彦根藩の当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと兜(か
ぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。
【季語と短歌:5月29日】
父の顔草矢草笛嬉しそう
高山 宇(催涙鬼)
㊙️ 変貌する食品事情 ①
いまさらだが、ドライフード(アマノフーズの「たっぷりなす」)を取り
上げたが、「マルコメ株式会社」なども同系統の食料品を販売して試食し
たが、総合的にはアマノフーズがベスト選択に定着した。後は、「食品管
理」「食品材料管理」関連法規に則り人体・生態・環境に危害を与えない
ことを明確にすることである。でも懸念もある。「全粒紛」などがそれで
ある。玄米など栄養価が高いことが挙げられているか、農薬や黄砂、石
油燃焼物等の粉塵からの汚染物質汚染、害虫などの除外の有無である。
環境省 2013.6.1
ところが、中国では1990年代以降に養殖技術や調理法が発達し、中国全
土で食されるようになった。中国水産学会『ザリガニ産業発展報告』(
2017年)によると、中華人民共和国は世界最大のアメリカザリガニ生産
国となっている。飲食店なども含めたザリガニ産業の2016年の総生産額
は1,466億元(約2兆4,000億円)、産業全体の就労者は500万人近く、南
京ではザリガニ料理が全飲食業の売り上げの20~25%を占めている。湖
南省ではザリガニ養殖を貧困脱却の重要手段と位置づけるなど、多くの
地方政府はザリガニ産業の発展を奨励・指導しているという (via
Wikipedia)以前。ブログで、滋賀県で淡水々産養殖(日本鯰・沢蟹・
にごろ鮒)を検討したことがあり、条件付きでアメリカザリガニもあっ
た。甲殻類は中国民が好む「赤色」、鮮やかである。養殖工場で生産管
理できれば可能で道の駅などで販売できると考えていた。ムール貝の陸
上養殖も考えてもました。(笑)
ところで、最近目覚めた加工食品がある。『落花せんべい』(ココロ株式
会社)。廉価で、美味しい。私だけ知らなかったのだ。ひとつ欠点がある。
落花生がボロボロと床に文字道理、落ちる(困)。メーカによるのだが、
二流品なのだ(笑)。それにしても美味しい(感謝)。
㊙️令和米騒動試論①
楽天グループは29日、政府から随意契約で購入した備蓄米を「楽天生
活応援米」として、1袋(5キログラム)税抜き1980円で売り出し始めた。
同日午後に特設ページを開設という(朝日新聞)。いささか、論考するに
は足らないが、ここは「現代ビジネス」の常本秦志氏を「政策判断のミ
スや統計のズレが根底にあることは否定できない。問題なのは、これら
の数字や制度の問題が、農家や消費者には十分に見えてこない“ブラック
ボックス”であることだ」を引用し中間まとめとする。1️⃣経過説明:①
スーパー・量販店の先手買い、②農協への集荷が減少、③コンビニ・外
食チェーンの“確保合戦”という具合に推移。この一連の流れを経てもな
お、お米の需給バランスは不安定なままだ。令和7(2025)年4月時点で
の民間取引価格は、農協が卸売に提示する価格(相対価格)と比べて約2
倍にまで上昇。著者の問いかける。「なぜ今、日本のお米が足りないのか
?」と。「要因1:生産調整が引き起こした“供給不足」「要因2:農水省
の統計に“見えないズレ”」を掲げ、次に「国が発表する米の生産量デー
タに誤差がある可能性」を挙げ。以下の3つをさす。
① 作況指数と現場の感覚がずれ。毎年、農水省は「作況指数(米の生育
状況を数値化したもの)」を公表しているが、実際の収穫量との差を感じ
るという声は、農家から多く聞く話だ。特に民間の集荷業者が多い県で
は、「農協ルートよりも実態が把握しづらく、数字にブレがある」とされ
