極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

世界同時進行性Ⅲ

2012年08月03日 | 環境工学システム論

 


 



   暗く影々とした冬が終わって、僕はここで、
   春のあいだずっと、晴ればれとした気持ちだった。優しい光が
   僕の胸を満たすようになった。僕は椅子を
   寄せて、海にむかって、何時間もそこに座っていた。
   ブイの音を聴きながら、鐘と、鐘の音との違いを
   聞き分けるこつのようなものを
   学んだ。僕ぱすべてのものごとを、背後に
   押しやってしまいたかった。僕は自分が 

   人間ではなくなることさえをも望んだ。じっさいにそうした。
   僕はそれを認める(それについては、彼女も口添えしてくれるだろう)。
   僕はその朝に、記憶に蓋をかぶせて、
   止め金をぎゅっと締めた。
   それを永遠に封じこめてしまったのだ。
   誰も知らない。ここで、この海で、何か
   僕の身に起こったのか。知っているのは僕と君だけ。
   夜になると、雲が出て、月をその奥に隠す。
   朝方には雲は消えている、そして僕がさっき言った
   優しい光は? それもまた消えている。

                              
                           レイモンド・カーヴァー 村上春樹 訳      

                                   “ Sweet Light ”『優しい光』

 



【米国も太陽光発電の実力を評価】

いまさらながらというわけではないが、米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)が、既存の太陽光発電
技術で、米国全土の電力を供給できるとのレポートを公開(上図クリック)。それによると太陽光発電は
ほかの自然エネルギーを利用した発電手段よりも多くの電力を生み出せる潜在能力があるという。巨大太
陽光発電プラントや屋根用太陽光発電、集光型太陽熱発電といった既存の太陽光発電技術を組み合わせる
ことで、米国だけで20万ギガワットの発電量が可能であるとしている。ちなみに1ギガワットで1つの原
子力発電所の発電量に相当しおよそ70万世帯に電力を供給することができるとのこと。なお、6月ドイツ
太陽エネルギー発電所は、1時間当たり22ギガワットの電力を作り出す世界記録を達成しているから、

年間発電量は、NREL予測の10分の1に当たる実績になるが、日本は1ペタ(千兆)ワットの発電能力があ
るとこのブログで試算しているから、NREL予測数値にはまだまだ上積みできる余地(10ペタワット)はあ
ると思っている。

 【続・夏期特訓 反増税講座】

液晶パネル事業が極端な不振に陥ったシャープは2日、約5千人の人員削減に踏み切ると発表。経営改善
のために人件費など固定費圧縮が不可欠と判断。同社はこれまで「液晶のシャープ」を掲げ、人材や資源
を液晶事業に集中投資して成長してきたが、液晶の市況が悪化するとそれが逆に弱みとなり、人員の余剰
感につながった。奥田隆司社長は「液晶一本足」からの脱却を誓うが、液晶に代わる収益の種は乏しく、
復活の道のりは険しいと見通しが報じられた。多少なりとも下請けや協力企業サイドからの眼からは「因
果報応」(社会科学的回帰式→因果律)ととらえていることは想像に難くない。とはいえ、最終(当期)
損益が1384億円の赤字(前年同期は492億円の赤字)からのV字回復は厳しい。さらに、シャープに留ま
らず家電・半導体メーカなどの経営悪化が続いている中、失業者の輩出増加など社会へのマイナス面の影
響を考えると、早急な景気回復が望まれる。

 

一方、欧州危機に眼を転じると、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は2日の定例理事会後の記者会見で、
ユーロ圏諸国の国債利回り上昇に対応するため、同圏諸国の協力などの条件が整えば「徹底的な公開市場
操作(オペ)を行う可能性がある」と明言したことが報じられている。スペインの国債利回りが危険水域
で高止まりする中、協調して国債を買い取る準備を進めるとみられる。同総裁は、オペ開始には (1)ユー
ロ圏諸国の財政健全化(2)金融安全網である欧州金融安定化基金(EFSF)、欧州安定機構(ESM)も責務を
果たす―ことが条件と明言。数週間で、オペの詳細を詰めるとした。実際の買い取り開始には、スペイン
など対象国がユーロ圏に支援を要請することが必要になるとみられ、国債購入に慎重なドイツの動向に含
みを残しているという。

さて、『夏期特訓 反増税講座』の続き。ローマ時代ごろの情報伝達速度は1日10キロメールだったもの
産業革命を経て今日のデジタル革命のダウンサイジング下にあってはほんの数秒で地球を1周し、物流量
は幾何級数的膨張に寄与し、ハードのソフト化(イレージング/シームレス)や保存・保管技術の進化は
凄まじいデフレーション効果を生み出し、また、大航海時代にあっては緩っくりと科学技術・文化移転さ
れていものが、1年足らずに短縮することも可能となった。このように看て行くにつれ、現行の国や企業
の会計が時代遅れ(瑕疵化)があらわとなっている。例えば、資産と負債を毎期末の時価で評価し、財務
諸表に反映させる会計制度の時価会計は、従来の取得原価主義会計の下では、取得価額(帳簿価額)と時
価の乖離が大きくなっている。このため、国・企業の経営を帳簿価額のみに基づいて判断できず、日本で
は、金融商品について、2000年4月(但し一部の金融商品の時価会計の導入は2001年4月以後開始する事業
年度から)以後開始する事業年度から原則適用され、時価会計の導入に伴い、金融商品の時価に基いた現
状把握ないしは事業全体の価値や株主価値などの最適化する時価経営に切り替えられてきている。

