
2018-049268 表示パネル、表示装置、入出力装置、情報処理装置、表示パネルの作製方法

【要約】

第1の機能層は画素回路および第1の絶縁膜を備え、第2の機能層は着色膜および第2の絶縁
膜を
備え、第1の絶縁膜および第2の絶縁膜はいずれも0.5μm以上3μm以下の厚さおよ
び3GPa以上1
2GPa以下のヤング率を備え、封止材は第1の基材および第2の基材の間
に挟まれる領域、第1の
基材および第2の基材を貼り合わせる機能を備え、構造体は第1の基
材および第2の基材の間に挟まれる領域、第1の基材および第2の基材の間に所定の間隔を設
ける機能を備え、画素は第1の基材、第2の基材および封止材に囲まれる領域、表示素子、画
素回路および着色膜を備え、表示素子は画素回路と電気的に接続され、着色膜と重なる領域
液晶材料を含む層を備え、液晶材料を含む層は上記の間隔を満たす表示パネルの提供。


 

 ● 今夜の一曲

『ときめきのルンバ』

「2009年8月19日にコロムビアミュージックエンタテインメント(現日本コロムビア)から発売され
た氷川きよしの19枚目のシングル。デビュー10周年シングル第2弾。A面の「ときめきのルン
バ」はこれまでの演歌路線とは異なり、昭和歌謡風の楽曲となる。

 

 

コメント

最新有機電子工学

2018年03月21日 | ネオコンバーテック

 

      
                                        

2 謀  攻

「目的は勝利であって戦いではない」

戦争は目的ではなく手段なのだ。したがって、戦わずに勝つのが最高の勝ち方である。それ
が「謀攻」にほかならない。謀攻は単に小手先の術策ではなく、法則性に順った頬辺のない
勝ち方をいう。

兵力に応じた戦い方

戦争に際しては、次の原則を守らなければならない。すなわち、十倍の兵力があるときには、
敵軍を包囲する。五倍の兵力があるときには、敵軍を攻めまくる。二倍の兵力があるときに
は、敵軍を分断して戦う。互角の兵力であるときには、全力を尽くして戦う。劣った兵力で
あるときには、退却する。勝算がないときには、戦わない。もしこの原則を無視し、自軍が
弱小であるにもかかわらず強気一点ばりで戦うとすれば、むざむざ強大な敵の餌食になるだ
けである。

     

 なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか  No.22   
  

● 対談5 新しい現実をつくる  

『ネイチャー・テクノロジーで未来を拓くパラダイムシフトを』 

  石田秀輝 東北大学教授工学博士

1953年岡山県生まれ。2004年㈱-NAX(現LIXIL)取締役CTOを経て現職。
ものづくりのパラダイムシフトに向けて国内外で多くの発信を続けている。2004年から
は、自然のすごさを賢く活かすあたらしいものづくり「ネイチャー・テクノロジー」を提唱。
また、環境戦略・政策を横断的に実践できる社会人の人材育成や、子どもたちの環境教育に
も積極的に取り組んでいる。ネイチャーテック研究会代表、NPO法人サステナブル・ゾリ
ューションズ理事長、ものづくり生命文明機構理事、アースウォッチ・ジャパン理事ほか。
著書に『ヤモリの指から不思議なテープ』(アリス館/2011)『未来の働き方をデザイ
ンしよう』(日刊工業新聞社/2011)『自然に学ぶ!ネイチャー・テクノロジー』(G
akkenMook/2009)『地球が教える奇跡の技術』(祥伝社/2010)など多数。

 Dec. 21, 2016  

自然は唯一、持続可能な社会をつくっている

鈴木 本日は東北大学大学院環境科学研究科石田先生の研究室にお邪魔しています。すごく
広くて、それでいてオモチャ箱みたいな感じです。ネイチャー・テクノロジーを用いたシス
テムの模型が並んでいて、ほんとうに楽しい研究室です。一軒の家の電球がネイチャーこア
クノロジーが生み出した電気でまかなえて、しかも安いという画期的なシステムを開発され
たとかで、その模型が展示されております。石田先生のご専門はそうしたネイチャーこアク
ノロジーですので、ご専門の観点からエネルギーについて語っていただきたいと思って研究
室におうかがいしました。

石田 そもそもネイチャーこアクノロジーというのは、自然のすごさを賢く活かす、自然は
完璧な循環をもっとも小さな子不ルギーで駆動している、すなわち自然のなかにはゴミがな
い。自然はわれわれが知る唯一、持続可能な社会をつくっているわけです。

鈴木 自然のなかにすでにつくられているわけですね。

石田 そうです。すでにあるわけです。1992年のリオのサミット以来、私たちは「持続
可能な社会をつくろう」といって一生懸命努力したんですが、努力すればするほど理想から
乖離してしまう。であるならば、自然というものに頭を垂れて、持続可能な社会をつくるた
めには何か必要か、自然のなかのメカニズムやシステムをもう一回見直して、新しい暮らし
方とものづくりを考えるのがネイチャー・テクノロジーで、新しいテクノロジーをつくるた
めにまずライフスタイルをつくることから始めます。私たちが何もしないと2030年には
たいへんきびしい状態になるのは目に見えていますから、きびしい制約環境のなかでも心豊
かに暮らせる、そういう暮らし方のイメージをいまからつくっていく。そのときに必要にな
るテクノロジーは何でしょうか、という問いの答えを、自然のなかから抽出して、サステナ
ブルなかたちにデザインし直して、新しいテクノロジーに変えていく。それがネイチャー・
テクノロジーの本質です。

でも、いま、快適に暮らすためにはエアコンがないといけないとか、いろんな注文がつく。
エアコンはどんどんエコになっているんですが、どれだけエコになっても電気代はかかる。
エアコンをつくるための子不ルギーが要る。だから、視点を変えて、2030年になったと
き、どんな快適な暮らし方ができるのかというと、たとえば電気を使わないで、壁や床や天
井が家のなかの空気の湿度や温度を自動的に検知して一定に保つ、そういう材料を可能なか
ぎり活用したら、電源なしでも快適な暮らしができるわけです。そういうライフスタイルを
つくるために私たちは自然のドアをノックするのです。

鈴木 ああ、なるほど、すごいですね。
石田 自然のなかにそういうテクノロジーがあるだろうと考える。私の場合はサバンナ地帯
のシロアリの巣を見つけました。昼間は50度、夜は零度と寒暖の差が大きいにもかかわらず
巣のなかは30度、プラスマイナス1度に保たれています。それを日本という高温多湿のモン
スーン地帯で使おうとするとき、一番いいのは湿度を調整することです。どのような土にも
いえることですが、実は土の中には3~10ナノメーターというものすごく小さな孔が大量に
開いていて、その孔が湿度を調整してくれるわけです。そういうメカニズムをコンパクトに
すればよいわけです

 July 6, 2017

たとえば(実物を手に持って)これは厚さ5ミリの板なんですが、実はこれがエアコンなん
です。上ですけれども、無数の小さな孔が開いていて、これを壁に貼るだけで人間が快適と
感じられるレベルに湿度が調整される仕組みなんです。そうすると体感温度がたとえば、夏
なら実際の温度より3度か4度下がるわけです。それだけで快適なんです。

鈴木 まさに、土壁のエアコンですね。
石田 土蔵をずっとシンプルにしたわけです。なんだ、日本には土蔵があるじゃないかとあ
とから気がつきました。ネイチャー・テクノロジーというのは我慢するのではなく、心豊か
に暮らすとしてもエネルギー資源を極力使わないようにしていく、それがネイチャー・テク
ノロジーの本質的なシステムの一つです。いま、電源を必要としないエアコンの導入で家庭
のエネルギー消費は、だいたい、2割か3割かは節減できると思います。

鈴木 まさかの「灯台下暗し」でした。
石田 自然はまさに宝ものの集まりです。たとえば、ヤモリの足の接着能力は強力で、ハガ
キー枚分の大きさで、約200キロの重量に耐えられます。軽四自動車のタイヤー本の接地
面積が、だいたいハガキー枚分ですから、4枚あれば車1台を吊り下げることができる。ヤ
モリの足の指には50万本もの毛が生えていて、さらにその毛の先が敷百本に分かれていて、
こすった下敷きに髪の毛がくっつくように、ナノメートルサイズの絹かく分かれた毛一本一
本と天井村との間に分子と分子が引きつけ合うファンデルワールスカが慟いてくっつく。こ
うしたヤモリの接着メカニズムがわかれば天井を走る車ができてしまう。



鈴木 驚くべきことです。
石田 汚れにくい表面を持つ材料を発見してタイルをつくったことがあります。タイルの表
面はカタツムリの殼から学びました。カタツムリの殼が汚れていることはほとんどありませ
ん。常にピカピカしています。ニワトリの卵も同じです。卵が鶏糞で汚れていても水で洗う
とつるっと落ちてしまいます。そういう表面を持ったタイルに油性ペンで線を引いたとしま
す。普通、油性ペンの跡を消そうとしたら、ベンジンやアルコール、強力な洗剤などを使わ
なければなりませんが、水で洗うだけできれいに落ちてしまいます。タイルの表面に油より
も水と結びつく性質を強く持たせたためです。カタツムリの殼の表面はタンパク質と炭酸カ
ルシウムが絡み合った複雑な構造をしていて、殼の表面の子不ルギーと水の表面のエネルギ
ーの差が殼と汚れ(油)のエネルギーの差よりも小さいために、殼と水のほうがよくなじみ、
結果として油と殼の間に水が入るので、油を浮かし汚れを落としてしまうわけです。ただし
、カタツムリの殼の表面は非常に複雑な構造ですから単純に真似るとなるとものすごいエネ
ルギーが必要になってきます。自然のすごさを大きな子不ルギーを使ってつくるとしたら本
末転倒ですから、そのまま模倣するのではなくリデザインしてエネルギーの消費を小さくす
るのがネイチャー・テクノロジーです。

自然から学ぶことはまだあります。1匹のクモが吐き出す糸は大きく分けると7種類ありま
すが、そのうち一番強度があるのが自分の体をぶら下げる牽引糸で、断面積を1平方ミリに
換算すると、10トン以上も吊り下げる力があって、クモは自分の体重の2倍くらいは余裕た
っぷりに吊り下げることができるわけです。さらにもっとすごいのは、その糸を常に2本出
していることです。1本が切れても落ちないようにもう1本でセルフビレイ(自己確保)し
ているわけです。

鈴木 ファーブル昆虫記のテクノロジー版ですね。石
田 自然のなかの虫たちが人間と同じ大きさだったら、それこそ尋常じゃない世界になりま
す。たとえばグンタイアリを人間の大きさに置き換えると重さ約4、5トンのものを口にく
わえながら時速120キロで疾走していることになります。それで「疲れた」などと言わな
いで一日中歩き続けているわけですから、まるで化け物の世界です。

 Oct. 17, 2016

エコのテクノロジーが消費の免罪符になっている「エコジレンマ」

鈴木 いつまでも聞いていたい気がしますが、先へ進ませていただきます。過去20年ぐらい
の間に、日本の電気使用量は3割ぐらい増えてまして、家庭用と産業用に分けたとき、工場
などで使う電気の量は大企業を中心とした省エネの取り組みなどでそれほど増えていないの
に、家庭用とか、業務用とかが増えているために全体の使用量が押し上げられています。技
術革新が進んで省エネ家電に切り替わったために、たとえば家庭用電気冷蔵庫の使用電力量
10年前に比べて半分になりました。なぜ、省子エネ家電になって個々の使用量が減ったと
いうのに家庭用全体の使用量が増えてしまうのか不思議でならないわけです。

石田 それをエコジレンマといっています。エアコンと冷蔵庫だけみても、冷蔵庫の電気使
用量は15年前の2割弱、エアコンは15年前の6割です。省エネ家電が大量に市販されて家庭
に入っているのに、家庭用のエネルギー消費は1990年に調べて1・3倍以上なんです。
日本は世界最高レベルのエコテクノロジーを持ち、日本人は世界最高レベルのエコ意識を持
っているのですが、これらを合わせると、環境劣化が加速してしまう。これがエコジレンマ
なんです。

この構造というのは、わかってしまえば当たり前のことですが、耳もとで「これとこれがエ
コ」とささやかれると「エコなんだから、エアコンをもう1台買おうか」「テレビもエコな
んだから、もう少し大きくしてみようか」「エコカー質ったんだから、週末には遠乗りして
みようか」となってしまう。エコによって増える消費のほうが、エコの技術によって環境の
劣化を抑える力よりもはるかに大きい。エコのテクノロジーが消費の免罪符になっているわ
けです。エコポイントだとか、高速道路の週末割引で、「国のお墨付きまでついたんだから
質っていいでしょ」ということになっていく。

Aug. 10, 2016

鈴木 結局、冷蔵庫をもう1台買ってしまったとか、テレビを大きくしてしまうとか、エア
コンを各部屋につけてしまうとか、われわれはそれが快適で豊かな暮らしだと思ってきたわ
けですね。その結果として電気使用量が増えてしまった。ところが、「3・11」後の冬、
家族でリビングルームで過ごす時間を増やして、個室の電灯やエアコンをできるだけ使わな
いようにしました。いままで忘れていた団欒を取り戻したわけですが、「これって、なかな
か豊かじゃないか」と実感しました。そういうふうに改めて気がついた部分があります。

石田 私たちが享受してきた豊かさは「物質的な豊かさ」なんですね。そして、いま、日本
人は物質的に豊かさの頂点にいる。ところが、人間は物質的に豊かになるとさらに豊かにな
ろうとする。それを否定するわけではないんですが、従来と同じ方向で豊かになろうとして
も、資源も、エネルギーも、やがてなくなるとわかっているわけですから、これはきびしい。
豊かさの価値観そのものを変えないといけないのに、変わっていないというか、どういうふ
うにみたらよいかわからないというのが問題なんです。

いま、まさにおっしゃったように、豊かであるというのはエコ商材がいっぱいあることだと
宣伝もするし、物質以外の豊かさを感じる機会が私たちにはあまりなかった。都会から地方
に来たり、自然が好きだとか、現実にそういう兆候が現れてきてはいますが、まだ具体的に
豊かさのかたちになってはいないんですね。だから、いまは「何かと何かを置き換えて、豊
かさを実感する」という段階に留まっていて、いわば足し算なんです。
「資源も、エネルギーも、もうないですよ」といわれながら足し算という選択肢しかないわ
けです。そうではなくて、豊かさを具体的なかたちにするような新しい価値観の足場という
ものを考えていかないといけないのです。

鈴木 そうですよね。身のまわりに物を持つことが豊かさだと信じ込まされてきて、結果と
して物はたくさんあるけれども豊かな感じはあまりなくて、一生懸命やっている割には「こ
れでいいの?」みたいに疑問符がついてしまう。

『エコジレンマ』ですかこれは面白い。エコトリレンマ、クワトロレンマもあるかもしれま
せんね。

                                   この項つづく

 

   No.174

【最新有機電子工学】

● 視認性抜群の小型有機ELパネル



❑ 特許事例1

特開 2018-028996
有機EL素子用の保護膜の形成方法、表示装置の製造方法および表示装置

【概説】

エレクトロルミネッセンスを利用した有機エレクトロルミネッセンス素子(organic electrolu-
minescence device)の開発が進み、この素子は、有機EL素子と呼称され、電圧を印加した
際に発光する電流注入型デバイスであり、ダイオード特性を示めす有機発光ダイオード(
Organic Light Emitting Diode:OLED)とも呼ばれている。有機EL素子は、水分に弱いため、
有機EL素子を覆うように保護膜を形成して、有機EL素子への水分の伝達を防ぐことが望
ましい。有機EL素子用の保護膜においても、性能を向上させることが望まれる。本件は、
下図のように、有機EL素子を有する表示装置の製造方法で、基板11上に有機EL素子を
形成する工程と、有機EL素子を覆うように保護膜16を形成する工程と、を有する。保護
膜16は、Siを含有する絶縁膜16aと、Alを含有する絶縁膜16bと、Siを含有す
る絶縁膜16cとを有する積層膜からなる。保護膜16を形成する工程は、有機EL素子を
覆うように絶縁膜16aをプラズマCVD法を用いて形成する工程と、絶縁膜16a上に絶
縁膜16bをALD法を用いて形成する工程と、絶縁膜16b上に絶縁膜16cをプラズマ
CVD法を用いて形成する工程を経て、有機EL素子用の保護膜の性能の向上させる製造方
法を提供している。


図3 表示装置の要部断面図
図4 表示装置の製造工程を示す工程フロー図
図5 同保護膜形成工程を示す工程フロー図
図6 表示装置の製造工程中の要部断面図
図22 保護膜の水分透過率について実験した結果を示すグラフ

【符号の説明】

1  表示装置 2  表示部 3  回路部 9  ガラス基板 10  基板 11  基板 12 
パッシベーション膜 13  電極層 14  有機層 15  電極層 16  保護膜 16a,
16b,16c  絶縁膜 17  樹脂膜 21  成膜装置 22  ロードロック室 23 
トランスファチャンバ 24,25,26  チャンバ 27  処理対象物 31  ステージ
32  シャワーヘッド 33  アンテナ 34  排気部 41  ステージ 42  上部電極
43  排気部 44  ガス導入部 45  ガス排出部 PH  ピンホール