る。これは、現場の情報が行政に正確に届いていない構造的な課題とも
言える。
②ふるいのサイズの違いが“見えない減少”を生む(詳細割愛)、③ 作付
面積にも誤差の可能性(前項と同じ)
2️⃣ということで、米不足の報道には、しばしば「消費者の買い占め」や
「メディアの過剰報道」が原因とされることがある。しかし、今回見て
きた通り、本質的には政策判断のミスや統計のズレが根底にあることは
否定できない。問題なのは、これらの数字や制度の問題が、農家や消費
者には十分に見えてこない“ブラックボックス”であることだと結んでい
ることだ。
✳️ 令和の米騒動が起きた背景と農業の現状
1.長期の減反政策と政府の政策:1971年から2017年まで、約50年わた実
施した減反政策は過剰生産を抑制するため、稲作面積を減少させること
を目的に導入されたもの。その結果、水田面積・米の生産量は着実に縮
小している(図表1)。
以下、「ゴールドオンライン on MSN1」図表参考にする。
政策は2018年に形式上は終了したが、現在も政府は「適正生産量」の指
標を毎年提示しており、さらに他作物への転作補助支援策も継続・拡充
されている。このため実質的な減反政策が継続しているとの見方も可能
である。実際、政策廃止後も水田面積・生産量は減少している。
気候変動の影響も…暑さに弱い「コシヒカリ」の課題
異常気象や気候変動は、米の安定的な生産に大きな影響を与えている。
特に予測困難な台風や豪雨は、発生の度に農業環境を大きく破壊するだ
ろう。日本で主に作付けされている「コシヒカリ」は寒さには強い一方、
暑さに弱い品種であるため、猛暑による品質低下が問題である(図表2)。
[図表2]令和5年産うるち米の品種別作付割合上位10品種 資料:米穀
安定供給確保支援機構「令和5年産水稲の品種別作付動向」・高温耐性は
各種研究結果をもとにニッセイ基礎研作成
特に2023年は記録的な猛暑の影響により収穫量が減少し、品質の確保が
困難であった。特に東日本を中心に1等級米(等級の数字が小さい程、精
米後に残る米の量が多い)が対前年で収穫割合が減少した(図表3)。
➡️「現代ビジネス」の常本秦志氏をうけ、「背景の説明」を見聞する。
特に2023年は記録的な猛暑の影響により収穫量が減少し、品質の確保が
困難であった。特に東日本を中心に1等級米(等級の数字が小さい程、
精米後に残る米の量が多い)が対前年で収穫割合が減少した(図表3不
掲載)。
1️⃣ 後継者不足に重いコスト負担…生産の危機も
農業従事者の高齢化と若年層の農業離れは、米の生産体制に深刻な影響
を及ぼしているという。2020年の水稲作付面積2ha未満の小規模な経営
体が全体の約3割を占めている。但し、1経営体あたりの作付面積は徐々
に拡大傾向にあり、構造転換の兆しが見え始めている(図表4不掲載)。
米に限らず、農林業全体で後継者不足が続いており、耕地面積規模が小
さい程、65歳以上の経営者が占める割合が高い。持続的な生産体制の確
保が困難となっているとのこと(図表5不掲載)。また、[図表6]米の
作付規模別生産費 資料:農林水産省「2023年農業経営統計調査」をもと
にニッセイ基礎研作成。
THE GOLD ONLINE[図表7]米・パン・麺の毎月購入量推移 資料:総務
省「家計調査」家計収支編をもとにニッセイ基礎研究所にて作成
✳️ 変化する食生活と米の需要
日本の食生活はこの数十年で大きく変化し、パンや麺類といった他の炭
水化物の消費が拡大する中で、米の需要は長期的に減少した(図表7)。
さらに、人口減少の進行により、米を消費する人口そのものも減少して
おり、全体の需要縮小に拍車をかけている。長期的な需要減少の中で、
足元ではコロナ禍の収束に伴い家庭内調理が増加したことや、インバウ