この時価会計とあわせ、実物経済に対する組織的働きかけ(=事業)の効果を測定するあるいは評価する
方法が問題となるのだが、つまりは、すべての事業は経済的効率と財務的効率という二つの効率の値を持
つが、例えばある営利事業が社会にとって必要とされる物やサービスの生産・販売等を行うことにより利
益を上げているとすれば、経済的効率、財務的効率がともにその評価を数値化・評語化する必要がある。
また、公共事業は、経済的効率は高くとも、収入が無いから財務的効率は「0」である。一方、営利事業
には、財務的効率は高くとも経済的効率は0であるもの、すなわち、多額の収益を得ているが社会に対し
何ら貢献しないものもある。

非営利、特に国や公共団体の事業の経済的効率を評価する費用便益分析(B/C)は、先ず公共事業に適
用し、事業の採否、継続の可否等の合理的判定の基礎資料に供してきたが、公共(公的)事業に止まらず、
すべての事業について社会への貢献度の根拠情報として利用している。また、環境を守るために支払って
も構わない金額(支払意思金額)を尋ねることによって、環境の持っている価値を金額として評価する
想評価法 (CVM; Contingent Valuation Method) は、まず環境が保全対策によって改善されたり、ある
いは逆に開発によって悪化するなどのシナリオを回答者に提示し、環境改善を行うためならば支払っても
構わない金額、あるいは環境悪化を防止するならば支払っても構わない金額をアンケートし、環境の価値
ど、地球環境問題に関する幅広い領域についても評価されている。このブログで過去にも掲載(『未来国
債の創造』『立金花と風見鶏』『全国電気配線埋設化計画』)した
『全国電気配線埋設化計画』などは生活
基盤の再定義、再設計とその事業評価に深く関係し(一括的生活品位向上運動)、よりソフト化した公共事業で、こ
れなどは仮想評価法の対象事業となりうる。事細かなことを例示することにいささかもためらいはないが、ここでは
割愛し、それどれの事業の質の、内容の、あるいはコンテンツの高度化、差別化、新規化への対応が急がれてい
ることの指摘にとどめる。



大切なことは事業の形式が同一であっても内容が異なること、その意味では「コンクリートから人へ」という政策スロ
ーガンは正鵠を得ているだろうし、内容が同じでも事業実現手段・構成仕様が異なる場合もあり(人海 vs 機械、
アナログ vs デジタル、ハード vs ソフトなど)、当然、事業費用も変化するからこそ、時価会計化急が
れるわけだが、負債返済の強迫神経症に陥ると、そうでなくても、事業の瑕疵や運営経費、リスク、陳腐
化あるいは劣化)の実体認識できず、あるいは、負債返済制限(ノンリコースダーツ:non-recourse debt
=非遡及型負債)を‘禁じ手’と誤認する過ちを犯す。それでもそれ回避する手法・管理技術(今風にい
うと「見える化」)が明確でないことを認めなければならないが、だからこれを解決できれば、それこそ
ノーベル経済学賞を超えるもので日本から初の受賞となることは間違いないだろう。社会保障と税の一体
改革を本物にするためには「消費税 or 所得税」依存性の議論を含め冷静な取組み直しが必要だと考える。

※ノンリコースダーツ(負債返済制限)という言葉は今回初めて使用した。

 

 

自分では極度のあがり症ではないが、中程度のあがり症でこの年になっても直っていないのだが、毎日試
合や稽古で明け暮れているプロでもプレッシャーに押しつぶされてしまうのだと、百キロ級男子柔道を観
戦し終え暗澹たる思いに塞ぎこんでしまった。彼らが背負っているものは並外れたものには違いないけれ
ど、スポーツ心理学を組織的に極め担保あるいは補償するシステムの向上がなければ、いろいろ批判はあ
るだろうが世界の天辺には居座れないだろうなと思う。思うが競技の世界化は、相撲をみても横綱はずっ
と日本育ちのモンゴル人の白鳳だからこれは避けられないと、彼女じゃないが了解できるものの無性に腹
立たしいのも事実だ。

スポーツマンのためのメンタル・タフネス

ところで、メンタルトレーニングの大まかな考え方は、思考をポジティブにし、自分の能力やおかれた状
況を客観的に把握し、パフォーマ ンスの改善に役立たせようとするもの。 思考をポジティブにするため
には、自己を肯定する作業を行い、その時点では達成の可能性が低いことでも、自分がこうありたいと望
む方向や、達成したいと望む目標を自分の中で繰り返すことで「もしかしたら、俺にも出来るかも!」と
思えるようにセルフコントロールすることとある。さて、明日は、是が非でも百メートルを力泳できる持
久力を復活させるぞ(きょうはできなかったが)! 
 

コメント
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