尚、図22には、試料A、試料Bおよび試料Cについて、WVTRWater Vapor Transmission
Rate
)をCa法(カルシウム法)で測定した結果が示す。試料Aは、プラズマCVD法で形
成した窒化シリコン膜の単層により保護膜を形成した場合に対応している。試料Bは、プラ
ズマCVD法で形成した窒化シリコン膜と、その上にALD法で形成した酸化アルミニウム
膜との2層により保護膜を形成した場合に対応している。試料Cは、プラズマCVD法で形
成した窒化シリコン膜と、その上にALD法で形成した酸化アルミニウム膜と、その上にプ
ラズマCVD法で形成した窒化シリコン膜との3層により保護膜を形成した場合に対応して
いる。試料Aと試料Bと試料Cでは、それぞれ、基板上に保護膜を形成してあり、その保護
膜のWVTRをCa法で測定している。また、試料Aと試料Bと試料Cとで、保護膜の厚さ
は同じにしてある。なお、試料Aと試料Bは、上記「検討の経緯」の欄で述べた保護膜に相
当し、試料Cが、本実施の形態の保護膜16に相当。

また、 図22のグラフに示されるように、WVTR(単位:g・m-2・day-1)は、試料
Aが1.7×10-3で、試料Bが3×10-4であるのに対して、試料Cは、検出限界以下
であり、1×10-6以下であった。この結果から、試料Aおよび試料Bに比べて試料Cは、
保護膜の水分透過率が非常に小さくなっていることが分かる。これは、保護膜16に相当す
る試料Cの保護膜が、試料Aや試料Bの保護膜に比べて、水分を通過させにくく、水分の侵
入を防止する膜として非常に優れていることを示す。上述のように、絶縁膜16aとその上
の絶縁膜16bとその上の絶縁膜16cとの積層膜を、水分防止膜として用いることで、有
機EL素子に水分が伝達されるのを的確に防止することができる。

     

❑ 特許事例2

特開 2018-04161018 有機EL表示装置 

【概説】

有機EL表示装置は、例えば、液晶表示装置と比較して、自発光体を用いているため、視認
性、応答速度の点で優れているだけでなく、バックライトのような照明装置を要しないため、
薄型化が可能となっている。有機EL表示装置では、発光効率を向上させるため、種々の検
討がなされている。例えば、特許文献(特開2006-302879号)に開示されるように、キャッピ
ング層を設ける方法が提案されている。この
方法によれば、有機発光ダイオードからの光を
効率良く外部に出射させて発光効率を向上させ得るが、さらなる発光効率の向上が求められ
ている。そこで、本発明は、発光効率に優れた有機EL表示装置を実現にあって、下図3の
ように、有機EL表示装置であって、有機EL層と、有機EL層の光の出射側に配置される
上部電極と、発光材料を含み、上部電極の有機EL層が配置される側とは反対側に配置され
る発光材料含有層とを有し、発光材料が有機EL層から発光した光により発光する構成構造
/構造技術が提供されている。



図1 有機EL表示装置の回路構成の一例を示す概要図
図2 有機EL表示装置の回路図の一例を示す図
図3 有機EL素子構造の断面の一部を示す断面図
図4 有機EL表示装置の各発光素子を対比して示す層構成図

【符号の説明】

10  有機EL表示装置、11  表示領域、12  データ駆動回路、13  走査駆動回路、
14  走査線、15  データ線、16  電位配線、17  第1の電位供給配線、18  第2
の電位供給配線、20  ドライバトランジスタ、21  ソース電極、30  スイッチトラン
ジスタ、40  蓄積容量、50  付加容量、60  有機発光ダイオード、100  基板、
201  第1の発光素子、202  第2の発光素子、203  第3の発光素子、401 
TFT層、402  平坦層、403  金属層、404  絶縁層、405  アノード電極、
406  バンク層、407  有機EL層、408  カソード電極、409  第1の封止膜、
410  第2の封止膜、411  第3の封止膜、421  第1のキャッピング層、422 
第2のキャッピング層、420  発光材料含有層

 Mar. 19, 2018  The Washington Post

● 今夜の寸評:世界の反動リスク

ぼんくらや偏重のリーダーが世界を跋扈しガチャガチャするのはするのはいいが、その責任
は取れない(取らない)リスクが残こされるだけである。ここでの肝は「易きに衝かず」だ
が、それができればことは丸く収まる。

  ● 今夜の一曲

YELL』 いきものがかり 作詞/作曲:水野良樹

「“わたしば”、今とこに在るの」と

踏みしめた足跡を何度も見つめ返す

枯葉を抱合秋め<窓辺に

かじかんだ指先で夢を描いた

翼はあるのに飛べずにいるんだ

ひと引こなるのが恐<てつらくて

優しいひだまりに肩寄せる日々を

越えて僕ら孤往な夢へと歩<

サヨナラは悲しい言葉じゃない

それそれの夢へと僕らを繋ぐYELL

ともに過ごした日々を胸に抱いて

飛び立つよ独りで未来(つぎ)の空へ.....



 

コメント

全固体電池革命

2018年03月09日 | ネオコンバーテック

 

               尽心(じんしん)    /    孟子    

                                 

         ※ 心は活かして使え:伺かの機会に、ああ、かわいそうだと感じること
              がある。そのときの心を、ふだん平気で見すごしていた事がらにまで
              広めたもの、それが仁である。また、絶対によくないことだ、やるま
              いと決心することがある。そのときの心を、いままで平気で行なって
              きた事がらにまで広めたもの、それが義である。

       たとえば、他人を不幸にしたくないと思う心を拡大するなら、かぎり
       なく大きな仁となる。盗みははたらくまいと思う心を拡大するなら、
       かぎりなく大きな義となる。他人から名を呼び棄てにされたくないと
       いう気持を大切にし、自分にそれだけの実質を育ててゆくならば、行
       なうことすべて義の道に適うのである。

       盗みにもいろいろある。言うべきでないのに言い出すのは、何かを探
       り出す魂胆なのだ。言うべきことを言い出さないのも、やはり沈黙で
       何かを探り出す魂胆なのだ。これらも盗みのたぐいである。



     No.166

【蓄電池篇:最新全固体蓄電池技術】 

再生可能エネルギーこと自然エネルギーの世界的シフトの時代にあって、移動体用と定置用二次
電池の
大容量化の有力候補として、全固体蓄電池による革命がはじまっている。このブログでも
不定期に関連情報とその深掘りを行ってきたが、今夜も最新特許事例を掲載することでわたし(
たち)の(タイムライン上の)立ち位置を確認しておきたい。

周知の通り、
リチウムイオン二次電池は、負極と、正極と、負極及び正極の間に挟まれた電解質
とを有し、両極間にリチウムイオンを往復移動させることにより充放電を可能とした蓄電池。リ
チウムイオン二次電池には、従来、電解質として有機電解液が用いられてきたが、有機電解液は
液漏れを生じやすく、また、過充電または過放電により電池内部で短絡が生じ発火するおそれも
あり、信頼性と安全性のさらなる向上が求められている。

このような状況下、有機電解液に代えて、無機固体電解質を用いた全固体二次電池が注目されお
り、全固体二次電池は負極、電解質および正極のすべてが固体からなり、有機電解液を用いた電
池の課題とされる安全性ないし信頼性を大きく改善することができ、また長寿命化も可能になる
とされる。さらに、全固体二次電池は、電極と電解質を直接並べて直列に配した構造とすること
ができる。そのため、有機電解液を用いた二次電池に比べてエネルギー高密度化が可能となるの
で、電気自動車や大型蓄電池等への応用が期待されている。

❑ 特開2018-037230  全固体二次電池用負極シートおよび全固体二次電池の製造方法

【概要】

次世代のリチウムイオン電池として全固体二次電池の開発計画が進められている。❶例えば(下
図、特開2001-102066 参照)、活物質を酸化物ガラスで結着して成る正極と負極との間に酸化
物系無機固体電解質を介在させた発電要素を、グラファイトシートから構成した集電体を介し、
直列に積層/極群させたリチウム電池が、高エネルギー密度で、安全性と信頼性に優れる技術が
公開されて、全固体二次電池の開発の進行とともに、容量密度の向上やサイクル特性の向上等、
全固体二次電池の高性能化に対する要求が高まっており、上記の記載事例は、集電体をグラファ
イトシートの単層で形成することにより、集電体の重量を低く抑え、また電極と集電体との接触
抵抗も低減しているものの、❷グラファイトシートは、高分子フィルムを高温(例えば、2400℃)
で熱処理するため、ヘテロ原子を多く含有し、グラファイト構造とは異なり、リチウムイオンの
吸蔵量(容量密度)が不十分である。❸また、負極活物質がランダムに配置されていることによ
り、活物質の体積変化もランダムに発生し、充放電を繰り返すと、活物質間に間隙が生じ、サイ
クル特性が十分でなく、容量密度の向上およびサイクル特性の向上に対する要求に十全な対応が
困難である。このように
、ヘテロ原子の含有量を特定量以下に抑えたグラファイトシートが、全
固体二次電池において、負極集電体として機能するだけでなく、負極活物質層としても機能する
こと、充放電に伴う体積変化の方向を膜厚方向に規制でき、電池の長寿命化にも寄与する。 



下図のように、全固体二次電池の負極として用いることにより、優れた容量密度およびサイクル
特性を実現できる全固体二次電池用負極シートおよび全固体二次電池を提供にあって、周期律表
第1族また第2族に属する金属のイオンの伝導性を有する無機固体電解質(A)を含有する固体
電解質層を、ヘテロ原子 質量%以下のグラファイトシート(B)上に有する全固体二次電池用
負極シート及び全固体二次電池を提供する。



【符号の説明】

1 負極集電体兼負極活物質層(負極) 2 固体電解質層 3 正極活物質層 4 正極集電体 5 作動
部位 10 全固体二次電池 11 2032型コインケース 12 全固体二次電池用シート 13 イオン伝
導度測定用治具または全固体二次電池

 【表4 電池評価】



【特許請求範囲】

    1. 周期律表第1族又は第2族に属する金属のイオンの伝導性を有する無機固体電解質
      (A)を含有する固体電解質層を、ヘテロ原子1質量%以下のグラファイトシート(
      B)上に有する全固体二次電池用負極シート。
    2. 前記固体電解質層が、分散剤(C)を含む請求項1に記載の全固体二次電池用負極シ
      ート。
    3. 前記分散剤(C)が下記一般式(1)で表される請求項2に記載の全固体二次電池用
      負極シート。 式中、αは環構造を示し、Rは環α構成原子と結合している置換基
      を示し、mは1以上の整数を示す。mが2以上の場合、複数のRは同じでも異なっ
      てもよい。隣接する環α構成原子に結合するR1同士は、互いに結合して環を形成し
      てもよい。
    4. 前記グラファイトシート(B)が複数の孔を有し、真密度(g/cm)>前記無機
      固体電解質(A)が硫化物系無機固体電解質である請求項1~4のいずれか1項に記
      載の全固体二次電池用負極シート。に対する見かけ密度(g/cm3)の割合が60
      ~98%である請求項1~3のいずれか1項に記載の全固体二次電池用負極シート。
    5. 前記無機固体電解質(A)が硫化物系無機固体電解質である請求項1~4のいずれか
      1項に記載の全固体二次電池用負極シート。
    6. 正極活物質層と、請求項1~5のいずれか1項に記載の全固体二次電池用負極シート
      とを具備する全固体二次電池。

❑ 特開2018-037341 全固体電池の製造方法

【概要】

下図のように金属アルコキシドを原料としたLAGP  が含まれる正極層と負極層を備えた全固体電
池の製造方法を提供にあって、一体的な焼結体からなる積層電極体を備えた全固体電池の製造方
法であって、非晶質のLAGPと正極用の電極活物質、および非晶質のLAGPと負極用の電極活物質
を混合した正極材料、および負極材料を作製するステップと、層状の正極材料と負極材料との間
に層状の固体電解質材料を挟持してなる積層体を焼成して積層電極体を作製するステップ(s6b)と
を含み、正極材料と負極材料の作製ステップでは、水系ストック溶液と金属アルコキシドを含ん
だ有機系ストック溶液との混合溶液に粉体状の電極活物質を混合し(s1a、s1b、s2、s10)、混合溶液
と電極活物質との混合物を不活性雰囲気で焼成よりも低い温度で熱処理し(s6a)、焼成ステップで
は、不活性雰囲気で650℃以下の焼成温度で積層体を焼結させる技術を提供する。

図2

【概説】

積層電極体の製造方法としては金型を用いて原料粉体を加圧して得た成形体を焼成する方法(以下、
圧縮成形法とも言う)や周知のグリーンシートを用いた方法(以下、グリーンシート法)などがある。
圧縮成形法では、金型内に正極層、固体電解質層、および負極層の各層の原料粉体を順次層状に
充填して一軸方向に加圧することによって得た成形体を焼成して積層電極体を得る。


グリーンシート法は、正極活物質と固体電解質を含むスラリー状の正極層材料、負極活物質と固
体電解質を含むスラリー状の負極層材料、および固体電解質を含むスラリー状の固体電解質層材
料をそれぞれシート状(グリーンシート)に成形するとともに、固体電解質層材料のグリーンシー
トを正極層材料と負極層材料のグリーンシートで挟持した積層体を焼成して焼結体にすることで
作製される。なお正極層および負極層(以下、電極層とも言う)に含まれている固体電解質は、粉
体状の正極活物質および負極活物質の表面に被膜されつつ、電極活物質の粒子間に介在すること
で電極層でのイオン伝導性を発現させる機能を担っている。

正極活物質や負極活物質(以下、総称して電極活物質とも言う)としては従来のリチウム二次電池
に使用されていた材料を使用することができる。また全固体電池では可燃性の電解液を用いない
ことから、より高い電位差が得られる電極活物質についても研究されている。固体電解質として
は、一般式LiaXbYcPdOeで表されるNASICON型酸化物系の固体電解質があり、このNASICON型酸
化物系の固体電解質としては、以下の特開2013?45738号公報に記載されているLi1.5Al0.5Ge1.5(PO4)3
(以下、LAGPとも言う)がよく知られている。そしてLAGPの作製方法としては、金属アルコキシド
を原料とした周知のゾルゲル法があり、非特許文献1(Masashi Kotobuki, Keigo Hoshina, Yasuhiro-
Isshiki
, Kiyoshi Kanamura、「PREPARATION OF Li1.5Al0.5Ge1.5(PO4)3 SOLID ELECTROLYTE BY
SOL-GEL METHOD」、Phosphorus Research Bulletin 、Vol.25(2011)、 pp.061-063
)にはゾルゲル法に
よるLAGPの作製方法について記載されている。また非特許文献2(大阪府立大学 無機化学研究グ
ループ、"全固体電池の概要"、[online]、[平成28年8月1日検索]、インターネット<URL:http://w

ww.chem.osakafu-u.ac.jp/ohka/ohka2/research/battery_li.pdf>
)には全固体電池の概要について記載さ
れている。

【特許請求の範囲

    1. 一体的な焼結体で、正極用の電極活物質と固体電解質を含む正極層、固体電解質を含
      む固体電解質層、および負極用の電極活物質と固体電解質を含む負極層がこの順に積
      層されてなる積層電極体を備えた全固体電池の製造方法であって 一般式Li1.5Al0.5
      Ge1.5(POで表されるLAGPを前記固体電解質として、非晶質状態の前記
      LAGPと前記正極用の電極活物質とを混合した正極材料と、非晶質状態の前記LA
      GP
      と前記負極用の電極活物質とを混合した負極材料を作製する電極材料作製ステッ
      プと、層状の前記正極材料と層状の前記負極材料との間に、前記LAGPを含んだ層
      状の固体電解質材料を挟持してなる積層体を焼成することで前記積層電極体を作製す
      る焼成ステップと、を含み、前記電極材料作製ステップでは、前記LAGPのリチウ
      ムとリンの起源となる原料を含んで水を溶媒とした水系ストック溶液と、前記LAG
      のゲルマニウムとアルミニウムの起源となる金属アルコキシドを含んでアルコール
      を溶媒とした有機系ストック溶液との混合溶液を用いたゾルゲル法によって前記LA
      GP
      を作製するLAGP作製ステップと、前記混合溶液に粉体状の電極活物質を混合
      する活物質混合ステップと、前記混合溶液と前記電極活物質との混合物を不活性雰囲
      気で前記焼成ステップにおける温度よりも低い温度で熱処理して非晶質の前記LAG
      を生成させるガラス化ステップと、を実行し、前記焼成ステップでは、不活性雰囲
      気で650℃以下の焼成温度で前記積層体を焼結させる、ことを特徴とする全固体電池
      の製造方法。
    2. 請求項1において、前記LAGP作製ステップでは、前記有機系ストック溶液を露点
      -40℃以下の乾燥雰囲気で調合することを特徴とする全固体電池の製造方法。
    3. 請求項1において、前記LAGP作製ステップでは、前記有機系ストック溶液を露点
      140℃以下の乾燥雰囲気で調合することを特徴とする全固体電池の製造方法。
    4. 請求項1または2において、前記焼成ステップでは、200℃/h以上の速度で前記
      焼成温度まで昇温させることを特徴とする全固体電池の製造方法。
    5. 請求項1~3のいずれかにおいて、前記LAGP作製ステップでは、前記水系ストッ
      ク溶液の溶媒である水のモル数を、前記有機系ストック溶液の溶媒であるアルコール
      のモル数で割った比が0.1以上5未満となるように前記混合溶液を調合することを
      特徴とする全固体電池の製造方法。
    6. 請求項4において、前記LAGP作製ステップでは、前記水系ストック溶液と前記有
      機系ストック溶液との混合溶液に、さらに前記アルコールを追加することで前記比が
      0.1以上5未満となるように当該混合溶液を調合することを特徴とする全固体電池
      の製造方法。
    7. 請求項1?5のいずれかにおいて、前記LAGP作製ステップでは、前記水系ストッ
      ク溶液の溶媒である水のモル数を、前記有機系ストック溶液中の前記ゲルマニウム
      の起源となる金属アルコキシドのモル数で割ったときの比が170以下で、前記水の
      モル数を、前記アルミニウムの起源となる金属アルコキシドのモル数で割ったときの
      比が523以下となるように前記混合溶液を調合することを特徴とする全固体電池の
      製造方法。