ンド需要の回復などにより米の需要が増加し、2023年度から年間平均民
間在庫量は減少した。2024年以降も在庫量が回復せず、全銘柄平均相対
価格も上昇している(図表8)。
令和の米騒動が起きた背景と農業の現状~米の価格高騰はなぜ起きた?~
©THE GOLD ONLINE[図表8]米相対価格・民間在庫 資料:農林水産
省「統計情報」をもとにニッセイ基礎研作成
2️⃣ 在庫管理の重要性
1.近年の在庫量減少
2.政府の備蓄米放出対応が後手に回った
3. “米が足りない時代”に、どう向き合うか
そして、令和の米騒動と呼ばれる米需給の混乱について、供給・需要・
在庫の3つの視点から分析を行った。長年にわたる減反政策の影響や、
気候変動・高齢化・インフレによる供給力の低下、食生活の多様化と人
口減少による需要の構造的変化、さらには短期的な需要増加とそれに伴
う在庫逼迫が複合的に絡み合い、現在の不安定な米市場が形成されてい
る。今後、米の安定供給を維持するためには、生産調整や政策誘導に依
存しすぎない持続可能な農業構造の再構築が不可欠である。需要の変動
を捉えた的確な在庫戦略、そしてリスクに即応できる迅速な政策判断が
求められている。農業を支える現場の声を政策に反映させつつ、消費者
と生産者双方の信頼をつなぐ調整機能の強化こそが、これからの米政策
の鍵となるだろうと結んでいる。
🪄「基本食糧危機管理」をまとめデジタル化する。そして、「青」「黄」
「赤」のカラーコードにわけ、政府関与に合わせ市場管理をおこない、
「開放」「半開放」「統制」マニュアルを構築(機械語:DX)する。
この項了
✳️ NTT、通信に量子計算 電波環境の計算を100万倍高速化
NTTは量子アニーリングを活用し、最適な通信パスを高速に探索する技術
を開発した。電波の挙動をシミュレーションしてどのように反射/透過す
るかを導く従来手法「レイトレーシング(Ray Tracing)」と比較して、計
算速度を最大100万倍向上させた。
✳️ ミリ波を高速移動体で活用可能に
NTT(持株)と上智大学は26日、商用電波の同期信号における“電波の揺
らぎ”をAI解析し人物を検出する実証に成功したと発表した。6G時代に向
け、既存の移動通信システムにセンシングという新たな機能を統合するこ
とで用途の拡大が期待される。次世代通信技術「6G」では、通信電波を
用いたセンシングおよびコミュニケーション「ISAC(ntegrated Sensing
And Communication)」がトピックとしてあげられている。今回の実証
は、ISACの有効性の評価を目的として実施された。通信用の電波の伝達
情報をそのまま活用しセンシングできるため、通信機器があればよく、
新たなセンサーやIoTデバイスなどを導入する必要がない。また、対象を
直接撮影しないため、プライバシーに配慮しつつ、夜間や見通しが効かな
い場所などでも利用できることが期待される。
実際の商用電波を利用することで、基地局や通信端末が存在するエリア
をそのままセンシングエリアにでき、センサーデバイスの設置有無も関
わらない。3GPPでは、ISACのユースケースとして、線路や高速道路など
の人や動物の侵入検知や、交差点の死角にある障害物の検知、ドローン
など飛行体におけるGPSの誤差が大きいエリアでの位置追跡などが期待
されている。飛行体を対象としたセンシングへの応用についても、今回
の実証で培った技術は、地上の基地局を活用して測定できる。HAPSや
低軌道衛星を経由した通信電波についても、今回の技術を応用できる。
基地局の指向性やビームフォーミングなどを組み合わせれば、範囲を絞
って計測することも期待できるという。
今回は、商用の通信電波を用いた屋外センシングを実証できた世界初の