以上、今夜は2つの事例しか掲載しなかったが、要注目情報である。眠れぬ夜が続く。実に面白い
時代だが、健康管理が大事で「インフル花粉症」「虫歯」「膀胱炎」などなど対策もある。凄い
時代だね、だよねぇ。


     

 なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.15   
  

    ● 対談3 新しい現実をつくる  

   『3・11以降は、この国のありようを変えるチャンス』    

                              河野太郎 衆議院議員・現外務大臣  

 

自民党所属。1963年神奈川県生まれ。慶臆義塾大学経済学部中退。アメリカ・ジョージタウ
ン大学卒業。アメリカ滞在中、ワシントンで政治活
動にもかかわり、アメリカの大統領選挙に立
候補したアラン・クランスト
ン上院議員の遺財本部の財務部門でボランティアをしたり、リチャ
ード・
シェルビー下院議員の下でインタjンを務めた。帰国後、富士ゼロックスに入社。2年間
のシンガポール勤務などを経て、日本端子に入社。1996
年に衆議院選挙で初当選。核燃料サ
イクルには明確に反対しており「原子
力は経済採算性は合わない≒原子炉の新設はしないという
ことを政治主導
で決めるべき」と語っている。著書に『私が自民党を立て直す』(洋泉社新書/
2010)『原発と日本はこうなる南に向かうべきか、そこに
住み続けるべきか』(講談社/2
011)『「超日本」宣言わが政権構想』
(講談社/2012)、共著に『「原子カムラ」を超
てポスト福島のエネ
ルギー政策』(NHKブックス/2011)などがある。

  中小企業ができること、守りたいこと

 鈴木 私どもエネ経会議は地域の中小企業の経営者の集まりですが、いわゆる電気エネルギ
 ーを使わせてもらっている立場からすると、前もって15パーセントを数時間という
ことを
 言ってくれれば、いくらでも事前に手は打てるんですね。24時間ずうっと15パー
セント
 ということだとなかなか難しいかもしれませんが、ちゃんとした活か何ヵ月か前
に出てくれ
 ば十分に対策はできるんです。あとは総電力使用量を節電しながらどうやっ
て減らしていく
 かということをじっくり考えていくだけです。
 それにつけても、もったいないと思うこと
 があります。中小企業のオヤジというのは機械を買うと長く使うにはどうしたらよいか、耐
 用年数が10年のものでも15年、20年使うにはどうしたらよいかを考えるわけです。ところが、
 冷蔵庫や冷凍庫は技術革新が進んで、10年前に比べると電気の使用量が2割、3割少なくて
 済むわけですね。それなのに替えない。心のどこかにスケベ心があって、そのうち原発が動
 いてしまって電気代が下がってしまったら投資しただけ損してしまう、そういうソロバンを
 はじくためです。

 逆に考えれば、とりあえず原発なしでやってみようということがきちんとした方針として打
 ち出されれば、私たちは別のソロバンをはじいて、新しい設備に替えれば3年、5年で元が
 取れるなと思ってコ介に動くわけです。そうすると、結果的に新しいビジネスチャンスが生
 まれてきますし、技術革新が一層進むでしょうし、さらに電力使用量が減るという、よりよ
 い循環が生まれると思うんです。それなのに、このチャンスをなんで逃しちゃうのかな、何
 を言ってもダメなのかな、そう思えてしまうのが残念でなりません。

 ただ、純粋に考えてみれば、私たちに日本の国民の力を信じて、経営者のそういうたくまし
 さを信じて号令かけてくれれば、われわれがコ介に努力しますから、今年の夏を乗り切るの
 くらいわけなくできると思います。実際に2011年の夏はやりましたから。

 河野 やりましたねえ。あれを毎年やれと言われてもなかなか、きびしいけれども、ひと夏
 きちんと計画を立てて節電をやりましょうよといえば、かなりの節電ができると思う。去年、
 あれだけ節電してバブル時の電力使用量に戻りました。バブルのときから電力使用量が相当
 伸びていますから、抑えようと思ってやれば抑えられると思うし、税制をうまくするとか、
 規制緩和をやるとか、償却期回を変えるとか、後押しをすることは可能だと思います。

 鈴木 中小企業の経営者として、日々、売り上げをどう上げるかとか、今月の給料を社員に
 払えるかなど、切った、張ったに明け暮れているわけですが、心のどこかでふるさとをどう
 やって先へ渡していくか、そういうことを考えています。私たちは小田原でかまぼこをつく
 っておりますが、万がI、小田原でやれなくなってしまったとき、どこかへ行ってやろうと
 しても難しい。それを考えると、小田原というふるさとは未来から借りたものだから未来に
 どう返していくか、そういう思いが深まってきます。そうはいっても目の前のソロバンは犬
 切なので、両方が成り立つように考えていくと、いま、よりはるかにいいでしょう。そうい
 うやり方を選択するにはやっぱり分散型の再生可能エネルギーが向いています。地方の活性
 化の切り札にもなりえるでしょう。



  この国を変えていくターニングポイント

 鈴木 今回の原発の問題、エネルギーの問題は、それだけにとどまらず、地域のあり方、地
 域の独立、地域と国の関係ということもクローズアップされたように思います。
 河野 ありようを変えるチャンスですよ。

 鈴木 いい意昧での最後のチャンス、大震災の直後で難しいかもしれませんが、チャンスで
 あることは間違いないと思います。日本人は戦争をして原爆を経験してと、いままで何度も
 危機を乗り越えてきていますし、今度も乗り越えられると思います。鍵は私たち自身が腹を
 くくれるかどうかではないでしょうか。

 河野 政治家がビジョンをちゃんと見せて、向こうにはこういう日本があるよという具合に、
 具体的に示すことが大事だと思いますね。

 鈴木 ところが、なかなかそうなっていかない。カベはやはり利権の構造でしょうか。それ
 とも電力会社の問題もあるのでしょうか。たとえば、経営に変更が利かない何か特有の難問
 を抱えているとか。
 河野 でも、いまの総括原価方式だと、よっぽどヘマをしないかぎり赤字にはならないわけ
 ですから、こんな楽な経営方法はないと思いますよ。
 鈴木 結局、そこなんでしょうかね。だから、会社のトップに立つと俺の代で変えるような
 ことは言えないという……。

 河野 東京電力の荒木浩さんという社長、会長、相談役をやられた方は電力会社を普通の会
 社にしないといけない、電力業界を普通の業界にしないといけない、これが私の使命だとお
 っしやった。東京電力のスキャンダルで責任を取らされてしまったのが残念です。
 ところで、電力会社の中は原子力をやっている部局だけではないので、たとえば六ケ所村の
 再処理工場をどうするかというようなとき、たぶん、電力会社としては後ろ向きだったと思
 うんですよ。それなのに原子力をやっている部門がもう前のめりになっちやった。「産道に
 出てきた赤ん坊はとめられない」みたいな東電の南直哉元栓長の名言があって、実は、みん
 ながおかしいと思っているけど、とまらなかった。いまだに六ケ所村の再処理工場は問題だ
 らけで動かない。あれだって何月に竣工しますといって、直前になって延期を19回している
 わけだから、それも、ぎりぎりまで間に合うふりをしてです。



 鈴木 究極の責任の先送りという気がしますよね。よくダーウィンの進化論を持ち出してき
 て、生き残る者は大きいとか小さいとかに関係なく、いかに変化に対応するか、その術を心
 得ているからだといわれます。マネジメントの教科書にそれがよく出てきます。
 確かに現実に世の中がどのように変わっていくか、的確に早めに読んで、それに合わせてい
 くというこどが大切なんですが、どうも日本の企業を見ていると、特に大企業になればなる
 ほどそればかりやってきているような気がしてなりません。
 たとえば、原発をやってきた3栓は巨大企業じやないですか。世界的にも影響力のある企業
 でありながら、トップが「これからの世界の子不ルギーはこうあるべきだ。その中でわが栓
 はこういう役割を演じたいと思っています。だから、こうします」と、なんでそういう言い
 方が出てこないのかと不思議に思います。極論ですが、あれで会社の経営をやっていておも
 しろいのかなと思ってしまいます。

 河野 われわれが地方へ行くと、地方の経済界を背負っているのは必ずその地域の電力会社
 で、みんなそこを向いちゃっています。この地域の経済はこうやろうぜという前にもう最初
 から電力会社を筆頭に序列ができていて、そこがエスタブリッシュメントで、枠外みたいな
 のが騒いでいるというようなパターンをよく見受けます。それが中央へ行くと経団連があっ
 て、IT企業やら何やら新興企業が騒いでいる。そうじゃないと思うんですよね。やっぱり、
 会社だって寿命があって変わっていくなかで、どうやって老舗の地位を守っていくか。うち
 は社会にこういう貢献をしている、そこで利益をもらっている。老舗には老舗の行持がある
 と思います。

 鈴木 大きな上場会社というのは社会貢献という面でもものすごく能力が高いだろうと思い
 ます。だけどスタンスというのが、自分が社長の間はいかに株価をきちっとキープするか、
 そういうことが優先されてしまって、「もしかしたら直近の時点では会社にとってマイナス
 かもしれないけれども、近い将来のことを考えたらやるべきだ」という会社としての決断が
 なかなかしにくい。
 政治の世界も同じようなことではないかと思いますが、総理大臣になってもこの国は物事が
 決められない、変えられない。私たちはけっして政治をあきらめてはいけないと思いますが、
 それはそれとして自分たちにこれならできるというところから始めて、小さいことから動か
 していく。自分の会社とか、地域とかでやれるところで変えていく。
 小さいからできるということがあるはずなので、それを無数に連ねていけば、ゆくゆくは大
 きな力になるのではないかというのが私たちの考えです。
 とりあえず再生可能エネルギーに関しては、日本ではまだ数パーセントなので、あんなもの
 は頼みにならないという議論がありますが、「自分の会社は20パーセントやっている」「
 自分の地域はやっと5パーセント」とか、そういう規模であればできますよね。きなり30
 パーセント、50パーセントやろうとしてもできませんが、自分の影響力の及ぶ範囲で始め
 る、その仲間を無数に全国規模で連ねることができたら、おのずと20パーセント、30パ
 ーセントという規模に達するのではないかと思います。いまの経済界にいくら言っても変わ
 らなければ、自分たちでやれることから連やかに着手して新しい現実をつくっていこうとい
 うことなんです。



   市民が参加する政治ヘ

 河野 本当は政治がもう少しきちんと対応しないといけないんでしょうけど、大企業の取締
 役会が機能していないのと同じことで、政治も予定調和というか、表で議諭しないから、与
 野党で裏で協議して結論が出てから表に出てくるというかたちだから、なかなか真剣に議論
 できない。国民の前で本音で議論して決めるのが本当なのに、大企業も、国会も、オープン
 にして真剣な議論ができない。特に大企業は中から選ばれてきているから、どこを向いてい
 るかというと中を向いているような気がするんですよね。政治もそうやってなんとなく押し
 出された人がとりあえず中を見て、外を顧みない。それを変えないといけない。

 鈴木 日本人にそれがやれるんだろうかと、最近、私は懐疑的になりかけているんです。

 河野 それこそ学校から自治会から神社の総代会まで阿吽の呼吸が幅を利かせていることが
 確かに事実としてあって、そこで何か言うと「空気が読めないヤツだ」なんていうことにな
 っちゃう。みんながボランティアでやっている神社の総代なんかはみんなで気を遣いながら
 やらなきやいけないと思うけれども、世の中で選ばれて仕事でやっている政治は別物だと思
 うし、企業だって会社を背負って指揮命令系統で動いているわけだから、「仕事だろ」とい
 う部分がある。それがなんとなく混同されて一体化してしまっているところに問題の根があ
 るように思います。

 鈴木 いま、一つの政治のスタイルとして、いわゆるプロの政治家にお任せするのではなく
 て、自分たちの問題として街のことも考えて、自分たちの意見として直接いってやっていく
 という、そういう市民参加型の政治がこれからの姿だという見方もあると思うんです。日本
 にふさわしいのはどっちなんでしょうか。

 河野 もともと日本はみんなのことはみんなで決めてきたわけです。多少、空気を読みなが
 らというところはあるかもしれないけれども。ところが、最近、市役所なんかへ行くと「5
 番の番号杜をお持ちのお客様」と言う。市役所が市民を「お客様」と言っています。あなた
 はお客で、われわれは行政をやる、そりゃ違うだろと思います。みんなでやっていくことが
 大事なのに、それを「俺はお客様だから、これこれやってくれ」と言い、やっている側も「
 税金をもらっているんだからやりましょう」みたいなかたちにしてしまうと、その代わり税
 金もどんどん高くなりますよ。でも、それはお客様のニーズですからみたいな話にしてしま
 いかねない。

 鈴木 そのうち、言うこと聞かなくなってしまうわけですよね。勝手なことを言うヤツだか
 ら、ほっとけみたいな。
 河野 そうです、そうです。お客様の言ってることは信用できないから、とりあえず聞いて
 おけで済まされてしまう。

 鈴木 とりあえず聞きましたで、何も変わらない。
 河野 この情報を出すとお客様が騒ぐから「SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネッ
 トワークシステム)」は隠しておきましょうみたいなことにだんだんなっていく。執行する
 側は役所かもしれないけれども、そこはみんなでいろんな議論をしたうえで決める、そうし
 ないといけない。

 鈴木 この間、地元の商工会議所でアメリカのオレゴン州ポートランドヘ視察旅行に行って
 きたんです。全米で一番住みたい街だといわれている都市で、毎週500人くらい人口が増
 えている。それほど人気のある都市なんです。地産地消も進んでいる。そこの市の仕組みを
 聞いてびっくりしました。人口が60万人くらいいるのに、市会議員が4人しかいないんで
 す。当然、4人では細かいことまで手がまわらないので、100とか、200とかの委員会
 があって、その全部に市民がメンバーになって参加して直接やっている。だから、街のこと
 を他人事ではなくて自分事として考えるということでした。ある意味、理想的だという気が
 しますが、日本ではどうかなとも思ったんです。市議会は機能しているのでしょうか。

 河野 市議会は大統領制みたいなものですから、一人ひとりが一つひとつの議案に関して「
 賛成しました」「反対しました」というのが出ないといけないわけですが、それなのに賛否
 を会派でしか出さないみたいなところがあったり、市議会の議事録が次の日に出ていないと
 いうところがたくさんあって、結局、どういう議論をしたのか見たくても見ることができな
 い。議事録は市議会が閉会してから掲載されますみたいなところがあって、そうやって市民
 をだんだん遠ざけていく。

 鈴木 遠ざけられてしまうから、市民も市会議員を垂く見なくなってしまって、市長に陳情
 ばかり集まってしまうわけですね。そういう意味で、今回、エネルギーのこと、特に原発を
 どうするのかとか、日本のこれからの行く末を決めていく大切なタイミングにさしかかって
 いる、そういう思いを強くしているんです。日本の問題点を一人ひとりが考えないといけな
 いと思います。
 あとはこの国の目指すべき姿として子不ルギー、原発を論じるうえで必ず出てくる言葉が、
 「そうはいっても原発をとめたらそこの人たちが食えないじやないか」というのと、「日本
 が原発から手を引いてしまうと、国家安全保障上、非常に危ない。だから、日本は原発をや
 っていかないといけない」というこの2つです。まず前者ですが、原発をとめても仕事はな
 くなりませんよね。

今回も、特に異論はない、次回は「原発をとめても仕事はなくならい」に移る。

                                   この項つづく

 ● 今夜の一曲

 

「スマイル」(原題:Smile)は、1936年のチャールズ・チャップリンの映画『モダン・タイムス』
で使用されたインストゥメンタルのテーマ曲で、チャップリンが作曲した曲。数多くの音楽家に
よりカバーされているが、ナット・キング・コールが1954年にリリースしたカバー版が追憶の歌
として今も色褪せることはない
1954年にジョン・ターナーとジェフリー・パーソンズが歌詞と
タイトルを加えた。歌詞では、歌手が聴衆に対して笑っている限りは明るい明日が常にあると元
気付けている。「スマイル」はチャップリンの映画で使用されて以来、スタンダードとなる。


  

コメント

蓬春と湘南電力

2018年02月05日 | ネオコンバーテック

 

                    万章(ぱんしよう)    /    孟子    

                                  
   
        ※ 諌めても聞き入れられなければ:斉の宣王が、孟子に、大臣のあり方
         についてたずねた。すると、孟子はきいた。「どの大臣のことをおた
         ずねですか」「大臣といえばみな同じではあるまいか」「いえいえ、
         親族の大臣も、親族関係でない大臣もいます」「では親族の大臣につ
         いてお伺いしたい」「君主に重大な過失があれば、諌めます。たびた
         び諌めても関きいれられないときは、君主をとりかえるのです」王は
         さっと顔色をかえた。孟子は言った。「お気を悪くなさいますな。王
         のたってのおたずねなので、あえて正しい答えを申しあげたまでです」
         王は顔をやわらげ、ついで親族関係でない大臣についてたずねた。孟
         子は答えた。「君主に過失があれば諌め、たびたび諌めて聞き入れら
         れなければ、その国を立ち去るのです」

        【解説】 君主をとりかえよ、見切りをつけて去れ、とは激しいことば
         である。しかし、高位につくのは一身のためではないという孟子の持
         説からすれば、当然すぎるほど当然のことである。