実験だったといい、従来の商用電波を用いた統計「モバイル空間統計情
報」と比較しても端末を持ったユーザーだけでなく、その周囲の状況まで
測定できる点はアドバンテージだという。今後は、2030年頃の実現を目
標に、ISACのサービス展開に向けた検討を推進するとしている。
編
✳️ 海水循環システム試論 ①
1️⃣ ナノフィルター構築編
ナノフィルターとは、小さな一価イオンを通過させることができ、例え
ば、ヤマシンフィルタ株式会社の「YAMASHIN Nano Filter」は、エレ
クトロニクスや医療、農業など幅広い分野で利用され、吸音性や断熱性、
不燃性などの特性を持っています。また、マスク用のナノフィルターも
開発されており、手作りマスクに使用される高性能フィルターとして注
目されている。
NF膜の原理は、RO膜と同じであり、分離対象はUF膜とRO膜の中間にあ
る分子量の物質が対象となる。主にカルシウムやマグネシウムなどの2価
イオン及び分子量が200程度以上のトリハロメタン>や農薬などの有機物
を除去することができる(図1)。ろ過膜は膜のろ過方式による「全量ろ
過方式」と「クロスフローろ過方式」の2種類に分けられる。
🪄膜については、精密膜。逆浸透膜から超精密ろ過膜(超純水製造シス
テム)までやりつくしてきたと思っているが、さらに次元を上げ概念構
築とシステム構想を整理整頓していく。
図 分離膜のろ過方式
尚、分離膜の特性と分離対象物としては、「MF膜」は懸濁物質や細菌、
超微粒子など、0.1~10μmの物質の通過を阻止し、「UF膜」では蛋白質
や酸素、細菌類やウイルスなど1~100nmの物質の通過を阻止する。ま
た「RO膜」では、無機塩や糖類、アミノ酸やBOD、CODなど低分子や
イオンを含む溶液を分離濃縮でき、実際の分離においては、こうした各
種の膜を目的に応じて効率的に組み合わせて使うことが多い。以外に、
膜を介し濃度差を駆動力として分離を行う透析膜、電位差を駆動力とし
て溶液中の分子の電気化学的特性と分子の大きさの違いにより分離を行
う電気透析法や超音波、紫外・赤外光・電磁波(プラズマ)、磁気、触媒
など加えろ過を構想する時代でもある。
✳️ 特許事例
1️⃣ 特開2025-60936 ルテリオンおよびその分離・培養方法 ルテリオン
カンパニー リミテッド
【要約】下図1(不掲載)のごとく、下記の段階を含む、ルテリオンの
分離方法である。
(a)食品または植物の抽出物を煮沸することで取得した蒸気または気
体を冷却して得た凝縮液を、0.8~1.2μmの空隙サイズを有するフ
ィルターを用いて濾過する段階;
(b)前記濾過された凝縮液を遠心分離する段階;および
(c)運動性を有するルテリオンを収集するために、200~600u
m波長のIR光線を照射して前記遠心分離された上澄み液からルテリオン
を分離する段階。ミトコンドリア類似微細物質であるルテリオン、これ
の分離方法および培養方法を提供する。
図1 ルテリオンを共焦点レーザー走査顕微鏡(Confocal
Laser Scanning Microscope、Zeiss)で撮
影した写真で、その大きさを共に示したもの
2️⃣特許第7642142号 被処理液の処理システム 井ファルマテック株式会
社
【要約】下図1のごとく、被処理液を貯留するタンク10と、フィルター
装置20と、第1流路31と、第2流路32と、第2流路32の途中の分
岐部Pから第1流路31の途中の合流部Qへ被処理液を送液する第3流
路33と、合流部Qとフィルター装置20との間に配置されたポンプ40
と、第1流路部31b、第2流路部32a及び第3流路33で構成され
る循環流路30を流通する被処理液の流量が一定となるようにポンプ40
を制御する制御装置50と、を備え、流量の変動を抑え、被処理液の泡立
ちを抑制することができる被処理液の処理システムを提供する。
図1.被処理液の処理システムの概略構成図である。本実施形態では、被
処理液を濾過することにより被処理液を濃縮する処理システムについて
説明する。処理システム1は、タンク10、フィルター装置20、循環
流路30、ポンプ40、各種制御弁、ポンプ40や制御弁等を制御する
制御装置50を備えている。
【発明の効果】
本発明によれば、流量の変動を抑え、被処理液の泡立ちを抑制すること
ができる被処理液の処理システムが提供される。
3️⃣ 特開2007-217356 海洋深層水濃縮物含有組成物及びその製造方法
ワミレスコスメティックス株式会社
【要約】海洋深層水を、(1) 硫酸イオンを90%以上除去し得るナノフィ
ルター膜(NF膜)で処理する工程、及び(2) 工程(1)で得たNF膜透過
水を濃縮してNF膜透過水濃縮物を得る工程を含む製造方法であり、該
濃縮物はMgイオン10,000~100,000mg/L、Caイオ
ン4,000~40,000mg/L、硫酸イオン0~1,000mg
/Lを含有し、析出物がない組成物である。
細胞賦活化作用、特にサイトカインVEGF、KGF産生促進作用に優
れた組成物(化粧品、皮膚外用剤、経口剤又は食品)および該組成物の
製造方法の提供。
図1 実施例1で用いた、NF膜を備えた濾過装置の概略図
【発明の詳細な説明】【技術分野】
本発明は、海洋深層水を濃縮した組成物に関し、特に海洋深層水をナノ
フィルターで処理したNF膜透過水をさらに濃縮したNF膜透過水濃縮物
を含む組成物に関する。本発明の組成物は細胞賦活化作用、特にサイト
カインVEGF及びKGF産生促進作用に優れ、化粧品、皮膚外用剤、経口剤
又は食品として有用である。
【背景技術】
わが国は海に囲まれた島国であり、海洋由来の資源は重要な開発対象
である。特に近年、概ね200m以深の海水である海洋深層水が注目を集
めている。海洋深層水は光の届かない深海の海水で、表層の海水よりも
水温が低く、はるかに清浄で、1年を通じて水質が殆ど変動しないとい
う特徴を有する。従って海洋深層水は清浄なうえ、安定してミネラル分
を含むが、濃縮すると各種ミネラル分が析出してしまう。そこで、海洋
深層水を含む海水について特殊な濃縮方法が編み出され、また、そのミ
ネラル分の有効性についても研究がなされている。
特許文献1は、海水の濃縮物に木炭粉と酢酸を添加することを含む、結
晶性固体粉末を得る方法、並びに該粉末を使用した肝炎、高血圧、腫瘍、
アレルギー、アトピー、鼻炎等の治療剤及び/又は予防剤について記載す
る。【0004】
特許文献2は、アニオンリッチな膜及びカチオンリッチな膜を組み合わ
せて用い、かつ膜の使用順序を変化させることで処理水中の含有イオン
種が変化することを記載する。【0005】
特許文献3は、海水に凝集剤(塩化第二鉄)を添加し、高圧ポンプ及び
逆浸透膜分離装置で得た濃縮水を、圧力下ナノ濾過膜で数回濾過し、高
ミネラル含有液(NaCl=12%、CaCl2=31%、MgCl2=55%)を得る方法
及び装置について記載する。【0006】
特許文献4は、海洋深層水を電気透析し更にナノ濾過膜で処理して脱塩
して二価の陽イオンに富んだ処理水を得る方法及び該処理水を配合した
清涼飲料水について記載する。【0007】
特許文献5は、海洋水を透析及び分子篩にかけて塩分を完全に除去する
こと、及び該処理水のチロシナーゼ阻害作用及び育毛作用について記載
する。【0008】
特許文献6は、RO膜とNF膜を組み合わせて用い、処理条件を変えたとき
の透過水及び濃縮水中のイオン濃度について記載し、該透過水中のMgイ
オンは大きく減少している。【0009】