       ※ 古人を友とする:孟子が万章に言った。「一村の善士(品行正しく徳
         を積んだ人)は一村善士を友とする。一国の善士は一国の善士を友と
         する。天下の善士は天下の善士を友とする。天下の善士を友としてな
         お不足を感ずるならば、歴史をさかのぽってむかしの人物を考えるの
         だ。その人の詩を口すさみ、その人の書物を読むだけでなく、人とな
         りを理解しなければいけない。そこで、さらにその時代の背景を考え
         る。これがさかのぼって友を求めるということだ」 

 

日曜美術館「山口蓬春 絵に年をとらせるな」

日曜日、テレビで昭和を代表する日本画家山口蓬春が紹介されていた。近年、葉山にある記念館で日記
や手紙などの整理が進み、人と作品に新しい光が当たり、「絵に年をとらせるな」という言葉に注目さ
れているという。蓬春は常に新しい表現を模索し続けた。大和絵で華やかなデビューを飾るが、戦争中
藤田嗣治とともに新しい表現を模索する。戦後、「蓬春モダニズム」と呼ばれる絵で画壇のスターとな
るが、それにも飽き足らず事物の本質を描こうと変わっていく姿が浮き彫りにされる。山口 蓬春(やま
ぐち ほうしゅん、1893年10月15日 - 1971年5月31日)は、日本画家。北海道松前郡松城町(現・松前町
)生まれ1913年に東京・高輪中学校を卒業後、東京美術学校(現・東京芸術大学)に進学。松岡映丘に
師事し、大和絵を習得。23年卒業、1924年新興大和絵会に参加する。26年帝国美術院賞受賞。29年帝展
審査員。50年日展運営会参事、日本芸術院会員、54年日展運営会理事、58年日展常務理事、1965年文化
勲章受章、文化功労者。69年日展顧問。

● 蓬春モダニズムの展開

昭和22年、蓬春は疎開先の山形・赤湯から帰り、葉山に移る。さらに、1年半後には現在の記念館とな
っている一色海岸近くに待望の新居を構えるが、ちなみにこの画室は28年に同窓の建築家吉田五十八が
設計したモダンな内装である。海に近いこの画室から夏の葉山の海岸を思わせるモチーフがたびたび登
場することになる。戦後の発表の舞台は日展が中心となり、第3回日展に出品した《山湖》が始まりで
あった。昭和20年代、日本画滅亡論が唱えられるころ、日本画は急速に西欧近代絵画を吸収する。その
なかで、蓬春は19世紀の以後のフランスを中心とした絵画に接近し、戦時の表現を払拭した新しい日本
画を積極的にめざし、時代の思考や感覚をもとに近代の造形性を消化してゆく。漫然とした概念的な自
然描写を排した表現や「もっと明るく、もっと複雑な、もっと強い、もっとリズミカルな」と言う蓬春
の色感は、新鮮な画面を生み出している。独特の造形感覚とともに、《望郷》にみられるようなしばし
ば卓抜した感性は、蓬春芸術のみせる大きな魅力でもある。こうした蓬春の作品は発表のたびに話題と
なり、明るく近代的な造形の追求は、"蓬春モダニズム"とよばれる世界を創出する。

● 新日本画の創造

西洋画、古典大和絵から出発し、時代に即した日本画の創造を目指した蓬春。その画業においての最終
的な課題は、和洋の真の融和とされる。
かつては大和絵の文学的抒情性から抜け出すために、人物や動
物は画面から消し去られていた。蓬春は『新日本画の技法』の中で「構図の為に殊更に鳥を配置するよ
うなことはせず、たとえ鳥が無くても、自然感の出るものは、強いて鳥を配する必要はない」「従来の
花鳥画には、無理に不自然な鳥を配するような悪習慣がある」と述べている。
それが晩年に至り、《春
》《夏》《秋》《冬》の連作を描き始めてから再び登場する小鳥の姿には、伝統的日本画の画題にあえ
て挑戦する蓬春の円熟した境地が窺える。
現代の視点によって再び捕らえ直された花鳥画。同じモチー
フにより繰り返し描かれた静物画。テーマを絞り込んだ晩年の作品では、岩絵具の清澄な色彩はますま
す深みを増し、洗練された構図と共に、近代的な明るさに満ちている。それこそ画家が独自に到達した
新日本画の姿と見ることができると表される。
誰かが蓬春のレベルを維持しなくてはならない 蓬
春死後、美術評論家河北倫明氏はそう語る。蓬春芸術は、西洋画、日本画を超えた近代日本美術の一つ
の頂点として湘南で巨匠が創作を行った地である。

  鈴廣蒲鉾本店 

  

 ❦「再生可能エネルギー連続講座」第2回 ❦

● ふるさとは未来からの借り物

昼から、滋賀県立大学「近江環人地域再生学座」卒業生を中心とするNPO、環人8プラス主催の『再生
可能エネルギー』をテーマにした連続講座に参加。この講座は、湖東地域の方々を中心に『再生可能エ
ネル
ギーの推進』の理解を深めるため、自らが再生可能エネルギー推進の担い手になっていただくこと
を目
的として活動。今回、小田原の老舗かまぼこ店、鈴廣かまぼこ株式会社の鈴木悌介副社長を招き、
ゼロ・
エネルギーを目指した本社ビルの取り組みの他、今後の再生可能エネルギーや鈴木氏の展望等に
ついて
講演。

さて、講師の鈴木悌介(すずきていすけ)は、下表のように、1955年神奈川県小田原市生まれ。鈴廣
かま
ぼこグループ代表取締役副社長。一般社団法人エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議

表理事。神奈川県立湘南高校、上智大学経済学部卒業。1981年から'91年まで、米国ロスアンジェルスに
てスリミ、かまぼこの普及のため、現地法人の立ち上げと
経営にあたる。帰国後は家業の鈴廣の経営に
参画。
慶応元年(1865年)創業の歴史を尊重しつつ、変化し続ける日本人の食生活の中で、かまぼこの存
在価値を高めるべく挑戦の日々をおくる。「食べもののい
のちを大切に」をモットーとする。商工会議
所活動にもかかわり、日本の元
気は地域からと、地域の資産を活かした地域の活性化と自立を目指す。
2000年から'01年度小田原箱根商工会議所青年部会長、'03年度日本商工会議所青年部会長、'09年第3回ロ
ーカルサミット実行委委員長などを歴任。ア
ジア商工会議所連合会若手経営者委員会副委員長。小田原
箱根商工会議所副
会長、合同会社「まち元気小田原」経営諮問委員、場所文化フオー-ラム会員。 




 Mar. 21, 2016

講演は現場の実践をもとに話され、平易にして説得力のあるものであり、何の違和感も生じなかった。
当日の資料もここで一部掲載したが、まとめてブログや環境工学研究所 WEEFのHP(あるいは「飲み水
を守る会」のブログ)に後日掲載するので参考されたし。さらには、講師の手になる『エネルギーから
経済』の感想を後日掲載し、このテーマの深掘りを残件とする。

※ 鈴木 悌介(エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議 代表理事/鈴廣かまぼこグルー
  プ副社長):FACTA ONLINEhttps://facta.co.jp/article/201403036.html

※  鈴廣かまぼこグループ 副社長、「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」代表理事
   鈴木悌
介 | ひと烈風録 | 週刊東洋経済プラス | 経済メディアのプラス価値tps://premium.toyokeiza
        i.net/articles/-/15322
  

      
     
No.143

【蓄電池篇:最新酸化物/グラフェン複合材料技術】

● 分子レベルの交互重ミルフィーユ構造:高容量・長寿命化を両立

<<先月25日、NIMSの研究グループは、酸化マンガンナノシートとグラフェンを分子レベルで交互に重
ねた材料を合成し、リチウムおよびナトリウムイオン二次電池の負極材料として使うことで、従来の2
倍以上高い充放電容量と、長いサイクル寿命を両立に成功する。 



図1 酸化マンガンナノシート (赤・青) とグラフェン (緑) の複合材料構造の模式図

【概要】

  • NIMSは、酸化マンガンナノシートとグラフェンを分子レベルで交互に重ねた材料を合成し、リチ
    ウムおよびナトリウムイオン二次電池の負極材料として使うことで、従来の2倍以上高い充放電
    容量と、長いサイクル寿命を両立させることに成功しました。高容量だが壊れやすい酸化マンガ
    ンをグラフェンで挟んだことで、酸化マンガンの形態が保持され、長寿命との両立が実現し、二
    次電池の高容量化と長寿命化を両立する負極材料として今後の応用が期待される。
  • 二次電池の高容量化が求められる中、現在負極に使われている炭素材料に代わる材料として、高
    い理論容量を持つ遷移金属酸化物に注目されているが、層状構造の酸化マンガンは、分子1層ま
    でバラバラに剥離したナノシートにして負極に使うことができれば、表面すべてが活性部位とな
    るため、大幅に容量を向上できると考えられている、酸化マンガンは充放電を繰り返すと構造が
    壊れやすく、しかもナノシートは団子状に凝集しやすいという課題を抱えていました。
  • 本研究では、溶液中に分散させた酸化マンガンナノシートとグラフェンを混ぜ合わせ、1層ずつ
    交互に積層させたミルフィーユ構造の複合材料を合成しました (下図参照) 。酸化マンガンとグ
    ラフェンは、ともに負に帯電しており、通常は反発しあいますが、研究グループが2015年に開発
    した技術を使い、グラフェンを化学的に修飾して正に帯電させることで、溶液を混ぜるだけで交
    互に積層させることに成功しました。この材料をリチウムイオン二次電池の負極として用いたと
    ころ、でした。これは、これまでに報告さ
    れている金属酸化物系負極材料の中で最も高い容量と長いサイクル寿命です。グラフェンで挟む
    ことで、充放電によって壊れやすい酸化マンガンの構造が保持されるとともに、電極材料全体の
    伝導性を改善した結果と考えらる。
  • 今回、2種類の物質を分子レベルで複合化することで、単独の材料では実現が困難な高度な特性を
    導き出しました。本材料は、二次電池以外にも、スーパーキャパシタや電極触媒など多くのエネ
    ルギー貯蔵および変換システムに大幅な性能向上をもたらすことが期待される。

 

 DOI: 10.1021/acsnano.7b08522
Titol: Genuine Unilamellar Metal Oxide Nanosheets Confined in a Superlattice-like Structure for Superior Energy
    Storage

関連特許:特開2015-201483  超格子構造体、その製造方法およびそれを用いた電極材料

【概要】

本健は、スーパーキャパシタ、擬似容量キャパシタ等に好適な超格子構造体、その製造方法およびそれ
を用いた電極材料を提供にあって、下図1のように、
超格子構造体が、M12+イオンとM23+イオ
ンとを含有する複水酸化物ナノシートと、還元された酸化グラフェンナノシートとが交互に積層され、
M12+イオンのM1元素は、Co、Fe、Ni、Mn、CuおよびZnからなる群から少なくとも1
つ選択される金属元素であり、M23+イオンのM2元素は、Al、Cr、Mn、Fe、Co、Ni
およびGaからなる群から少なくとも1つ選択される金属元素であり、層間距離は、0.8nm以上1
3nm未満の範囲である(詳細は下図クリック)。 

 【特許請求範囲】

  1. M12+イオンとM23+イオンとを含有する複水酸化物ナノシートと、還元された酸化グラフ
    ェンナノシー
    トとが交互に積層された超格子構造体であって、前記M12+イオンのM1元素は、
    Co、Fe、Ni、Mn、Cu
    およびZnからなる群から少なくとも1つ選択される金属元素で
    あり、 前記M23+イオンのM2元素は、Al、
    Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびGaから
    なる群から少なくとも1つ選択される金属元素であり、層間距離は、0
    8nm以上1.3nm未
    満の範囲である、超格子構造体。
  2. 前記M1元素はCoであり、前記M2元素はAlである、請求項1に記載の超格子構造体。
  3. 前記M1元素はCoおよびNiであり、前記M2元素はCoである、請求項1に記載の超格子構
    造体。
  4. 前記複水酸化物ナノシートの厚さは、0.48nm以上1.0nm以下の範囲である、請求項1
    に記載の超格
    子構造体。
  5. 前記還元された酸化グラフェンナノシートの厚さは、0.33nm以上0.83nm以下の範囲
    である、請求項
    1に記載の超格子構造体。
  6. 前記層間距離は、0.8nm以上1.1nm未満の範囲である、請求項1に記載の超格子構造体
  7. 前記複水酸化物ナノシートは、一般式[M12+1-xM23+x(OH)2]x+(xは0<
    x≦1/3の実数であ
    る)で表される、請求項1に記載の超格子構造体。
  8. 前記複水酸化物ナノシートは、一般式[M12+1-xM23+x(OH)2][Zn-x/n
    ・mH2O](Zは陰イオ
    ンであり、nは前記陰イオンZの価数であり、xは0<x≦1/3の実
    数であり、mは0<m<1の実数である
    )で表される層状複水酸化物から単層剥離されている、
    請求項7に記載の超格子構造体。
  9. 前記還元された酸化グラフェンナノシートは、酸化グラフェンから単層剥離された後、還元され
    ている、請
    求項1に記載の超格子構造体。
  10. 前記還元された酸化グラフェンナノシートの質量として前駆体であるグラファイトの質量(G)
    を用い、前記
    複水酸化物ナノシートの質量として前駆体である前記M12+イオンと前記M23
    +イオンとを含有する層
    状複水酸化物の質量(LDH)を用いた場合、前記グラファイトの質量(
    G)に対する前記層状複水酸化物の
    質量(LDH)の比(LDH/G)は、3以上4未満である、
    請求項1に記載の超格子構造体。
  11. 請求項1~10のいずれかに記載の超格子構造体の製造方法であって、M12+イオンとM23
    +イオン
    とを含有する複水酸化物ナノシートが第1の非プロトン性極性溶媒に分散したカチオン
    性溶液と、還元さ
    れた酸化グラフェンナノシートが少なくとも第2の非プロトン性極性溶媒に分
    散したアニオン性溶液とを混
    合・撹拌するステップ  を包含する、方法。
  12. 前記混合・撹拌するステップにおいて、前記還元された酸化グラフェンナノシートの前駆体であ
    るグラファ
    イトの質量(G)に対する前記複水酸化物ナノシートの前駆体である前記M12+イ
    オンと前記M23+イオ
    ンとを含有する層状複水酸化物の質量(LDH)の比(LDH/G)は、
    3以上4未満である、請求項11に記
    載の方法。
  13. 前記アニオン性溶液において、前記還元された酸化グラフェンナノシートは、前記第2の非プロ
    トン性極性
    溶媒と水との混合溶媒に分散している、請求項11に記載の方法。
  14. 前記混合溶媒において、前記第2の非プロトン性極性溶媒(F)に対する前記水(H)の体積比
    (H/F)は、
    0以上0.5以下の範囲である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記第1の非プロトン性極性溶媒は、ホルムアミド、ジメチルスルホキド、メチルホルムアミド
    およびジメチ
    ルホルムアミドからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  16. 前記第2の非プロトン性極性溶媒は、ホルムアミド、ジメチルスルホキド、メチルホルムアミド
    およびジメチ
    ルホルムアミドからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  17. 前記混合・撹拌するステップは、前記カチオン性溶液を室温で撹拌しながら、1mL/分以上1
    0mL/分
    の速度で前記アニオン性溶液を添加する、請求項11に記載の方法。
  18. 前記混合・撹拌するステップは、前記アニオン性溶液を室温で撹拌しながら、1mL/分以上1
    0mL/分
    の速度で前記カチオン性溶液を添加する、請求項11に記載の方法。
  19. 前記混合・撹拌するステップに先立って、酸化グラフェンナノシートが少なくとも第2の非プロ
    トン性極性溶
    媒に分散した溶液に、還元剤を添加後加熱し、アニオン性溶液を調製するステップ
    をさらに包含する、請
    求項11に記載の方法。
  20. 超格子構造体からなる電極材料であって、前記超格子構造体は、請求項1~10のいずれかに記
    載の超格子構造体である、電極材料。

以上のように、❶極容量が従来の2倍以上 (0.1A/gの電流密度で1325mAh/g) となり、❷5000サイクル
充放電
を繰り返しても、❸1サイクル当たりの容量減少はわずか0.004%と、1日1充放電で約15年間
使うことができるというから驚く。

物質・材料研究機構らの研究グループは2月3日にも厚さわずか数分子、2次元有機単結晶ナノシート
の大面積成膜に成功しこのブログでも掲載している(エネルギーフリー社会を語ろう!No.142)。さら
に、下図のように、中部電力とトヨタ自動車は、中古蓄電池を系統安定化向けに活用する。電気自動車
(EV)やハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)の駆動用電池をリユース(再使用)
して大容量蓄電池システムを構築する。加えて使用済み電池のリサイクル(材料の再利用)についても
実証を開始する。1月31日に基本合意書を締結したことが公表されている。 そこに、昨日の「なぜ、か
まぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか?」(生成可能エネルギー連続講座)の基調講演での聴講で
ある。興奮しないわけがない。賢明なる読者者諸氏はお気付きのごとく、高性能な蓄電池が量産されそ
のリユース電池を再エネの出力変動を改善に使用するエンドレスループがよりスパイラルアップされる
ことで、低コストの燃料で環境に優しい「エネルギー地産・地消」が完成し、これに地方分権促進税制
だ導入されれば、環境・超少子/高齢・資源枯渇などの問題は解決されるというわけである。

かくして、神奈川は葉山の画家山口蓬春のモダニズム(それまでの価値観の全否定)と伝統の融合(不
易流行)
の果敢なる挑戦は、鈴木悌介鈴廣かまぼこグループ代表取締役副社長の 脱原発・エネルギーの
地産・地消、地方創生(あるいは「脱・欧米亜から稼ぎ資源国に貢ぐ前経済体制」)への挑戦とが合流
し湘南の風(いあ湘南の電力の風)となり旋風として駆け抜けていうるというわけで、それを担保する
科学技術力の実力が試されているということであろう。

出典:鈴木悌介氏

 

 

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最新量子熱電変換子技術Ⅲ

2018年01月16日 | ネオコンバーテック

 

                  離婁(りろう)篇    /    孟子   

                                    

       ※ 孟子の嫌がらせ: 公行子(斉の大臣)の子息が亡くなり、右師の
                  王驩(おうかん)が弔問に行った。王驩が門を入ると、すぐ出迎え
         てあいさつをする者もあり、わざわざ席に近づいて話をかわす者も
         あるなかで、孟子だけは声をかけようともしない。王驩はにがにか
         しげに言った。

         「みなさんは、わたしにあいさつしてくがさるのに、孟先生だけはそ
         っぽをむいている。わたしを馬鹿にしているのだ」

         これを耳にした孟子は言った。

         「朝廷では席をはずして話しに行ったり、階段を隔てて挨拶をかわし
         たりしないのが礼法なのだ。わたしは礼法通りにしたのだが、王驩は
         馬鹿にされたと思っている。おかしなことではないか」

        〈右師の王驩〉 右師は高位の官名。権勢家王驩の思いあがった立居振
                舞いをにがにがしく思う孟子の気持が、ここによく現
                われている。
        〈朝廷では席をはずして……〉 喪の儀式の場を朝廷になぞらえ、礼法
                にことよせて正誤を皮肉ったのである。

     

     No.132   

【サーマルタイル事業:最新量子熱電変換子技術Ⅲ】

❏ トヨタ自工北アメリカ株式会社の特許事例

● 
US 9865790 B2 Nanostructure Bulk Thermoelectric Material :ナノ構造バルク熱電材料 

【実施例1】

多孔質シリカテンプレートは、ポロゲンとして界面活性剤を用いて調製した。使用した界面活性剤は、
PLURONIC界面活性剤P123(EO20PO70EO20)、F127(EO100PO70E100)、Brij-58(C16H。サブ36EO 20)、
CTAB)(式中、EOおよびPOはそれぞれエチレンおよびプロピレンオキシドを示す)を含む。鋳型は、
界面活性剤テンプレート化プロセスを用いて調製した。F127、P123、Brij-58、およびCTABでテンプレー
ト化された細孔の平均細孔直径は、それぞれ約12,9,6および2nmであった。ビスマステルル化物は、3電
極堆積回路を用いて堆積された。 1M HNO溶液に溶解した0.075Mビスマスおよび0.1Mテルライドを、
前駆体溶液および電解質として使用した。Ag / AgCl参照電極およびPt対電極を用いて、0.1VAg / AgCl
で堆積を行った。堆積は室温で行った。XRDパターン及びTEM観察により、約6nm、9nm及び12nmの直径
を有するBi 2 Te 3ナノワイヤが、絡み合ったセラミックマトリックスで堆積されたことが確認された。

 図6は、電着されたBi2Te3ナノワイヤのTEM画像を示す。試料のEDXBi 2 Te の形成を確認し、原子元
素百分率は37.46Bi、62.54%Teであった。図7は、電着されたBi 2 Te 3ナノワイヤのHRTEM画像を示す。

【実施例2】

キセロゲルメソポーラスシリカを、PLURONIC界面活性剤P123を鋳型とするゾル - ゲル法を用いて製造。
調製された六方晶メソ構造のシリカの細孔径は約9nmであり、Bi2Te 3の前駆体溶液は、0.0225モルのTe
よび0.015モルのBi(NO 33 H 2 O6M-HNO 3 150mLに溶解させ調製し60℃で測定。キセロゲルメソポーラ
スシリカの粉末5gを7mLの前駆体溶 液に添加した。サンプルを液体窒素中に3分間置いた。真空による
脱気の後、試料を室温に温める。シリカ粉末を遠心分離により前駆体溶液から分離し、次いで100℃で加
熱した。溶媒を除去した。 メソポーラス材料内部のビスマステルル化物の充填量を増加させるた
めに、上記プロセスの3および8サイクル実施。 浸透後、Bi 2 Te前駆体を有するメソポーラスシリカを
管状炉に入れた。水素を流しながら、温度を450℃に加熱し、30時間保持。 図8Aは、キセロゲルシリカ
の高度に秩序化されたメソスケールチャネルの一部における含浸がはっきりと観察されたBi 2 Te 3 - メソ
ポーラスシリカ複合体のTEM画像である。 図8Bは、キセロゲルシリカを希釈した(5重量%水溶液)
HFで溶解した後に、直径が10nm未満のBi 2 Te 3ナノワイヤを示す。 図8Cは、Bi 2 Te 3ナノワイヤの高分
解能電子顕微鏡(HREM)画像を示し、それらが単結晶であることを示している。 図8Dは、HFを用い
てシリカテンプレートを除去した後のBi 2 Te 3メソポーラスシリカ複合体のTEM画像を示す(下図8A~D
参照)。

窒素吸着実験は、典型的なメソポーラスシリカ試料の細孔容積が0.6472cm3 / gであることを示している。
すべての細孔をテルル化ビスマス前駆体溶液で充填することができると仮定すると、浸透の各サイクル
の後、Bi 2 Te 3 - メソポーラスシリカ複合体中のBi 2 Te 3の担持量は2重量%。したがって、8回の浸潤
の後、浸潤後の細孔容積の有意な減少がない限り、Bi 2 Te 3の総重量含量は16%であってもよい。また、
図9Aおよび9Bは、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)およびBrij-58(CH 3(CH 215(OCH 2)C
H2
20OH)を用いて調製したメソポーラスシリカ薄膜の代表的なTEM断面像を示す。界面活性剤である。
CTABテンプレート薄膜(図9A)は、規則的な2次元六方晶メソ構造に配列された旋回細孔チャネル(
細孔直径~3nm)を含む。 B58鋳型薄膜(図9B)は、整列した3次元立方体のメソポーラスネットワー
クに配置された細孔チャネル(細孔直径~5nm)を含む。規則的なメソ構造の選択領域電子回折は、図2
の挿入図に示されている。図9B。同様に、メソポーラスシリカモノリスは、同じ組み立てプロセスを用
いて調製することができ、例えば図1の装置を用いた電着を用いて半導体で充填することができる。 5
B。これらの代表的なTEM画像は、制御された細孔サイズおよび細孔の幾何学的形状(例えば、六方晶お
よび立方晶の細孔ネットワーク)を有するメソポーラスシリカテンプレートを作製するための効率的な
アプローチを明白に示唆する。ナノワイヤ構造は、テンプレートの細孔構造によって制御することがで
きる。例えば、2D六角形細孔チャネルを含むテンプレートは、2Dナノワイヤの作製を可能にする。 3D
結合孔チャネルを有するテンプレートの使用は、3Dナノワイヤネットワークの製作を可能にする。その
ような結合ネットワークは、電子輸送のための高度に結合する経路を提供する。

【電着】

電着条件および前駆組成を変えることにより、化学組成およびドーピングの制御を改善することができ
る。例えば、CdSe、CdTe、CdS、PbSe、PbTe、およびPbSのような半導体は、メソポーラスチャネル内に
堆積することができる。そのような組成制御は、今度は、デバイス輸送特性 水素気泡を生成する副反応
が起こり、気泡チャネルの内部に閉じ込められて反応物質の拡散が阻止される。副反応を最小限に抑え、
物質輸送および反応速度を制御するために、堆積条件(例えば、濃度、電位、電流、温度、および攪拌
速度)および異なる堆積技術(例えば、パルス堆積)を使用して、 、改善された組成物の制御、および
正確なメソ構造の複製が含まれる。デバイスは、単一のモノリシックナノ構造複合材料内にn型およびp
型の両方の脚部を有するように調製することができる。

p型脚のより高い正孔濃度は、半導体に高原子価金属イオンをドープすることによって、またはアニオン
サイトの欠乏を生成することによって、またはアニオンをより低い原子価イオンで置き換えることによ
って得ることができる。例えば、p型Bi 2 Te 3は、結晶構造中のBi 3+Sn 4+に置き換えることにより、
またはTe 2+の欠損を生じさせることによって得ることができる。 (例えば、Bi 2 Te 3-x、x> 0)、また
Te 2 - をより低い原子価のイオンに置き換えることができる。同様の概念を用いてn型半導体を形成す
ることができる。陰極電位を制御することにより、化学量論的および非化学量論的(p型およびn型の両
方)のBi 2 Te 3堆積させることができる。また、電解液に鉛イオンを導入して型Bi 2 Te 3を電着させ
ることも可能である。

したがって、バルクの多孔質媒体(このようなメソポーラスセラミック)を提供することができ、半導
体を細孔内に堆積させることができる。例えば、Bi 2 Te 3または他の半導体をモノリシックメソポーラス
シリカに電着させることができる。ドーパント(n-型ドーパントおよびp-型ドーパントなど)は、真性
半導体のナノ細孔に沿って注入されて、導電性ナノ構造ネットワークを提供することができる。

粒子から形成された複合材料

粒子は内部ナノ構造を有することができる。粒子は、半導体が注入されたナノ多孔質絶縁材料を研削ま
たは粉砕することによって形成することができる。
粒子は、セラミックまたは他の電気絶縁材料内にナ
ノ構造含有物を有することができる。

図10は、内部ナノ構造体の一部としてのナノワイヤ142などの半導体ナノワイヤを含むセラミック粒子お
よび半導体ナノ粒子144の粒子140の混合物を示す。この混合物を圧縮して(たとえば、ホットプレスし
て)、ディスクまたは他のバルク
熱電材料の形態。内部ナノ構造に含まれるナノワイヤを有するセラミ
ック粒子を調製もできる。



他の例では、ナノ粒子複合体は、半導体粒子を含まない粒子140から形成することができる。粒子間の接
触によって連続的な半導体ネットワークを提供できる。
粒子には、半導体シェルを設けることもできる。
セラミック/半導体ナノコンポジットは、多孔質セラミック粉末内に半導体(または半導体前駆体)を浸
透させることによっても調製できる。
多孔質セラミック粉末は、界面活性剤テンプレートアプローチまた
は他の市販の多孔質セラミック粉末を使用して調製されたメソポーラスシリカであり得る。
半導体前駆
体は、ガス状(水素化物など)または液体材料であってもよい

セラミック/半導体ナノコンポジットは、多孔質セラミック粉末内に半導体(または半導体前駆体)を浸
透させることによっても調製できる。多孔質セラミック粉末は、界面活性剤テンプレートアプローチま
たは他の市販の多孔質セラミック粉末を使用して調製されたメソポーラスシリカであり得る。半導体前
駆体は、ガス状(水素化物など)または液体材料であってもよい。熱電ナノコンポジットは、HIPプロセ
スを含む方法によって製造もできる。出発材料は、セラミック粒子、半導体粒子、および半導体浸透セ
ラミック粒子を含み得る。セラミック粒子は、メソポーラスシリカのようなメソポーラス粒子を含む。

セラミック/半導体粉末混合物のホットプレスは、改良された熱電材料を大量かつ低コストで製造を可能
にする。一例では、セラミック粉末と半導体粉末とを混合し、ホットプレス法を用いて混合物からバル
ク材料を形成する。一例では、半導体ナノ粒子とセラミック粉末との混合物は、10MPaおよび150℃で予
備プレスすることができる。約1インチの直径のディスクを形成する。次いで、ディスク(または他の形
状)を200~600℃および100~200MPaでHIP処理にかけることができる。このプロセスは、改善された熱
電材料を形成するために使用することができる。

セラミック粒子は、ナノ粒子であってもよく、シリカ、アルミナ、または他の酸化物を含んでいてもよ
い。セラミック粒子は、ボールミルプロセスまたは他のプロセスを用いて調製できる。市販の粒子を使
用することができる。他の電気絶縁材料の粒子を使用できる。半導体粒子(または他の導電性粒子)は、
テルル化ビスマスなどのバルクで熱電特性を有する材料のナノ粒子であってもよい。半導体ナノ粒子は、
溶液化学法、気相反応法、高エネルギーボールミリング、または他の方法を用いて調製できる。半導体
およびセラミック粒子は混合され、次いでモノリスにプレスされる。良好な粒子混合を得るために、こ
れらの粒子混合物のボールミル粉砕を使用できる。ホットプレス法を用いて、混合セラミック/半導体粒
子をプレスしてバルクにできる。粒子は、ナノ粒子構造を保持しながら、機械的強度のために融合でき
る。



11は、粒子180およびナノ粒子182によって形成された複合体を示す。示されているように、両方の粒
子は、図2に関連して前述したように、ナノ構造の半導体を含む。 他の例では、より大きなセラミック
粒子および半導体ナノ粒子を組み合わせることができ、半導体ナノ粒子は、セラミック粒子の周りにナ
ノ構造の導電ネットワークを形成する。 他の例では、セラミックナノ粒子と半導体粒子との混合物を組
み合わせ、プレスする。材料は、セラミック粒子が半導体粒子(例えば、シリカおよびテルル化ビスマ
ス)を粉砕する傾向の圧力で粉砕に抵抗するように選択できる。適切な圧力を加えることは、半導体ナ
ノ粒子を、セラミックナノ粒子の直径と相関する(例えば、同様の)直径に粉砕する傾向がある。シリ
カナノ粒子は、2~20nmのような直径をもつ安価な商業的供給源から得られる。半導体ナノ粒子を含む安
価な複合体を、2~20nmの直径をもつセラミック粒子と半導体粒子とを組み合わせる方法、混合物に圧力
を加えて半導体粒子のサイズを2~20nmに減少させることも含む。

以降、関連図のみ記載し、【ホットプレス】【材料システム】【その他の複合材料】の項目に亘る説明
を割愛する。、

 

                                                            この項了

 

【全固体型蓄電池:グラフェンボール】

サムスンSDIは、2018年のデトロイトモーターショーで、電気自動車の走行距離と充電容量を増や
すと主張する新しい全固体型蓄電池「グラフェンボール」を展示。エネルギー容量と充電速度を大
幅に向上させるものである(詳しくはこのブログ『凄い時代の儀礼Ⅳ』2017.12.01参照、上写真ク
リック参照)。この事業開発にも新たに「超高品質蓄電池事業」として部門プラットフォームを新
たに設け製造技術にフォーカシングンする。



【スマートフォーン習得日誌Ⅱ】

音割れの原因として、「ブルーツースアプリ起動」に気付きシャットダウン。これで解消した様だ
が当分、要観察。万歩計を紛失、かわりにスマホの付属「ヘルスケアーアプリ」を使用する。便利
でだが、宅トレには大きすぎる。アップルウォッチとの連携が好ましいのではと考える。段々面白
くなってきた。

 
 

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最新無隔膜電解工学Ⅱ

2018年01月11日 | ネオコンバーテック

  

        離婁(りろう)篇    /    孟子  

                                 

      ※  水をたたえる: 弟子の徐子が孟子にたずねた。「孔子は、折りにふれて、
          『おお、水よ、水よ』と言ってこれを称賛してやまなかった。いったい、
          水の性質のどこを称賛したのでしょうか」「泉から滾々(こんこん)と
     湧き出す水は、昼も夜もけっして絶えることがない。そして、低地をひ
     たしては流れつづけ、ついには海に注ぐ。源のあるものは、すべてこの
     水のようなもの。孔子が称賛したのはこの点なのだ。水源がなければ、
     六、七月の雨期のあいだ、いくら集中的に降って、水路という水路をあ
     ふれんばかりにしても、雨がやめばまたたくまに干上がってしまう。実
     の伴わない名声は、この水源のない水と同様だ。だから君子は、このよ
     うな名声を受けることを恥とするのだ。」

   ※ 私 淑: 良きにつけ悪しきにつけ、伝統の感化力というものは五代も
     たてばおのずと消滅するのが通例だ。わたしは残念ながら、孔子に直接
     教えを受ることはできなかった。しかしわたしは、孔子の学問を受け継
     いだ人々を通じて、自分なりに向上しようと努めている。

   〈孔子の学問今・・・・・・・努めている〉この部分の原文は「私淑」。「私淑する」
   といえば、今日でも、直接には教えを受けられないが、自分なりに模範とし
   て仰ぐ意味に使われている。

      No.128

【水素エネルギー篇:最新無隔膜海水電解技術】

● 高性能電池開発事情:最新金属空気電池技術事例

昨夜の「特開2017-142884 アルミニウム空気電池及びアルミニウム空気燃料電池」に引き続き、金属
空気電池の技術事例に参考にする。

❏ 特開2017-142884 アルミニウム空気電池及びアルミニウム空気燃料電池   

【概要】

アルミニウム金属を活物質として含有する負極を用いた金属空気電池では、自己放電反応によるアル
ミニウム金属の減少や、放電により生成する水酸化アルミニウムが負極表面に蓄積すること等に起因
して、アルミニウム反応率が低下するという問題がある。この実情をふまえ、本件はアルミニウム反
応率が向上した金属空気電池の提供にあたり、自己放電や、放電により生成する水酸化アルミニウム
の負極表面への蓄積を抑制し、アルミニウム反応率が向上――空気極と、負極と、空気極と負極の間
に配置する電解液層と、電解液が循環する循環路とを備え、この循環路は電解液層及び電解液の収容
部を備え、負極に用いられる活物質は純度が99.5%の平板状のアルミニウム金属で、電解液層は
前記電解液で満たされ、前記電解液は1.0mol/Lの水酸化ナトリウム溶液であり、外部環境温度が
25℃、放電電流が400mAの条件で放電した場合に、電解液が0cm/sを超えて13.3cm
/s未満の流速で電解液層を流れることを特徴とすることで自己放電や、放電により生成する水酸化
アルミニウムの負極表面への蓄積を抑制―――することを提供する。【選択図】図5



● 水電解要の炭素触媒に注目!