特許文献7は、海水原液を、ナノ濾過膜、次いで逆浸透膜に通すことを
特徴とする、海水の淡水化方法について記載する。【0010】
【特許文献1】 特許3247620号 (特開平10-120578号公報)
【特許文献2】 特開2002-85944号公報
【特許文献3】 特開2002-172392号公報
【特許文献4】 特開2002-191331号公報
【特許文献5】 特開2003-12488号公報
【特許文献6】 特開2004-243262号公報
【特許文献7】 特開平9-141260号公報
【特許文献8】 特許3559507号公報
【特許文献9】 特開2004-51596号公報
【特許文献10】 特開2004-224745号公報
イオン交換膜法、天日法、塩田法又は蒸発法により、海水から食塩を晶
出させた後の液である、ニガリを配合した化粧品等に関する記載もある
(特許文献8~10)。
図2、実施例2で得たNF膜透過水濃縮物の、各濃縮倍率におけるNa、K、
Mg、Caの含有量の変化を示すグラフ
図3 実施例12における、本発明の組成物の使用前及び1ヶ月使用後の
頬のキメの状態を示す図
【発明の開示】【0011】
海洋深層水の濃縮方法及びその濃縮の程度によって、濃縮物中の成分比
及び成分量には大きな差がでる。一方、老化肌や荒れ肌の修復には、サ
イトカインの分泌が密接な関わりをもっていることが知られている。
【0012】 本発明者は、特定の方法で濃縮した海洋深層水にサイト
カインの産生及び線維芽細胞の増殖を伴う細胞賦活作用を見出し、その
濃縮の度合を変化させることにより該細胞賦活作用が変化することを見
出し、さらに、その細胞賦活作用は濃縮した海洋深層水中の特定の主要
成分のみを含有する組成物よりも高い作用であることを見出し、本発明
を完成するに至った。【0013】
すなわち、本発明は、以下の工程(1)及び(2):(1) 硫酸イオンを90%以
上、好ましくは92%以上、より好ましくは95%以上除去し得るナノフィ
ルター膜で海洋深層水を処理する工程;及び(2) 工程(1)で得たNF膜透過
水を濃縮してNF膜透過水濃縮物を得る工程;を含む、皮膚細胞を賦活す
るための、好ましくはサイトカイン産生を促進することにより皮膚細胞
を賦活するための、より好ましくはVEGF及び/若しくはKGF産生を促進
することにより皮膚細胞を賦活するための、並びに/又は線維芽細胞の
増殖を促進することにより皮膚細胞を賦活するための組成物の製造方法
を提供する。【0014】
本明細書中において、「海洋深層水」とは、特別の場合を除き、太陽光
の届かない水深200m以深にある海水を指す。海洋深層水は、富栄養性(
表層の海水に比べて窒素、リン、珪酸などの無機栄養塩を豊富に含む)、
ミネラル特性(Ca、Fe、Zn、Na、Mgなどの微量元素やミネラルをバラ
ンス良く含有する)、清浄性(地上の細菌、化学物質による汚染が少ない
)、低温安定性(水温が表層よりかなり低く、通年にわたって温度変化が
少ない)等の特徴を有し、これらの特徴は単なる海水と比べて本発明の
組成物を不純物の混在が少なく安定した成分比で得るのに有益である。
本明細書中では、特に言及のない限り、鹿児島県与論島沖で取水した海
洋深層水を用いる。【0015】
【表1】

図4 実施例13における、各種濃度のNF膜透過水濃縮物の、培養線維芽
細胞に対する細胞賦活試験の結果を示すグラフ

図5 実施例14における、ニガリとNF膜透過水濃縮物の、培養線維芽細
胞に対する細胞賦活試験の結果を示すグラフ
この項つづく
● 今日の言葉:

春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
春だというのに自然は沈黙している。
レイチェル・カーソン 『沈黙の春』