❏ 特開2017-210638 水電解用炭素触媒及びその製造方法、及び該炭素触媒を用いた
                     水電解用触媒インキ並びに水電解装置
   

【概要】

水素製造方法の一つに水電解。とりわけ、再生可能エネルギー由来電力は、二酸化炭素の排出を伴な
わず注目され、水電解の方法としては、一般に、アルカリ水電解と固体高分子水電解――アルカリ水
電解ではアルカリ水溶液を電解質とし、固体高分子水電解ではイオン交換膜を電解質――があり。固
体高分子水電解は、アルカリ水電解と比べて電流密度を上げられ、高い効率が得られるという特長が
あり、固体高分子水電解装置構成は、固体高分子電解質膜の両側に触媒層を設け、さらにその外側に
給電体と通電板の構成が代表的である。イオン交換膜は、主として、デュポン社製Nafionなどのスル
ホ基を有するフッ素系高分子が用いまた、触媒層は電極反応の反応場となる部分であり、一般に、電
極用の触媒と固体高分子電解質との複合体からなる。

このような電極用触媒には、従来、白金やイリジウムなどの貴金属微粒子、カーボンブラックなどの
炭素担体上に貴金属微粒子を担持したもの、電解質膜表面にメッキやスパッタなどの方法で形成され
た貴金属の薄膜などが用いられているが、白金などの貴金属は、高い触媒活性(プロトン還元活性)
とその活性安定性を示すが、非常に高価であり、資源的にも限られ、コスト高要因となっている。

この課題解決に、大環状化合物をカーボンブラックなどの電子伝導性炭素担体表面に担持し、炭化さ
せた炭素触媒、大環状化合物を含まない有機高分子材料を炭化させた炭素触媒などあるが、電池性能
は、比表面積の大きさや電子伝導性が重要であるのに対し、これらの有機高分子材料を原料とした炭
素触媒は、電子伝導性が低く、比表面積が小さいといった問題があり、充分な触媒活性を有する触媒
ではない。コスト、資源量などから使用量低減が求められる貴金属触媒の代替として、高電子伝導性
及び比表面積の大きい炭素担体を含む安価な水電解用炭素触媒や炭素触媒を用いた水電解用触媒イン
キと水電解装置を下図のように提案されている。その特徴は、窒素を含有し、X線光電子分光法(X
PS)により測定した、触媒表面の全元素に対する窒素原子のモル比をNとし、触媒表面の全窒素量
に対する、XPSのN1sスペクトルのピーク分離により求めたN型窒素原子量の割合とN2型窒
素原子量の割合の合計(%)を(N1+N2)としたときの、表面末端窒素量{N×(N+N)}が
1.0~13.0であることを特徴とする水電解用炭素触媒よりて解決するものである(詳細は下図ク
リック参照)。

 Nov. 30, 2017

ここで、電極触媒だけでなく、蓄電池/電極/正極活物質粒子の重量あたりの容量を高め、高いエネ
ルギー密度を実現し電池反応の安定化を図る――例えば、二次電池の正極の活物質として、リチウム
と、マンガンなどの元素と酸素で構成されるリチウムマンガン複合酸化物を用い、還元された酸化グ
ラフェンで被覆することでこの活物質と、酸化グラフェンと、導電助剤と、バインダーで構成する活
物質層を形成し、活物質層を、アルコールに浸した後、加熱処理をすることで、酸化グラフェンが還
元された電極を作製するという「特開2017-045726  電極、及びその製造方法、蓄電池、並びに電子
機器
」株式会社半導体エネルギー研究所)のようにグラフェンを使ったエネルギー分野だけでなく半
導体、カラー表示装置分野などの電子器機材料のイノベーションが急速に進展してきており、高エネ
ルギー密度、急速充電、安全でコンパクト(高・軽・薄・小・安)な全固体型蓄電池の実用化が目前
に迫っており、「グラフェン工学時」(言い換えれば「ネオコンバーテック時代」)であることを
強調しておきたい。

● 水素モータ技術とは

ここで、海水電解方式での製造された水素/酸素は、蓄電池あるいはガス/蒸気タービン、燃料電池
だけでなく、水素モータ(あるいは水素/酸素ガス混合モーラ)つまり内燃機関(エンジン)発電技
術も触れておく。水素ガス直燃はエネルギー効率が高いが、騒音や窒素酸化物の排出などの対策をセ
ットしクリアーしなければないらない。例えば、「特開2017-122424  排気浄化装置」(株式会社デ
ンソー
) 「特表2017-538573  排気システム用の一酸化二窒素除去触媒 ビーエーエスエフ コーポレ
ーション)を参考に掲載しておく。

 ❏ 特開2010-106798 動力発生装置  

【概要】

動力発生装置は、下図のように、電力供給装置と、所定量の水を保持する貯水装置と、電力供給装置
から供給される電力により、貯水装置から供給される水を加熱して水蒸気にする加熱装置と、加熱装
置で発生した水蒸気を電気分解して水素と酸素を生成する水蒸気電解装置と、水蒸気電解装置で生成
された水素を貯留する水素タンクと、水蒸気電解装置で生成された酸素を貯留する酸素タンクと水素
タンクから供給される水素と前記酸素タンクから供給される酸素とを反応させて動力を発生させる水
素-酸素エンジンと、水素-酸素エンジンで生成された水蒸気を水蒸気電解装置に排出する水蒸気排
出通路と、水蒸気排出通路に配置され、水蒸気から排熱を回収して動力を発生させる排熱回収装置と、
の構成が特徴である。

水蒸気を水素と酸素に分解する水蒸気電解装置と、水素と酸素を燃料とする水素-酸素エンジンと
を搭載しているので、特殊な燃料や燃料電池のような複雑な装置を必要とせず、二酸化炭素や窒素酸
化物が排出されないクリーンでより安定した作動が可能な動力発生装置を提供できる。また、動力発
生装置は、排熱回収装置を備えているので、水素-酸素エンジンで発生した高温の水蒸気からさらに
動力を回収することができ、一層高効率な動力発生装置を提供される。
エネルギー効率が高く、クリ
ーンな動力発生装置をが提供できる。

動力発生装置1は、電力供給装置12と、所定量の水を保持する貯水装置13と、貯水装置13から
供給される水を加熱して水蒸気にする加熱装置14と、加熱装置14で発生した水蒸気を電気分解し
て水素と酸素を生成する水蒸気電解装置5と、水蒸気電解装置5で生成された水素を貯留する水素タ
ンク16と、水蒸気電解装置5で生成された酸素を貯留する酸素タンク17と、水素タンク16から
供給される水素と酸素タンク17から供給される酸素とを反応させて動力を発生させる水素-酸素エ
ンジン8と、水素-酸素エンジン8で生成された水蒸気を水蒸気電解装置5に排出する排出マニホー
ルドP6と、排出マニホールドP6に配置され、水蒸気から排熱を回収して動力を発生させる排熱回
収装置2と、を有する。【選択図】図1(詳細は下図クリック参照)。



【ソーラーフロート型海水電解水素製造システム】

● 再生可能エネルギーの低コスト水素生産型無隔膜電解槽

電気分解装置は、電気を使って水を酸素と水素に「分割」する。これは、クリーンエネルギーの将来
における主要なエネルギーキャリアとして役立つ貯蔵可能な化学燃料である。工業規模の水電解は、

在の電気価格では一般的に経済的でないが、このパラダイムは、再生可能エネルギーは将来的に電力
価格が非常に安くなり低くなる。太陽光や風力により過剰電力が発生した場合、部分的に無料利用で
きる。このシナリオでは、水電解の経済性は、電解槽の資本コスト支配され、電解槽の資本コストは
現在価格より大幅減額させる必要がある。この目的のためにこのレポートは、無隔膜電解槽の課題と
機会について開設する。これらのデバイスがうまく最適化され、スケールアップされれば、再生可能
エネルギーの水素製造費の破壊的低コスト化技術となるだろう。

水素は、貯蔵可能でエネルギー密度の高い燃料であり、幅広い産業および民生用アプリケーションに
有用となる1。 同様に重要なことに、太陽光発電(PV)などの再生可能な技術で発電される水電解由
来水素は、非常に低カーボンフットプリントとなる。しかしながら、水蒸気メタン改質(SMR)由来
水素より遙か衣に高価である。現在のところ、SMRより厄介な水電解の最大コストは、電解工程での
支出(opex)に依存する。2 米国の平均工業用電気代で電解水素製造の必要電力は、SMR(約1.59 $ [
kg H2] -1)でH24を製造するコストを大きく上回る。電解槽効率が100%でもこれは図1Aに示されいる
とおり、電力と電解装置の効率関数として電力運用を示す。カーボン価格がない場合、図1A(水電解
の経済学)
は、水電解米国の現在の天然ガス価格でSMRと競合する可能性がある場合、平均電力価格が
2~3kWh-1未満でなければならないことを示している。


幸いにも、太陽光発電と風力によって発電される電力のコストは引き続き減少し、これらの再生可能
資源からの非常に低コストの電力(≦3kWh-1)が遍在するまでには時間の問題である。再生可能な太
陽光および/または風の非常に高い市場浸透し、電力料金が無料になっている。 すでに、世界中の多
くの場所で、発電量と需要の不均衡のために、太陽光や風力発電所の発電電力が削減されている5
このようなシナリオは、水電解による水素製造の巨大な経済的機会を創出する。しかし、重要な注意
点がある。この低コストまたは無料電力は、太陽光発電の電力生産が最大になる日のごく部分的利用
でしかない。結果として、この再生可能なエネルギーの将来的に作動する電解槽は、容量係数(CF
が低く、寿命の間にはるかに少ないH2を生成する可能性が高い。

図1Bに示すように、電解槽の寿命を10年間一定とすると、今日の商用高分子電解質膜(PEM)電解槽
システム(1,000-1,500 $ kW-16の資本コストに基づく設備投資(設備投資)は、電解槽は風力発電
機と太陽光発電機のCFに似たCF(約20~40%)を持つ。電力フリーの限界では、図1Bの電解槽設備曲
線は、H2の価格の下限を設定し、安価な電気および低CFを特徴とする将来の電解槽資本コストの重要
性を強調する。この観察は、光電気化学セルおよびPEM電解槽を異なる構成で使用してH2を製造する
コストを分析した最近のテクノ経済分析と一致する。この研究では、グリッド接続されたPEM電解槽(
7%kWh-1で97%CF)を6.1kg-1とするH2の生産コストを推定し、同じ電解槽を太陽光発電プラント(CF
= 20.4%)は12.1 $ kg-1.3Shaner3の分析と 図1Bの曲線は重要なメッセージを示す。破壊的な電
解槽技術は、再生可能な太陽光または風力で駆動する水電解がSMRと競合水準まで資本コストを下げ
る開発を前提とする。電解槽のコストを削減する機会を理解するために、商業的に利用可能な電解槽
のタイプを簡単に見直すことは有益である。

現在、PEM電解槽とアルカリ電解槽の2つの低温電解槽技術が市場を支配する。7 市販のPEM電解槽は、
ナフィオン(Nafion)のようなプロトン伝導性固体ポリマー電解質を多孔質電極層の間に挟む「ゼロ
ギャップ」膜電極アセンブリ(MEA)設計に基づいている(図2A)。このアーキテクチャにより、高
い動作電流密度(0.6-2 A cm-2)が可能となり、純水から高純度H2が生成される。8.9.10


図2 低温電解装置技術の簡略側面図

従来のアルカリ電解槽は、液体25-35重量%KOH電解質中の0.1-0.4 A cm-2の水を分離し、ダイヤフラ
ムとして知られている微孔性仕切りを用いて2つの電極を分離した(図5B)。8 
両方のタイプの電
解槽において、膜とダイヤフラムは、電極間でのイオンの輸送を可能にすると同時に、爆発性混合物
を形成する可能性のあるH2およびO2生成物種を物理的に分離する重要な作業を行う。
PEM電解槽運転
における重要な役割にもかかわらず、膜は、かなり複雑なMEA構造の必要性、膜の汚れまたは不純
物の存在下での分解による装置の故障の危険性を含む欠点をもたらす。

膜の耐久性の問題は、装置の寿命および/または維持コストに直接影響を及ぼす他に、電解槽システ
ム内で使用される水の純度および材料に厳しい要件を課すことにより、電解槽システムの資本コスト
に影響を及ぼす。
この懸念の一部に起因して、いくつかのPEM電解槽部品は、典型的には耐腐食性で
あるが高価なチタンで作られる。
アルカリ電解槽に使用されるダイヤフラムは、高分子電解質膜より
も高価ではなく、PEM電解槽よりも簡単な装置構造で使用されるが、不純物による妨害を受けやすく
、これらの仕切りおよびバブル - 電極間に充填された液体ギャップは、典型的には、動作電流密度
を0.4Acm-2.11 
従来のPEMおよびアルカリ電解槽に代わるものとして、O2-およびH2-発生電極の間に
膜またはダイヤフラム仕切りが配置されていない電解槽構造の開発への関心が高まっている。これら
のいわゆる膜を持たない電解槽は、一般に、強制的な流体の流れ(移流)および/または浮力を利用
し、O 2およびH 2生成物を分離して対向電極に渡すことができる生成物の流れまたは浮力に起因する
分離に依存する。無電解電解槽は、使用される電極のタイプに基づいて分類することができる。

タイプⅠの装置(図2C)は、水性電解質が電極表面に平行に流れ、H2およびO2生成物を別々の下流流

出流路に運ぶフローバイ電極に基づいている。これらの装置は、層流燃料電池およびそれを前提とし
たフロ
ー電池と同様の構造を有している。それらの動作の基礎となる流体力学は、気泡の存在により
異なることが
ある。具体的には、過飽和条件下で操作されるⅠ型デバイスは、Segre-Silberberg 効果を
利用でき、流体速度勾配は、電極表面の発生気泡の集中に役立つ。流通
電極の代わりのⅡ型電解槽は、
流れる電解液が多孔質電極を通過するメッシュ形電極を使用(図2Dの挿入図)。図2Dは、新電解質が
加圧され外部室から電極間隙に流入間に、2つの円形金属メッシュ電極が対面配置構成を示す。
新鮮
な電解液が電極間隙に押し込まれると、生成H2とO2を別々の流出経路に流し発散する。 生成H2 純度
が99.83%および4Acm-2に近くの電流密度を達成。14. 
最近は、デバイス本体の一部の絶縁バッフル
により分離された斜めのメッシュ貫通形電極のⅡ型が実証さ
れた。3次元プリントで一体型にした簡
素な装置を実現、さらに、高速ビデオ解析によりクロスオーバー現象と不均一な電流密度の「その場
観察撮影」を実施する。

● 無隔膜電解電解槽

隔膜電解電解槽は、従来装置に比べ、いくつかの潜在的利点がある。第1に、膜を除去することで、
装置の複雑さ、材料コスト、アセンブリコストを低減することで、資本コスト削減機会が生まれる。
上記で言及した無隔膜電解槽のいくつかは、わずか3つの必須構成、すなわちアノード、カソード、
および装置本体から作製される。膜およびアノード/カソード触媒だけでなく、ガス拡散層、バイポ
ーラプレート、ガスケット、イオノマー、電流コレクタなどを含む単一のPEMセルとは対照的であ
る。典型的なPEMスタック中で最もコストがかかる部材を表1にリストアップする。一般に、より
少ない数の部品/より少ない種類の部品をもつデバイスは、組立て工程数の削減により低い製造コ
ストを実現する。構造材料の融通性が高い、単純なデバイス設計は、代替製造技術の使用機会を創
出する可能性、例えば、付加製造(AM)は、膜のない電解槽の迅速な試作および製造のための興
味深い機会を提供する。商用デバイスの低コスト製造にAMを使用する可能性は、関心のある特定
のデバイス設計およびAM技術のさらなる進歩に大きく貢献するだ
ろう。

膜のない電解槽の第2の利点は、長い作動寿命、不純物に対する高い耐性、および膜に害を与える極
端な動作条件に対するより大きな弾力性/耐久性をもつる装置である。隔膜を基材とする電解槽の主
な関心事は、供給水流より進入またはシステム自体内の構成要素から溶出するカチオン不純物に暴露
された場合、膜抵抗を増大することである16
。例えば、ステンレス鋼部品は、膜または電極触媒に悪
影響を及ぼす可能性があるFe3 +などの不純物が滲入しやすい16 。無隔膜電解槽は、水道水で動作す
る不純物耐性器機能であり、浄水ユニットのコストを削減し、低コスト材料をシステム構成要素に配
置する。

無隔膜電解槽の第3の利点は、電解質が十分に導電性である限り、多種多様な水性電解質で動作する
能力。この多様性は、電極間の液体電解質ギャップを直行するイオン移動が、電解質のpH及びイオン
種に対し柔軟なことである。PEM電解槽のイオン選択膜は、特定装置で使用可能な電解質の種類を大
きく制約されるが、無隔膜電解槽は、酸性、アルカリ性、中性溶液でその融通性が実証されている。
13,15,17

                                      この項つづく

 ● 世界最大の太陽熱発電

 

  

コメント

ホットエレクトロンの慈雨

2017年12月27日 | ネオコンバーテック

 

  

        離婁(りろう)篇    /    孟子  

                                 

      ※  口が軽いのは:口が軽いのは、言葉に責任を感じていないのだ。

 

 

   

      No.123  

【最新光電変換技術篇:熱電子はソーラー変換効率を向上させる】 

  Dec. 20, 2017

12月20日、熱電子の研究は、エネルギーのアルゴンヌ国立研究所(上図参照)によると、太陽エネル
ギーと再生可能エネルギーの研究をヒートアップさせている。
ナノ科学者らは、高効率に光をエネル
ギーに変換する方法を発見したことを公表する。
アルゴンヌ研究者らのグループは、人間の毛髪のよ
りも小さいハイブリッドナノ材料で光子の完全エネルギー化に向け開発を行った
結果、ナノ材料の構
成要素に衝突する光子と同じ量のエネルギーを運ぶホットエレクトロン(熱電子が生じ、太陽電
池や光触媒の大幅な進歩につながる可能性がる。関係者によると、よ
り大きな粒子では、光子エネル
ギーに近いエネルギーを持つ高エネルギー電子はごくわずか。このため極小の
粒子を必要とする。
研究グループは、多くの光吸収させるため金属含有をゼロにし材料エネルギーの高い電子量を増加さ
せている。
ホットエレクトロンの最大化する条件決定のため材料設計計算し、酸化アルミニウムスペ
ーサで分割した金膜と銀ナノキューブで解決する。アルゴンヌ研究では、このナノ構造はホット電子
を高密度生成できる。
重要な進歩は、紫外から可視、近赤外に至るまで、非常に広いスペクトル範囲
高エネルギー電子を生成する能力にある。


❏ 半導体における衝突電離 

通常、半導体中の電子は、電圧の印加により低電圧側から高電圧側に移動する。電界が小さい場合は、
十分な速度まで加速される前に、半導体を構成する分子や原子に衝突するため、衝突と衝突の間の緩
和時間も長く、正のフィードバックが生じにくい。
電界強度を上げると、電子の運動エネルギも高くなり、緩和時間も短くなるため、衝突電離は生じや
すくなる(平均自由行程)。この衝突電離で生じた電子は電界で加速され、運動エネルギーが高い状
態になる、これをホット・エレクトロン (hot electron) と言う。 この衝突電離が生じると、キャリア
の量が増大するため、電流は急激に増加する。これを利用した素子が、アヴァランシェ・ダイオード
や、アヴァランシェ・光・ダイオードである。
その一方で、特に GaAs の MESFET や HEMT 等の電界効果トランジスタでは衝突電離で生じたホー
ルの流出先が存在しないため、単純な電流増幅だけでなく、蓄積されたホールによるポテンシャルの
変動による不安定現象(キンク現象と呼ばれる)が発生する。衝突電離は、半導体のキャリアの生成・
再結合の過程の一つであり、高電圧時の半導体物理を理解するには必須な項目である(Wikipedia)。



図1.イントラバント励起によるホットエレクトロン分布図
   a .イントラブランドポンプ条件下での貴金属の代表的な電子密度状態(N)図、spバンドの自
   由電子は、プラズモンディフェージングの間にポンプ光子(ψ)ポンプのエネルギーを捕捉
   し、電子 - 正孔対の分布を促進する。b.非熱(赤)キャリアは、最初に、励起時にフェルミ
      エネルギー(E F)に対して対称的な階段状の分布を形成する。電子 - 電子(e-e)散乱の後、
      フェルミ - ディラック分布を有する熱電子集団(シアン)が、非熱電子から、格子の電子温
      度より高い電子温度で形成される。

❏ 超広帯域プラズモニック・ナノパッチメタサーフェスの
                ホットエレクトロンの生成と異方性クーロン散乱  

Titol:Enhanced generation and anisotropic Coulomb scattering of hot electrons in an ultra-broad-
         band plasmonic nanopatch metasurface, Nature Communications. Oct. 17, 2017, doi:10.103
         8/s41467-017-01069-3                        

【要約】


熱エネルギー変換前のナノ構造体プラズモン励起によるエネルギー電子生成は、光エネルギー変換と
超高速ナノフォトニックスの広範な用途が提案されているが、「非熱的な」電子の使用は、主に、低
い発電効率と超高速減衰により制限される。過渡吸収分光法で測定する高濃度のホットエレクトロン
(=熱電子)を生成する銀ナノキューブに接合した金基板に含まれるブロードバンドプラズモニック
ナノナノチューブメタサーフェス(metasurface:超表面/超界面)の使用に関する実験と理論結果を
報告する。フェルミ面近傍のsp バンド内の異方性電子 - 電子散乱から生じる、非熱キャリアの3つ
のサブ集団の証拠を見つける。メタサーフェスのバイメタル特性は物理学に強く影響し、主に金中で
散逸が起こり、熱電子(ホットエレクトロン)生成の量子プロセスは両方の成分で起こる。この計算
は、強力な超高速非熱電子構成要素の作製にあたっては、幾何形状と材料の選択が重要である。


図2.地表面のジオメトリとキャラクタライゼーション
   a.
薄いAl2O3スペーサーを支持する50nmの厚さの金膜上に150nm(エッジ長)のPVP被覆コロイ
      ド銀ナノキューブを堆積させ、過渡吸収分光法で調べることによりNanopatchメタ表面を作製し
      た。b
.直径18mmのメタ表面フィルムの画像と、(c)表面上の離散ナノキューブの対応する走
      査電子顕微鏡写真(スケールバー= 500nm


図2.実験的および計算された吸光度スペクトルによる表面電荷分布の3Dマップ

a. 実験的および計算された吸光度スペクトルによる表面電荷分布の3Dマップ。多極モード(M)、金
バンド間遷移(IB)、四極モード(Quad)およびギャッププラズモンモード(Gap)に対応する示さ
れた波長における8nm Al 2 O3試料の表面電荷分布(任意単位)


図4.メタサーフェス上における非熱電子の生成と検出の向上

a.ギャップ共鳴における25nmAl2O3スペーサーと比較した8nmAl2O3スペーサー上のAgナノキュー
ブの正規化された微分吸光度のキネティックトレース、および(b)透過モードのSiO 2上の露出したAg
ナノキューブへの超高速(約100fs) 応答の減衰。40,40および500μJcm-2の入射フルエンス(吸収フル
エンスを一定に保つ)を用いて、8 / 25nmおよびSiO2サンプルをそれぞれ1100 / 1120,900 / 920および
500 / 365nmでポンプ/プローブし〜100fs応答は、高エネルギー非熱キャリアの緩和から生じる。
c、d.非サーマルキャリア発生率(c)とジオメトリとポンプ波長の関数としてのピーク非サーマルキャ
リア密度(d)の推定値との比較。NIRにおける興奮については、シグナルに対するより大きな寄与が
期待される。


図5.非熱的ホットエレクトロン生成の幾何学的依存性

表示された10個のナノ粒子構成の非熱的キャリア発生率は、対応するプラズモン共鳴波長でプロット
され、明確にするためにラベル付けされ色分けされている。赤いテキストは、ギャッププラズモン共
鳴に対応する。Agを用いるジオメトリーは、ダンピングが低く、運動量緩和時間が長いため、Au
りも高い速度を示し、間隙励起による生成は、裸のナノ粒子の共鳴よりはるかに効率的であることが
示されている。全ての場合において、ナノ粒子の体積は、ナノスフェアの直径185nmおよびナノロッ
ドの長さ340nm(100nmのエッジ)に対応する(150nm)に固定された。ナノパッチの幾何形状(5,7-10
では、Al2O3スペーサーを使用し、対応する厚さを標識した。

 図6.UVからNIRに及ぶメタ表面の過渡吸収測定

a.
130μJcm-2のフルエンスで1100nmで励起された8nmAl2O3 メタサーフェスの微分吸収スペクトル
マップ。b.図示のように
、ナノキューブ多極、四極、およびギャッププラズモン共鳴および金IB
遷移に対応する特徴を有するポンプパルスに対して+ 35fsで得られた定常吸収スペクトル(紫色)と
示差吸収スペクトル(青色)。
垂直の点線は、各遷移間のゼロ交差点に対応する。平面内電界配向の
IB遷移およびプラズモンモードのピークにおける表面電荷(c)および電界プロファイル(d)の断面図。
磁界強度スケールは、マルチモード(マルチ)モード、インターバンド(IB)トランジション、およ
び4極(クワッド)モードおよびギャップモードのための100×フリースペースの最大20×空きスペー
ス。
e選択された波長で(b)に示された4つの吸収特徴に対する対応する動態トレース。多極とIB
動力学は、熱電子 - フォノン散乱によって支配される応答を示すが、4極およびギャッププラズモ
ン共鳴は、非熱電子散乱から生じるはるかに速い応答を示す。

図7.超高速応答の寿命密度分析

図6の示差吸光度データに当てはめた対数尺度で表示される寿命密度マップ(LDM)。
各共鳴で寿
命の全範囲にわたる複数の異なるピークが観察され得る。
b、c 多極およびギャッププラズモン共鳴
における高速、中間(int)および遅い非熱電子散乱および熱電子散乱に対応する減衰関連スペクト
ル(DAS)の比較。
1100nmでの小さな変動は、残留ポンプ散乱によるアーチファクト。d-g図6eの動
力学と同じ波長でのLDM(青色の円)の寿命トレース。
非熱電子 - 電子散乱および熱電子 - フォ
ノン散乱からの寄与(完全な適合応答(赤線))が示されている(陰影領域)。
灰色領域はフォノン
- フォノン散乱(約10ps)と格子加熱による半無限減衰(約100ps)からの寄与。


図8.IB遷移からAuバンド構造内のキャリア位置特定の解決

a.ブリルアンゾーンのX、L、K対称点付近のフェルミレベルの3つのspバンド交差点を示すAuのバン
ド構造。
ギャップ共振におけるイントラバンドポンプ(赤矢印)は、フェルミ面を横切るspバンド内
の非サーマルキャリア分布(円)を促進する。
IBプローブの波長(青色の矢印)は、上のdバンドか
X線とL点の近くのフェルミ面の交差点までの遷移のみを監視する。
Auと強い類似性を示すAgのバンド構造。 AgにおけるIB遷移は〜4eVより高いエネルギーで起こり、
プローブ(青色矢)は測定範囲内のイントラバント遷移のみを監視する。
赤い矢印は、再び、ギャ
ッププラズモン共鳴におけるイントラブランドポンプ光子を指す。
(a、b)のデータは文献42,43
ら得られたものであり、分かりやすくするために最高エネルギーのdバンドと最初の2つのspバンド
のみを示す。
c.〜130μJcm -2で励起された8nm Al 2O3 サンプルのIB領域における減衰関連スペクトル(DAS)。
DASは分かりやすくするためにオフセットされrる。
高速非熱キャリアは、X点の近くのフェルミ準位
の下に存在するキャリアを示すX遷移を赤方偏移させ、L遷移で漂白剤も示す。
中間の非熱キャリアー
は、それらが吸光度の漂白を誘発するX点のみに局在するようにある。
ゆっくりと非熱的なキャリア
は、X点とL点の両方に近い遷移に摂動をもたらし、
K点でのIB遷移ははるかに高いエネルギーで起こ
り測定範囲では分解されない。

 図9.ギャップモードでの非熱応答のスペーサおよびポンプエネルギー依存性

ポンプエネルギー(ポンプ)とAl2O3スペーサの厚さが変化、非熱電子散乱に対応する寿命分布ピー
クがシフトする。
中間キャリアについては反対の傾向が観察される。3つの e-e 成分のピーク寿命対
ポンプエネルギーの異なる依存性は、非等方性崩壊を有する異なる非熱電子集団への帰属を支持。

線は補間直線。

今夜もいっぱいいっぱいです。

                                          

   

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疲れているだけではいかない。

2017年07月22日 | ネオコンバーテック

 

            

         文公14元年:(‐613)~宣公18年(- 591)/ 楚の荘王制覇の時代 


                                             

   ※ 晋の襄公のあとを継いだ霊公( -620~ -607)は、年なお幼かったため、大夫
     趙盾(ちょうとん)が摂政となり、よく内外を治めて、諸侯の盟主たる面目を
     維持した。しかし趙氏の勢力はしだいに大きくなり、ついに無道の雲公を弑す
     るに至り、晋の国力の漸衰は免れなかった。一方、楚の穆王のあとを継いで立
     った荘王(‐613~ -591)は、「三年飛ばず鳴かず、一たび鳴けば人を驚かす」
     との豪語にたがわず、国内の反乱を平定し、長江流域の諸蛮夷を次々に滅ぼし
     た余勢を駆って、大兵を周の国境に進め、鼎の軽重を問い、眼中もはや周王室
     はない。自ら蛮夷と称した楚が、今や中原に晋と覇を争い、邲(ひつ)の戦い
     に大いにこれを敗って、ついに覇をとなえるにいたった。


      晋の趙盾(ちょうとん)、霊公を弑(しい)す / 宣公2年(- 607)


   ※ 霊公は、天下に剖をとなえた文公から二代役の晋の君主である。いわば三代目、
     文公とはうってかわった暗君であった。趙盾(趙宣子)は文公の亡命に同行し
     た趙衰の息子、今や趙氏の族長、晋の卿大夫の筆頭で毀損のほまれ高かった。
     【経】 二年、秋九月乙丑(いつちゅう)、晋の趙盾、その君夷皐(霊公)を
         弑す。

   ※ 趙盾、霊公を諌む:晋の霊公は君主らしからぬ振舞いが多かった。人民に重い
     賦役を課して王宮の壁を飾り立ててみたり、そうかと思えば、望楼から下を行
     く通行人めがけて弾き玉を浴びせ、びっくりして逃げまどう姿をみて面白がる
     のであった。あるとき、司厨長が熊の掌を半煮えのままで食膳に供したことが
     あった。霊公は腹立ちまぎれに司厨長を殺してしまった。そして死骸をもっこ
     に入れさせると、女官に兪じて車で朝廷の外へ棄てに行かせた。たまたま来合
     わせたのが、大夫の趙盾と士季(随会)の二人である。もっこから死体の手が
     はみ出ているのをみて、二人は女官を問いただした。案の定、雪公の仕業であ
     る。二人は、霊公を諌めねば、と思った。

     「二人で行って、もし聞き入れられなかったら、あとに続く者がいなくなる。
     わたしがまずお諌めしてみるから、失敗した場合、あなたがあとに続いてくれ」

      士季は、こう言い残して出掛けて行った。
      霊公は士季が現われても、最初は素知らぬふりをしていたが、三度目に軒下
     の水溜りに追いつめられて、仕方なしに振り向いた。
     「わるかったと思っている。これからは慎しもう」
      士季は深く頭を下げて、説き始めた。
     「だれしもまちがいはあるものでございます。大事な点は、まちがいを犯した
     らそれを改めることです。詩(大雅、蕩)にも、
     
       ”初め仙めを善くしないものはないが”
        終りを全うするものはすくない”

     とありますように、罪のつぐないをするのは、なまやさしいことではありませ
     ん。あなたが有終の美をおさめてこそ、国は安泰となるのです。それは、わた
     くしども臣下の願いであるばかりでなく、天下万民の望むところでもあります。  
     詩(大雅・蒸民)にはまた、
      
       ”天下に落度あれば
        仲山甫(ちゅうだんほ)これを補う”

     とあります。
      これは、仲山甫(周の宣王の宰相)が天子を補佐して、政治の足らぬところ
     を補ったことを称えているのです。あなたが罪のづぐないをなされますならば、
     君位は永久に安泰でございましょう」

      しかし、雲公の行ないはいぜんとして改まらなかった。
      士季に代わって、こんどは趙盾が何度も諌めた。うるさくなった霊公は、い
     つしかかれを暗殺しようと思うようになり、その仕事を鉏麑(しょげい)とい
     うお抱え力士に命じた。
      鉏麑は明け方近くをねらって、趙盾の屋敷内に忍び入った。そっと寝室に近
     づいてみると、戸はすでに開け放たれている。そして、室内では趙盾がもう出
     仕前の仕度をきちんと整えおわって、端座レたまま仮眠をとっているところで
     あった。鉏麑は、そっとその場を退くと、深い嘆息を洩らした。

     「恭敬の心を忘れぬ人こそ、人民に慕われるのだ。そういう人物を殺すのは、
     道にはずれた行為だ。かといって、主君の兪今に背くのも裏切り行為だ。どち
     らか一つを選んで汚名を着るよりも、死んだほうがましだ」
      かれはこう言って趙家の庭の神樹の特に頭をぶちつけて死んでしまった。 

 Jul.19, 2017 
【ZW倶楽部:30年後の廃プラ排出量現状の4倍】

今月19日、Science Advances の報告によると、70年前、プラスチックは使われなかっが、今後30年
間で、これまで以上の4倍のプラスチック廃棄物を排出すると予測する。
人類は2015年までに83億メト
リックトン(1メトリックトン=千キログラム)を生産し、同量のプラスチック廃棄物排出(このうち、
9%はリサイクル、12%は焼却、79%は廃棄)している。これの傾向が続くと、2050年までに260
億メトリックトンのプラスチック廃棄物が生産され、その約半数が埋立地や環境に投棄される。しかも、
プラスチックは容易に劣化せず、千年の終わりまでに地球上に数千トンの物質が存在すると予測している。

 No.46

【RE100倶楽部:太陽電池篇】

● 量子ドット工学講座 No.42 

特開2017-126622  間接遷移半導体材料を用いた量子構造を有する光電変換素子

シャープ社の最新事例によると、量子構造を有する光電変換層を備え、伝導帯のサブバンド間遷移を利用
する光電変換素子、障壁層と量子層とが交互に繰り返し積層された超格子半導体層を備え、この障壁層は、
間接遷移半導体材料により構成、量子層は、直接遷移半導体材料のナノ構造を有し、間接遷移半導体材料
は、室温におけるバンドギャップが1.42eVより大きい。障壁層の材料として、室温におけるバンド
ギャップが1.42eVより大きい半導体材料を用いることで、量子閉じ込め効果が強まり、障壁層の材
料として間接遷移半導体材料を用いることで、伝導帯まで励起されたキャリアの取り出し効率が向上でき
光電変換効率を向上させることができるというもの(詳細は下図ダブクリック)。

【符号の説明】

1…基板、2…バッファ層、3…BSF層、4…ベース層、5…超格子半導体層、6…エミッタ層、7…
窓層、8…コンタクト層、9…p型電極、10…n型電極、51…障壁層、52…
量子ドット層、53…
量子ドット、54…キャップ、100…太陽電池



     
● 読書録:高橋洋一 著「年金問題」は嘘ばかり   

         第2章 「日本の年金制度がつぶれない」これだけの理由


     朝日新聞に対して厚労省が抗議した件は、表面的には計算式の問題ですが、突き詰め
    ていえば、「50%を割り込みそうだ」(朝日新聞)、「50%を上回る水準が確保で
    きる」(厚労省)という議論です。
     世界の基準にあてはめて見ると、日本の所得代替率は40%弱とされています。もと
    もと40%くらいのものを、50%を上回るか、下回るかで議諭しても意味かおりませ
    ん。
     政治家やメディアの人たちの所得代替率についての最大の誤解は、「所得代替率が高
    いほうがいい」と思い込んでいることです,
    「現役のときの7~8割くらいはもらえないと、老後に生活していけない」という意見
    もあるでしょう。もちろん、八割の給付をすることは不可能ではありません。そのかわ
    りに、現在払っている保険料は高くなります。国民全員が今よりもけるかに高い社会保
    険料を支払ってもいいと思うのであれば、8割給付は可能です。しかし、大半の人は、
    「これ以上、保険料が高くなったら生活していけない」と思うのではないでしょうか。
    保険料が低ければ、年金給付額は低くなり、保険料が高ければ、年金給付額は高くなり
    ます。これが、年金を保険数理で見たときの、数学的な「事実」です。

     現在の保険料負担は、客観的に見ればそれほど高くはありませんから、将来もらえる
    年金額が高くなることはありません。今くらいの保険料率であれば、所得代替率が50
    %にいくはずがないのです。
     先ほど紹介しましたが、OECDは統一した計算式を用いています。「現代ビジネス」
    の記事で取り土げた数字を再掲しますと、同じ基準で計算したときに、日本の所得代替
    率は36%、日本を除くG7の所得代替率は四八%、ギリシアはなんと96%です。ギ
    リシアは、現役時代の給料と同じ額を年金でもらえるということです。

     そんな高額の給付をしていたら年金は破綻します。負担を強いられる現役の人の生活
    は苦しくて仕方がないでしょう。
     所得代替率が高いギリシアのような国は、制度が回らなくなって破綻します。所得代
    替率が低い年金制度のほうが安定するのです。

                      第2章8節 「所得代替率」が低いほうが年金制度は安定する

    《所得代替率はどのくらいがいいのか》

     ・所得代替率低→低負担・低給付→制度は安定
     ・所得代替率高→高負担・高給付→制度は不安定

     年金制度としては、なるべく現役の人の負担を抑え、それに応じて、将来の給付もそ
    れほど多くしないという、現行の仕組みが一番安定します。
     年金制度は、所得代替率以前に、安定した年金制度であることが重要です。制度が安
    定していれば、将来、確実に年金をもらえます。
     今、支払う保険料が少なくて、将来受け取る年金額が多いという、夢のような話は存
    在しません。幻想に惑わされず、現実的に考えましょう,
     自分が納める保険料が月給のI〇%弱であるならば(会社負担額を加えると20%く
    らいになるので)、将来もらえる年金額は、月給の40%くらいです。「今の収入の4
    0
%ではとても老後の生活ができない」と思う人は、個々で老後に備える対策をしてお
    
くのが、一番の自己防術策です。

     あるいは高齢者でも働ける社会にしていくことも、とても重要な施策です。人ロが減
    少していく日本では、マクロ経済的に考えても、そのことはきわめて重要になるでしょ
    う。技能の継承という意味でも、それは大きな意味を持つかもしれません。
     ここで、人口減少になると将来の保険料も少なくなりますが、給付額も少なくなって、
    「保険料」=「給付額」にはあまり影響は出ません。しかし、これはあくまで「人
口減
    少が予定されているとおりであれば」という前提です。予定外の人口減少では大変
なこ
    とになるのはいうまでもありません,

     マクロ経済ばかりでなく、個人レベルで考えても、働けるならば働いたほうが、自由
    に使えるお金も増え、暮らしも充実できます。健康維持のためにも、働いたほうがいい
    という考えもあります,

     話を戻しますが、ともかく年金というのは、とてもシンプルです。冷たく感じるかも
    しれませんが、個人の事情は関係かおりません。
    「年金がこんな額では、老後に生活していけない」とか「うちの家計は、よそより大変
    なんだ」とかいった個人的な事情を考慮してもらえるわけではなく、負担に応じて給付
    額が決まります。
     公的年金というのは最低限の「ミニマム」の保障です。ミニマムの保障だからこそ破
    綻しないのであり、現役世代の給料と同じくらい年金をもらえる制度をつくってしまっ
    たら、現役世代の人は給料の大半を保険料として納めなければいけなくなり、制度はす
    ぐに破綻します。
     現役のときの保険料負担をできるだけ少なくする代わりに、老齢になってからもらえ
    る年金額は「ミニマム」というのが、現在の年金制度です。逆にいえば、負担の低さと
    給付の低さのバランスが取れていれば、そう簡単に破綻することはないのです。

                    第2章9節 所得代替率はどのくらいがいいのか

     年金制度が安定するかどうかは、「人数」の問題ではなく、「金額」の問題ですか
    ら、バランスシート(B/S)で考える必要があります。
     バランスシートは、左側に「資産」の額、右側に「負債」の額を書きます。国から見
    ると、徴収する保険料は「資産」です。給付しなければならない年金は「負
債」です。
     賦課方式の年金の場合は、将来にわたりずっと続くことが前提ですから、資産も負債
    も、過去から遠い先の分まですべてを足してバランスシートをつくります。国は永遠に
    保険料を徴収できますから、「資産」は無限大になります。一方で、国は永遠に給付を
    し続けますから、「負債」も無限大になります。しかし、将来の「資産」と「負債」の
    価値を現在価値に直すと、遠い将来に行けば行くほど現在価値は小さくなりますので、
    無限大にはならずに、計算可能な額になります。

     現在価値で見た「資産」の額と「負債」の額は一致します。バランスシートをつくる
    とぴったりと数字が合います。完全な賦課方式の場合は、バランスシートの「資産」と 
    「負債」が一致するように、「保険料」と「給付額」が決められるからです。
     では、どのくらいの数字になるのか,国は毎年財務データ(国の財務書類)を公表し
    ており、年金のバランスシートも試算しています。
     平成二十六年度(2014年度)の厚生年金バランスシート(人口:出生中位、死亡
    中位経済:ケースC)によれば、図5のようになります。 

        「負債」の年金給付債務は、2030兆円。これは国が支払わなければいけない年金額
        すべての現在価値です,
       「資産」のほうは、保険料1470兆円。徴収できる保険料総額の現在価値です。この
        ほか、国庫負担390兆円、積立金170兆円です。
     もし、債立方式でやろうとすれば、年金給付債務の2030兆円をすべて積立金で用
    意しなければなりません。しかし、実際には積立金は170兆円で、債務の1割にも
    たない額です。つまり、9割方は賦課方式でやっているということが、バランスシー

    から読み取れます,



                 第2章10節 年金のバランスシート」には債務超過はない

    

                                                       この項つづく

   

読書録:村上春樹著『騎士団長殺し 第Ⅱ部 遷ろうメタファー編』     

        第42章 床に落として割れたら、それは卵だ 

    『秋川まりえの肖像画』と、『雑木林の中の穴』、どちらも私が現在描きかけている絵だ。彼は
  その両方を、時間をかけて注意深く見ていた。まるで医師がレントゲン写真の中に微妙な影を深
  すような目つきで。
  「とても面白い」と彼は言った。「とてもいい」
  「両方とも?」
  「ああ、どちらもずいぶん興味深い。とくにこの二つを並べると、不思議な勣きのようなものを
  感じる。スタイルはそれぞれにまったく違っているけど、この二つの絵にはどこかでひとつに結
  びついているような気配がある」

   私黙って肯いた。彼の意見は、彼自身がこの数日ぼんやりと感じていたことでもあった。 

  「おれが思うに、おまえは新しい自分の方向を徐々に掴みつつあるようだ。深い森の中からよう
  やく抜け出そうとしているみたいだ。その流れを大切にした方がいいぜ」 

   彼はそう言って手にしていたグラスからウィスキーを一口飲んだ。グラスの中で氷がきれいな
  音を立てた。 私は彼に、雨田典彦の描いた『騎士団長殺し』を見せてみたいという強い衝動に
  駆られた。政彦がその父親の絵についてどのような感想を述べるか、それを聞いてみたかった。
  彼の目にすることは、あるいは私に何か重要なヒントを与えてくれるかもしれない。しかし私は
  その衝動をなんとか胸の内に押しとどめた。 

   まだ早すぎる、と何かが私を制止していた。まだ早すぎる。我々はスタジオを出て居間に戻っ
  た。風が出てきたらしく、窓の外を厚い雲が北に向けてゆっくり流れていった。月の姿はとこに
  も見えなかった。 

  「それで、肝心の話だ」と雨田が腹を決めたように切り出した。
  「それは、どちらかといえば話しにくい話なんだろうね」と私は言った。
  「ああ、どちらかといえば話しにくい話だ。というか、かなり話しにくい話だ」
  「でもぼくはそれを聞く必要がある」 

   雨田は身体の前で両手をごしごしとこすり合わせていた。まるでこれから何かひどく重いもの
  を持ち上げようとしている人のように。そしてようやく切り出した。 

  「話というのはユズのことだよ。おれは何度か彼女に会っている。おまえがこの春に家を出てい
  く前にも、出ていったあとにも。会いたいと言われて、何度か外で会って話をした。でもそのこ
  とはおまえには言わないでくれと言われていた。おまえとの間に秘密をつくるのは気が進まなか
  ったけど、まあ、彼女にそう約束したものだから」 

   私は肯いた。「約束は大事だよ」 

  「ユズはおれにとっても友だちだったから」
  「知ってる」と私は言った。政彦は友だちを大事にする。それがあるときには彼の弱みにもなる。
  「彼女にはつきあっている男がいたんだ。つまり、おまえ以外にということだけど」
  「知ってるよ。もちろん今は知っているということだけど」 

   雨田は肯いた。「おまえが家を出て行く半年くらい前からかな。二人がそういう関係になった
  のは。それで、こんなことをおまえに打ち明けるのは心苦しいんだけど、その男はおれの知り合
  いなんだ。仕事場の同僚だ」
   私は小さくため息をついた。「想像するに、ハンサムな男なんじやないか?」
  「ああ、そうだよ。とても顔立ちの良い男だ。学生時代にスカウトされて、モデルのアルバイト
  をしていたことがあるくらいだ。で、実を言うと、おれがユズにその男を紹介したみたいなかた
  ちになっている」 

   私は黙っていた。 

  「もちろん結果的にということだけど」と政彦は言った。
  「ユズは昔から一貫して、きれいな顔立ちの男に弱いんだ。ほとんど病に近いものだと本人も認
  めていた」
  「おまえの顔だって、それほどひどくないと思うけどな」と政彦は言った。
  「ありがとう。今夜はゆっくり眠れそうだ」 

   我々はしばらくそれぞれに沈黙を守っていた。そのあと雨田が口を関いた。 

  「とにかくそいつはかなりの美形なんだ。それでいて人柄も悪くない。こんなことを言って、お
  まえの慰めになるとも思えないけど、暴力を振るうとか、女にだらしないとか、ハンサムなこと
  を鼻にかけているとか、そういうタイプの男ではまったくない」
  「それは何よりだ」と私は言った。とくにそんなつもりはなかったのだが、結果的には私の声は
  皮肉っぽい響きを帯びて聞こえた。 

   雨田は言った。「去年の九月くらいのことだが、おれがその男と一緒にいるときに、偶然どこ
  かでばったりユズに出会ってね、ちょうど昼飯時だったから、三人で一緒にそのへんで昼飯を食
  べようということになったんだ。でもそのときは、まさか二人がそんな関係になるなんて考えも
  しなかったよ。彼はユズより五つくらい年下だったしね」
  「でも二人は時を置かず恋人の関係になった 

   雨田は小さく屑をすくめるような動作をした。おそらくものごとはとても迅速に進展したのだ
  ろう。

   「おれはその男から相談を受けた」と雨田は言った。「おたくの奥さんからも相談を受けた。そ
  れでかなり困った立場に置かれることになった」

   私は黙っていた。何を言っても自分か愚かしく見えることがわかっていた。
   雨田はしばらく黙っていた。それから言った。「実をいうと、彼女は今妊娠しているんだ」
   私は一瞬言葉を失った。「妊娠している? ユズが?」
  「ああ、もう七ケ月にはなっている」
  「彼女は望んで妊娠したのか?」
   雨田は首を横に振った。「さあ、そこまではわからん。しかし産むつもりではいるようだ。だ
  ってもう七ケ月だし、手の打ちようもないだろう 

  「彼女はぼくにはずっと、子供はまだつくりたくないと言っていた」
   雨田はグラスの中をしばらく眺め、顔を僅かにしかめた。「で、それがおまえの子供であると
  いう可能性はないんだな?」
   私は素早く計算をしてみた。そして首を横に振った。「法律的なことはともかく、生物学的に
  いえば、可能性はゼロだよ。八ケ月前にはぼくはもう家を出ている。それ以来、顔を合わせたこ
  ともない」
  「ならいいんだ」と政彦は言った。「しかしとにかく今、彼女は子供を産もうとしていて、その
  ことをおまえに伝えてもらいたいと言っていた。おまえにそのことで迷惑をかけるつもりはない
  ということだった」
  「どうしてそんなことをぼくにわざわざ伝えたいんだろう?」
   雨田は首を横に振った。「さあな。いちおう礼儀上、おまえに報告しておくべきだと思ったの
  かもしれない」

   私は黙っていた。礼儀上?

   雨田は言った。「とにかくこの一件については、おまえにどこかでしっかり謝っておきたかっ
  たんだ。ユズがおれの同僚とそういう件になっていることを知りながら、おまえに何も言えなか
  ったことは申し訳ないと思っている。いかなる事情があれ」
  「だからその埋め合わせに、この家にぼくを住まわせてくれたのか?」
  「いや、それはユズの件とは無関係だ。ここは何と言っても父親が長く住んで、ずっと絵を描い
  ていた家だ。おまえなら、そういう場所をうまく引き継いでくれるんじやないかと思った。誰で
  もいいからまかせられるというものではないからな」

   私は何も言わなかった。それはたぶん嘘ではないだろう。

   雨田は続けた。「何はともあれ、おまえは送られてきた離婚届の書類に判を捺して、ユズに送
  り返した。そういうことだよね?」
  「正確に言えば、弁護士宛てに送り返した。だから今頃はもう離婚が成立しているはずだ。たぶ
  ん二人はそのうちに時期を選んで結婚することになるんだろう」
   そして幸福な家庭を作るのだろう。小柄なユズと、ハンサムな長身の父親と、小さな子供。よ
  く晴れた日曜日の朝、三人が仲良く近所の公園を散歩している。心温まる風景だ。
   雨田は私のグラスと自分のグラスに氷を追加し、ウィスキーを往ぎ足した。そして自分のグラ
  スを手にとって一口飲んだ。

   私は椅子から立ってテラスに出て、谷間の向かいの免色の白い家を眺めた。家の窓の明かりが
  いくつか灯っているのが見えた。免色は今そこでいったい何をしているのだろう? 今そこで何
  を思っているのだろう?
   夜の空気は今ではかなり冷え込んでいた。すっかり葉を落とした樹木の枝を風が細かく揺らせ
  ていた。私は居間に戻り、椅子にもう一度腰を下ろした。

  「おれのことを許してくれるかな?」

   私は首を振った。「誰が悪いというわけでもないだろう」
  「おれとしてはただとても残念なんだよ。ユズとおまえとはお似合いのカップルだったし、とて
  も幸せそうに見えた。そういうものがこうしてあえなく壊れてしまったことについて」
  「でも追求するだけの価値はあるだろう」
  「エイハブ船長は鰯を追いかけるべきだったのかもしれない」と私は言った。
   政彦はそれを聞いて笑った。「安全性という観点から見ればそうかもしれない。しかしそこに
  芸術は生まれない」
  「おい、よしてくれよ。芸術という言葉が出てくると、話がそこですとんと終わってしまう」
  「おれたちはどうやらもっとウィスキーを飲んだ方がいいみたいだな」と政彦は首を振りながら
  言った。そして二人のグラスにウィスキーを注いだ。
  「そんなに飲めない。明日の朝には仕事があるんだ」
  「明日は明日だ。今日は今日しかない」と政彦は言った。

   その言葉には不思議な説得力があった。

                                      この項つづく

   ● 今夜の一枚の海溝変動図
Science Advances 19 Jul 2017: Vol. 3, no. 7, e1700113 DOI: 10.1126/sciadv.1700113
図1.
東北地方太平洋沖地震の2012~2016年間の海溝変位計測図(詳細は上図ダブクリ参照:英文)

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